北海道札幌市西区のJR函館本線発寒駅近くにある道内地場流通大手「北雄ラッキー」の総合スーパー「ラッキー発寒店」が2024年2月12日午後6時をもって閉店した。
発寒駅近くのラッキー、20年の歴史に幕
ラッキー発寒店は2003年10月に開店。建物は平屋建で店舗面積は3,638㎡。同社店舗としては札幌市内最大級の直営売場面積を誇る店舗として、フルラインの直営食料品・衣料品に加えて100円ショップ「キャンドゥ」を展開。至近距離にあるイオン札幌発寒店(イオンモール札幌発寒)や北海市場発寒店、トライアルスマート新発寒店といった競合店との差別化を図っていた。

ラッキー発寒店。
ラッキー発寒店では2023年11月より閉店セールを開催していたが、跡地の活用方法など今後に関しては2024年2月現時点において未発表となっている。
関連記事:ココノススキノ、2023年11月30日から順次開業-松坂屋・ロビンソン・ラフィラ跡地、ダイイチ・TOHOシネマズ核の東急系施設に
関連記事:BiVi新さっぽろ、2023年11月30日開業-新札幌駅前マールクの商業核にロフトなど、開店記念イベントも
関連記事:ユニクロ・ジーユー札幌三越店、2023年11月17日開店-GUは国内の三越初出店、札幌市交通局グッズ販売も
関連記事:札幌エスタ、2023年8月31日21時閉店-騒がしく賑やかな営業最終日、そごうから45年の歴史に幕
関連記事:コープさっぽろそうえん店、2022年10月27日全館開店-無印良品を併設、札幌市桑園の二十四軒駅近くに
関連記事:札幌駅パセオ、2022年9月30日閉店-「北海道新幹線」関連工事で33年の歴史に幕
関連記事:スーパーアークス平岸店、2022年9月23日新装開店-ラルズ旧本社お膝元、主力業態に刷新
関連記事:イケウチゾーン、2022年5月29日閉店ー札幌の丸ヨ池内、建替中のイケウチゲートは2022年秋再開業
イオン津ショッピングセンター、2024年2月12日閉店-前身の「ジャスコ+ニチイ→サティ」から45年の歴史に一旦幕、建替えめざす
三重県津市の県道114号線沿いにある流通大手「イオングループ」の総合スーパー事業会社「イオンリテール」が運営する商業施設「イオン津ショッピングセンター」が建替えのため、2024年2月12日18時をもって閉店した。

最終営業日を迎えたイオン津ショッピングセンター。
(写真:HEY エレ鉄!!さん)
日本初「ジャスコ+ニチイ」異色の大型SCとして誕生
イオン津ショッピングセンターは、中央毛織工場跡地の再開発にともない、1978年9月に流通大手系スーパー「ジャスコ津北店」「ニチイ津店」を核とする商業施設「津ショッピングセンターエル」として開業。開業当初の建物は地上2階建で中央毛織(後の中央コーポレーション/双日→ゼクス傘下を経て経営破綻)が所有していた。ジャスコとニチイという、ライバルであった流通大手2社の両方が核となる大型ショッピングセンターは日本初であった。
津ショッピングセンターエルは、流通大手と地場大手による商業施設の共同展開(鈴鹿ハンター、日永エコー、旧津南サンバレーなど)が多数みられた三重県内でも異色であり、開業当初はジャスコが食品、ニチイが衣料品を中心に取扱う運営方式を採っていた。
しかしその後は、施設間競争の激化を背景とした増床リニューアルの一環として、1994年1月にジャスコが撤退することとなった。
1994年に東海初のサティ、2011年3月にイオンに転換
津ショッピングセンターエルは、1994年4月の新装開業にあわせてニチイ(後のマイカル)の生活百貨店「津サティ」として全面刷新を図った。

サティ時代のデザインが残る看板。(写真:HEY エレ鉄!!さん)
津サティは東海地方で初となるマイカルグループの生活百貨店業態であり、2000年12月には別棟に複合映画館「ワーナーマイカルシネマズ津」を新設するなど、グループの同地域における旗艦店としての役割をめざしたが、2001年9月に同社が民事再生法を申請し経営破綻したことで状況が一変。マイカルの支援企業として、前身施設(津ショッピングセンターエル)の食品核を担ったイオン(ジャスコ)が再び運営に参画することとなった。
津サティでは2003年1月からイオンの支援を受けつつリニューアルを実施。2011年3月にはイオングループ総合スーパー事業再編の一環として核店舗名を「イオン津店」、施設名を「イオン津ショッピングセンター」に変更した。

