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天神ビブレ、44年の歴史に幕-2020年2月11日閉店、多くの市民に惜しまれた最終営業日

福岡県福岡市中央区天神の西鉄福岡(天神)駅・地下鉄天神駅近くのファッションビル「天神ビブレ」が、再開発のため2020年2月11日午後8時30分をもって44年の歴史に幕をおろした。

最終営業日の天神ビブレ。

天神コアとともに流行を牽引してきたファッションビル

天神ビブレは1976年11月に、大手総合スーパー「ニチイ」の「ニチイ天神ショッピングデパート」として因幡町商店街・西鉄街などを再開発して生まれた再開発ビル「天神第一名店ビル」に開業。1982年3月に同社ファッションビル「天神ビブレ21」に転換した。建物は地上10階地下2階建、営業フロアは地上8階~地下2階、営業面積は10,754㎡、専門店数は約70店舗(2019年時点)。
8階には大規模音楽ライブホール「ビブレホール」を整備するなど、館内通路で直結する西鉄グループの「天神コア」とともに福岡の流行を牽引してきた。1997年には別館(現MMTビル、旧東急プラザ)が開業したものの、別館はマイカルの経営破綻により2001年3月に閉店している。

隣接する天神コア、2020年3月閉店予定。

その後、運営会社の再編に伴い2011年3月に「イオンリテール」のビブレ・フォーラス事業部に、2016年3月には旧ダイエー系でイオンモール完全子会社の「オーパ」に運営移管されている。
なお、MMTビルは複合商業施設「メディアモール天神」として「ジュンク堂書店福岡店・丸善福岡店」を核に、100円ショップ「ダイソー」、オフィスなどが入居しているが、こちらも近く閉館し、福岡市役所北別館や周辺店舗と合わせて複合ビルを建設する再開発が計画されている。

ビブレの象徴「サブカル」「スポーツ」はどこに移転?

天神ビブレでは、福岡市中心部(博多・天神)への競合施設の相次ぐ進出を受け、以前から定評のあったゴスロリ・甘ロリ系の店舗に加えて「アニメイト」「文教堂ホビー」「駿河屋」などサブカル系の店舗や「スポーツオーソリティ」「Mt.石井スポーツ」などスポーツ・アウトドア関連の店舗集積を強化、2018年9月にはビブレへの業態転換当初から営業していたビブレホールを「よしもと天神ビブレホール」にリニューアルするなど独自の立ち位置を構築していた。
こうした店舗のうち「Mt.石井スポーツ」は資本業務提携関係にあるヨドバシカメラマルチメディア博多に3月13日移転、「駿河屋」は資本業務提携関係にある丸井(博多マルイ)に3月中旬移転、「アニメイト」はパルコ本館8階に3月28日移転を発表しており、「GU」や「ABCコスメストア」などその他のファッションブランド等も改装中のパルコやソラリアへの移転、既存店への誘導を行っており、福岡市中心部から完全撤退となるブランドは少ないとみられる。
アニメイト福岡天神の移転告知。

多くの客に送られた天神ビブレ

天神ビブレの閉店当日となった2月11日には多くの客が訪れた。
午後8時50分に買物客の送り出しを終え、閉店式典を開始した。

最終営業日の天神ビブレ。


多くの客で賑わいを見せた。

天神ビブレ商店会(旧・因幡町商店会)高力夏男会長は「この天神の地で私どものような小さな商店主の集まりである天神ビブレ商店会が今日まで影響を続けさせていただきましたのも一重に皆様のご愛顧のお蔭」、天神ビブレ浅井直樹館長は前身のニチイ開業から今回の再開発に至った経緯までを語り「従業員一同、心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。」とそれぞれコメント。

最後の挨拶。

午後9時に閉店式典を終了し、全従業員による挨拶のなかシャッターが下ろされ、天神ビブレは44年の歴史に幕を下ろした。

午後9時にシャッターが下ろされた。

午後10時前からは、閉店後に残った市民たちが見守るなかビブレやテナントの看板撤去が始まった。

看板の撤去。

ビブレは「イオンモール」の食品フロアとして再進出

天神エリアでは、福岡市が「天神ビッグバン」と称して高さ制限や容積率の規制緩和による民間再開発促進事業を推進しており、2024年を目処に天神ビブレと同じ区画内にある「福岡ビル」(2019年3月閉館)及び「天神コア」(2020年3月31日閉店)の跡地にオフィスやハイクオリティホテルを備えた西鉄グループの複合商業施設(地上19階地下4階建、高さ約96m)が開業を予定している。

福岡ビル・天神コア跡地に建設予定の建物イメージ。

天神ビブレはこの新ビルの一部として取り込まれ、低層階に「イオンモール」運営の店舗として再出店する。
今後、2024年の1期開業を目指して工事が進められる。
詳しくはこちらの記事へ。

