香川県丸亀市の丸亀城近くにあるマックスバリュ西日本運営の総合スーパー「マルナカ丸亀店」が、2022年9月30日に閉店する。

マルナカ丸亀店。
開店44年の老舗総合スーパー-法令違反で一時閉店も
マルナカ丸亀店は1978年4月にマルナカフードセンター丸亀店として開店。出店申請面積は1,480㎡であったものの、店舗面積としていない飲食店スペース部分に商品を陳列・売場を設けていたことが発覚して大店法違反により同年8月に営業休止、1978年9月に再度開店。建物は2階建てで、現在の店舗面積は2,562㎡。テナントとしてダイソー、UQモバイルなどが出店する。
マルナカは2011年にイオングループ入り。2021年3月からはマックスバリュ西日本の運営となっていた。
多度津にも「マルナカ」新店建設中
マルナカは市内の海沿いに旗艦店「パワーシティ丸亀」があるほか、隣町の多度津町にも新店舗が建設中となっている。
店舗跡地の活用方法などについては、9月時点で発表されていない。
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イオンウエルシア九州、2022年9月1日設立-ウエルシア九州本格出店、事実上「ワイドマートドラッグ&フード」後継
イオングループの地域子会社「イオン九州」(本社:福岡市)とイオングループ系の大手ドラッグストア「ウエルシアHD」(本社:東京都千代田区)は、合弁会社「イオンウエルシア九州」(本社:福岡市)を2022年9月1日に設立した。
2021年から連携深めていた両社、合弁会社設立
イオン九州は2011年7月以来、食品ディスカウントドラッグ業態として「ワイドマートドラッグ&フード(ワイドマートD&F)」の出店を進め、同業態を九州各地に10店舗ほど展開していたが、2020年3月に永犬丸店(北九州市)、同年8月に新町店(大分市)、2021年1月に森町店(大分市)、同年5月に那珂川店(福岡県那珂川市)、同年8月に宗方店(大分市)、同年9月に和白東店(福岡市)を閉店するなど店舗網を急速に縮小。2022年1月の麻生田店(熊本市)閉店をもって同業態から撤退していた。

WIDE MART Drug&Food.
ウエルシアHDは、2021年9月にウエルシア薬局九州1号店となる大分中央店(大分市)をトキハ本店前に開店。
イオン九州のD&F業態撤退に先駆け、2021年12月にウエルシア薬局福岡1号店となる福岡和白東店(福岡市)、2022年4月にウエルシア薬局熊本1号店となる熊本麻生田店(熊本市)、同年5月には大分上宗方店(大分市)を開店するなど、ワイドマートD&F跡地を通して九州での店舗展開を本格化していた。
また、同社は熊本麻生田店からイオン九州と連携を図り、ウエルシア薬局直営ドラッグストアにイオン九州生鮮食品(青果・鮮魚・精肉・惣菜)・ベーカリー・フローズンを導入するなど、食品部門の強化を打ち出していた。

ウエルシア熊本麻生田店。
ワイドマートF&D跡への出店でイオン九州との協業1号店。
イオンウエルシア九州の出資比率はイオン九州が51%でウエルシアHDが49%。
合弁会社に出資する両社は「生鮮・惣菜を含めたスーパーマーケット運営に関するイオン九州の知見と、調剤薬局の運営を含めたドラッグストア運営に関するウエルシアの知見を相互に共有し、両社の事業を発展的に融合し、双方にとって利益となる新業態の開発と運営を行うこと」を設立の理由として挙げており、今後は不振が続いたワイドマートD&Fに代わり、ウエルシア熊本麻生田店と同様の店舗が九州各地に広がっていくこととなる。
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八重洲ブックセンター本店、2023年3月閉店-再開発で、将来的な再出店も検討
東京都中央区の東京駅八重洲口前にある鹿島グループの大型書店「八重洲ブックセンター本店」が、2023年3月に閉店する。

