カテゴリー別アーカイブ: 閉店レポート

うめきた地下道、2017年12月19日閉鎖-梅田のレトロ地下道、90年の歴史に幕

大阪府大阪市北区の旧・梅田貨物駅下をくぐる地下道「梅北地下道」の大部分が12月19日に閉鎖された。

最終日の梅北地下道。

貨物駅をくぐる「名物地下道」-2006年に大幅短縮

梅北地下道は、旧・梅田貨物駅の東西を結ぶために1928年に開通。
以降、約90年に亘って多くの人に利用されてきた。
かつては阪急梅田駅近くから新梅田シティまでの約500mを結んでいたが、旧・梅田貨物駅の再開発が進み、2006年には大部分が地上の道路に統合され、約200mにまで短縮されていた。いち早く地上化された部分には、2013年に再開発ビル「グランフロント大阪」も誕生している。

12月19日10時に歩道の切替が行われた。

新たに新設された地上の仮設歩道周辺は、まだ再開発工事の真っただなか。今後、地下道は暫定的に梅田貨物線をくぐる部分のみ(約50mほど)が存続するが、その部分も同線の地下化により2024年ごろに撤去され、仮設歩道とともに地上の道路と統合される予定となっている。

12月19日10時から使用開始となった仮設歩道。

関連記事:ヨドバシ梅田とJR大阪駅、「架橋」で6月30日接続-愛称は「淀橋」
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イズミヤ伏見店、2017年10月8日閉店-築47年・老朽化で、2018年冬の建替え目指す

近鉄京都線伏見駅前の総合スーパー「イズミヤ伏見店」が2017年10月8日午後6時に閉店し、47年の歴史に幕をおろした。

イズミヤ伏見店。

伏見駅前を代表する大型店-ミスド京都1号店も出店

イズミヤ伏見店は1970年3月に開業。売場面積は9,285㎡。建物は3階建てで、イズミヤが所有している。
近鉄伏見駅前を代表する大型総合スーパーで、直営売場のほかイズミヤの書籍部門が発祥の「アミーゴ書店」(現在はトーハン傘下)やカジュアルファッション「Honeys」、100円ショップ「FLET’S」、眼鏡店「メガネの三城」、ゲームセンター「レインボーランド」、大手ハンバーガーチェーン「マクドナルド」がテナントとして営業してきた。
しかし、建物が築47年と老朽化し、耐震性などにも問題があるため、閉店が決まった。
なお、イズミヤ伏見店では京都市の景観条例に配慮した青色の広告塔屋がシンボルであったが、2014年9月の屋外広告物条例完全施行に伴い撤去されている。

敷地内には「ミスタードーナツ」の京都府1号店(日本9号店)も営業していたが、イズミヤの閉店に先駆けて5月28日に撤退している。

店番やロゴマークが残るミスタードーナツ伏見ショップ跡。

店長の「寸劇」で笑顔の幕引き-閉店当日のようす

10月8日の閉店当日、午後6時40分から行われた閉店式典では、イズミヤ伏見店西村店長の「寸劇」が会場を沸かせた。
“タオルハチマキ”に“七福神前掛け”という「朝市のおっちゃん」スタイルで登場した店長は、伏見店の2018年冬の営業再開予定を告知すると「(営業再開後も変わらず)1円でも安くしたい」と、店長としての信条を熱く語った。
その後、従業員・買物客全員参加の万歳三唱が行われ、店長の手動により自動ドアが閉鎖。常連客による「今までありがとう」の声が響く中、式典は終了したかに思えた。自動ドアを手動で閉めようとする店長。

しかし、式典が終わったはずの会場では、買い物客による「アンコール」の声が何故か続出。すると、この状況に引くに引けなくなった店長が店奥から再登場。手動で開けたドアの隙間から店外をチラ見したあと、従業員が笑う店内へ戻っていった。
ただ、それでも満足しない会場は再び「アンコール」の大合唱を送ると、店長はまたまた店奥から参上。今度も両手でドアを開けるのかと思いきや、ドアはまさかの「自動」でオープン。これには会場も「自動ドアまだ開くんかい!」と新喜劇ばりのズッコケを見せると、店奥の従業員も大爆笑。
会場が笑顔に包まれる中、安全確認後のシャッターが降りると、イズミヤ伏見店の47年の営業生活は「一旦」幕を閉じたドアの隙間からこちらをチラ見する店長。

なお、店頭告知ポスターでは長期休業のお詫びと、近隣3店舗(六地蔵店・大久保店・羽束師店)の案内がされており、チラシ広告では前述した店舗で利用可能な「食料品5%OFF割引クーポン」が掲載されている。

店舗更新進めるイズミヤ、伏見店も建替え目指す

イズミヤはH2Oリテイリング(阪急阪神ホールディングス)の傘下となって以降、不採算店舗の閉鎖・関西圏以外の店舗の閉鎖と店舗の改装・建替えを推し進めており、2016年以降、住道店(大阪府大東市)、和泉府中店(大阪府泉大津市)、花園店(大阪市西成区、イズミヤ創業店)など老朽化が進む大型総合スーパーの建替えを行っている。
伏見店も、現店舗を解体後に建替え・再出店したい方針が発表されており、閉店前の店内アナウンスでは2018年冬営業再開予定であることが告知されたが新店舗の営業規模は未定となっている。
10月1日に閉店したイズミヤ花園店。

外部リンク:伏見店 店舗情報|イズミヤ
関連記事:イオンモールKYOTO、全面リニューアル-9月16日グランドオープン
関連記事:イトーヨーカドー六地蔵店、2017年2月19日閉店
関連記事:ドン・キホーテ京都アバンティ店、7月22日開店-ドンキ、京都駅前に初出店