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イオン京橋店、再開発で再出店めざす-2019年9月30日閉店、賑わう「ダイエー旗艦店」最終日

大阪府大阪市都島区のJR京橋駅に直結する大型総合スーパー「イオン京橋店」(旧・ダイエー京橋店)が、2019年9月30日20時20分をもって47年の歴史に幕をおろした。
今後建物は解体され、再開発がおこなわれる。

閉店当日のイオン京橋店。

ダイエー時代に売上西日本一を記録したイオン

イオン京橋店は1971年11月に「ダイエー京橋店」(京橋ショッパーズプラザ京橋)として開業。長らく関西におけるダイエーグループの旗艦店として営業しており、最盛期には同社店舗のなかで西日本一の売上を記録した時期もあった。その後、ダイエーの総合スーパー事業縮小に伴い2016年3月をもってイオンリテールに運営移管、現在の店舗名に改称したが、再開発のため2019年7月に一時閉店が発表されていた。
建物は地上5階建で売場面積は22,769㎡、建物はイオンリテールが所有する。
ダイエー京橋店。

イオン京橋店はダイエーからの転換当初、テナントとして80近い専門店が営業を行っていたが、イオンの閉店に先駆けて大型ゲームセンター「パロ」「モーリーファンタジー」が9月16日23時をもって閉店、老舗中華料理店「中国料理 大北京」や「スターバックスコーヒー」が9月29日をもって閉店しており、閉店当日まで営業を継続していたテナントは「ユニクロ」「ドムドムハンバーガー」「ミスタードーナツ」など一部となっていた。

和やかな閉店当日、地元有名歌手らによる閉店式典開催

イオン京橋店では閉店当日となる9月30日19時から閉店セレモニーを開始。19時から大阪市都島区のゴスペルサークル「cucumber choir@human note」による歌の披露、19時20分から日本テレビ系音楽オーディション番組「歌スタ!!」でメジャーデビューを果たし一世を風靡した地元・京橋出身の歌手「木山裕策氏」がヒット曲「home」を始めとする3曲(home三部作)を立て続けに披露した。

「home」を歌う木山裕策氏。

19時50分からはイオン京橋店長崎正司店長や都島区商店会連盟会長、イオン京橋店専門店会会長ら関係者による挨拶が行われ、従業員による花道で買物客のお見送りが行われた。
当初の閉店予定時刻から遅れること20分、多くの人が見守るなか、20時20分にシャッターが下ろされ、イオン京橋店は約半世紀の歴史に幕を下ろした。

イオン京橋店関係者による閉店の挨拶。

再開発のため一時閉店-再出店の「詳細は未定」

都商研の取材に対し、イオンリテール広報担当者は「都市再生緊急整備地域指定を受けていること」を一時閉店の理由として挙げており、店頭にも「一時閉店」の文字が掲げられている。
しかし、新施設の詳細は決まっておらず、9月時点では発表されていない。
今後は建物を解体し、数年をかけて再開発を実施。完成後の「再出店」をめざすという。
京橋は大阪市東部の一大ターミナルでありながら、大型再開発プロジェクトが相次ぐ梅田、難波、心斎橋と比較すると古い街並みが多く残り、開発が進んでいなかった。京橋の新たなランドマークとなる施設の誕生が期待される。

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【アネックス館テナント一覧】棒二森屋、150年の歴史に幕(2)-旧アネックス館、2月8日再開業

2019年1月31日に閉店したJR函館駅前の百貨店「棒二森屋」(北海道函館市)の新館であった旧「アネックス館」が改装されて2019年2月8日に営業を再開する。

間も無く改装されるアネックス館。

閉店日の記事はこちら
旧アネックス館、2月8日開業-ファッションビルに

棒二森屋アネックス館は1982年に建設。地下1階、地上7階建て。
本館は老朽化により耐震性が低いことが発表されており、建物は解体される見込みだが、旧アネックス館、パーキング館は当面のあいだ営業を継続することとなった。
旧アネックス館は2月8日からファッションビルとして順次開業。移転・新規出店する店舗の一部は2月20日前後の開業になるという。パーキング館は3月に営業を再開する。
改装後の新名称は未定。再開発の進展状況を見て数年後(2022年以降)に閉館する計画だ。

旧棒二森屋アネックス館(手前)。

地階の食品売場をはじめとした百貨店の直営フロアは廃止されるが、本館から複数のテナントが移転。そのなかには「ハウスオブローゼ」など全国展開する人気店舗も含まれる。また、以前から1階で人気を集めている「はこだてスイーツ&CAFE」のコーナーには函館市亀田の人気老舗ベーカリー「キングベーク」など新規テナントも導入される。
なお、建物は中合が所有を継続するが「棒二森屋商品券」などは利用できない。