イオン津ショッピングセンター・全景。
かつてはジャスコとニチイの看板が並んでいた。
地域密着・集客力向上の取組み図るも老朽化で一時休業
イオン津ショッピングセンターは、2013年10月にイオンリテールからグループの不動産ディベロッパー「イオンモール」による管理運営に移行するなど、津市内唯一(当時)のモール運営施設として集客力向上に取組んだ。(現在はリテール運営に再び移行)

一時はイオンモールが運営していた。(写真:HEY エレ鉄!!さん)
また、2021年2月に建替えのため閉店した「イオン白子店(白子ショッピングタウンサンズ)」(鈴鹿市)の受け皿として、白子店のシンボル「からくり人形」を核に据えたメモリアルゾーンや広大な学習スペースを新設するなど、地域密着の姿勢を打ち出した。(現在「イオンスタイル鈴鹿白子」として建替え中)

イオン津の「イオン白子店」メモリアルゾーン。
一方、同施設は県内の系列施設と比べ老朽化が進んでいたこと、足元商圏内においてもPPIHグループの総合ディスカウント「MEGAドン・キホーテ津桜橋店」や地場大手食品スーパー「マルヤスベーシック島崎店(旧マルヤスコスモス島崎店)」を核とする施設が開店したことを背景として、2023年12月14日に現施設を2024年2月12日付で閉店する方針を発表していた。
「心の片隅に思い出として」…45年の歴史に幕
閉店当日となった2月12日は開店時間から多くの客が訪れ、来店客には花が配られた。また、店内では店舗の歴史をしのぶ展示もおこなわれた。

数奇な運命を辿った店舗の思い出。(写真:HEY エレ鉄!!さん)
閉店時間の18時にはセレモニーが開催された。
専門店街理事長が「最後のこの時間まで暖かく見守って頂きありがとうございます。(中略)我々専門店が45年続けてこられたのは皆さまのおかげです。」と挨拶。続いてイオン津店の奥田忠司店長が、店舗での思い出に触れつつ「お寒いなかありがとうございます。(中略)お店が、心の片隅に思い出となって残ってくれたら本当に幸せです。」と締めくくり、イオン津ショッピングセンターはエル・ジャスコ・ニチイ、サティ、イオンと移り変わった45年の歴史に幕を下ろした。

多くの人が集まった閉店セレモニー。
(写真:HEY エレ鉄!!さん)
跡地には新施設検討、イオンシネマは営業継続
イオンリテールは2024年2月現在、イオン津ショッピングセンター跡地の具体的な活用方法、新店舗の概要(業態・規模・再開時期)などを明らかにしていない。
一方で、別棟の「イオンシネマ津(旧ワーナーマイカルシネマズ津)」は施設一時休業後も営業継続する方針を打ち出しており、2024年春に建替新装開業を予定している「イオンスタイル鈴鹿白子/そよら鈴鹿白子」同様に「地域の商業核を担う商業施設」として再生する方針としている。
なお、イオン津店休業期間中の代替店舗はイオンスタイル津南(イオンモール津南/旧津南サンバレー)となっている。
関連記事:ホテル津センターパレス、2022年4月25日開業-都ホテル跡、ホテルパコなど運営のリオホテルズ系に
関連記事:松阪ショッピングセンターマーム・イオン松阪店、2022年1月31日閉店-30年の歴史に幕
関連記事:イオン白子ショッピングタウンサンズ、2021年2月20日閉店-建替えめざして45年の歴史に一旦幕
関連記事:ヴィソン、2021年7月20日全面開業-4月29日1期開業、多気にイオンなど参画の複合商業リゾート
関連記事:JR亀山駅前の再開発事業、2020年7月1日着工-商業施設・図書館・マンションなど整備
関連記事:近鉄四日市スターアイランド、2020年2月29日閉店-近鉄百貨店の専門店街、今後は公共施設に?
関連記事:イオンタウン四日市泊、2019年11月16日建替え再開業-イオンタウン最大級、旧店の1.6倍に
関連記事:MEGAドン・キホーテUNY鈴鹿店、2019年6月25日開店-旧マイカルサティ・アピタ跡に、ドンキ初となる「ユニー直営衣料」導入
イトーヨーカドー、アリオ札幌・屯田・琴似・帯広・青森・弘前・五所川原・花巻・サンエー石巻あけぼの・丸大新潟・アリオ上田の各店を2024年から2025年にかけて閉店・ロピアなど他社に承継
セブン&アイグループの大手スーパー「イトーヨーカドー」と、同社の店舗が入居する商業施設運営者などは、北海道・青森県・岩手県・宮城県・新潟県・長野県にある多くの店舗について、「ロピア」を運営する「OICグループ」(神奈川県)、セブン&アイグループの「ヨークベニマル」(福島県)、同じくグループの「ダイイチ」(北海道)と事業承継に関する契約を締結したと発表した。