旧・奈良監獄、2017年7月15・16日に最後の見学会-2020年の「ホテル化」目指す

奈良県奈良市にある文化財「旧・奈良少年刑務所(旧・奈良監獄)」で奈良市、奈良市教育委員会、法務省主催の見学会・講演会が7月15日、16日に開催された。
 
旧・奈良監獄正門。

日本を代表する近代監獄、複合商業施設として再整備へ

奈良少年刑務所は1908年に、明治政府が監獄の国際標準化を掲げ建設した五大監獄(千葉、金沢、奈良、長崎、鹿児島)の1つ「奈良監獄」として設立され、戦後に奈良少年刑務所に転換された。設計は山下啓二郎。
2017年3月に閉鎖されるまで建築当時の赤煉瓦造りの建物がほぼそのままの形で残るなど高い歴史的文化的価値を有しており、2016年に重要文化財指定手続と法務省による「旧奈良監獄の保存及び活用に係る公共施設等運営事業」としての施設再活用、観光資源化が進められることを決定。施設運営の優先交渉権を獲得した「ソラーレホテルズアンドリゾーツ」により、複合商業施設「HISTERRACE奈良」としてリニューアルが実施されることになっている。

注目集めた最後の見学会

今回、最後となった見学会は2日にわけて行われ、7月15日には近隣住民やNPO法人を対象とした見学会が、16日には申込制講演会やガイド付き見学会、自由見学会となった。いずれも例年秋開催されていた「奈良矯正展」で非公開かつ撮影不可とされていた区域も公開されるということで大きな注目を集めた。
16日の自由見学会では、近鉄奈良駅からも臨時直通バスが運行され、本来予定されていた一般入場時刻(午後1時)が1時間前倒しされた。

多くの人が訪れた。

旧奈良監獄館内では所定の見学コースに沿った自由見学が可能となっており、警備を担当する職員やボランティアによる施設・設備の案内を聞くこともできた。
奈良少年刑務所の閉庁から4ヶ月が経過し、実習場など設備の撤去が進められているもの、入口付近には指紋認証にも対応した鍵保管庫や検査機器も残されるなど、往時の姿が感じさせられた。

所内の廊下。

旧奈良監獄のシンボルゾーンでもある中央看守所は、第一寮から第五寮まで各舎房が見通せる構造となっており、最高気温34度を観測した真夏日ながら暑さを感じさせなかった。

設立当初からの中央看守所。真夏日にかかわらず風通しが良い。

その他、表門裏では地元・般若寺町自治会による旧奈良監獄関連書籍や絵葉書の販売、道場前では奈良地方検察庁によるパネル展や記念写真付広報資料の配布、ポンプ庫前では隣接する植村牧場によるソフトクリームや飲料の販売が実施された。

地元自治会による物販も。

HISTERRACE奈良、1棟は現状のまま保存へ

奈良監獄を活用して整備される「HISTERRACE奈良」は「建築行刑史料館」(2019年秋に先行開業予定)、旧監獄棟・独房を改修した「文化財ホテル」、新たなホテル増設棟(仮称)「そらみつ奈良」、病監を改修した無印良品ブランドの簡易宿泊型ドミトリー(仮称)「MUJI HOSTEL」、レストラン、カフェバー、温浴施設、商業施設などにより構成され、2020年の全面開業に向けた施設再整備、耐震補強が行われる。
明治期建築の外観を残す舎房のうち、1棟は現状のまま完全保存される予定だ。

現状のまま保存される舎房居室。


今後の活用計画(ニュースリリースより)。

奈良市では以前から宿泊施設不足が深刻であったが、近年はその弱点を克服しつつある。
旧・奈良監獄を活かした「HISTERRACEプロジェクト」は、これまでの奈良の観光地とは異なるタイプの新たな観光資源であり、宿泊機能強化も含めて古都「奈良」の魅力を一層向上させることに繋がるものになるであろう。

外部リンク:旧奈良監獄(奈良少年刑務所)見学会を開催します! – 奈良市(奈良市)
外部リンク:「旧奈良監獄の保存及び活用に係る公共施設等運営事業」優先交渉権獲得のお知らせ(ソラーレホテルズアンドリゾーツ)
関連記事:イトーヨーカドー奈良店、9月10日閉店-旧・奈良そごう、2018年春の再生目指す
関連記事:東急ハンズ奈良店、4月27日開店

千葉三越、2017年3月20日閉店-33年の歴史に幕、”上得意様向け”小型店開設へ

千葉県千葉市中央区のJR千葉駅近くにある「三越千葉店」が2017年3月20日に33年の歴史に幕をおろした。
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千葉三越。

「奈良屋」からの300年近い歴史に幕

三越千葉店(千葉三越)は1743年に創業した呉服店「奈良屋」を前身とする百貨店。
現店舗は1972年10月に「奈良屋」と三越が合弁で運営する百貨店「ニューナラヤ」として千葉駅前の「塚本千葉第2ビル」に開業した。
三越からの商品調達や商品券の相互利用を開始、外壁に「ライオンレリーフ」を設置するなど、千葉を代表する三越系百貨店として営業を続けていた。
1984年10月には奈良屋が経営から撤退するとともに屋号を「千葉三越」に改称。それ以降は、ラグジュアリーブランドの強化やライオン像の設置など、三越色をより一層強めていった。(詳細は前記事を参照)