19テナントが出店、3月末までに順次開業へ

各企業・テナント各社の発表、現地取材、地元メディアの報道などにより判明したアネックス館のテナントは以下の通り。太字は本館から移転、太字下線は新規出店テナント。
(一部ブラウザによっては正しく表示されない場合あり)

1階に「はこだてスイーツ&CAFE」の看板が掲げられる。
店前を走る電車は館内に継続出店する千秋庵総本家の広告。

開業時の総テナントは19店舗になるという。一部に空きスペースもあるため、今後新たなテナントの導入が進む可能性もある。
また、棒二森屋本館の店舗のうち人気の地場ハンバーガーチェーン「ラッキーピエロ」は移転先を検討中だといい、数か月間は棒二森屋本館の現店舗で営業を継続する計画だ。

ラッキーピエロは当面本館で営業継続する。

旧棒二森屋アネックス館のテナント一覧(判明分)
屋上 未定(閉鎖) 未定
7階 未定(閉鎖) 未定
6階 CD・公共施設 玉光堂
函館市ふらっとDaimon
5階 書店・公共施設 くまざわ書店
函館市消費生活センター
4階 催事場 催事場・イベントスペースを検討
3階 メンズ・キッズ
ファッション
INDEPENDENCE STORE
TETE HOMME(テットオム)
BK-KIDS
2階 メンズ・レディス
ファッション
アクセサリー
コスメ
レストラン
NICOLE CLUB FOR MAN(ニコル)
ウォッチタウン
ハウスオブローゼ
セレクトショップCOSMIC
ミラオーウェン
スタジオb(館内移転)
カフェニシムラ
1階 スイーツ&CAFE
ベーカリー
キングベーク
ラップ&ロールカフェ
千秋庵総本家(館内移転)
ハーヴェスト
ワッフルデニーム
地階 未定(閉鎖) 未定

※「ラッキーピエロ」は当面のあいだ本館1階で営業を継続。

なお「棒二森屋函館空港店」については当面現在のまま営業を継続するという。

キラリス、2月7日改装-徒歩圏にマックスバリュも

棒二森屋向かいの和光デパート跡にある再開発ビル「キラリス函館」も2月7日に地階がリニューアルされ、牡蠣焼き「知内番屋」など新たに飲食店3店舗が出店する。
さらに、2019年秋ごろには棒二森屋跡地のすぐ近くに「マックスバリュ函館若松店」も開業する予定であり、函館駅前の賑わいは維持されることとなりそうだ。

2月7日に地階をリニューアルするキラリス。

アネックス館(仮称)/函館駅前ビル(仮称)

住所:北海道函館市若松町16-8
営業時間:10時~18時から20時(テナントにより異なる)

関連記事:棒二森屋、2019年1月31日に150年の歴史に幕(1)-雪の最終営業日
関連記事:棒二森屋、2019年1月31閉店-親会社のイオン、再開発か
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棒二森屋、2019年1月31日に150年の歴史に幕(1)-雪の最終営業日

北海道函館市の函館駅前にある百貨店「棒二森屋」が2019年1月31日に閉店し、150年の歴史に幕をおろした。

閉店セールをおこなう棒二森屋。

2人の九州移民が造った「駅前の顔」、150年の歴史に幕

森屋は大分県出身の渡辺熊四郎が「金森森屋洋物店」として1869年12月に創業、棒二は佐賀県出身で近江商人をルーツに持つ荻野儀平が「棒二荻野呉服店」として1882年に創業した。有名観光地として知られる「金森赤レンガ倉庫」はもともと金森森屋の関連企業のものであった。森屋は渡辺が勤めていた長崎の問屋の屋号に由来する。
この両社は1936年に合併、「棒二森屋」となり、1937年に現店舗の本館を建設している。設計者は地元出身の建築家・明石信道。

棒二森屋本館。1937年築。

本館はのちに増築され、戦後一時は三越と提携関係にあったが、1981年にダイエーが資本参加。
1982年に専門店を多く導入した新館「アネックス館」が完成し、現在の姿となった。新館の設計者も地元出身の建築家・明石信道。全館を合わせた売場面積は22,153㎡。
近年の年商は最盛期の約2割ほどだったという。

賑わう最終日

閉店日となった1月31日は開店前から行列ができ、店員の「大変お待たせしました」の言葉とともに店内へとなだれ込んだ。
当日は朝から雪となったため、遠方から来店した客が勢い余って店頭で転ぶ姿も見られたほどだった。
7階の「レストラン和家」の横では棒二森屋と函館の街の歴史を振り返る「さよなら、棒二森屋」展が開催された。レストランは混雑し列も生まれていた。