閉店するイトーヨーカドー丸大新潟店。ロピアが出店予定。
イトーヨーカドー、北日本中心に大規模閉店を発表
今回の閉店は、イトーヨーカドーを運営するセブン&アイ・ホールディングス(東京都千代田区)が2023年9月に発表した傘下でありグループ中核企業の総合スーパー「イトーヨーカ堂」が運営するイトーヨーカドーの店舗削減と衣料品縮小などの合理化計画に基づくもの。

閉店するイトーヨーカドー弘前店。ロピアが出店予定。
このほかにもイトーヨーカドーは北見店・拝島店などの閉店を、郡山店をヨークベニマルへと承継・転換することを発表しているほか、さらなる閉店予定店舗があるとみられる。
(日付は特記以外は引き渡し予定日)
閉店後「ロピア」出店(OIC承継)
北海道
- イトーヨーカドー 屯田店:2024年8月頃
- イトーヨーカドー 琴似店:2025年1月頃
青森県
- イトーヨーカドー 青森店:2024年8月頃
- イトーヨーカドー 弘前店:2024年10月頃
- イトーヨーカドー 五所川原店:2024年夏に新装開業予定
:五所川原街づくり株式会社(エルム)の発表による。
岩手県
- イトーヨーカドー 花巻店:2025年2月頃
新潟県
- イトーヨーカドー 丸大新潟店:2025年3月頃
:丸大(イトーヨーカドー丸大)の株式譲渡
長野県
- イトーヨーカドー アリオ上田店:2025年2月頃
:「アリオ」SCとしては営業継続
閉店後「ヨークベニマル」出店
宮城県
- イトーヨーカドー(サンエー)石巻あけぼの店:2025年3月頃
:サンエーの株式譲渡
閉店後「ダイイチ」出店
北海道
- イトーヨーカドー アリオ札幌店:2025年3月頃
:「アリオ」SCとしては営業継続 - イトーヨーカドー 帯広店:2024年夏ごろ新装開業予定
:2024年1月に先行発表済み
寿司一番地茨木セントラルキッチン、2024年1月31日閉店-ライフフーズの持ち帰り寿司店、コロナ禍で多店舗化するも消滅へ
泉北高速鉄道グループの大阪府食品流通センター加工食品卸売場「こだわり食材市場」は、大手飲食グループ「ライフフーズ」のテイクアウト寿司店「寿司一番地茨木セントラルキッチン(茨木CK)」が2024年1月31日をもって閉店したことを2月8日に発表した。
コロナ禍で躍進した関西地盤のテイクアウト寿司店
寿司一番地はライフフーズのテイクアウト寿司店として2021年2月に1号店「寿司一番地尼崎店」を開店。開店当初は尼崎市内にある讃岐うどん業態「讃岐製麺尼崎西昆陽店」(2022年3月閉店)を「寿司一番地西昆陽セントラルキッチン(西昆陽CK)」として運用し、北大阪急行や阪神電鉄、京阪電鉄駅構内といった駅ナカ・駅近の好立地を活かした弁当惣菜・寿司の取扱いを行っていた。
ライフフーズは同年9月の「寿司一番地八尾リノアス店」開店を機に、コロナ禍で増加した大型商業施設の空き区画への店舗展開を開始。同社が経営課題としていた「新型コロナウイルス感染症拡大に伴う国内の外出自粛による消費マインドの低下や営業時間短縮」「事業環境の変化及び原材料価格やエネルギー価格の高騰」の対策として、出店コストの低い同業態は関西一帯に20店舗(催事店含む)近くまで拡大した。
大量閉店のすえ、セントラルキッチン閉鎖へ
寿司一番地は多店舗化にあわせ、大阪府食品流通センター加工食品卸売場「こだわり食材市場」(泉北高速鉄道系)に製販・配送拠点となる事実上の本店「寿司一番地茨木セントラルキッチン(茨木CK)」を開店。
既存店においても「大阪府中央卸売市場付帯加工食品卸売場発」を掲げ、卸売場直送の鮮度感と価格優位性の訴求を店頭で打ち出すようになった。

