フクハラ長崎屋店、2023年9月30日閉店-帯広駅南口ビルの食品核、他専門店も多くが撤退に

北海道帯広市の複合商業施設「帯広駅南ビル(旧長崎屋帯広店)」2階にある食品スーパー「フクハラ長崎屋店」が2023年9月30日をもって閉店する。

当初は長崎屋直営の食品売場だった

長崎屋帯広店は1990年11月に開店。同店は開店以来長らく、食品売場を直営として展開しており、2000年2月の会社更生法申請時においても、精肉販売大手「オーエムツーネットワーク」地域子会社で西武百貨店北海道各店の精肉部門を担っていた「エムオー北海道」の対面販売店を導入するなど、食品強化の試みを打ち出していた。

食品売場、ドンキ化ならず2011年には一時閉鎖

長崎屋は2007年10月のドンキによる子会社化を機に、2009年4月に市内の「長崎屋西帯広店」を「MEGAドン・キホーテ西帯広店」に業態転換するなど、親会社となったドンキのノウハウを活かす店舗改革を進めた。一方、長崎屋帯広店は競争激化による業績不振を理由に、2011年9月をもって食品売場を閉鎖した。これにより、同店の将来性を危惧する声も聞かれるようになった。

長崎屋帯広店。

福原が引継ぐも施設所有者都合で撤退に

長崎屋帯広店の食品売場は、2011年11月に北海道地場流通大手「アークスグループ」で十勝・釧路・根室の地域子会社としての役割を担う「福原」が「フクハラ長崎屋店」として引継ぎ再開することとなるが、2023年7月31日に長崎屋帯広店が直営売場を閉鎖し全面撤退するなど集客力の低下が避けられない状態となった。
同年8月からは地場不動産「登寿ホールディングス」が土地建物を取得し、フクハラを含む専門店の大多数が営業継続したもの、登寿HDは2024年3月を目処に施設を閉館及び解体する方針を示していたため、フクハラは施設閉館を待たず、2023年9月30日をもって撤退することを決めた。

帯広駅南ビルとなった長崎屋帯広店。

跡地活用は未だ具体化ならず

登寿HDは帯広駅南ビル(旧長崎屋帯広店)に関して、2023年9月現在も解体後の跡地活用に関して具体的な方針を示しておらず、藤丸と並び帯広市中心部の顔だった商業施設の今後の姿は不透明となっている。

フクハラ長崎屋店。

なお、帯広駅南ビルでは2023年10月以降も100円ショップ「ダイソー」や「喜久屋書店」など有力専門店が営業を継続するもの、これらの専門店は現時点では移転先を発表していない。移転発表済みの専門店は「富士メガネ」「HAIR STUDIO IWASAKI」など一部にとどまっており、残る専門店の今後にも注目が集まりそうだ。

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