カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

イオンリテール、清水商事を2023年3月1日吸収合併-屋号「清水フードセンター」当面維持、小商圏出店拡大めざす

大手流通グループ「イオングループ」の小売事業会社「イオンリテール」(本社:千葉市美浜区)は、同社完全子会社の食品スーパー運営会社「清水商事(店舗ブランド:清水フードセンター)」(本社:新潟市)を2023年3月1日付で吸収合併することを2022年9月1日に発表した。

2015年にイオン傘下となった新潟老舗食品スーパー

清水商事は1947年10月に新潟市古町で「大和食品マート」として創業。1952年4月には新潟市万代に「大和バスビルストア」「大和バスビル食堂」として移転。1957年8月に日本海側初を謳うセルフサービス方式の食品スーパー「清水フードセンター」1号店を開店した。
同社は1970年7月にショッピングセンター1号店「寺尾ショッピングセンター」を開店するなど店舗を大型化しつつ、1972年7月にはFC1号店(茂太郎店)を開店、1975年6月には米飯大手「佐藤食品工業(現サトウ食品)」と業務提携し「フジミショッピングセンター(後のパワーズフジミ)」を開店、1985年10月に三条市地盤の食品スーパー「フクヤ」を完全子会社化するなど運営形態を多様化。地場大手流通グループとして発展することとなった。

その一方、2008年2月期には競争激化により創業以来初となる最終赤字に転落。赤字転落後は事業会社の再編や不採算店舗の整理、子会社の清算を打ち出したが根本的な解決策とはならず、2015年10月にイオンリテールの子会社となった。

イオンとの提携強化で再建めざしたが

清水商事ではイオンリテールによる子会社化を機に、自社店舗へのイオン系PB商品・サービス「トップバリュ」「WAON」「イオン銀行ATM」導入を開始。あわせて、新潟市外からの直営食品スーパー撤退やFC事業の終了といった合理化を進めた。

イオンスタイルに並ぶ「SHIMIZUの味」。

一方、2016年3月にはイオンリテールが新潟県内で展開する食品スーパー(イオン笹口店/旧パワーズフジミ運営店舗)への惣菜供給を開始し、2019年4月にはイオンリテール北陸信越カンパニーの小商圏対応スーパー1号店「イオンスタイル上所」開店を支援するなど、同社独自の地域密着路線維持をめざした。

経営一本化でさらなる“効率化”へ

イオンリテールによる清水商事の吸収合併は「買物行動の変化や健康意識の高まり、原材料価格高騰など、急激な変化には、さらにスピードを上げて対応していくことが必要であるとの結論」によるもので、両社は「経営体制を一本化することで、イオンリテールが目指す食品とH&BCを中心とした小商圏型フォーマットの出店拡大や清水商事が有する既存資産の活性化、両社の さらなる業務効率化、スケールメリットの最大化を推進する」とコメントしている。

清水商事はイオンリテールとの出資引受契約締結時に「看板の維持」への理解を得たうえで、従来通りの営業体制・営業基盤を維持するとしていたが、同社の法人格は7年ほどで消滅することとなった。清水フードセンターの店舗ブランドは当面維持となるもの、営業年数を経た店舗も多いため、ブランドの廃止を含めた将来的な刷新は避けられないとみられる。

関連記事:イオンスタイル新津、2020年5月29日開店-新潟で「NEWイオンスタイル」戦略かかげる
関連記事:CoCoLo新潟・万代、2020年3月22日閉店-新潟駅ビル、60年を超える歴史に幕
関連記事:新潟のマックスバリュ、2016年3月中に総合スーパー「イオン」化-清水フードと共同運営に

西友石神井公園店、2022年10月27日閉店-西武駅前、半世紀以上の歴史に幕

東京都練馬区の西武石神井公園駅前にある総合スーパー「西友石神井公園店」が、2022年10月27日18時に閉店する。

西友石神井公園店。

53年の歴史を持つ店舗、改装したばかりだったが

西友石神井公園店は1969年11月開店。店舗面積は3,119㎡で、建物は地上2階、地下1階で、西友が所有している。テナントとしては靴修理・鍵店「ウィンリペア」が出店している。
また、かつては屋上に遊園地・ゲームコーナーがあったほか、1976年には特撮「がんばれ!!ロボコン」のロケ地となったことがある。