寿司一番地茨木CK。(画像:泉北高速鉄道こだわり食材市場)
一方、同業態は主力業態である「ザめしや」「街かど屋」「讃岐製麺」と異なり、発足当初より公式サイトでの取扱いもなく、東証上場企業という運営主体や関西一帯に広がる店舗網とは対照的に、一般消費者向けの販促がなされているとは言い難い状態にあった。
同業態はコロナ禍という時流の変化を捉え、最盛期には関西一帯に店舗網を拡大したもの、わずか2年ほどの歴史に幕をおろすこととなった。
情熱 by DON DON DONKI ミッドバレーモール、2024年1月31日開店-ドンキ、マレーシアで人気の「柴犬」強化
マレーシア・クアラルンプール市のミッドバレー駅前にある商業施設「Mid Valley Megamall」に、パン・パシフィック・インターナショナルHDグループのパン・パシフィック・リテールマネジメント(マレーシア)が運営するディスカウントストア「JONETZ(情熱) by DON DON DONKI Mid Valley Megamall(ミッドバレーメガモール)」が2024年1月31日に開業した。
ドンキ、クアラルンプールに「情熱価格」強化型店舗
ミッドバレーメガモールは、マレーシアの首都・クアラルンプールにある東南アジア最大級の複合ショッピングモール。
「JONETZ(情熱)」業態は、ドンキのプライベートブランド「情熱価格」を強化型の東南アジアで展開する新業態で、同店はドンキのマレーシア4号店となる。

JONETZ by DON DON DONKI Mid Valley Megamall.
日本の商品に加えて「柴犬」を強化
「JONETZ by DON DON DONKI Mid Valley Megamall」の売場面積は1,240㎡。
人気のキャラクター「ドンペン」に加えて、現地で人気を集める柴犬のグッズを展開。さらにマレーシアの店舗で最大級のコスメコーナーも設ける。
食品では「肉善し」で和牛串を展開するほか、日本の食材や菓子なども多く取り揃えるとしている。
関連記事:マレーシア西武TRX、2023年11月29日開業-西武百貨店マレーシア1号店、クアラルンプール「エクスチェンジTRX」内に
関連記事:JONETZ BY DON DON DONKI LOT10ストア、2021年3月19日開店-ドンキのマレーシア1号店、新業態「情熱」に
DON DON DONKI スタジオシティ、2024年2月2日開店-ドンキ、マカオで「カジノ・IR初出店」
澳門特別行政区(マカオ)の澳門高速鉄道ロータス駅近くにあるカジノを核とした統合型リゾート施設(IR)「スタジオシティ(新濠影滙)」に、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)グループの「マカオ・パシフィック・リム・リテールマネジメント」が運営するディスカウントストア「DON DON DONKI Studio City」が、2024年2月2日に開店した。
ドンキ、カジノ・IRへの出店は世界初
スタジオシティはカジノのほかホテル、ショッピング街などが入る複合施設(IR=統合型リゾート施設)。
ドンキは2021年9月にマカオ1号店を出店しており、今回の出店はマカオ2店舗目。カジノ・IR(統合型リゾート施設)へのドンキ出店は世界初となる。