八重洲ブックセンター本店。
鹿島建設の老舗書店、開業当初「日本最大」だった
八重洲ブックセンター本店は鹿島建設傘下の書店として1978年9月に開業。店舗面積は4,276㎡で、当時は日本最大の書店であった。
その後、首都圏の百貨店などに中小店舗の展開も開始。2022年現在は鹿島建設とトーハンが株式を所有しており、店舗網は最盛期より縮小したものの首都圏に計9店舗を展開する。
仮店舗の開設と再開発後の再出店を検討
八重洲ブックセンター本店の閉店は八重洲口エリア(八重洲二丁目中地区)再開発のため。新たな建物は2028年に完成する。
八重洲ブックセンターの本社は千代田区神田須田町に移転、本店は再開発ビル(高さ223メートル・43階を予定)への再出店を検討しているとしているほか、仮店舗を開設したいとしているが、新店舗や仮店舗の具体的な内容などについては現時点は発表されていない。
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西友亀岡店、2022年10月31日閉店ー47年の歴史に幕、建物は売却へ
京都府亀岡市のJR嵯峨野線(山陰本線)亀岡駅近くにある総合スーパー「西友亀岡店」が2022年10月31日18時に閉店する。
西友亀岡店。
西友亀岡店、47年の歴史に幕
西友亀岡店は地下1階・地上4階建てで店舗面積は9,918㎡。地下1階にはフードコートと100円ショップ「ダイソー」が入居。1階は食料品売場、2・3階は衣料品売場、4階は住居用品・家電売場となっている。
西友亀岡店地下1階のフードコート。
西友亀岡店は「西友ストアー関西」(のちの関西西友、1988年に西友と合併)が「西友ストアー亀岡店」として1974年11月に開店。開店時は亀岡市内で最大の商業施設だった。1981年には売場面積を増床した。
1994年4月には平和堂の「アルプラザ亀岡」(店舗面積14,359㎡)が亀岡市の郊外に、1994年6月には「マイカル亀岡サティ」(店舗面積12,564㎡、現・イオン亀岡店)が亀岡駅前に相次いで開店し競争が激化。建物が古く、2店に比べ店舗面積が劣る西友亀岡店は1994年度の売上高が前年比19.9%減少するなどしていた。
西友閉店後は土地と建物を売却予定
西友亀岡店は競争激化による売上高減少のほか、開店から約47年が経過し老朽化が進んでいた。
京都新聞の報道によると、西友閉店後土地と建物は売却予定という。11月以降の専門店の営業については「決定次第、各店舗店頭等にて随時お知らせいたします」としている。
西友亀岡店の閉店のお知らせ。
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イズミゆめタウンシティモール、2022年9月15日開業-無印良品やダイソー新業態など出店、旧ニコニコドーあらおシティモール
熊本県荒尾市緑ケ丘にイズミの複合商業施設「ゆめタウンシティモール」が2022年9月15日に開業する。

ゆめタウンシティモールのロゴ。
三井三池炭鉱住宅跡地に誕生したニコニコ堂
ゆめタウンシティモールの前身となる「あらおシティモール」は1997年4月に開業。建物は地上2階建で敷地面積は約89,000㎡、売場面積は27,459㎡、営業面積は31,720㎡、延床面積は42,000㎡。

あらおシティモール。
あらおシティモールは、三井三池炭鉱住宅跡地再開発の一環として、荒尾市や熊本地場流通企業など出資による第3セクター「荒尾シティプラン」「荒尾商業開発」により開発が進められたもので、九州初となる特定商業集積整備法認定を受けた施設であった。
開業当初は九州地場大手総合スーパー「ニコニコ堂(現ゆめタウン)」を核に、九州産交傘下のホームセンター「サンコー(現DCM)」、熊本地場老舗百貨店「鶴屋百貨店」、屋内型複合アミューズメント施設「アラオボウル」など出店していたこともあり、隣接する大型複合レジャー施設「三井グリーンランド(現グリーンランドリゾート)」とともに、福岡県内からも広く客を集めた。
あらおシティモールは順風満帆な幕開けを迎えた施設であったが、2001年10月には隣接する福岡県大牟田市にイズミのショッピングセンター「ゆめタウン大牟田」が開業。
2002年4月には施設開発・運営会社の主要株主でもあるニコニコ堂が民事再生法を申請し、イズミ傘下(長府都市開発を経てゆめタウン熊本、後にイズミ直営化)となるなど経営環境が激変した。