地域密着路線で生き残り目指した千葉三越

2016年9月に閉店が発表されて以降、1階ライオン口にニューナラヤ時代外壁に設置されていた「ライオンレリーフ」を復活させたほか、大通側の催事スペースでは猪熊弦一郎氏が手掛けた三越の包装紙「華ひらく」をモチーフにしたアート作品や、千葉三越閉店記念グッズ、震災チャリティ商品の販売が行われるなど、長年の買物客に向けたイベントが次々と開催された。

三越「華ひらく」コレクション。
(ティファニー跡・プロモーションスクエア)

また、3月からは「千葉三越と地域の歩み写真パネル展」と題して、千葉三越の前身「奈良屋百貨店」のみならず、イオンの前身の1つである「扇屋百貨店」、千葉パルコの前身であった「田畑百貨店」など、千葉県内の地場百貨店各社を取り扱った写真・案内板を設置。買物客からもかつての店舗を懐かしがる声が多く聞かれるなど、フィナーレに相応しい空間がつくられた。

千葉三越と地域の歩み写真パネル展。

営業最終日となった3月20日午後7時30分から閉店記念式典が行われ、北條司店長を始めとする10人ほどのスタッフが大通り西側玄関に集結、式典を見るべく玄関前は千葉市民で溢れかえった。

最終日を迎えた千葉三越。

閉店式典において、百貨店の顔であったルイ・ヴィトン、ブルガリ、ティファニーといったラグジュアリーブランドが千葉三越から相次ぎ撤退、その多くがライバルの千葉そごうに移転したこともあり、「ここ数年間においては商品面や売場店内の環境面においても皆様を十分ご満足いただくことはできなかった」と語った一方、「地域の皆様と密着したイベントの開催や、販売員一人一人がお客様ご指名いただくような販売員になろうと皆で努力した」「(励ましの言葉が)この半年間商売を続けてくるなかで私たちの大きな心の支えとなりってまいりました」「明日から皆様たちのお役に立つことは叶いませんが、私たちはこれまでご愛顧いただきました多くのお客様、そしてこの千葉の地域の皆様のことを決して忘れることはございません」と、奈良屋時代から遡った買物客やスタッフへの感謝を語り、33年の集大成ともいえる式典を締めくくった。

33年の歴史に幕を下した千葉三越。

「富裕層」「ギフト」「学生」に特化した小型店を開設

千葉三越は3月20日の百貨店閉店以降、隣接する塚本大千葉ビル(旧・千葉そごうBee-One館)5階に常設の学生服取扱店舗「三越スクールユニフォーム 千葉」(約100㎡)を、9階にお中元・お歳暮時期限定の贈答品専門店「三越日本橋本店 千葉ギフトカウンター」(約135㎡)を、そごう千葉店に隣接したJPR千葉ビル5階に富裕層・外商利用客を対象とした「お得意さま向けのサロン」(約140㎡)を順次開設。百貨店閉店後も上得意客の囲い込みを図る。

お得意さま向けのサロン。

また、現段階では詳細は発表されていないが、今後の動向を見て2018年に全面開業予定のJR千葉駅ビル「ペリエ千葉」に、「エムアイプラザ」「イセタンミラー」などの小型店を出店する可能性もあるという。
千葉三越の閉店により、千葉市内の百貨店はそごう千葉店(千葉そごう)のみとなる。
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千葉そごう。

外部リンク:三越千葉店
外部リンク:ココリア多摩センター
関連記事:千葉三越、2017年3月閉店
関連記事:多摩センター三越、2017年3月閉店-旧そごう、ココリア多摩センターの核店舗
関連記事:JR千葉駅、11月20日リニューアル-駅機能は3階に
関連記事:イオンモール幕張新都心前のJR京葉線新駅基本計画発表-開業は約10年後?

西武百貨店筑波店、32年の歴史に幕-2017年2月28日閉店、跡地問題長期化か

茨城県つくば市の「西武百貨店筑波店」(筑波西武)が2月28日20時を以て閉店し、32年の歴史に幕を閉じた。
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西武百貨店筑波店。

万博に合わせた「セゾンショールーム」としての開店だった

西武百貨店筑波店は、つくば科学万博に合わせて1985年3月に新治郡桜村(現・つくば市)に開業。
当時、村にある大手百貨店は日本唯一で、開店当初は周辺人口が少なかったために西武セゾングループのショールーム的な存在の店舗だった。
開店時は日本初のスパイラルエスカレータが導入されたことでも話題を呼んだが、現在は撤去されている。

スパイラルエスカレータ、ポーターロボット…かつての西武には「近未来」があった。 (閉店時のパネル展より)

入居する「クレオスクエア」(売場面積30,832㎡)は、筑波都市整備株式会社が所有。そのうち、西武百貨店は売場面積16,688㎡を占める。
クレオスクエアは総合スーパーの「イオン」(売場面積6,681㎡)と2核1モールを形成している。

改装直後、真新しい外装に「閉店」の文字-静かな閉幕に

最終営業日を迎えた28日は、店舗の別れを惜しむ客で混雑した。
新築かと見紛うような建物は、実は半年ほど前に補修されたばかり。閉店発表時も外壁補修中であったため、真新しい外装に掲げられた「閉店」の文字は、余計に物悲しさを印象づけるものとなった。

真新しい外観。

2階の正面口では、開店した1985年にちなんで先着1985名にデンファレの花が贈られたほか、入口には開店からの歩みや、客から寄せられた西武の想い出が掲示された。
パネル展では、ロボットが働くという開店当時の写真を見ながら「未来的だな…」との驚く客の様子も見られた。