店内に掲示された閉店のお知らせ。

西友のすぐ近くには「全日食フードプラザ マルゴ」「クイーンズ伊勢丹」「サミット」が立地するなど競合店が多く、建物は老朽化している一方で、2021年には食品売場を中心に店内の改装が行われたばかりだったため、閉店に驚きを隠せない近隣住民も多いと思われる。
跡地の活用方法などについては、8月時点では発表されていない。

関連記事:オーケー豊玉南店、2022年1月26日開店-西武池袋線と新宿線に挟まれたディスカウント激戦区に

鳥取大丸、2022年8月31日19時閉店-72年の歴史に一旦幕、最終日は後継「丸由」に向けた式典も

鳥取県鳥取市の鳥取駅前にある大丸松坂屋百貨店系の地場百貨店「鳥取大丸」が2022年8月31日午後7時をもって閉店した。

最終日の鳥取大丸。

山陰初の百貨店、原点回帰で「大丸」としての歴史に幕

鳥取大丸は、1937年2月に地場老舗呉服店「由谷呉服店」を前身にもつ百貨店「丸由百貨店(まるゆ百貨店)」として設立・創業。
戦後は1949年12月に関西地盤の大手百貨店「大丸」(現大丸松坂屋百貨店)と資本業務提携を締結し現在の店名に改称、1975年に現店舗(地上5階地下2階建、店舗面積11,973㎡、黒川紀章設計)への移転増床を実施したが、郊外型店との競合もあり業績が低迷した。
経営体質改善のため、鳥取大丸は2018年7月に「日の丸グループ」と「山陰合同銀行」系列のファンドが出資する新会社に運営を移行したが、2022年5月には大丸松坂屋とのライセンス契約満了のため「丸由百貨店(まるゆう/OYOU)」への商号変更を発表。
2022年8月31日をもって鳥取大丸としての72年の歴史に幕をおろすこととなった。

大丸閉店当日は記念式典、インスタライブでの配信も

鳥取大丸閉店当日の8月31日は台風11号の接近により天候が悪化。店内は昼過ぎまで客数もまばらであったが、営業終了時刻までに次第に増加。断続的な降雨のなか、閉店式典会場のバードハットや歴史展開催中の5階 TOTTORI PLAY’S(トットリプレイス)では、鳥取大丸最後の日を惜しみ、その姿を見届ける地元の買物客や学生であふれかえった。

最終日の鳥取大丸。

19時過ぎに行われた閉店式典では、岡周一鳥取大丸社長を始め売場各部門のスタッフが玄関前に登場。岡周一社長は「5月の商号変更発表後は「残念だ」というお声もいただきましたが、それ以上に励ましの言葉や期待の言葉を頂戴致しました。」「鳥取で暮らしておられる多くの皆様とともに新しい百貨店を目指してまいります。」とコメントし、鳥取大丸時代から続く関係各所への御礼と丸由への引続きの支援、ご愛顧を求めた。

鳥取大丸の閉店式典。

鳥取大丸、わずか3日で新百貨店「丸由」へ

鳥取県内では同店と同じく、日の丸グループ出資による百貨店「米子大丸」も営業していたが、天満屋への事業譲渡と郊外移転のため1990年をもって閉店しており、これで山陰から「大丸」が消滅することとなった。
鳥取大丸は、9月3日には新商号「丸由百貨店」としての営業を開始する。

丸由百貨店(旧鳥取大丸)

住所:鳥取県鳥取市今町2丁目151
営業時間:午前10時~午後7時(2022年9月3日開業予定)

関連記事:ホープタウン、2022年1月31日閉店ー旧米子サティ、40年の歴史に幕
関連記事:ガイナックスシアター、2021年2月28日閉館-旧・サティ東宝、イオン米子駅前店のサブカルイベント施設
関連記事:JR米子駅ビル、2020年9月4日閉館-建替えで橋上化・南北自由通路設置へ
関連記事:グッドブレスガーデン、2019年11月22日開業-米子高島屋東館をジョイアーバン社が複合施設化、本館も同社運営に
関連記事:ザ・ビッグ境港店、2019年5月25日開店-マックスバリュ西日本、山陰初出店
関連記事:一畑百貨店ゆめタウン出雲店、2021年3月12日開店-駅前から移転、2年ぶり「復活」
関連記事:松江タウンスクエア・キャスパル、2021年4月18日閉館-旧アピア、40年の歴史に幕

