都ホテル博多、2019年9月22日開業-近鉄博多ビルの再開発完成、滝の流れるホテルとして復活

福岡県福岡市博多区の博多駅前に建設中だった近鉄グループの複合ビル「近鉄博多ビル」が竣工を迎え、核店舗の「都ホテル博多」が2019年9月22日に開業した。

近鉄博多ビル・都ホテル博多。

博多駅前の都ホテル、約2年ぶりに復活

近鉄博多ビル・都ホテル博多の前身となる「福岡リコー近鉄ビル」「博多都ホテル」は1972年に開業。建物は地上14階建で、近鉄グループの近鉄不動産が所有する。
開業以来長らく、福岡地所系の「サンライフホテル」やダイエー系の「ホテルセントラーザ博多」とともに博多駅筑紫口を代表する大型宿泊施設として親しまれていたが、再開発のため2016年3月31日をもって営業終了、建物が解体されていた。

滝の流れる都ホテル、筑紫口の新たなランドマークに

今回開業した近鉄博多ビルは地上13階建地下2階建、敷地面積約2,260㎡、建築面積約1,683㎡、延床面積約23,070㎡、高さ約57㎡、総事業費約130億円。容積率は福岡市が2016年12月に創設した「ハイクオリティホテル建設促進制度」の第1号案件に認定されていることから約875%に緩和されている。
コンセプトに「緑と水と光のビル」を掲げ、壁面や最上階に水が流れ落ちる滝や緑を設置、博多駅筑紫口のランドマークとなる施設を目指す。

「都ホテル博多」ロゴマーク。

新施設の低層階(地上1階~地下2階)は商業フロアとして、ドラッグストア「大賀薬局」、コンビニ「セブンイレブン」、大名に本店を構える「ワインと天ぷら あら木」、博多さかなビルから移転した海鮮居酒屋「博多魚蔵」、「博多もつ鍋おおやま」、「タリーズコーヒー」といった6つの専門店が出店。地下1階は福岡市営地下鉄博多駅のコンコースと接続する。

飲食店やコンビニ、ドラッグストアが出店。

高層階(3~12階)は宿泊施設として、近鉄・都ホテルズの「都ホテル博多」が出店。客室数は208(ツイン137/ダブル65/テラス付き特別室6)で、価格帯は21,000円~254,400円、全客室が30㎡を超える面積となる。
ホテルには「トランジットジェネラルオフィス」がプロデュースを担当する飲食店2ブランドを導入、3階にカフェラウンジ「CAFE EMPATHY」(3階、45席)が、13階に東京・西麻布のフレンチレストラン「Crony」(ミシュラン1つ星)の春日理宏シェフが監修した「SOMEWHERE RESTAURANT & BAR」(90席)が店を構える。
また、ホテル最大の特徴として13階に「天然温泉スパ」を設置する。天然温泉スパ内のプール、ジェットバス、 足湯、内湯、サウナは宿泊客であれば無料で利用可能であり、プールサイドでは軽食やドリンクも可能となっている。

ホテル間競争激化の博多駅エリア

博多駅周辺では2012年に福岡地所グループが「サンライフホテル1号館」(1978年6月開業)を「ホテルフォルツァ博多(現・博多駅筑紫口Ⅰ)」に建替え、2016年1月には西鉄グループがビジネスホテル1号店「西鉄イン博多」(2006年2月開業)をコンセプト型ホテル新業態「西鉄ホテルクルーム博多」に転換、2019年4月には旧ダイエーグループの「ホテルセントラーザ博多」(1985年9月開業)が「オリエンタルホテル福岡博多ステーション」にリブランドするなど、既存ホテルのリニューアルが相次いでいる。

ホテルセントラーザからリブランドしたオリエンタルホテル。

福岡では宿泊需要の拡大に伴いホテルの新規開設が増加傾向にあり、今後も既存ホテルが生き残りをかけたリニューアルを実施するとみられる。

近鉄博多ビル・都ホテル博多

住所:福岡県福岡市博多区博多駅東2丁目1-1
営業時間:テナントにより異なる

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