西武の想い出メッセージコーナー。

筑波西武は筑波大学にも近いことから、かつて大学に在籍した人の「お名残り訪問」とおぼしき姿も多くあった。
閉店セールに訪れた60代男性は「一つの時代が終わった。ネットで何でも買えるからなあ」と語ったほか、様々な世代の客から「跡地は何になるんだろう…」との声が多く聞かれた。また、「化粧品を買うところがなくなるから困る」という20代女子学生もいた。
閉店を迎えた20時すぎにシャッターが下ろされると、客から拍手が起きた。
「安全性」を名目に閉店セレモニーなどは実施されず、閉店挨拶もない静かな閉幕だった。

跡地は未定-茨城県の百貨店は1店のみに

閉店を迎えた西武百貨店筑波店であるが、跡地の活用方法は未定となっている。オフィスビルとして再活用を目指すクラウドファンデイングが実施されたこともあったが、不成立に終わっている。
西武百貨店の閉店により、クレオスクエアは半分以上が空きビルとなってしまう。館内に出店するイオンについては、今後も営業を継続する。
また、西武百貨店に出店するテナントのうち、ハウスオブローゼ、ファンケル、第一花壇、JTB(交通公社)は隣接する「Q’t」に、ブックセンターリブロはクレオのエスカレータ横の空きスペースに移転する。
(リブロは売場面積が狭いため、仮店舗と思われる)

感謝の挨拶が掲げられた。

かつて県内最大手であった伊勢甚をはじめとして、各地に多くの百貨店が立地していた茨城県であるが、西武百貨店筑波店の閉店により、県内の百貨店は水戸京成百貨店のみとなる。

外部リンク:西武筑波店
関連記事:西武百貨店八尾店、36年の歴史に幕-2月28日閉店、新施設に期待の声も
関連記事:
筑波西武・八尾西武、2017年2月末閉店-百貨店リストラに突き進むセブンアイ
関連記事:筑波西武跡の再活用に向けたクラウドファンディング開始-オフィスビル化目指す
関連記事:そごう柏店、43年の歴史に幕-9月30日、西武百貨店旭川店も閉店

西武百貨店八尾店、36年の歴史に幕-2017年2月28日閉店、新施設に期待の声も

八尾市の近鉄八尾駅前にある百貨店「西武百貨店八尾店」(八尾西武)が2017年2月28日20時を以て閉店し、36年の歴史に幕を閉じた。

西武八尾ショッピングセンター。

ショッピングセンターとして開業、現在はアリオと連結も

西武百貨店八尾店」は「西武八尾ショッピングセンター」の核店舗として1981年5月に開店。建物は八尾市都市開発と八尾ビルディングが所有している。売場面積は37,536㎡。
八尾西武は、高槻西武、大津西武、つかしん西武などとともに従来の百貨店に専門店を加えた「ショッピングセンター」として開業した(当時は百貨店としての出店申請が難しかった背景もある)。
現在も、ユニクロ、ロフト、エディオン、無印良品、ABC-MART、山野楽器、JINSなど数多くのテナントが出店している一方、近年は類似したテナントが出店するショッピングセンターとの競争も激しかったと思われる。
また、隣接する「アリオ八尾・イトーヨーカドー八尾店」(2006年12月開業)と連絡通路で接続されたことは、西武百貨店のセブンアンドアイホールディングス入りを印象づける出来事であった。八尾西武の広告塔屋には「アリオ」の名前も記されている。
 
閉店セール中の八尾西武。
最終営業日には多くの看板が撤去されていた。

また、通常は屋上にあることが多い稲荷神社が8階のレストラン街に設置されていることも特徴となっており、現在、神社は向かいの大手お好み焼きチェーン「千房」などが管理をおこなっていた。この千房は、千房の百貨店出店1号店でもあった。

8階レストラン街の稲荷神社と千房。

天候に恵まれた最終日、新施設に期待の声も

最終営業日となった28日は、朝から天候にも恵まれ多くの買物客が店に訪れた。既に建物外壁に設置されていた「SE[I]BU」看板の大半が取り外されており、広告塔屋や日除けに描かれたロゴもシールなどで覆われるなど閉店前とは思えない異様な光景が見られた。

閉店当日の八尾西武。

また、1階ではアクセサリー売りつくしセールが開催されるなど、館内は大いに賑わいを見せた。

閉店セールで賑わう館内。

8階レストラン街には、閉店を記念した「メッセージボード」が設置された。開業当時の写真やチラシ、紙袋、記念品など様々な資料が公開され、当時を懐かしむ客の涙腺を刺激した。
「キラッキラの、八尾。」「おや、おや、やおや。」などのセゾンらしいキャッチコピーも並ぶメッセージボード

買物客からは「子供の頃からなぁ、遊び場だったもんなあ、かくれんぼしたよなぁ」(10代男性学生)、「親が子供の頃からあったのにつらいなあ」(10代男性学生)など、閉店を惜しむ声が多く聞かれたほか、「ただただ寂しい、でも建物は残るみたいで安心やねぇ、若い子が寄るような店は残る?無印は閉店するのねぇ」(60代女性)、「H&Mが入ると嬉しい」(30代男性)、「ロフトが残るの初めて知ったんだけど!」(学生団体)といったような、新施設への期待の声も多くきかれた。
また、地階食品売場でも、食品スーパー、惣菜専門店の営業継続について店員に尋ねる買物客が多く、西武閉店後の買物場所を心配したり、一部テナントの営業継続に安堵する様子も見られた。