さよなら、棒二森屋展。


現店舗の建設初期の写真、周辺地域の写真などが飾られた。

夕方になると商品は少なくなった。特に、函館から姿を消す大手ベーカリー「ドンク」などでは行列が生じるようになった。
閉店時間が近付くにつれて、本館1階では記念式典の準備が始められ、閉店時間を迎えた18時には会場に買物客から寄せられた「メッセージボード」が設置された。

商品が少なくなった店内。

大勢の函館市民が館内にあふれるなか、18時15分には3人兄弟の迷子が発生するハプニングもあったが、すぐ見つかり館内に暖かい拍手が巻き起こった。

メッセージボード前が式典会場となった。

18時30分からは閉店記念式典が開催、蛍の光の生演奏が披露されるなど、150年の歴史の集大成にふさわしいものとなった。
店長の挨拶の後、従業員による案内のもと、買物客が玄関に案内され、シャッターが降ろされた。

店員による挨拶。

18時54分、テーマソングが流れるなか、棒二森屋は大勢の函館市民に見送られながら150年の歴史に幕を下ろした。
(撮影:1月27日~1月31日)

旧アネックス館、改装へ-2月8日開業

棒二森屋本館は老朽化により耐震性が低いことが発表されており、建物は解体される見込みだ。
ダイエーの親会社であるイオンは再開発をおこない、マンションや宿泊施設等を核とした建物に建て替えたい意向を発表している。
一方で、旧アネックス館、パーキング館は当面のあいだ営業を継続する予定。当面はファッションビルとして営業し、再開発の進展状況を見て数年後(2022年以降)に閉館するとみられる。建物は中合が所有を継続するが「棒二森屋商品券」などは利用できない。

アネックス館(手前)は営業を継続する。

旧アネックス館は2月8日から順次開業。移転・新規出店する店舗の一部は2月20日前後の開業になるという。パーキング館は3月に営業を再開する。

アネックス館のテナント一覧などはこちら(続き記事)

関連記事:棒二森屋、2019年1月31日に150年の歴史に幕(2)-旧アネックス館、2月8日再開業
関連記事:棒二森屋、2019年1月31閉店-親会社のイオン、再開発か

関連記事:シエスタハコダテ、2017年4月22日開業-旧ホリタ・ダイエー五稜郭店跡の大型再開発ビル

天牛堺書店、2019年1月27日全店閉店-1月28日に破産申請

大阪府堺市を中心に展開する中堅書店「天牛堺書店」(大阪府堺市南区)が1月28日に大阪地裁堺支部から破産開始決定を受けた。店舗は1月27日の営業を以て全店閉店している。

天牛堺書店高石店(1月28日)。

堺市を中心に展開する老舗書店、創業56年で倒産

天牛堺書店は1963年に堺市津久野駅前で創業。新書に加えて文具、CD、DVD、古書の販売も行っていた。

創業の地・天牛堺書店津久野店。

堺市や大阪市南部の駅ビル、駅前や百貨店、ショッピングセンターへの出店を主体とし、かつては関西国際空港にも出店。近年は2016年にイオンモール堺鉄砲町に新店舗を出店していた(当記事ヘッダー写真の店舗)。

イオンモール堺鉄砲町。

東京商工リサーチによると、負債総額は約18億円。ピーク時の1999年5月期には売上高約29億900万円を計上していたが、2018年5月期の売上高は約16億8000万円になっていたという。
なお、天牛書店(吹田市)は無関係の企業であり、同社の2店舗(江坂、天神橋)は営業をおこなっている。

地域に衝撃「閉店は寝耳に水」

天牛堺書店は2019年1月27日の営業を以て全店閉店。1月28日朝には各店舗の前に破産を知らせる紙が貼り出された。

破産を知らせる貼り紙(高石店、撮影:おかみさん)。

店舗の近くに住むという高石市の女子高生は「近所の本屋さんってここしかなかったから確かに困る。文房具も大抵ここで買ってたからなぁ」と話した。

突然の閉店であったことが分かる(撮影:おかみさん)

堺市周辺の書店は同社の店舗が多く、ドミナント展開していただけに地域への影響は非常に大きいものとなるが、1月28日時点で店舗跡を引き継ぐ企業などは発表されていない。

外部リンク:なんばスカイオ、2018年10月17日開業-南海難波駅直結、南海本社跡の超高層複合ビル
外部リンク:イオンモール堺鉄砲町、2016年3月19日開業-旧ダイセル工場も一部活用