西鉄雑餉隈駅付近〜下大利駅間、2022年8月28日高架化-新駅「桜並木駅」や高架下商業施設も順次開業

西日本鉄道(福岡県福岡市)の「西鉄天神大牟田線雑餉隈駅付近~下大利駅間」が2022年8月28日に高架化された。
高架化当日には午前10時より下大利駅前で開通式が、午前11時より雑餉隈駅前の複合施設(さざんぴあ博多)で開通式典が挙行された。

下大利駅の高架新駅舎と開通式。

駅舎も刷新、雑餉隈~駅間には新駅も

西鉄天神大牟田線雑餉隈駅(福岡市博多区)付近~下大利駅間(福岡県大野城市)の高架化は、福岡県が事業主体となり2003年度より施行中の「西鉄天神大牟田線(春日原~下大利)連続立体交差事業」と福岡市が事業主体となり2010年より施行中の「西鉄天神大牟田線連続立体交差事業(雑餉隈駅付近)」によるもので、総延長は約5.2km。当初は2020年度中の完成を予定したが、1年5ヶ月遅れでの高架切替となった。
高架化区間では駅舎刷新や日中時間帯の鉄道運行速達化、踏切撤去を実施。「街のエントランスをつくる」をコンセプトに、駅舎や付帯施設の機能拡充やバリアフリー化などを2024年11月目処に段階的に実施する。

雑餉隈駅は当面旧駅舎改札口の活用を継続する。

また、西鉄天神大牟田線雑餉隈駅〜春日原駅間には公募により命名された新駅「桜並木駅」(仮名:雑餉隈新駅、福岡市博多区)が2023年度後半を目処に開業する。隣接地には西鉄バス雑餉隈車庫もあるため、駅前の複合開発も検討されている。

桜並木駅は2023年度後半に開業予定。

西鉄担当者によると「高架下空間は各市と協議しながら開発する方針」としており、旧春日原駅舎でみられた食品スーパーや旧下大利駅舎でみられた飲食店、駐輪場やイベントスペースの整備が見込まれる。
新駅舎整備が先行する下大利駅では飲食店(10月中旬)など順次開業、新たな改札口も新設される予定となっている。

関連記事:ららぽーと福岡、2022年4月開業-西鉄ストア新業態に「キッザニア」「ガンダム」設置
関連記事:イムズ(IMS)が「おしまイズム」-2021年8月31日、再開発で消えた「天神のシンボル」最終営業日
関連記事:ジュンク堂書店福岡本店、2020年6月30日閉店ーMMT再開発で、西通りに仮店舗開設
関連記事:天神ビブレ、44年の歴史に幕-2020年2月11日閉店、多くの市民に惜しまれた最終営業日
関連記事:天神コア、2020年3月31日閉館-西鉄「天神一高い」複合ビル建設へ
関連記事:天神ショッパーズ福岡、2019年4月25日開業-旧ダイエー、複合商業施設に
関連記事:福岡ビル、2019年3月31日閉館-TSUTAYAはショッパーズに、西鉄本社は博多に移転
関連記事:レイリア大橋、2019年4月26日開業-旧・大橋西鉄名店街

メガセンタートライアル郡山八山田店、2022年8月24日開店-東北最大・福島県初「スマートストア」、2023年1月には伊達上保原店も

福島県郡山市のマルハンボウルアピア郡山跡地に、トライアルHD傘下の「トライアルカンパニー」による総合ディスカウントストア「メガセンタートライアル郡山八山田店」が2022年8月24日に開店した。

福島にトライアル東北最大級「メガセンター」

トライアルカンパニーは1974年4月に家電量販店「あさひ屋」として創業。1984年10月に現商号に変更、1992年10月に「ディスカウントストアトライアル」1号店を福岡県大野城市南ヶ丘に開店、1996年10月に現在の主力業態となる「スーパーセンタートライアル」1号店を福岡県柳川市に開店した。
同社はトライアルの創業以来、福岡県を地盤とするディスカウントであったが、1998年10月に福島地場大手衣料スーパー「ナカヤ」と業務提携(FC契約)を締結し本州に初進出。2005年3月にナカヤから福島県内のFC4店舗を譲受するなど、福島県内では他地域に先駆けて積極的な店舗展開を行っていた。
一方、福島県内の同社店舗は進出の経緯からいずれも老朽化が顕著で、生鮮食品を取扱わない店舗もあったため、同社が主力とするスーパーセンターと異なるブランドイメージを持たれていた。