店頭に掲げられた閉店カウントダウン。

式典なく静かな閉店に

閉店間際となった午後8時、「お客様の安全性」を名目に閉店記念セレモニーなどは実施されなかったもの、多くの買物客が閉店の瞬間を見届けるべく1階玄関前に集まっていた。買物客の一部からは「大の西武なのに安全上の理由もせんとか、せやから西武潰れるんやで」(50代男性)といった不満の声も聞こえたが、午後8時10分にシャッターが閉まった瞬間拍手が巻き起こった、
その後店員の1人が「ありがとうございました」といい、八尾西武は36年の歴史に幕を下ろした。

多くの人が詰めかけた。

新たな施設として再生へ-多くのテナントが営業継続

八尾都市開発と八尾ビルディングは、不動産会社「ザイマックス」とともに西武百貨店跡を新たな商業施設として再生する計画を発表している。
3月1日以降は西武百貨店運営フロアを除く多くのテナントが営業を継続。2017年9月ごろの全面リニューアルオープンを目指して工事が進められる。

営業継続の案内を掲げる八尾ロフト。

3月1日以降も営業を続けるテナント
地下1階
  • パントリー(食品スーパー)
  • おきな昆布(乾物・惣菜)
  • 花屋敷(洋菓子)
  • 三都屋菓子舗(和菓子)
  • 千鳥屋(和菓子)
  • 播彦(和菓子)
  • 桃林堂(和菓子)
1階
  • E.R.G(婦人服)
  • ハニーズ(婦人服)
  • フリースタイル(婦人服)
  • ミューゼ(婦人服)
  • ラナンキュラス(婦人服)
  • リップスター(婦人服)
  • 靴下屋(靴下)
  • ブランハンナ(フラワーラウンジ)
  • ラフィネ(リラクゼーション)
  • ミスターミニット(靴の修理・合カギ)
  • すまいSelect(住宅相談)
  • 八尾自動車教習所カウンター
  • カフェJr.(カフェ)
  • カラダファクトリー(リラクゼーション)
  • 八尾 チャンスセンター(宝くじ)
1階別棟
  • 八尾市ワークサポートセンター(就労支援)
  • 小学館英語教室(スクール)
  • フタバクリーニング(クリーニング)
2階
  • アミティエ(婦人服)
  • ミューゼ(婦人服)
  • 資生堂(化粧品)
  • 宝飾サロン(宝石)
  • アールズステージ(婦人カラーフォーマル)
  • 香里乃港(仏壇・仏具・線香)
  • アンフィドゥ(婦人肌着)
3階
  • エムニバイ・センソユニコ(婦人服)
  • 京都ふうや(婦人服)
  • タケオニシダ(婦人服)
  • ブティックエコー(婦人服)
  • ブティック・キュア(婦人服)
  • ブティック サラン(婦人服)
  • プレタセレクト(婦人服)
  • ベルミラン(婦人服)
  • リサルトジョカーレ(婦人服)
  • ルートアン(婦人服)
  • ビーズリー(パンツショップ)
  • フォーマルサロン(婦人フォーマル)
  • 京のきもの屋 四君子(呉服)
  • クラフトハートトーカイ(毛糸・生地・手芸)
  • リフレッシュサロン(リラクゼーション)
  • マジックミシン(洋服のお直し)
4階
  • ライトオン(カジュアル衣料)
  • ユニクロ(カジュアル衣料)
  • ABCマート(靴)
  • かんかん(エスニック雑貨)
  • イケダペットファーム(ペット)
  • ヴァンカウンシル(美容室)
  • 小学館幼児教室ドラキッズ(スクール)
5階
  • ロフト(生活雑貨・文具)
  • JINS(メガネ)
7階
  • メガネの三愛(メガネ・補聴器)
  • 保険ひろば(保険コンサルティング)
  • もりかわ歯科(歯科)
  • エディオン(家電・携帯・リフォーム)
  • 山野楽器(音・映像・楽器・音楽教室)
  • リブロ(書籍)
  • カフェ・ド・クリエ(カフェ)
8階
  • とんかつ 八尾 花(とんかつ)
  • 串のアイワ(串揚げ専門店)
  • 千房(お好み焼)
  • 五旬(季節料理)
  • にっこりマッコリ(韓国食彩)
  • 占い開運館(占い)

※無印良品は閉店する。

外部リンク:西武八尾店
関連記事:西武百貨店筑波店、32年の歴史に幕-2月28日閉店、跡地利用長期化か
関連記事:
筑波西武・八尾西武、2017年2月末閉店-百貨店リストラに突き進むセブンアイ
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グランベリーモール南町田、2017年2月12日閉館-都内有数のアウトレット、再開発で

東急モールズデベロップメント運営する東急南町田駅前のアウトレットモール「グランベリーモール」(東京都町田市)が2017年2月12日に閉館し、16年の歴史に幕を下ろした。