DON DON DONKI Studio City.
海外店舗のなかでは広めの売場、即食グルメを品揃え
「DON DON DONKI Studio City」の売場面積は2,327㎡と海外店舗のなかでは広く、日本の食品やサンリオ、ドンペンなど日本のキャラクター商品を品揃えする。
店内にはドンキの寿司店「鮮選寿司」が出店するほか、袋麺を店内で調理・販売する「ヲた飯堂」、精米したての日本米やそれを使ったおにぎり・弁当等を販売する「安田精米」、鉄板焼き、おでん、デザートなどの店内調理総菜や、焼き芋やスイートポテトケーキ、和牛串などといった食べ歩きできるモバイルフードの販売もおこなうとしている。
ドイツの大手百貨店2社、2024年1月に相次ぎ倒産-カーデーベーとガレリア・カールシュタット・カウフホーフ、営業は継続
ドイツの老舗高級百貨店「カーデーベー(KaDeWe)」グループが、2024年1月29日に破産手続きの開始を申請した。
ガーデーベーと系列2店舗、倒産も自主再建めざす
カーデーベーはカウフハウス・デス・ベステンス(ドイツ語で「西のデパート」)の略称で、1907年に創業。ベルリンに店舗を持つほか、ミュンヘンの「オーバーポリンガー(Oberpollinger)」とハンブルクの「アルスターハウス(Alsterhaus)」を運営している。
2024年時点はタイで「ロビンソン百貨店」などを運営する小売大手「セントラル・グループ」の傘下となっていた。
倒産は高額な家賃が経営を圧迫したとしており、今後は営業を継続しながら自主再建をおこなうとしている。
ガレリア・カールシュタット・カウフホーフも破綻・再建
ドイツでは、2024年1月9日にも大手百貨店チェーン(総合スーパー業態も運営)「ガレリア・カールシュタット・カウフホーフ(Galeria Karstadt Kaufhof)」(ガレリア)が破産手続きを申請している。
こちらはかつてカーデーベー(KaDeWe)も傘下に持っていた親会社であるオーストリアの不動産大手「シグナ・ホールディングス」が運営しており、同社が経営破綻を受けた影響だとしている。

ガレリア社の公式会社案内より。
ガレリア・カールシュタット・カウフホーフはかつて100店舗以上を展開していたドイツ最大級の百貨店大手チェーンで、店舗は営業を継続するとしている。
一方、同社は親会社の破綻前にもコロナ禍による消費の弱ぶくみなどの影響で経営破綻しており、2023年以降は店舗の大量閉店計画を進めていた。シグナ社から売却され経営主体が変わる可能性もあるという。
ドイツ大手百貨店2社の相次ぐ破綻により、コロナ禍を経て実店舗の弱さが露呈するかたちとなった。
関連記事:エスティローダー、日本国内のデザイナーフレグランス展開を2021年8月31日終了ー化粧品ブランド「アラミス」など日本撤退、新型コロナで
スズラン百貨店高崎店、2024年1月31日一旦閉店-新店移転に向け「またお会いしましょう!」で締めくくられた最終営業日
群馬県高崎市の高崎市役所近くにある地場百貨店「スズラン高崎店(高崎スズラン)」が、隣接地への新築移転のため、2024年1月31日をもって55年の歴史に一旦幕をおろした。

群馬高崎の地場百貨店、56年の歴史に一旦幕
スズラン百貨店は1952年6月に群馬県前橋市で「スズラン衣料品店」として創業。1968年1月に旧百貨店法(のち大店法)による営業許可を受け、同年11月に支店として高崎店を開業した。

最終営業日のスズラン高崎店。
スズラン高崎店(本館)の建物は地上8階地下2階建、店舗面積は19,305㎡。
高崎店は最盛期には本館に加え、別館(4℃ブライダル)やスポーツファッション館(ユザワヤなど入居/旧田原屋高崎店)を展開するなど、北関東の商都にふさわしい業容であったが、2018年1月にスポーツファッション館を閉鎖して本館への売場集約を図っていた。
一方、高崎店本館は改正耐震改修促進法に基づく診断で耐震性不足であることが2017年に明らかとなったため、隣接地への新築移転と本館跡地へのマンション新築分譲を柱とする再開発事業を行う方針を2020年に固めた。
同方針に基づき、2022年8月に「宮元町第二地区優良建築物等整備事業」が起工、2023年9月から現店舗の閉店セールとなる「移転前の売りつくしセール」が始まっていた。

