熊本県菊陽町のJR三里木駅近くにある「サンリー菊陽ショッピングセンター(イオン菊陽店・菊陽ショッピングプラザ)」が2020年2月29日午後8時をもって閉店した。
サンリー菊陽ショッピングセンター(イオン菊陽店)。
サンリー菊陽寿屋として開業したイオン
サンリー菊陽ショッピングセンターは1987年3月に九州地場流通大手「寿屋」と地元商工会の共同出資により開業。「サンリー」は、所在地の「三里木」に因む。売場面積は17,205㎡で、当時は熊本県内最大のショッピングセンターであった。
サンリー菊陽寿屋。
館内はカナダの「ウエストエドモントンモール」にヒントを得た複合モールで、当初は西側に寿屋の旗艦店となる総合スーパー「寿屋菊陽店(サンリー菊陽寿屋)」と同社の児童図書館、文化教室、映画館(ミニシアター)、サンリー菊陽専門店街、東側に「サンリースポーツクラブアスパ」を配し、大きな人気を集めた。
寿屋グループは1994年にラララグループとなり、1996年にはグループの旗艦店として大規模増床を伴う全館リニューアルが行われた。
寿屋中央のサンプラザ。リニューアル後。
しかし、リニューアルから僅か5年の2001年12月に施設の核であった寿屋が経営破綻し、2002年1月31日に小売業を廃業。
同年5月から九州ジャスコ(現・イオン九州)が店舗を承継し「ジャスコ菊陽店」として営業再開、同年7月にアスパはスケートリンク大手の加藤商会による運営となった。2011年には、イオングループの再編にともないジャスコ菊陽店からイオン菊陽店に改称されている。
サンリー菊陽ショッピングセンター(ジャスコ菊陽店)。
2002年以降、サンリーはイオン九州の直営売場が主体の地域密着型総合スーパーとして営業していたが、一方で熊本都市圏の広がりに伴い近隣には多くの競合施設が進出。2019年2月にアスパが閉館、同年7月にイオン九州が菊陽店の閉鎖を発表したため、今後の動きが注目されていた。
地域住民に温かく見守られた営業最終日
イオン菊陽店の営業最終日となった2月29日には、多くの買物客が訪れた。
本来の閉店時刻である午後8時から15分ほど経過し、従業員による閉店式典が始まった。
サンリー開業以来、様々なイベントが行われた「サンプラザ」。
イオン菊陽店の佐藤恒彦店長は、前身のサンリー菊陽寿屋からジャスコ、イオンに至るまでの経緯、施設設備の老朽化という閉店理由、地域住民への感謝を述べ、涙ながらに「32年間本当にありがとうございました」と式典を締めくくった。
イオン菊陽店の閉店式典。
1,500のコメントが寄せられたというメッセージ。
近隣にイオンが新店舗、サンリーは寿屋系が再生へ
イオングループは、イオン菊陽店の後継として、3月12日にイオン大津店(大津アーク)に自転車売場をイオン九州が運営する「イオンバイク大津店」として移転、3月26日には徒歩圏内に開業するアヴァンモール菊陽にマックスバリュ九州運営の「ザ・ビッグ菊陽店」を開店(プレオープン)することを発表している。
その一方で、施設を所有するカリーノグループ(旧・寿屋/ラララグループ)は、店舗跡を改修し新たな商業施設として再生を目指す方針を示している。
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