賑わう最終日のグランベリーモール。

「暫定利用」として開業した駅直結アウトレットモール

東急田園都市線南町田駅は1976年10月に開業。周辺の住宅団地の開発に合わせたものであったが、商業施設としては長らく「東急ストア」など小規模のものしか立地しておらず、あくまでベッドタウンとしての役割しか持っていなかった。
しかし1990年代に入ると、1993年に駅北口にアメリカの街並みを再現したアミューズメント施設「キャノンボールシティ」が、1998年には南口にニトリが開業するなど、集客施設の開発が進んだ。
そうしたなか、「開発が進むまでの10年間程度の暫定利用」として、2000年4月にグランベリーモールが開業する。
南町田駅に直結し、約87,000㎡の広大な敷地のなかに複数の建物が建つ造りで、売場面積はA館フレッシュベリーマーケット(東急ストアなど)が3,869㎡、B館ホームライフガーデン(モンベル、GAPなど)が4,176㎡、C館ホームライフガーデン(コムサなど)が8,639㎡、D館アウトレットが2,822㎡、E館アウトレットが2,822㎡、F館アウトレットが2,858㎡。このほかに、映画館が入居するオアシススクエアなどがある。
アウトレットモールにはラグジュアリーブランド「COACH」やセレクトショップ「BEAMS」、「URBAN RESEARCH」、靴専門店「ABC-MART」、丸井のアウトレット業態などが出店。そのほか、アウトドア用品専門店「mont-bell」やインテリア雑貨「Francfranc」の大型店舗、食品スーパー「東急ストア」、カジュアル衣料品店「GAP」、書店「リブロ」なども出店していた。
また、グランベリーモールの開業が呼び水となり、2001年には外資系スーパー「カルフール」(現・ケーズデンキ)が進出したほか、大手不動産ディベロッパーによる分譲マンション建設も進められ、南町田駅周辺は急速な発展を遂げた。
米国登山用品大手R.E.I(レクリエーショナル・イクイップメント)も出店していたグランベリーモール(現在はモンベル)

当初は10年間程度の暫定利用として開設されたグランベリーモールであったが、2006年には三井不動産や三菱地所グループなど競合他社による首都圏近郊への相次ぐアウトレットモール開業に対抗するかたちでシネマコンプレックス「109シネマズ」などが入居する新館「オアシススクエア」を増設するなどし、客層を拡大していった。

「暫定利用」開始から16年、再開発で閉館へ

グランベリーモールは渋谷から東急田園都市線で約30分という立地を活かし、都内有数のアウトレットモールとして休日には混雑を見せるようになった。一方で、普段から近隣住民がペットを連れて散歩する姿も見られるなど地域に根付いた施設にもなっていた。
しかし、「暫定利用」として開業した建物は老朽化が進んでいたこともあり、2016年に東急電鉄と町田市が共同で立ち上げた駅周辺大規模再開発プロジェクト「南町田拠点創出まちづくりプロジェクト」の一環として、再開発の対象となることが決まった。

閉店を記念してペットボトルのキャップで作られたアート作品。

賑わう営業最終日、入場制限も

営業最終日となった2月12日は、南町田駅からは長蛇の列ができ、閉館を惜しみイベント会場で記念撮影する客などで溢れかえった。
開業以来営業を続けていた「アウトバックステーキハウス」の日本1号店や、最大50%OFFを打ち出した「COACH」では入場制限も行われた。

アウトバックステーキハウス。

閉館45分前となる午後5時15分からは、閉館記念セレモニーとして「イルミネーション消灯式」が開催され、積水ハウスのCMソングで知られる「アルケミスト」によるライブ、即興のコーナー、町田市立鶴間小学校生徒との合唱が披露された。
アルケミストはtvkテレビ神奈川の人気長寿番組「あっぱれKANAGAWA大行進!」のレギュラーを務め、グランベリーモールのイベントにも約14年間出演し続けるなど、当モールにゆかりのあるアーティストとして知られている。アルケミストは閉館するグランベリーモールを意識した替え歌を作り、消灯式参加者誰もが一体になるような世界観づくりを目指した。
この閉店記念ライブはインターネット上で同時生中継され、岐阜県からも「即興コーナー」に参加するファンがいるほどの注目ぶりであった。

東急モールズデベロップメント社員一同による挨拶。

閉館10分前には東急モールズデベロップメント安田龍司事業部長による買物客や従業員、店舗スタッフへのお礼、ねぎらいの言葉が語られ、「(再開発の完了後に)ワクワク、ドキドキする施設をご覧いただけるように、精一杯努力することを約束する」という言葉で締めくくられた。
閉館6分30秒前(消灯1分30秒前)には、安田龍司事業部長と小学校生徒2名による消灯準備が行われ、消灯10秒前に急ぎ足でのカウントダウンが実施され、イルミネーションが消灯された。

その後、東急モールズデベロップメント社員が「お兄ちゃん、お姉ちゃんになった3年後のみなさん、忘れずにまた来てくださいね」「3年後また皆様とここでこうしてお目にかかれることを楽しみにしております」と語りかけ、グランベリーモールは16年の歴史に幕を下ろした。

セレモニーでは南町田駅から長蛇の列が生じた。

東急ストア、郵便局など仮移転-再開業は2019年度末か

グランベリーモールの閉鎖後、跡地は約3年間をかけ「生活遊園地~くらしの『楽しい』があふれるエンターテイメントパーク~」をテーマとした全面再開発がおこなわれる。
東急グループでは、南町田を「第二の二子玉川」と位置付けているといい、新施設の誕生が期待される。
なお、グランベリーモール閉鎖後も、食品スーパー「東急ストア」は2月28日まで現店舗での暫定縮小営業を行い、3月10日以降は駅西側に近隣住民向け仮設店舗を開設する。
郵便局やATM、南町田駅前連絡所(リエゾン)も近隣への一時移転が予定されている。

今後の南町田再開発に関する記事はこちら

外部リンク:グランベリーモール 公式サイト
外部リンク:南町田拠点創出まちづくりプロジェクト|町田市・東急電鉄
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ルクア・伊勢丹食品館「フードホール」、営業最終日賑わう-2017年1月26日で閉店に

大阪府大阪市北区の大阪駅・ノースゲートビルディング西館「ルクアイーレ」(LUCUA1100)地下2階にあるジェイアール西日本伊勢丹(本社:京都市下京区)のデパ地下フロア「イセタン フードホール」が2017年1月26日に閉店した。
これにより、ルクアイーレからいわゆる”デパ地下”が消滅した。
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賑わう営業最終日のイセタンフードホール。