売りつくしで賑わう最終営業日のスズラン高崎店。
「また会いましょう!」希望に満ちた最終営業日
スズラン高崎店現店舗の最終営業日は、地下食品フロアから屋上遊園地まで名残惜しむ客で賑わいをみせた。
なかでも、地下1階にある1830年創業の老舗蕎麦店「すかや本店」は後継者不在を背景に新店舗に移転せず閉店(支店分店は営業継続)することから、エスカレーターホールまで列がみられた。

すかやにお並びのお客様へ。
閉店時刻の19時になると、現店舗での営業終了を記念した式典がおこなわれた。
高橋英二店長は56年の歴史を誇った現店舗の閉店を感慨深いとしつつ「閉店するわけじゃありませんので、また新店舗でお会いしましょう!」と挨拶。買物客の笑いを誘った。

スズラン高崎店・旧店舗の閉店式典。
式典後、正面入口のシャッターが幕をおろしたのちも、買い物客やテナント従業員による明るい雰囲気が続くこととなった。
1ヶ月後に新築の新店舗開業、高崎初ブランドも
スズラン高崎店は隣接地のさやもーる商店街(高崎中部名店街)沿いの新築店舗へと移転。
2024年2月29日を目処に新装開業する予定としている。

スズラン高崎店・新店舗。
新店舗の建物(商業棟)は地上4階地下1階建で営業フロアは1~4階と、旧店舗の約半分ほどとなる。
1階にはグロサリー「北野エース」やスペシャリティコーヒーショップ「TULLY’S COFFEE」、2階・3階は婦人服・紳士服・生活雑貨など、4階には地場資源関連会社「糸井ホールディングス」による会員制フィットネス施設やエステサロンが入居するなど、装い新たに生まれ変わる。
また、将来的にはスズラン高崎店の旧店舗跡に建設されるタワーマンション・立体駐車場とも接続される予定となっている。
高崎スズラン・新店移転に伴う主なテナント動向
(都商研取材による/これ以外の閉店・出店もあり)
※今後、出店計画が変更される可能性もあります。
閉店
- 化粧品売場(1階、HABAを除く全てのブランド)
※資生堂、クレドポーボーテ、カネボウ、コスメデコルテ、エスト、イプサ、アユーラ、ちふれ、パウダーパレット - ペレボルサ(ハンドバッグ、1階)
- ミスターミニット(靴鍵修理、1階)
- シューラルー(婦人服、2階)
- シルクフォーチュン(婦人服、2階 ※POPUPショップ)
- スイートマインド(婦人服、2階)
- ステッキ売場(2階)
- 詩仙堂(婦人服、3階)
- ヌーベルスポーツ&ドンナベロ(小さいサイズの婦人服、3階)
- クロスプラスショップ(デコイ・プチオンフルール・アルファキュービック・ルスークホリデー、4階)
- オーダーワイシャツ売場(5階)
- 学生服売場(5階、今後は修理受付のみ。前橋店にて取り扱い継続)
- 子供服売場(7階、ポロラルフローレンを除く全てのブランド)
※ミキハウス、赤ちゃんの城、ムージョンジョン、ダディオダディ、KP、KPBOY、メゾピアノ、メゾピアノJr、ポンポネットJr、クレードスコープ、ビールーム、エクストララージキッズ、エックスガールステージス等
※KP・KPBOYは髙島屋へ3月上旬ごろ移転 - 玩具売場(7階)
- サンリオ(7階)
- ボーネルンド(7階)
- 中むら(和惣菜、地階)
- 登利平(弁当、地階)
- とんかつ和幸(和惣菜、地階)
- すかや本店(飲食店、地階)
- 美術工芸サロン(別館地階)
- 茶道具売場(別館地階)
移転
- 婦人服飾雑貨売場
- 婦人靴売場
- ゲンテン(ハンドバッグ)
- アナスイ(ハンドバッグ・アクセサリー)
- DEEP’S(アクセサリー)
- ヴァンドームブティック(アクセサリー)
- YAコレクション(アクセサリー)
- エース(旅行用品)
- フォンテーヌクチュール(ウイッグ)
- 東京ますいわ屋(呉服、旧4℃ブライダル跡の別館へ)
- フルーツパーラーサンエイ&ジューススタンド(飲食店)⇒統合して新店舗へ
- ポロラルフローレン(紳士・婦人・子供服)
- ニューヨーカー(紳士・婦人服)
- 紳士肌着・靴下売場
- 紳士雑貨、ワイシャツ、ネクタイ売場
- 鳩居堂(和雑貨)
- ホットマン(タオル)
- 西川(寝具)
- アントステラ(洋菓子)
- ボンジョルノ(飲食店)
- たごさく(和惣菜)
- 肉の匠いとう(精肉)
- アイミートダイニング(洋惣菜)
- 和洋菓子売場
- 新潟海宝丸(鮮魚)
- キーコーヒー(飲食店)
- HABA(化粧品)
- リフレーヌ(リラクゼーション)
スズラン新店舗に新規出店
- 北野エース(グロサリー)
- タリーズコーヒー(飲食店)
- 味の十字屋(塩干)
- 寺崎商事(宝飾)
- A ROMA(ヘッドスパサロン)
鞘町ビル(別館)で営業継続(2月中も営業)
- クリニカルエステ花蔵(エステティックサロン)
- 薬王園漢方(漢方薬局)