福島初の業態でイメージ刷新

メガセンタートライアル郡山八山田店は、2021年8月15日閉館のマルハン系大型ボウリング場「ボウルアピア郡山」跡地に建設されたもので、建物は平屋建、店舗面積は6,602㎡。
郡山八山田店は福島県内初となる「メガセンター」業態として、生鮮食品や衣料品・日用品・家具家電インテリア雑貨・レジャー用品などフルラインで展開。あわせて、東北初となる同社独自開発のセルフレジ付買物カート「次世代型スマートショッピングカート」(160台)や「リテールAIカメラ」、デジタルサイネージといったIoT技術やAI技術を導入するなど最新の店舗となった。

トライアル郡山八山田店。

同社は福島県内既存店の新業態「トライアルBOX」への転換に加え、2023年1月には福島県伊達市に「トライアル伊達上保原店」(4,983㎡)の開店も予定しており、福島県内でのトライアルに対するイメージの変化が見込まれる。

メガセンタートライアル郡山八山田店(やつやまだ)

住所:福島県郡山市富久山町八山田土布池11番7
営業時間:24時間営業

関連記事:ヨークタウン入江町、2021年10月29日開業-ヨークベニマルが出店、近隣の浜田店は休業・建替えへ
関連記事:リコパ鶴見、2021年9月23日開業-イトーヨーカドー鶴見店を大規模リニューアル、川崎店・福島店も改装へ
関連記事:うすい百貨店福島営業所、2020年9月1日開店-MAXふくしまに、11月中の増床めざす
関連記事:中合福島店、2020年8月31日午後7時閉店-雨の最終営業日、創業190年・創立146年の歴史に幕
関連記事:旧・丸光百貨店郡山店、2017年秋から解体-エリート42ビル、老朽化で
関連記事:丸井郡山店跡に「ダイワロイネットホテル郡山駅前」、2月16日開業-1~3階は商業施設に

落合ショッピングセンターサンプラザ、2022年8月31日閉店ー真庭市旧落合町最大の大型店、岡山県は貸付債権放棄

岡山県真庭市の落合地域に立地する商業施設「落合ショッピングセンターサンプラザ」が2022年8月31日午後6時に閉店する。落合ショッピングセンターサンプラザ。

旧落合町最大の商業施設、48年の歴史に幕

落合ショッピングセンターサンプラザは旧落合町(現真庭市)中心部の国道313号線(ロマンチック街道313)沿い、岡山県立真庭高校落合校地(旧岡山県立落合高校)隣に立地。「協同組合落合ショッピングセンター」が運営する。
協同組合落合ショッピングセンターは1972年10月に旧落合町内の16業者が集まり設立。1974年9月に地上2階建て、店舗面積約2,700㎡の旧店舗を開業した。1982年には店舗内に結婚式場を、1986年には敷地内にスイミングプールなどがあるスポーツクラブを併設し話題を集め、「地域に密着した共同店舗(協同組合)の成功例」としてメディアにも取り上げられた。1994年4月には店舗を建て替え新築増床した。
サンプラザ(新店舗)は地上3階建て、店舗面積4,010㎡。1階には「共栄商事」(岡山県高梁市)の関連会社が運営する「サンプラザ食品館」や100円ショップ「ダイソー」、衣料品店「パレット」のほか、地元商店・飲食店が入居。2階はかつて主に衣料品売り場として使われていたが現在は閉鎖。3階には多目的ホールやサンプラザの事務所がある。1階に入居するサンプラザ食品館。

サンプラザは旧落合町内最大の商業施設だったが隣接する旧久世町(現真庭市)に1993年5月「ゆめタウン久世」が開店。1996年12月には岡山県北部の中核都市である津山市に「ジャスコ津山店」(現・イオンモール津山)が出店するなど町外の商業施設との競争激化や人口減少で近年はテナントの撤退が相次いでいた。店内の寄せ書きコーナーにはメッセージが多数寄せられていた。