開店から人気の高かった食品売場、惜しまれつつ閉店

イセタン フードホールはJR大阪三越伊勢丹地下2階食品フロアを引き継ぐかたちで2015年4月に開業。
三越伊勢丹として開業した当初は東京の店舗を多く取り入れ「伊勢丹らしい」デパ地下だったが、ルクアイーレへ改装された際には、梅田初進出となる高品質スーパー「北野エース」、素材専門店「富澤商店」を新たに導入。飲食店・イートインも、「和酒空間TASHINAMI」、「銀座天一」に加え、「燻製バルOSAKA」、「堂島カレー」、「姫路 竹善」の麺料理店が新規出店、ジャンル面・価格面双方において充実が図られた。 また、「大阪産(おおさかもん)」認定商品の取扱拡充や、大阪・天満の中華バル「黒龍天神樓」、上新庄の「オーサムベーカリー」を入店させるなど、伊勢丹らしい東京の銘店に加えて地元銘店も重視した売場に生まれ変わっていた。
さらに、閉店時間を競合百貨店より30分~1時間程度長い午後9時として仕事帰り客の獲得にも成功。自社カード会員ラウンジなどを改装して開業した飲食街・バルフロア「バルチカ」とともに大きな集客力があった。
しかし、この「バルチカ」は、運営が軌道に乗ると週末を中心に大きな混雑を見せるようになった。その結果、食品売場は改装から僅か2年でバルチカの更なる増床をおこなうため閉店するに至ったという。

「東京の伊勢丹」ならでは、大阪・関西から撤退する店舗も

イセタンフードホールの営業最終日となった1月26日には、関西から全面撤退となるベーカリー「ジョアン」や、ヒレカツ弁当の特価販売を実施した「とんかつ和幸」では長蛇の列が発生。ワインや惣菜、グラスなどを販売する「ヴァン・コラージュ」では入場制限も行われた。
生鮮食品売場は夕方前にはほとんどが売り切れ、ギフト解体商品も陳列数分で姿を消すなど、大きな賑わいをみせた。
賑わう最終日、ヴァンコラージュ(写真左側)では入場制限も。

大阪唯一の店舗として営業していた銀座天一では、店員に近隣店舗の情報を聞く客も見られるなど、「東京の伊勢丹」を売りに関西・大阪唯一の銘店が多かった同店ならではの光景があった。

商品の大半が夕方には売り切れた生鮮食品コーナー。

伊勢丹ギフトサロンも閉店-バルチカ増床へ

イセタンフードホールの閉店後は以前の記事で紹介した通り、2017年秋から2018年春にかけて、好調な飲食街「バルチカ」の拡張を中心とした改装をおこない、新たな専門店ゾーンに生まれ変わる予定だ。
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飲食街「バルチカ」は増床される。

イセタンフードホールが営業していた地下2階フロアではJR西日本伊勢丹によるインフォメーションカウンター、商品券・ギフトサロンも営業していたが、今回のフードホール営業終了に合わせて業務を終了。直営売場を縮小しつつも「百貨店業態」を維持してきたルクアイーレであったが、今後は百貨店とは言い難い構成になる。
梅田における三越伊勢丹のギフト拠点は、三越大阪ギフトサロン(11階)のみとなる。

外部リンク:isetan Food Hall イセタン フードホール食料品
外部リンク:イセタンフードホールギフトサロン
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プランタン銀座、2016年大晦日に閉店-賑わう営業最終日、3月から「マロニエゲート」に

銀座三丁目の百貨店「プランタン銀座」が12月31日16時過ぎを以て閉店し、32年の歴史に幕を下ろした。 
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最終日を迎えたプランタン銀座。

かつて全国展開した仏百貨店「プランタン」、日本から姿消す

プランタン百貨店はフランスの大手百貨店「オ・プランタン」のフランチャイズ百貨店の経営を行っていたダイエーにより1984年4月に開店。
プランタン百貨店としては日本4号店で、読売新聞社が保有する「読売銀座ビル」への出店だった。売場面積は22,212㎡。
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オ・プランタン百貨店。パリを代表する百貨店の1つ。

その後、2002年にダイエーの経営不振によりプランタン銀座の株式が読売新聞社と三越に売却され、その後は高級服飾品中心から若い女性をターゲットとした百貨店への改装を進めた。 更に、近年は「ユニクロ」や「ニトリ」などといった大型専門店を導入することで、顧客層の拡大を図っていた。
その一方で、高級百貨店である「オ・プランタン」との経営方針の相違も生まれ、2016年末の商号使用契約の期限を以て「プランタン銀座」としては閉店することとなった。

営業最終日、朝から賑わう-閉店時には社員による歌も披露

プランタン銀座の営業最終日となった12月31日は、大晦日であったものの朝から多くの人が詰めかけ、夕方まで混雑した。img_20161231_7947

特に人気となったのは12月30日より販売を開始した「最後の福袋」で、社員のコンシェルジュサービスを受けながら自由に売りつくし特設会場内の商品から好みの服、雑貨などを7点選べる「プランタン銀座城 夢のウォーキングクローゼット福袋」、2階ケーキショップ「アンジェリーナ」のモンブランが365日味わえる「365日のモンブラン福袋」、プランタン銀座プロデュースのパリツアーなどプランタンならでは体験型の福袋が販売された。
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社員による歌も披露されたセレモニー、「フランス系百貨店ならでは」の光景だったのかもしれない。

閉店セレモニーではプランタン銀座の32年の歴史がスクリーンに映し出され、社員による歌も披露されるなど、長年の歴史に幕を下ろすとは思えないような「明るい式典」となった。