開業当初はシティモールの競合店だったゆめタウン大牟田。
準核店舗の百貨店(井筒屋)は2021年1月に閉店。
同年8月には施設の核を担う総合スーパー「ニコニコドーあらおシティモール店」が運営会社の変更にともない「ゆめタウンあらお」に改称したが、ニコニコ堂系他商業施設「サンピアンシティモール(後のゆめタウンサンピアン)」「クリスタルモール(後のゆめタウンはません)」などとは異なり、あらおシティモールの開発主体は第3セクターであったため、施設自体の名称は変わらず、商業施設に総合スーパーとしてのゆめタウンが出店する異色の営業形態となった。
準核・鶴屋百貨店も閉店、図書館導入で再生はかる
あらおシティモールでは2003年に施設を拠点とするNPO法人「まちづくりあらモ」設立に協力。2006年は近隣施設(パスカワールドなど)と競合する屋内型複合アミューズメント施設(アラオボウル)を廃止し、専門店街(ベスト電器など)に転換するなど、地域密着路線と積極的なリニューアルで生き残りをめざしていた。
その一方、2010年代初頭には競合商業施設のさらなる開業もあり、専門店街の空きテナントが増加。ベスト電器撤退後(後に一時再出店)に屋内型アミューズメント施設3店舗(モーリーファンタジー・ピノキオランド・キッズUSランド)が分散出店、2021年8月には鶴屋百貨店荒尾店が撤退するなど、施設の不振が顕著となった。

鶴屋百貨店荒尾店。(2021年8月閉店/1,500㎡)
こうした背景もあり、2022年4月に荒尾シティプランが荒尾商業開発を吸収合併し、施設運営業務の一部をイズミに移行。
あわせて、ベスト電器撤退跡に「荒尾市立図書館」(紀伊國屋書店・Seattle’s Best Coffee併設)を新たに導入し、専門店街に関しても一部区画(フードコートなど)の閉鎖をともなう大規模リニューアルを開始するなど再生をめざしていた。

荒尾市立図書館。
施設全館「ゆめタウンシティモール」として刷新
ゆめタウンシティモールの建物は地上2階建で敷地面積は約84,715㎡、店舗面積は約27,810㎡。前身施設の営業形態(ゆめタウン直営フロア・専門店街+あらおシティモール専門店街)をイズミ運営による他施設に近い営業形態に再編し新装開業する。

ゆめタウンシティモール1階Medical ONE+DRUG STORE。
同施設はキーワードに「もっと新しく、もっと楽しく、もっと快適に」を掲げ、直営フロアに「ヘルス&ビューティコーナー」や「ゆめデリバリー」、専門店フロアに26店舗を新たに導入。

ゆめタウンシティモール1階Beauty&Cosme。
1階には大創産業による300円ショップ新業態「Standard Products by DAISO(スタンダードプロダクツ)」や靴のテヅカによる南仏風生活雑貨店「shop A l’aise(アレーズ)」といった熊本県内初となる専門店に加え、総合ライフスタイルショップ「無印良品」や東京デリカによる雑貨・鞄専門店「Doux SAC’S(ドゥサックス)」、靴量販店「ABC-MART」、眼鏡店「OWNDAYS(オンデーズ)」、たい焼専門店「わらべのたい焼」を導入する。
あわせて、1階生鮮・食物販フロア「シティモール市場」を刷新。1階フードコートは増床移転による席数増加(140席→310席)に加え、みやま市の饂飩店「ふじ家うどん」、クレープ店「CLOVER’S」を導入する。
そのほか、1階直営フロア内にあったファストフード店「マクドナルド」はマックカフェバリスタ併設業態として別棟に移転リニューアル、旧鶴屋百貨店区画内で暫定営業中だったファミリーファッション「コムサイズム」も移転リニューアルを実施する。

1階フードコートのリニューアルイメージ。
2階にもカジュアル衣料品店「Mac-House」や婦人服店「SHOO・LA・RUE」、駄菓子・雑貨店「だがし家ちゃりんこ」、和雑貨・着物店「わものや」、陶磁器店「花ゆうき」、ガチャガチャ&アミューズショップ「ネクサス」など新たに導入し、荒尾市立図書館外側にテラス席を新設する。婦人服店「Honeys」も増床リニューアルを実施する。