岡山県は4億7,900万円を債権放棄

協同組合落合ショッピングセンターは店舗建設時に岡山県中小企業高度化資金貸付制度を利用し岡山県から15億8,400万円を無利子で借り入れていたが、うち5億3,200万円が返済できていない。
協同組合は大部分の返済免除を求め、県は2022年8月24日、回収の見込みや地域経済への影響を考慮し、土地などを弁済に充てた残りの残高となる4億7,900万円の債権を放棄すると県議会で報告した。

関連記事:天満屋ハピーマート亀甲店、2020年5月28日閉店-サンエースの旧・アイム天満屋、跡地に三金屋
関連記事:ウエストランド、2020年2月16日閉館-マルイ、建替え後に再出店へ
関連記事:岡山ロッツ、2022年2月閉館-ロフトを核とする天満屋・イズミ運営の専門店街
関連記事:ププレひまわり、ウエルシアが2021年12月付で子会社化ースーパードラッグひまわり、イオングループに
関連記事:マルナカ・山陽マルナカをマックスバリュ西日本が2021年3月に吸収合併

 

ソフマップ渋谷マルイ店、2022年8月28日閉店-eスポーツ特化の新業態、2021年増床も丸井閉店で

東京都渋谷区の渋谷マルイにあるビックカメラグループのPC専門店「ソフマップ渋谷マルイ店」が2022年8月28日をもって閉店する。

eスポーツ特化型店舗として開店

ソフマップ渋谷マルイ店は、2021年3月に渋谷マルイ4階レディスファッション/インナー/ランジェリーフロアの一部に期間限定店舗として開店。開店当初の売場面積は約154㎡であった。
渋谷マルイ店はコンセプトに「eスポーツの専門店(eSports特化型店舗)」を掲げた新業態として、フロアを「ゲーミングゾーン」「プレイゾーン」としてゾーニング。
テレビゲーム・PCゲーム・ゲーミングチェアを試遊可能なスペースやeスポーツに最適な周辺機器、eスポーツ選手・eスポーツグッズ、中古Apple製品(iPhone、iPad)などを展開し、流行最先端の街・渋谷という立地特性を活かした店舗づくりをめざすとしていた。

ソフマップ渋谷マルイ店。

同店は開店直後から緊急事態宣言発令により臨時休業となるなど厳しい営業環境にあったが、フロア内にあったレディスファッション系店舗が順次撤退したため売場を順次拡大。
ワコールの撤退により店舗を4階全フロアに拡大し、2021年10月には完全個室型体験スペース「RemoteBOX」を導入するなど店舗機能の拡充を図った。

秋葉原にも置かれている「eスポーツ大明神」。

1年半営業続けたもの、渋谷に後継店出店せず

ソフマップは2022年7月に「イオンモールKYOTO店(京都市)」「三宮センタープラザ店(神戸市)」を閉店するなど店舗再編を進めているが、渋谷マルイ店の閉店は入居施設の建替えによるもの。
渋谷駅周辺ではコロナ禍でマンボーが宮益坂・道玄坂・宇田川店を相次ぎ閉店、グランサイバーカフェバグースがセンター街店を閉店、歌広場カラNET24が道玄坂店を閉店したこともあり、ソフマップ渋谷マルイ店はeスポーツの専門店・ショールームとしてだけでなく、時間制ゲーミングスペース・ネットカフェとしての需要を取込んでいた。
その一方、同社は渋谷駅周辺に後継となる新店舗を出店する計画を明らかにしておらず、各種商品サポートに関しては店頭にも掲示のあるソフマップ新宿店や系列のビックカメラ(渋谷東口店・渋谷ハチ公口店)に、eスポーツ分野に関しては同社旗艦店のソフマップAKIBA(e Sports Studio AKIBA)に役割を譲ることとなった。