丸栄、2018年6月30日閉店-サカエの顔、403年の歴史に幕

愛知県名古屋市中区栄の老舗百貨店「丸榮」(丸栄)が2018年6月30日午後7時すぎに閉店し、前身の「十一屋呉服店」から403年の歴史に幕を下ろした。

百貨店営業終了日の丸栄。

創業403年、名古屋が誇る「4M」の一角

丸栄は1615年に創業した「十一屋呉服店」を起源に持つ。
太平洋戦争最中の1943年、企業整備令に基づく百貨店整理統合により、当時大手百貨店であった「丸物」傘下の「三星百貨店」と合併して現在の屋号となった。1952年には建築家・村野藤吾の設計で、戦後に出来た建物を増築する形で現在の本館(地下2階、地上8階)が完成。外観にモザイクタイルの壁画(1枚目参照)や、1階エレベーターの扉にあしらわれた東郷青児の絵など、豪華な内外装は栄地区の名物となった。

日本建築学会賞受賞作品である。

その後は繰り返しの増床や別館「丸栄スカイル」の開館(1973年)などを行い、名古屋の百貨店群を指す「4M」(丸栄、松坂屋、三越、名鉄百貨店の共通する頭文字Mを取ったもの)の一角として大きな存在感を示してきた。
また、消費低迷の煽りを受けていた1999年には、当時百貨店では異例であったギャル系アパレルフロア「モード&ヘルシー」を本館1階・2階に導入。当時“名古屋嬢”と呼ばれた地元の若者からは、丸栄ならぬ「ギャル栄」としてコアな支持を集めた。
しかし、名古屋パルコ(1989年開店)、JR名古屋高島屋(2000年開店)、三越ラシック(2005年開店)といった競合店の進出(進出計画)もあり、2003年には丸栄スカイルからの実質的な撤退を決めるなど、厳しい経営状況が続いた。

興和との提携から10年、ついに閉店

丸栄は2008年に製薬(コルゲンコーワ)などで知られる大手商社「興和」(名古屋市)と業務資本提携を締結、2010年には豊橋丸栄(現・ほの国百貨店)を投資ファンドに売却し、経営再建を加速させた。
しかし、2017年2月期決算では3期連続の赤字を記録するなど慢性的な業績不振からは抜け出せず、2017年7月には興和の完全子会社入りし、同年12月には丸栄の営業終了と近隣施設との一体的な再開発が発表された。
再開発についての詳細は過去記事を参照

賑わう最終日-パネル展や過去の人気催事も開催

丸栄では5月17日から全館で閉店セールを開催。一部テナントが先行して営業を終了していたもの、閉店を惜しむ買物客で賑わった。
7階では企画展示イベントとして「マルエイ75年のあゆみ-伝えたい記録、残したい記憶-パネル展」が開催された。

「マルエイ75年のあゆみ」パネル展

歴代の紙袋・包装紙からお中元・お歳暮カタログ、案内員の制服といった百貨店では定番のアイテムから、丸栄の顔でもあった「モード&ヘルシー」のポスターやミニファッション情報誌「スナッピー」、人気催事「鉄道模型展」や「KYOSHOフェア」で販売された特注商品まで並べられ、買物客は物思いにふけっていた。

丸栄らしさあふれるパネル展。

最終営業日となった6月30日は、5月17日から続いていた閉店セールにより売場が大幅縮小しており、地下食品売場「できたて栄市場」「とれたて栄市場」では、生鮮食品のみならず、菓子からワインまで商品棚から姿を消していたが、閉店を惜しむ買物客で売場は普段以上の賑わいを見せた。
閉店に伴い、名古屋から完全撤退する人気飛騨牛ステーキ店「キッチン飛騨」では、商品が最大半額以下となるセット販売企画を打ち出していたこともあり、店員がいくら商品の補充を続けても、買物客がすぐ商品を買い占めるといった光景がみられた。
また、惣菜専門店各店でも多くの店が昼過ぎには商品を売りつくした。
数日前から店舗用品の新規発注を止めていたこともあり、丸栄の買物袋を店舗間で融通し合う様子もみられた。

7時55分、ついにシャッター降りる

午後7時10分から丸栄東玄関口では閉店式典が始まり、浜島吉充丸栄社長により同社の歴史と買物客への御礼が語られると、周囲の買物客から拍手が巻き起こった。7時37分には「永年のご愛顧、誠にありがとうございました。」と書かれたカーテンが売場を覆い隠し、55分頃から玄関のシャッターがおり始めた。

閉店式典のようす。

丸栄では、子供にハイタッチし「やりきったぞ!」と微笑む社員や涙を流す常連客も見られるなど、最終営業日ならではの光景が広がった。その一方、丸栄では閉店30分以上前から顧客の誘導を行っていたこともあり、店舗では閉店による目立った混乱は見られなかった。
丸栄は百貨店店舗の営業終了後も当面は外商事業に特化して事業を継続すると発表しているが、丸栄跡地に建設される予定の再開発ビルの運営に携わるかについては未定となっている。

