タイ王国の首都・バンコクの商業施設「MBK Center」内に、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)のディスカウントストア「DON DON DONKI MBK Center」が2021年12月21日午前11時(タイ時間)に開店する。
DON DON DONKI MBK Center
バンコクの老舗商業施設にドンキ出店
MBKセンター(MBK Center)は1985年8月に開業、開業当時はアジア最大のショッピングセンターで、ドゥシュタニ・グループ(Dusit Thani Group)が管理・運営を担う。
バンコクの人気商業施設として知られており、地上7階建ての建物にタイのスーパー「Tops market」、ドゥシュタニ・グループが運営するホテルなど約2500の店舗が出店、そのほとんどが小規模な店となっている。
MBKセンター/東急百貨店(提供:東急グループ)。
このほか、バンコク東急百貨店がタイ1号店としてMBK Center開業時より営業していたが、競争の激化と新型コロナウイルスの流行により2021年1月31日に閉店しており、これにより東急百貨店は海外から完全撤退となった。
「即食」と「ギフト」で「日本感」強い売り場づくり
「DON DON DONKI MBK Center」はバンコク東急百貨店が営業していた一部の地上2階部分に出店。売場面積は2,146㎡。
24時間営業で、買ってすぐ食べられる肉惣菜、スイーツなどを中心に取り扱う。
店内のようす。
このうち、肉惣菜では日本産の和牛を使ったメンチカツや佐賀県産A5和牛の肉寿司を販売、スイーツではDON DON DONKI他店でも人気が高い苺大福のほか北海道産生クリームを使用したエクレアやシュークリームを販売、そのほかには海鮮釜めしや屋台コーナーとしてソフトクリームやリンゴあめを販売することで気軽に食べれる「即食」で日本文化を味で体験できる環境を整えるとしている。
また、タイに進出しているドンキ系店舗としては初のギフトコーナーを設置、贈り物が盛んなタイ文化に合わせて、日本産フルーツの詰め合わせやおせち風食材など日本らしいギフトセットを揃える。
さらに「Cosmetic DONKI」コーナーも展開、試供ブースを設けるとともにプロモーターによる接客で日本のスキンケア商品の魅力を伝えるとしている。
百貨店とディスカウントストアの明暗、海外でも
タイにはかつて大丸、そごう、伊勢丹など多くの日系百貨店が出店していたが、バブル崩壊やアジア通貨危機などによる需要の変化、他資本の百貨店やモールとの競合によりほとんどが撤退。現在では「サイアム高島屋」のみが営業している。それとは対照的に、イオングループは店舗数を増やしているほか、一昨年タイ初進出を果たしたドンキは独自の品揃えと売り場構成を武器に、大きな人気と話題を集めている。
日本国内でも百貨店売り上げが振るわないなか、ディスカウントストアの攻勢が続いており、百貨店跡にドンキが出店する例もみられる。今回の「日系百貨店跡へのドンキ出店」は、海外でも百貨店とディスカウントストアの明暗が分かれた象徴的存在となった。
DON DON DONKI MBK Center
営業時間:24時間(予定)
所在地:444 MBK Center, 2nd Floor, Unit No. PLA. F02. K001000, Phaya Thai Rd., Wang Mai, Pathum Wan, Bangkok
関連記事:DON DON DONKI HARBOURFRONT店、2020年10月30日開店-ドンキ、セントーサ島玄関口の「ハーバーフロントセンター」に出店
関連記事:パークソンTDプラザ店、2020年7月27日売却・近く閉店へ-百盛、北ベトナム撤退・南部に経営資源集中へ
関連記事:ドンキモールトンロー、2019年2月22日開業-ドンキ、タイ初出店は日系店舗中心の商業施設に
関連記事:JONETZ BY DON DON DONKI LOT10ストア、2021年3月19日開店-ドンキのマレーシア1号店、新業態「情熱」に