移転に向けて工事が進む。
「X」のクロス部分にスズランの(S)マークがあしらわれる。
関連記事:しみずスーパー、2022年7月24日までに全店閉店・会社清算へ-一部店舗跡は他社が出店か
関連記事:イトーヨーカドー伊勢崎店、2021年2月21日閉店-ヨーカドー、群馬県から完全撤退
関連記事:ツルヤ前橋南ショッピングパーク、2020年11月12日開業-長野の高級スーパー、関東初出店
関連記事:イオンモール高崎、2020年6月26日増床リニューアル-H&Mなど「群馬県初」テナントも
微風南山アトレ、2023年12月31日閉店-アトレ海外1号店、約5年の歴史に幕
台湾・台北市信義区の複合超高層ビル「台北101」横にある「台北南山廣場」(Taipei Nanshan Plaza、台北微風広場)にあった、JR東日本グループのファッションビル「微風南山アトレ」(Breeze南山atre)が2023年12月31日に閉店した。

微風南山アトレと台北101。
2019年1月に開業した台北のアトレ、5年で閉店
台北南山広場は2018年6月に一部開業。
三菱地所設計により設計、現地企業により施工された。台湾政府が所有する「台北世界貿易センター世貿2館」跡地を、南山人寿保険が借り受け、三菱地所グループと共同で「台北南山広場プロジェクト」(世貿二館地上權開發案)として定期借地方式(50年間)により開発が進められたもの。隣接する日系百貨店「新光三越」などとも連絡通路で接続されている。
商業棟は地上7階地下2階建、オフィス棟は地上48階地下2階建、高さ272m、エントランス棟は地上3階地下1階建。全館の敷地面積は17,708㎡ 、延床面積は192,891㎡ 。

台北101周辺。
微風南山アトレは微風南山の2階一部~4階部分に2019年1月に開店。コンセプトは「SLOW TIME, SLOW LIFE」で、店舗面積は約6,000㎡。「アトレインターナショナル」(アトレ51%、三井物産49%出資)と台湾各地で商業ビル「微風廣場」(Breeze Plaza)を展開する「長僑投資開發股份」(Breeze)の合弁会社「Breeze atre Holding」傘下の特別目的会社(SPC)「微風艾妥列南山股份有限公司」が運営を行っていた。
なお「艾妥列」は「アトレ」の当て字である。

微風南山アトレ館内のようす。
駅ビルではない立地であるものの、館内には日本のアトレで見られるような「BEAMS」「UNITED ARROWS BEAUTY&YOUTH」「niko and…」などといった多くの日系ブランド店舗に加えて、JR東日本のPRカフェも出店していた。
台湾アトレ、閉店後も会社解散せず
閉店は長僑投資開發股份(Breeze)との賃貸借契約の満了によるもの。
一方で「微風艾妥列南山股份有限公司」は解散しないということで、今後は別の場所への新規出店も期待される。
関連記事:遠東そごうシティ台北ドーム店、2024年春1期開業-台北最大の百貨店、2023年12月完成の台北ドームに
関連記事:遠東百貨店台北宝慶店、2023年7月31日閉店-台北現存最古の百貨店、半世紀の歴史に幕
関連記事:DON DON DONKI CITY LINK 南港店、2023年8月22日開業-ドンキ、台湾初業態「お試しコーナー」設置
関連記事:誠品信義店、2023年12月閉店-誠品書店の旗艦店、契約終了で
関連記事:台湾カルフール、統一グループが2023年中に買収-台湾「スーパー2強」時代に
関連記事:DON DON DONKI 忠孝新生店、2022年1月20日開店-ドンキ台湾2号店、光華商場裏の再開発ビルに
関連記事:新光三越台北忠孝店(仮称)、2022年後半開業-そごう隣接のタワーマンション下層に
関連記事:台湾国家撮影文化センター台北館、2021年4月19日開館-旧・大阪商船ビル、7年かけて復原
豊洲 千客万来、2024年2月1日開業-豊洲市場の千客万来施設、24時間営業「東京豊洲 万葉俱楽部」核に
東京都江東区のゆりかもめ市場前駅前に、万葉倶楽部グループの大型複合施設「豊洲 千客万来」が2024年2月1日に開業する。