関連記事:渋谷マルイ(丸井渋谷店)、2022年8月28日閉店-丸井が木造ビルに建て替え、2026年完成めざす
関連記事:ジャニーズショップ原宿、2021年8月31日閉店-ジャニショ1号店、西武百貨店に「渋谷店」として9月出店
関連記事:東急百貨店渋谷本店、2023年春ごろ閉店-東急文化村も長期休館、LVMHグループと共同で新店舗建設へ
関連記事:渋谷マークシティ、2021年7月リニューアル開業-東急百貨店「フードショー」増床、1階に「ダイソー」大型店も
関連記事:東横のれん街、2020年5月25日移転開業-渋谷マークシティからヒカリエShinQsに移転
関連記事:丸井、2018年春から「テニプリ」と提携-「女性向けアニメコラボ」強化するエポスカード

Do!日進、2022年8月26日リニューアル開業-赤池の名古屋市交通局系施設、服部家具をインテリアスタジオに刷新

愛知県日進市の名古屋市営地下鉄鶴舞線/名古屋鉄道豊田線赤池駅近くにある商業施設「Do!日進」が2022年8月26日にリニューアル開業した。
Do!日進(リニューアル開業当日)

服部家具と中京地方初のヤマダの複合店舗

Do!日進は1993年11月に名古屋市交通局用地(名古屋市営地下鉄日進工場隣接地)有効活用事業の一環として開業。建物は地上3階建で敷地面積は6,473㎡、店舗面積は5,684㎡、延床面積は9,777㎡。
施設ブランド名の「Do!」は開発主体兼所有者の名古屋市出資第3セクター「名古屋交通開発機構(英文表記:Nagoya Transportation Development Organization)」と英単語「Do」に由来するもので、Do!日進は1989年7月に開業したDo!金山(現ループ金山)に次ぐ同社運営商業施設であった。
名古屋交通開発機構・Do!日進

同施設では開業当初、東海地方地盤の大型家具インテリア店「服部家具センター」が全館に売場を展開していたが、1997年2月にヤマダ電機(現ヤマダデンキ)が中京地方初となる家電量販店直営店「ヤマダ電機テックランド日進店」を出店したことで、2022年8月現在も量販店2社による複合店舗となっている。
Do!日進(リニューアル前)

服部家具は「インテリアスタジオ」に業態転換

Do!日進ではリニューアルにあわせ、核店舗の服部家具センター日進店が「インテリアスタジオ日進店」に業態転換した。
インテリアスタジオ日進店

インテリアスタジオ日進店では、8月11日に先行刷新した2階ベッド専門フロアに加え、3階家具フロアを全面刷新。“業界初!?”を謳う店内常設プロジェクションマッピング演出を取り入れた「ねむりデザインLABO」やパンチの効いたアイテム・プリンセス系インテリアを取り入れた「IROTTA CHIC(イロッタシック)」など、既存の同社店舗や同業態とも異なる試みを打ち出す。
IROTTA CHIC

日進店の業態転換により、愛知県内の同社全店舗が「インテリアスタジオ」を冠する店舗となった。
同店では8月26日から29日までアウトレット品最大70%OFFを始めとする記念セールを実施するほか、1点5万円以上購入者を対象とした家具引取料・配送組立手数料無料サービスやWEB事前申込客を対象としたプレゼントの配布、金利手数料の優遇などを行う。
オープン特別企画をアピールする

Do!日進

住所:愛知県日進市浅田町美濃輪6ー1
営業時間:午前10時15分~午後7時(服部家具センター)
営業時間:午前10時15分~午後8時(ヤマダデンキ)

関連記事:パレマルシェ堀田店、2022年8月20日閉店-名鉄堀田駅前、半世紀の歴史に幕
関連記事:名鉄レジャック、2023年3月31日閉館-名駅前にあるメルサの複合施設、契約満了と老朽化で再開発へ
関連記事:栄町ビル、2021年9月30日閉館-名古屋中心部の複合商業ビル、興和が再開発へ
関連記事:イオンモール名古屋ノリタケガーデン、2021年10月27日開業-名駅徒歩圏、イオン初「都市型オフィス」併設
関連記事:アピタパワー新守山店、2021年8月27日開業-アピタ全面改装の新業態、「ユーストア」「ドンキ」出店
関連記事:成城石井SELECT名古屋駅太閤口店、2021年5月6日閉店-成城石井「最小」だった駅ナカモデル店、事実上の店舗統合に
関連記事:ドン・キホーテ栄三丁目店、2021年2月26日開店-松坂屋前のGAP跡に、名古屋栄店は「栄本店」としてリニューアル

