H2Oリテイリング(阪急阪神)、関西スーパーを2021年12月に子会社化

エイチ・ツー・オーリテイリング」(H2O・阪急阪神グループ)は、地場大手スーパー「関西スーパーマーケット」(兵庫県伊丹市)が発行する新株を2021年12月までに取得、2022年2月にイズミヤ・阪急オアシスと経営統合するかたちで子会社化することを2021年8月31日に発表した。
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阪急百貨店うめだ本店。

攻めの姿勢見せるH2O、セブンアイとも資本業務提携

H2Oリテイリングは百貨店「阪急阪神百貨店」、百貨店系高級スーパー「阪急オアシス」に加えて大手スーパー「イズミヤ」を傘下に持つ流通大手グループ。関西の有力私鉄「阪急」「阪神」を母体に持ち、京阪神エリアの沿線住民を中心に根強い支持を集めている。2016年10月6日には、流通大手「セブン&アイホールディングス」との資本業務提携を発表している。

阪急オアシスの店舗。

2014年に傘下に収めた大手スーパー「イズミヤ」では、100円均一パン「阪急ベーカリー香房」の導入や輸入食品の充実、ポイントサービスの共通化といった施策を実施、店舗への積極的な投資を進める一方、関西と中国大陸以外のイズミヤを全店閉店させるなど事業の選択と集中を行っている。

H2O傘下となっているイズミヤ。

H2Oとの関係つよめていた関スー

関西スーパー」は大阪・兵庫・奈良を中心に展開する地場大手の食品スーパー。
オール日本スーパーマーケット協会(AJS)の中核企業で「くらし良好」(生活良好)ブランドのPB商品を販売。自社指定牧場「720牧場グループ」ブランドの牛肉など精肉部門にも定評があった。
関西スーパーは、2016年10月よりH2Oリテイリングと資本業務提携を結んでおり、2021年時点でH2Oは関西スーパー株の約10.2%を保有する。
提携以降、関西スーパーでのH2O子会社の商品取扱い、共通ポイントサービス「Sポイント」(旧・STACIA)導入、阪急阪神百貨店の中元・歳暮商品取扱い、レジスターの共同開発をおこなうなど、協力関係を強めていた。
また、2021年7月には地場スーパー「万代」とも包括業務提携を結んでいた。

関西スーパー。

一方で、2016年9月には首都圏を中心にディスカウントスーパーを展開する「オーケー」(神奈川県横浜市)も関西スーパー株を大量取得。2021年時点でオーケーは関西スーパー株の約7.2%を保有する。

「イズミヤ・阪急オアシス・関スー」3社で経営統合

H2Oは、2021年12月までに関西スーパーマーケットが発行する新株を取得し、出資比率を58%まで高めて同社を子会社化する。関西スーパーは子会社化後も上場を維持する予定。そして、2022年2月までに傘下のスーパー「イズミヤ」「阪急オアシス」と経営統合するかたちで子会社化する。
経営統合後の売上高は約4000億円規模になるとみられ、H2Oは今回の統合によって「関西でナンバー1の地位を確立することが可能になる」としている。

H2Oによる経営統合の概要図。

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