外部リンク:丸栄 MARUEI – 名古屋・栄の百貨店 催事や名古屋名物Shopping
関連記事:丸栄、2018年6月30日閉店-403年の歴史に幕、再開発へ
関連記事:名古屋市営地下鉄の「サークルK」8店、ローソンに-池下駅店は“ドアラまみれ”
関連記事:KITTE名古屋、4月1日グランドオープン-「名古屋駅バスターミナル」開業に合わせて

伊勢丹松戸店が閉店-2018年3月21日、43年の歴史に幕

千葉県松戸市のJR松戸駅前・伊勢丹通り商店街にある百貨店「伊勢丹松戸店」(松戸伊勢丹)が、2018年3月21日午後7時すぎに閉店し、43年の歴史に幕を下ろした。

最終営業日の伊勢丹松戸店。
屋上看板の一部には既に足場が組まれていた。

松戸市に支援打診するも失敗、結局閉店に

伊勢丹松戸店は1974年4月に開業。
地上11階、地下1階建てで、売場面積は31,268㎡。建物は投資ファンドなどが所有する。2015年度の売上高は約192億2500万円。

松戸市中心部のランドマークだった。

 三越伊勢丹は2017年に松戸店の業績低迷から直営売場を4階以下に圧縮することを発表。さらに松戸市が4階の一部を10年間、計21億円で貸借する計画であったが計画は最終段階で頓挫。
結局、2018年3月21日を以て閉店することとなった。
詳しくはこちら。

雪と雨のなかでの閉店セレモニー

最終営業日となった21日、松戸市内は早朝から雪混じりとなり天候に恵まれなかったもの、祝日だったこともあり多くの客が訪れた。
伊勢丹では14日から「ご愛顧感謝ファイナルフェスタ」を開催中。館内には「私と伊勢丹松戸店」と題した企画展示や、本物の桜の木を用いたメッセージスポットが設けられた。

賑わう最終営業日。

アトレ松戸やパチンコ店などでも伊勢丹に感謝する横断幕やポスターが設置され、松戸駅周辺は伊勢丹一色となった。

松戸駅に設置された横断幕。


チロルチョコの包み紙2294枚で作られた文字。

閉店時間が近づき、19時すぎからは閉店セレモニーが開催された。市民有志や店員も参加するお別れライブも実施され、地元アーティストによる「クロージングソング」も披露された。
店長の挨拶、そして「蛍の光」が歌われたあと、伊勢丹松戸店はその歴史に幕を下ろした。

地元アーティストと店員によるオリジナルソング披露。


閉店セレモニー、店長による挨拶。

店舗跡の活用方法などは決まっていない。

2018年、すでに5百貨店が閉店に

1月には十字屋山形店が、2月には西武百貨店船橋店、西武百貨店小田原店、ヤマトヤシキ姫路本店が閉店。松戸伊勢丹の閉店により、僅か3ヶ月の間に5つの百貨店が閉店したこととなる。
6月には名古屋市の丸榮が約400年の歴史に幕を下ろす。

閉店の経緯などについて詳しくはこちらの記事を参照:伊勢丹松戸店、2018年3月21日閉店-縮小模索も結局「閉店」に」。

外部リンク:伊勢丹松戸店
関連記事:三越伊勢丹、4店舗の百貨店閉店・業態転換・縮小など検討-建物の「完全閉鎖」は避けたい考え
関連記事:三越伊勢丹、さらに5店舗の百貨店閉店・業態転換・縮小など検討-対象は合わせて9店舗に
関連記事:船橋西武・小田原西武・ヤマトヤシキ姫路本店が閉店-2月28日 
関連記事:そごう柏店、43年の歴史に幕-9月30日、西武百貨店旭川店も閉店

船橋西武・小田原西武が閉店-2018年2月28日

千葉県船橋市の船橋駅前にある西武百貨店船橋店、神奈川県小田原市のショッピングセンター「ダイナシティ」にある西武百貨店小田原店の西武百貨店2店が、2018年2月28日に閉店した。

2月28日に西武2店が同時に閉店した。

西武百貨店船橋店閉店ー船橋ロフトも

千葉県船橋市の船橋駅前にある百貨店「西武百貨店船橋店」が2月28日午後8時に閉店し、50年の歴史に幕を下ろした。

西武百貨店船橋店。

西武船橋店は1967年9月開店。売場面積は38,311㎡。建物は地上10階地下2階建(地下2階は事務所)で食品卸会社「ユアサ・フナショク」が所有する。
閉店セール期間中の2月9日には隣接するJR船橋駅に新駅ビル「シャポー船橋南館」が開業、ペデストリアンデッキで接続されたこともあり、両店の間や昨年改装された東武百貨店を買い回る客も多く見られた。