3月より「マロニエゲート」に統合-マロニエゲート3館体制に

今後、「プランタン銀座」は、隣接する専門店ビル「マロニエゲート」の一部となるべく、約30億円をかけて全面改装を行い、2017年3月15日に「マロニエゲート2」として再開業する。なお、本館の「ユニクロ」、「ニトリ」、「The 銀座 フットサル」、「バナナ・リパブリックを含むアネックス全館」は1月2日より営業をおこないながら改装を実施する。ビゴの店、アンジェリーナなどプランタン銀座を代表したベーカリー、スイーツショップの一部はマロニエゲート2に再出店する予定。
また、隣接する「プランタン銀座アネックス」は「マロニエゲート銀座3」に、現在の「マロニエゲート」は「マロニエゲート銀座1」に改称される。
新店舗についての詳細は前記事「プランタン銀座、2017年3月より「マロニエゲート銀座」に統合 」を参照。
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改装後の3館のイメージ。

三越伊勢丹グループからの離脱も決定

三越伊勢丹グループは2002年よりプランタン銀座の株式の3割を保有、社長を送り込むなどしてきたが、12月13日にプランタン銀座の株式をすべて売却すると発表。新会社は読売新聞の100%子会社となり、新社長には読売新聞東京本社の幹部である木村透氏が就任することが決まっている。

外部リンク:プランタン銀座
外部リンク:プランタン銀座 新店名「マロニエゲート銀座」
外部リンク:マロニエゲート銀座2&3 店舗詳細
関連記事:プランタン銀座、2017年3月より「マロニエゲート銀座」に統合 

そごう柏店、43年の歴史に幕-2016年9月30日、西武百貨店旭川店も閉店

千葉県柏市の柏駅前にある百貨店「そごう柏店」(柏そごう)が、2016年9月30日に43年の歴史に幕を下ろした。
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そごう柏店。

「緑の街にお城のような百貨店」

「柏そごう」は1973年10月に開店。地上14階、地下1階、3館体制で、売場面積は39,729㎡。 開店当時は千葉県最大の百貨店で、そのキャッチフレーズは「緑の街にお城のような百貨店」。
「柏髙島屋」、「丸井柏店」などと同年の開業であり(丸井は旧店からの移転開業)、それぞれが国鉄柏駅とダブルデッキ(ペデストリアンデッキ)で連結されるという、当時としては画期的な街づくりで注目を集めた。
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開店当時のチラシ。

最盛期の1991年には年商590億円を記録、長年に亘って柏市の地域一番店であったものの、ライバルである高島屋の「ステーションモール化」による若者向けテナント導入・客層の拡大により、21世紀に入るころには柏高島屋と売上が逆転。
2015年2月期の売上高は、柏高島屋が358億円だったのに対し、そごう柏店の売上は121億円にとどまっていた。

最終日、閉店を惜しむ客で賑わう

閉店を迎えた9月30日には、朝から大勢の客が訪れた。駅前のダブルデッキでは最後のそごうの有志を写真に収める人が大勢おり、シンボルである14階の回転展望レストランも終日満席に。長年柏のシンボルとなっていたことが伺える。
館内では閉店記念として「そごう柏店と東口の歩み」パネル展とメッセージ展も開催され、最終セールを告げる店員の声が響くなか、かつてのそごうの写真に見入る客が多く見られた。あまりの行列に買い物を諦める客も多かったようだ。
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閉店カウントダウンを告げる看板。

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多くの客が店舗前で記念撮影をしていた。
エレベーターにはメッセージが。

20時13分ごろからは店舗前で閉店セレモニーが行われた。
ダブルデッキを埋め尽くす客のなか、そごう柏店を代表して浮橋店長が店舗の歴史を振り返り、柏商工会議所からの花束贈呈を受けた。そして、そごう柏店は43年の歴史に幕を下ろした。

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なお、そごう閉店後は、本館に出店するテナントは殆どが閉店するものの、スカイプラザ館ではビックカメラ、浅野書店など多くのテナントが営業を継続する。

西武百貨店旭川店も閉店-閉店つづくそごう・西武

また、9月30日には「西武百貨店旭川店」も同時に閉店した。
西武百貨店旭川店は1975年8月に開店。A館(地下1階、地上8階)とB館(地下1階、地上10階)の2館体制で、売場面積は約24,200㎡。
JR旭川駅ビルには2015年3月に「イオンモール旭川駅前」が開業。イオンモールは旭川西武の向かい側に位置しているため、旭川西武周辺の歩行者通行量は増加していた(旭川市の調査による)一方で、西武の売上増加には繋がっていなかったという。
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西武百貨店旭川店。

西武百貨店旭川店に関しては、ほぼ全館のテナント含め西武と同時に閉店する。雑貨店ロフトに加えて、シャネルなどの高級ブランドの全てが地域から完全撤退となる。

縮小続けるそごう・西武

そごう・西武は、2017年2月に西武百貨店筑波店、西武百貨店八尾店、そして2017年中に中小サテライト店10店舗を閉店させるほか、希望退職者350人を募ることを発表している。
そごう柏店、西武百貨店旭川店を含めて、これら4店舗の跡地の活用方法は決まっていない。

関連記事:西武百貨店旭川店、閉店を検討
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関連記事:そごう・西武、中小10店舗を2017年夏までに閉鎖へ

外部リンク:西武旭川店ならびにそごう柏店の営業終了について(そごう・西武、PDF)
外部リンク:止まらぬセブンアイ系百貨店閉店ラッシュ、背後にあるものとは(都商研提供記事)