ゆめテラス祇園、2023年夏開業-ゆめタウン建替え、新業態「イズミ×無印良品」に

広島県広島市安佐南区のJR可部線下祇園駅近くにあったイズミのショッピングセンター「ゆめタウン祇園」跡地に、2023年夏の1期開業をめざすイズミの新業態ショッピングセンター「ゆめテラス祇園」が2022年8月23日に着工した。

ゆめテラス祇園。

「いづみ祇園」開業から50年目の新装開店

ゆめテラス祇園の前身となるゆめタウン祇園は、1973年3月に同社初・広島市初の郊外型ショッピングセンター「いづみ祇園ショッピングセンター」として開業。1980年6月には社名表記変更により「イズミ祇園ショッピングセンター」に、さらに2001年3月に「ゆめタウン祇園」に改称した。

ゆめタウン祇園。

ゆめタウン祇園への転換当初は「ファミリー館(旧・ファミリーランド)」「リビング館(生活館/旧・リビングランド)」の2館体制で、廣文館書店やダイソーなど専門店が40店舗ほど入居していたが、近年はイオンモール広島祇園(2009年4月開業)など競合店が増加。店舗の老朽化もあり2011年に店舗をファミリー館に集約し、地域密着型の店舗となった。
ゆめタウン祇園リビング館。
(2011年閉館、跡地は三菱地所の「ザ・パークハウス祇園」)

しかし、店舗の老朽化による建替えにともない、2021年1月31日をもって1階食品館を除く多くの売場が一旦閉店。同年12月には立駐跡に食品館仮店舗を開設して仮営業を継続していた。

新業態「ゆめテラス」は無印良品と協業

ゆめテラス祇園は、ゆめタウン祇園跡地に建つイズミの新業態ショッピングセンター。建物は3階建てで、店舗面積は8,100㎡、テナント数は7店舗。ロゴは緑色の「you me terrace」となる。
近隣には先述したイオンモールをはじめとして多くの商業施設がある激戦区であり、差別化を図るべく新業態になったと思われる。

「ゆめテラス」ロゴタイプ。

コンセプトは「自然やゆとりを感じられる憩いの場」で、イズミ食品館のほか、核テナントとして「無印良品」が出店する。
イズミは無印良品と連携してマルシェやワークショップ、食育、地域イベントなどを企画し地域に愛されるスポットを目指すほかネットスーパー「ゆめデリバリー」にも対応、またコロナ前まで開催していた「盆踊り大会」も再開する予定だとしている。
今後、2023年夏の1期開業・秋のグランドオープンをめざして工事が進められる。

ゆめテラス祇園

住所:広島県広島市安佐南区西原五丁目19番44号

関連記事:ゆめモール西条(仮称)、2022年秋開業-東広島市消防署となり、ゆめマート核のオープンモール
関連記事:天満屋広島緑井店、2022年6月30日20時閉店-賑わう営業最終日、今後「フジグランと一体化」へ

タイヨー川内店、2022年8月31日閉店-薩摩川内市中心部の総合スーパー

鹿児島県薩摩川内市の太平橋通り商店街にある総合スーパー「タイヨー川内店」が、2022年8月31日に閉店する。

タイヨー川内店。

JR川内駅近く、40年の歴史に幕

タイヨー川内店は1982年7月に開業。建物は4階建て、店舗面積は2,139㎡で、タイヨーが所有する。
太平橋通り商店街はJR川内駅や市役所から徒歩圏であり、周辺には百貨店「川内山形屋」、スーパー「プラッセだいわ食品館向田店(本店)」などの大型商業施設もある。これら両店は改装や建て替えが行われていた一方で、タイヨーは近年大規模なリニューアルなどはなされておらず、徐々に営業フロアを縮小。2022年時点では1階・2階の2フロアしか営業していなかった。
店舗跡の活用方法などについては、8月時点では発表されていない。

鹿児島県内では今年に入ってタイヨー東谷山店、A-プライス鹿屋店、プラッセだいわ21鹿屋店が閉店を決めるなど、永年営業をしてきたスーパーの閉店が相次いでいる。

関連記事:クッキー、2018年9月29日に全店舗を閉店へ-鹿児島の地場スーパー、45年の歴史に幕