隣接地にはシャポーが開業(右)。

利用客の多い駅前ということもあり、閉店セールには多くの客が詰めかけ混雑した。市内本町二丁目に住む女性は「家から歩いて5分だったから50年ぐらい来てたのよー」と残念そう。地階の店員は「いつもこうだったらよかったんですよねぇ。」と淋しげに話した。

賑わう閉店セール。

「ふなっしー」梨神様神社、ららぽに移転

西武船橋店閉店に伴い別館で営業する船橋ロフト(1998年8月開店)も営業を終了した。
千葉県内では千葉ロフト(そごう千葉店8階)と並ぶ大型店で、船橋市非公認ゆるキャラ「ふなっしー」を祀った「梨神様神社」も設置されていたことからふなっしーファンに根強い支持があったが、ららぽーとTOKYO-BAY内のふなっしーLAND船橋本店に移設されている。

船橋ロフトも閉店した。

船橋ロフトの営業最終日には商品を税込1,080円以上購入した先着2000名に「『ありがとう』のおふきん」がプレゼントされた。西武百貨店閉店に伴うロフト閉店は2016年9月の旭川以来1年半ぶりとなった。

閉店に伴う写真展も開催された。

西武百貨店小田原店閉店ー旧ロビンソン

神奈川県小田原市のショッピングセンター「ダイナシティウエスト」にある百貨店「西武百貨店小田原店」が2月28日午後8時に閉店し、ロビンソン百貨店から17年の歴史に幕を下ろした。

ダイナシティウエスト・西武小田原店

西武小田原店はロビンソン百貨店4号店「ロビンソン百貨店小田原店」として2000年9月28日開店。開業当時の売場面積は31,182㎡。
大同毛織(現・ダイドーリミテッド)工場跡に開業したショッピングセンター「ダイナシティ」の核店舗としての出店であり、ロビンソン百貨店ブランドとして開店した最後の店舗だった。

かつてはロビンソン百貨店だった。

セブン&アイHDの百貨店事業整理の一環として2013年3月に現在の店舗名(西武小田原店)に改称されており、アンリシャルパンティエなど有力デパ地下ブランド29店舗を導入した「西武食品館」の開設や、そごう・西武PB「リミテッド・エディション」の導入が行われるなど店舗改革が進められていた。
最終閉店売りつくしセールが行われる西武食品館。

しかし西武小田原店の売上高は減少傾向にあり、2016年には西武直営売場の多くをダイナシティ専門店街に転換・縮小し、1階と2階の一部のみでの営業となっていた。

西武小田原店1階では閉店に伴い特別展示企画「西武小田原店17年のあゆみ」が開催されており、小田原市の名所や特産品をデザインした「オリジナル記念グッズ」(個数限定)の販売も行われており、「ロビンソンがなくなったときも悲しかったですけどまさか西武もなくなってしまうなんて…」と淋しげに語る店員も居た。

ダイナシティウエスト、改装へ

ダイナシティウエスト専門店街(小田原ロフトなど)は西武撤退後も営業を継続する。今後はダイナシティの運営会社であるダイドーフォワードにより新たなテナントが誘致される予定。西武閉店後も一部のテナントは営業を続ける。

ヨーカドーと差別可能な専門店の誘致が期待される。

外部リンク:西武船橋店トップ|西武・そごう
外部リンク:西武小田原店トップ|西武・そごう
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ヤマトヤシキ姫路本店が閉店-2018年2月28日

兵庫県姫路市の姫路城近くにある百貨店「ヤマトヤシキ姫路本店」が2月28日午後6時に閉店し、111年半の歴史に幕を下ろした。

閉店直前のヤマトヤシキ本店。

ラオックス傘下となるヤマトヤシキ、店舗整理で再建はかる

ヤマトヤシキは1906年に姫路市で「米田まけん堂」として創業。戦後に播磨地方初の百貨店となり「ヤマトヤシキ」に改称した。現在の本店の建物は名建築家・村野藤吾によるもの。
2001年には加古川そごう跡に「ヤマトヤシキ加古川店」を出店(同社としては再出店)している。

ヤマトヤシキ加古川店。

2017年8月末に、中国企業・蘇寧電器の傘下で免税店大手の「ラオックス」(港区)がヤマトヤシキの新株予約権7億円の取得を発表、今後、ヤマトヤシキは同社の傘下となるため、姫路本店の閉店はそれに伴う店舗整理であると考えられる。ヤマトヤシキ姫路本店の売場面積は17,051㎡。
なお、ヤマトヤシキは高島屋系列の仕入機構「ハイランドグループ」に加盟している。