荒尾市立図書館外側テラス席とDCMダイキの看板。
唯一無二の「ゆめタウンシティモール」に
イズミは「ゆめタウン」「ゆめシティ」「ゆめモール」といった複数のブランドを展開しているが、「ゆめタウンシティモール」は「ゆめタウン」「ゆめシティ」「ゆめモール」の複合店舗にはならない。

ゆめシティ(下関市)。

ゆめモール(筑後市)。
施設名称に地名を付与しないゆめタウンは学園店(東広島市)や夢彩都(長崎市)、サンピアン(熊本市)など一部施設に留まっており、開業以来親しまれた「シティモール(シティモ/あらモ)」のブランドは維持となる。
近隣のゆめタウン大牟田では2021年9月に無印良品導入(井筒屋大牟田ショップ跡)を目玉とするリニューアル開業を実施しているが、ゆめタウンシティモールでも統一感のあるフロア展開やグレードの高い専門店により、従来以上の顧客獲得を図っていくものとみられる。
ゆめタウンシティモール
住所:熊本県荒尾市緑ヶ丘1丁目1-1
営業時間(直営食品) :午前9時~午後9時
営業時間(直営非食品):午前9時~午後8時
営業時間(専門店街) :午前10時~午後8時
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ライフ豊洲店、2022年9月10日開店-3階建ての総合スーパー業態
東京都江東区の晴海通り沿いに、総合スーパー「ライフ豊洲店」が2022年9月10日に開店する。

ライフ豊洲店。
スーパー激戦区「豊洲」にライフ
ライフが出店するのは、明治屋食品→三菱食品のオフィス跡。近隣にダイエー、スーパーサカガミ、あおきなどがある激戦区となる。
売場は1階から3階で、店舗面積は2,172㎡、目標売上は31億円としている。地下には72台収容の駐車場を備える。
「子育て世帯」のための商品を充実
江東区は子どもがいる世帯数の割合が東京都内で1番多いことを受け、食品では精肉等のジャンボパックや冷凍食品、簡単・便利に調理ができるミールキットなどを豊富に品揃えする。また、健康へのニーズに対応するため、自然派プライベートブランド「BIO-RALコーナー」を展開、そのほかにも老舗や専門店など品質にこだわった商品などを取り揃えるとしている。とくに鮮魚では近隣の豊洲市場から新鮮な鮮魚を直送・対面販売する。
生活関連用品売場でも、子育て世代のためにベビー用品・ベビーフードを充実させるほか、雑貨売場ではファンシー雑貨「ブリーズガーデン」を展開する。
ライフ豊洲店
住所:東京都江東区豊洲4-11-6
営業時間:9:30~24:00

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ドン・キホーテ荒尾店、2022年9月9日開店-福岡・熊本の県境に
熊本県荒尾市のイオンタウン荒尾近くに「ドン・キホーテ荒尾店」が2022年9月9日に開店する。

ドン・キホーテ荒尾店。
ドンキ、荒尾市初出店
ドン・キホーテは熊本県6店舗目で、大牟田・荒尾市エリアには初出店。パチンコ店の駐車場跡への新築出店となる。なお、店舗の北側は大牟田市であり、パチンコ店は大牟田市に立地。国道からも近く、大牟田・荒尾両市からのアクセスが良好だ。
内装には炭鉱のモチーフを採用。取り扱い商品は、食品(精肉・総菜を含む)・日用消耗品・家庭雑貨品・化粧品などで、生鮮は肉に特化し、熊本県のドンキで初めて肉の専門店をコンセプトに掲げた商品を展開する。
また、トレンドの商品としてSNSで話題の韓国食品を中心とした世界各国の食品を集めた「ワールドイーツコーナー」を展開するほか、アジアンコスメやゲーミングデバイス関連商品の取り扱いも行うとしている。
ドン・キホーテ荒尾店
住所:熊本県荒尾市原万田846番4号
営業時間:9時~翌2時