万葉倶楽部 豊洲 千客万来。
豊洲市場の千客万来施設、万葉倶楽部の運営に
「豊洲 千客万来」は、東京都が豊洲市場の場外に誘致した複合施設。
東京都の公募の結果、当初は「喜代村」(「すしざんまい」運営企業)と「大和ハウス工業」により運営される予定であったが、条件が折り合わなかったとしていずれも2015年に撤退。再公募の末、2016年3月に、全国で温浴施設を運営する「万葉倶楽部」の運営となることが決まった。
なお、開業が当初より遅れることとなったため、千客万来施設開業までの暫定施設として近隣地に三井不動産グループ運営の「江戸前場下町(えどまえじょうかまち)」が設けられていた。
24時間営業の温浴施設や多彩な飲食店など出店
「豊洲 千客万来」は温浴棟「東京豊洲 万葉俱楽部」と食楽棟「豊洲場外 江戸前市場」で構成。敷地面積は約1.7ヘクタール。
公式アンバサダーには中村獅童氏が就任する。

東京豊洲 万葉倶楽部の屋上。
温浴施設「東京豊洲 万葉俱楽部」は24時間営業。
箱根・湯河原温泉の湯を使い、東京湾を望むことのできる露天風呂や、ウォーターフロントの景色を360度パノラマで一望できる展望足湯庭園(無料)などが設けられる。
料金はマル得セット3,850円など。深夜は3,000円が加算される。(大人料金)

東京豊洲 万葉倶楽部・露天風呂。
隣接して設けられる食楽棟「豊洲場外 江戸前市場」は3階建て。
飲食店を中心とした商業施設で、1階はコンビニを併設し、近隣住民も楽しめる手軽なエリア、2階「目利き横丁」「豊洲目抜き大通り」は館内に江戸の街並みを再現したエリア。そして3階には多くの寿司店が出店する。
豊洲市場隣接である強みを活かした新鮮食材の販売・提供を行うとしている。

豊洲場外 江戸前市場「豊洲目抜き大通り」イメージ。
「江戸前場下町」は閉館・再開発へ
なお、「豊洲 千客万来」の開業にともない、2020年1月に開業した三井不動産グループによる豊洲市場横の暫定複合商業施設「江戸前場下町(えどまえじょうかまち)」は2024年1月30日に閉店。今後、再開発がおこなわれる。

江戸前場下町。
豊洲 千客万来
東京都江東区豊洲6丁目5
営業時間:24時間(万葉倶楽部・ローソン)
(画像はニュースリリースより)
関連記事:ライフ豊洲店、2022年9月10日開店-3階建ての総合スーパー業態
関連記事:ダイエー豊洲店、2022年4月1日開店-48階建てタワーマンション「ブランズタワー豊洲」別棟に
関連記事:スタジオコースト、2022年1月閉館-新木場「USEN STUDIO COAST」、20年の歴史に幕
関連記事:パレットタウン、2022年中に順次閉館-大型アリーナなど建設で、Zepp Tokyoは1月1日・ヴィーナスフォートは3月27日閉店
関連記事:東京お台場 大江戸温泉物語、2021年9月5日閉館-「大江戸温泉物語」創業の地、定借権の終了で
関連記事:東京BRT、2020年10月1日1期運行開始-都心と湾岸地域を結ぶ快速バス
関連記事:有明ガーデン、2020年6月17日開業-ビッグサイト徒歩圏の大型開発、「イオン」「東京ガーデンシアター」などを核に