多くの人で賑わった最終営業日

最終営業日は平日ということもあり静かな幕開けとなった。
店内の一部は改装が行われたばかりで耐震補強も進めていた最中であり、綺麗なレストラン街などは閉店がいかに急であったかを表すものとなった。

近年改装が行われたばかりのレストラン街。


耐震補強も進めていたが…。

閉店が近づくと天気は雨となった。商品は少なくなったが夕方になると次第に閉店を惜しむ客が多く来店し、店内は混雑した。

商品は次第に少なくなった。

閉店を迎える午後6時ごろ、みゆき通り沿いに多くの買物客が集まった。 

商店街には多くの人が。

店長による簡単な挨拶が行われ、午後6時21分にシャッターが下ろされると拍手が上がり、ヤマトヤシキ本店は111年半の歴史に幕を下ろした。

6時21分にシャッターが下ろされた。

建物は今後解体されると思われるが、跡地の具体的な活用方法などについては発表されていない。

ヤマトヤシキは今後、加古川店のみでの営業となる。ヤマトヤシキ加古川店は駅前の好立地で、建物も新しく専門店街も併設されているとあって、現在は姫路本店を上回る業績を上げている。

2018年、すでに4百貨店が閉店に

この2月28日には西武百貨店船橋店、小田原店も閉店。
1月には十字屋山形店が閉店、さらに3月には伊勢丹松戸店が閉店することを決めており、2018年も「百貨店受難の時代」を象徴する幕開けとなった。

外部リンク:ヤマトヤシキ
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十字屋山形店が閉店-2018年1月31日に、「十字屋」創業から95年で歴史に幕

全国最後の十字屋デパートとなる「十字屋山形店」(山形県山形市)が2018年1月31日の何時に閉店し、十字屋山形店としては47年、十字屋創業からは95年の歴史に幕を下ろした。

十字屋山形店。

かつて全国展開した「十字屋」最後の店舗だった

十字屋は1923年に平塚市で「十字屋呉服店」として設立。のちに百貨店に進出し、1982年にダイエーと業務提携した。一時は全国展開したものの、2005年までに山形店以外の全ての店舗を閉店し、同年に同じダイエー傘下の百貨店「中合」(福島市)と経営統合された。
十字屋山形店は1971年7月に開店(それ以前は「大沼」などがある山形市七日町に小型店を出店していた)。売場面積は10,362㎡。建物は地上8階、地下1階建で、白蝶ビル株式会社が所有している。また、別棟として立体駐車場を備える。2015年の年商は約34億円。
2005年のダイエー山形店(山交ビル、現:ヤマザワなどが出店)の閉店後は山形市におけるダイエーグループの拠点的存在でもあり、2007年に全面改装された食品売場では「木曜の市」なども開催されていた。

山形駅前に立地する。左奥は山交ビル。

十字屋山形店の建物は新築から47年が経過。山形市がおこなった改正耐震改修促進法による耐震判断の公表で「震度6強以上で倒壊する危険性が高い建物」とされており、耐震補強問題から閉店を決めたものと思われる。なお、十字屋立体駐車場についても耐震性が不足しているという。

最終営業日、雪のなか多くの人が集まる

十字屋山形店では1月25日から最終セール「ご愛顧感謝ファイナルセール」を開催。最終営業日となった1月31日には朝から多くの人が来店し、レストランは15時過ぎまでの営業で完売となった。
朝は晴れていた山形市であったが、昼過ぎには雪となった。

店内では写真展も開催されていた。

閉店時刻(19時30分)を過ぎた19時40分に山川武店長の挨拶があったのち、19時42分にシャッターが下ろされた。

閉店式典。

そして20時10分には広告塔屋などが消灯され、十字屋山形店は47年の、そして十字屋は95年の歴史に幕を下ろした。

ショーウィンドウ。

先述のとおり、建物は老朽化のため耐震性が低いとされており、今後の活用方法などについては発表されていない。

閉店の影響、じわじわと

十字屋のすぐ近くにあるJR山形駅では2019年度の完成をめざして西口前の再整備事業が進んでいるが、その一方で中心部である七日町で300年以上に亘って営業している百貨店「大沼」が企業再生ファンドに譲渡されるなど、商環境は厳しさを増している。
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大沼百貨店は企業再生ファンドに譲渡される。

十字屋の閉店を受け、近隣にある山交ビル(旧ダイエー山形店)でも一部テナントが撤退を決めており(「あいのて」、「やしち屋」、「ドンドンダウン」が閉店、2階には新規テナント出店予定あり)、十字屋の跡地問題についても長期化しそうだ。

なお、学生服販売についてはイオン山形北店・山形南店の学生服コーナーが引継ぐほか、十字屋商品券はこれまで通りイオン、ダイエーの各店で利用することができる。

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