西友御器所店、2022年11月30日閉店-アートな建物、40年の歴史に幕
愛知県名古屋市緑区の名古屋市営地下鉄桜通線・鶴舞線御器所駅近くの総合スーパー「西友御器所店」が2022年11月30日に閉店する。
西友御器所店。
西友御器所店、40年の歴史に幕
西友御器所店は地上4階・地下1階建て。店舗面積は3,509㎡。1階では食料品、2階では住居用品、3階では衣料品を主に取り扱っている。
西友御器所店は「西友ストアー御器所店」として1983年8月25日に開店。西友ストアー(現・西友)では高針店(名古屋市名東区)に続く名古屋市内2番目の店舗で、店内に「春日井西武」(愛知県春日井市)の外商事務所を開設するなど西武セゾングループが力を入れた店舗であった。1990年には店舗の改装と増床を実施している。店舗出入口付近に⌒ⅴ⌒型のファサードを設置するなど、独特の形をした建物でも知られていた。
老朽化も一因か、跡地については未定
西友御器所店は開店から約40年が経過。建物が老朽化していたことも一因とみられる。閉店後の店舗跡地の活用方法などについては2022年9月時点で発表されていない。
店内に掲示された閉店のお知らせ。
西友は老朽化した老舗店舗を相次いで閉鎖
西友では近年閉店が相次いでおり、ここ1年間でも「西友深沢店」(東京都世田谷区・建替え予定)、「西友烏山店」(東京都世田谷区)、「西友石神井公園店」(東京都練馬区)、「西友南浦和店」(さいたま市南区)などがすでに閉店、もしくは2022年10月までの閉店を予定している。
これらはいずれも開店から約40年以上経過した店舗であり、店舗の老朽化や商圏の変化が原因とみられる。西友は他にも首都圏を中心に老朽化した店舗を数多く抱えており、災害対応の面などからも店舗整理が続くことになるであろう。
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丸由百貨店、2022年9月3日開業-旧鳥取大丸跡に「山陰初の百貨店」復活、初日は記念式典も
鳥取県鳥取市のJR鳥取駅前にあった「鳥取大丸」の跡に、同店を前身とする地場百貨店「丸由百貨店(OYOU)」が2022年9月3日午前9時50分に開業した。

丸由百貨店。(開業当日)
長らく「大丸」として営業していた山陰初の百貨店
丸由百貨店は、1937年2月に地場老舗呉服店「由谷呉服店」と地場大手バス会社「日ノ丸自動車」創業家により「丸由百貨店(まるゆ百貨店)」として設立・創業。
同社は山陰初の百貨店(地上4階建)として創業し、鳥取駅前における商業集積形成の先駆けとなったが、1949年12月に大手百貨店「大丸(現大丸松坂屋百貨店)」と資本業務提携を締結し「鳥取大丸」に改称、丸由の商号は姿を消していた。
1975年に現店舗(地上5階地下2階建、店舗面積11,973㎡、黒川紀章設計)を開業し、同社と同様に日の丸グループが出資する「米子大丸(旧米子ストア/現米子しんまち天満屋)」と共同販促を展開するなど、山陰の大丸旗艦店として、鳥取駅前の商業核としての確固たる地位を築いた。

鳥取大丸。(2022年8月31日/営業最終日)
その一方、1990年代後半から郊外型商業施設との競合により業績が低迷。2018年7月には創業以来関わりの深い「日ノ丸グループ」と「山陰合同銀行」系列のファンドが出資する新会社に運営を移行し経営陣・経営体制を刷新。大丸松坂屋とのライセンス契約・業務委託契約を維持しつつ、市民参加型複合商業フロア「TOTTORI PLAY’S」や鳥取大丸改称当初からの塩干物専門店を母体にもつ鳥取グルメセレクトショップ「鳥のもの百貨」、プローバグループのベーカリーカフェ「Bon*bon」といった地元山陰・鳥取ブランドを導入することで地域密着路線を強化。あわせて、「北野エース」「L’OCCITANE」といった全国区のブランドを導入することで鳥取市内唯一の百貨店として質の維持を図った。

閉店直前まで行われた歴史展。
その後、同社は2022年5月に大丸松坂屋とのライセンス契約満了と商号変更を発表し、8月31日をもって一時閉店。9月1日に法人名を創業当初の商号を由来とする「丸由(まるゆう/OYOU)」に変更し、9月3日から丸由百貨店として新装開業することとなった。

