秋田県大館市の「正札竹村」本館の解体が本格化しており、2019年1月には「マチのシンボル」として60年間に亘って親しまれた屋上の広告塔屋が撤去された。
正札竹村・本館。
2001年に倒産した大館市のシンボル的百貨店
正札竹村は1853年ごろに竹村呉服店として創業。本館の建物は地上7階地下1階建て+屋上塔屋2階。建設当時は大館市で一番高いビルだった。
長らく「いとく大館ショッピングセンター」「ジャスコ大館店(閉店済み)」とともに大館市を代表する商業施設として営業を続けていたが、2001年に倒産。大館市が2005年に取得した。
建物は本館、新館A・B棟、旧館、立体駐車場の5区画に分かれていたが、旧館は解体され「ハチ公小路」となったほか、新館は耐震補強され産直市場「NOSHO館 フレッシュハチ」などが入居するテナントビルとなった。
本館、廃業から18年で解体にー看板のみ保存
正札竹村の本館は将来的な再生も視野に特定非営利活動法人アートNPOゼロダテにより「正札コミュニティ・アートセンター構想」が掲げられ、アートイベント「ゼロダテ」などで活用されていた。
しかし、本館の建物は1969年築で老朽化が著しかったほか、アスベストも使われているため、大館市議会は2018年夏に本館の解体を決定した。また、隣接する立体駐車場についてもこれに先駆けて2017年に解体されている。
なお、ハチ公小径は2018年秋までに大部分のテナントが撤退もしくは一時休業しており、旧正札竹村本館棟解体事務所が設置されているほか、立体駐車場跡地も解体のための駐車場となっている。
屋上の看板。
解体は2018年秋から内装の解体が行われ、2019年に入ると本格化した。1月中旬には約60年に亘って大館のシンボルとなっていた広告塔屋の看板が撤去された。
大館市によると解体費用は約5億円になるという。また、広告塔屋の看板は大館市立大館郷土博物館での公開を視野に保存されるという。
外部リンク:ゼロダテ
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