中四国に展開する大手スーパー「フジ」(本社:愛媛県松山市)は、2020年8月に全店閉店した南予地方地盤のスーパー「しんばし」(運営会社名は大見屋、本社:愛媛県宇和島市)の5店舗を譲り受けたことを2021年7月27日に発表した。
しんばし本店。
創業100年を前に倒産、全店閉店した「しんばし」
しんばしは1924年に吉田町で文具店「谷本商店」として創業。戦後、スーパーマーケットとなり宇和島新橋銀天街(きさいやロード)に本店を置いたことから1965年ごろに屋号を「しんばし」に改名した。
宇和島新橋銀天街(きさいやロード)。
2020年時点は愛媛県南予に5店舗を展開。きさいやロードにある本店は4階建てで衣食住すべての品を扱っていたほかテナントとして100円ショップ「ダイソー」が出店、かつては屋上遊園地も設けられており「しんばしデパート」とも呼ばれていたが、2020年8月30日に全店閉店、運営する大見屋は8月31日に松山地裁に破産を申請・倒産した。東京商工リサーチによると負債総額は約22億円であった。
フジ、しんばし5店舗を譲受-営業再開は未定
フジは入札を経て破産管財人との間で売買契約を結び、しんばしが倒産時に展開していた5店舗全てを譲り受けたという。フジとしんばしは、どちらも現在の宇和島市にスーパーマーケット1号店を出店したという縁がある。
一方で、しんばしの徒歩圏にフジが立地する店舗もあり、全てがスーパーマーケットとして営業再開するかどうかは不透明となっている。
フジが取得したしんばし5店舗
- しんばし本店(宇和島市/しんばしデパート)
- しんばし南店(宇和島市)
- しんばし吉田店(宇和島市)
- しんばし広見店(鬼北町)
- しんばし南郡店(愛南町)
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