丸由百貨店。(2022年9月1日/商号変更日/外装工事中)
開業当日は式典や地域参加型イベントも
丸由百貨店では新装開業を記念して「丸由オープニングフェスタ」と題したイベントを9月3日に開催。午前7時からバードハットが歩行者天国となった。
午前9時30分にはフェスタの皮切りとなる記念式典「オープニングセレモニー」を開始。式典には岡周一丸由代表取締役社長に加え、鳥取1区を地盤とする石破茂衆議院議員や深澤義彦鳥取市長といった地域の代表者が姿をみせた。

新たに設置された大店法看板。
岡周一社長は式典の冒頭で鳥取銀行を始めとする金融機関や日ノ丸産業を始めとする日ノ丸グループ、行政への御礼の挨拶をしたうえで、コロナ禍による改装計画見直しや社会情勢の変化、大丸松坂屋とのライセンス契約終了、新生丸由百貨店の立ち上げに関して言及。
CMでも使われているキャッチコピー「鳥取らしく、 私らしく、 OYOUらしく. 焦らず、まっすぐ、変わります。」とともに「弊社は「鳥取を笑顔の溢れる街にする」というミッションを掲げ、「人々の集う場となる」というビジョンを描き、「かつての賑わいの中心であった鳥取の百貨店への原点回帰」を目指し地域の皆様に愛される百貨店となるよう社員一丸となってよりよいものにしていく」と決意を明らかにした。
岡周一丸由代表取締役社長。
石破茂衆議院議員は「大丸っちゅうのはイントネーションが(東京と鳥取で異なり)難しい。」「(鳥取に)大丸があるというのは子供の頃から嬉しかった。大丸に行くのはハレの日だった。」と幼少期からの思い出を述べ、地方創生のキーワードや鳥取県の潜在的な魅力、地方百貨店の生き残りに向けた取組みを具体的な事例や統計を交えて紹介。「鳥取が新しい日本のリーダーとなっていく、その牽引を丸由百貨店さんにお願いして、私どもも一緒にやっていきたい。」と柔らかな口調でアピール。

石破茂衆議院議員。
深澤義彦鳥取市長は「旧鳥取大丸様は鳥取唯一の百貨店として地域経済、まちづくりに大変大きな役割を果たした。」として、百貨店の通常の姿と異なる存在感をみせているというトットリプレイスや新生丸由百貨店への期待をアピール。代表者による挨拶が終わり、テープカットとなった。

テープカット。
丸由百貨店は開業前から長い待機列もあり、営業開始時刻を本来の午前10時から午前9時50分に前倒し。5階麒麟獅子フォトスポット前にて配布されたオープニングプレゼント(OYOUロゴ入りお菓子/先着250名)は午前10時までに姿を消した。

OYOUロゴが描かれた菓子は10分足らずで配布終了となった。
バードハットでは午前10時に麒麟獅子舞の披露、午前11時には鳥取県警察音楽隊によるミュージックパトロールの披露、午後2時には地元鳥取で“生粋のポップバンド”を称するLong Tall Sally(ロングトールサリー)によるライブイベント、午後5時30分には鳥取駅周辺の企業や店舗が参加する「第1回 鳥取駅周辺企業対抗 のど自慢大会」が行われた。
あわせて、地元飲食店や高校調理科調理クラブ参加による休日恒例イベント「山陰三ツ星マーケット」も開催。丸由のみならず地元住民や近隣店舗、政財界が一体となることで、「新しい鳥取の百貨店」を称するに相応しい賑わいを生み出した。
鳥取大丸「地元化」集大成、新しいブランドも
丸由百貨店地下1階「おいしさまじめの食品」(旧ほっぺタウン)フロアには、地元生鮮店(いまがわ・大山望)の複合店舗「ミート&ベジImagawa」や隣接するホテルニューオータニ鳥取(日ノ丸観光)の中華惣菜店「菜園」、鳥取大丸時代からの名物大判焼・今川焼・回転焼店「ほっぺ焼」、量り売りラウンド菓子店「スイートプラザ」といったブランドが継続出店。
鳥取大丸名物「ほっぺ焼」は店舗を全面刷新した。
1階「化粧品・婦人服/婦人洋品雑貨」フロアには、「COACH」「CHANEL」「L’OCCITANE」「ESTEELAUDER」といったブランドに加え、駅前入口にルームウェア専門店「Pre minette」が新規出店。 Pre minetteでは「gelato pique」「SNIDEL HOME」といった人気ブランドのWOMEN・MEN・KIDSラインを展開する。

鳥取大丸時代から順次刷新進めた1階フロア。
2階「婦人服・こども服」フロアには「ONWARD CLOSSET Select(23区/組曲/自由区)」や「詩仙堂」「Selection Sensounico」「MK MICHEL KLEIN」「BeBe」といったブランドに加え、オンワードの紳士服ブランド「J.PRESS」が9月30日までポップアップ出店する。
3階「紳士服・紳士雑貨/リビング・寝具/商品券・友の会」フロアには同社総合メンズセレクトショップ「151LIFE」や「Hush Puppies」「LANVIN SPORT」、4階「宝飾・美術/無印良品」フロアには総合ライフスタイルショップ「無印良品」や宝石・時計サロン・アートギャラリー・VIPサロン、5階・屋上階「TOTTORI PLAY’S」にはコンディショニングスタジオ「カラダまなびラボ」や飲食店「BOWL TABLE」「KAEN」など継続出店する。

TOTTORI PLAY’Sの「全国有名駅弁フェア」。
地下食品フロア名称募集やカード会員向け企画も
丸由百貨店では開業日以降も鳥取大丸時代の地下食品フロア「ほっぺタウン」に代わる新たな名称の募集など、買物客参加型の企画を開催。あわせて、鳥取大丸デイリーカードに代わる「OYOUカード」会員向けの新規入会キャンペーンや優待、山陰合同銀行(ごうぎん)発行クレジットカード会員向けの優待(1回5,000円以上決済で1,000円相当のポイント還元/先着500名/エントリー必須)といった企画もあり、賑わいムードはまだまだ続きそうだ。
丸由百貨店本店
住所:鳥取県鳥取市今町2丁目151
営業時間:午前10時~午後7時
丸由百貨店エアポートショップ
住所:鳥取県鳥取市湖山町西4丁目110-5 鳥取空港
営業時間(午前):午前10時~午前12時
営業時間(午後):午後2時~午後6時30分
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サンドラッグ、ドラッグストアmacの大屋を完全子会社化-2022年9月1日発表、四国事業強化めざす
大手ドラッグストア「サンドラッグ」は、四国地場大手流通グループ「大屋」(本社:愛媛県西条市)を完全子会社化する方針を2022年9月1日に発表した。

大屋グループのドラッグストアmac。(高知県安芸市)
サンドラッグは大屋創業家(伊藤慎太郎)や同社関連会社(一番)から同社株を2022年10月3日に譲受する。
ドラッグストアを中核とする四国地場流通大手
大屋は1937年に「伊藤洋服店」として創業、1951年3月に現法人「ダイヤ」を設立。1973年10月にはグループの旗艦店となる百貨店「大屋デパート」を西条市に開業した。
同社は1984年のディスカウントストア「DMAC」(後に生鮮ディスカウント食品スーパーに移行)出店開始を機に、複合書店「TSUTAYA」や居酒屋「養老乃瀧」FC加盟といった事業多角化を開始。1999年にはDMACをドラッグストア「mac」に転換し、同事業を主力とする経営体制に移行した。
同社は2008年にサンドラッグと業務提携(商品供給など)を締結しつつ、2010年には食品ボランタリーチェーンのCGCに加盟。2015年に生鮮食品導入新業態「mac FOOD&DRUG」を出店開始し、同社運営のお宝市場満Q(総合リサイクルショップ)やTSUTAYAとの複合店舗を形成するなど、「大屋グループ」として生鮮食品・ディスカウント・ドラッグ調剤といった強みを活かした事業展開を打ち出している。
サンドラッグ、四国での事業展開強化
サンドラッグは、大屋の完全子会社化について「厳しさを増す昨今の事業環境下において、当社と連携し相互に競争力を強化する目的」を挙げている。サンドラッグは従来、四国において直営ドラッグストアを展開しておらず、ディスカウントストア「ダイレックス」(徳島14店舗・香川13店舗・愛媛13店舗・高知5店舗)を通した事業展開にとどまっていた。

四国でも数多いダイレックスの看板。(写真は福岡県北九州市)
サンドラッグは、大屋グループと同社運営のドラッグストアmac(50店舗超)を傘下に取込むことで「四国地方におけるサンドラッググループとしての強固な経営基盤構築」を進めるとしている。
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