西武池袋本店、2023年8月31日にストライキ決行・休業-店頭でデモ「売却反対」「雇用維持」訴える

イトーヨーカドーなどを展開する流通大手「セブン&アイHD」(東京都千代田区)が、傘下の百貨店大手「そごう・西武」を投資ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」(本社:米国)に2023年9月1日付で売却する方針を固めたことを受け、「そごう・西武労働組合」は売却方針に反対すべく、8月31日に「西武池袋本店」(東京都豊島区)でストライキを決行、同店は終日臨時休業した。

西武池袋本店で行われたストライキ。

開店時間になってもシャッター開かず、納品も停止

スト決行までの経緯はこちら。
西武池袋本店では朝10時の開店時にもシャッターは上がらず、玄関には「全館臨時休業とさせていただきます」の貼り紙が。
納品口には「納品は停止しております」の看板もかかげられた。
また、一部社員は出勤しているとみられ、入店する人の姿も見られた。

貼り紙が掲出された西武池袋本店。

午前中、池袋の街でデモ行進を開始

西武池袋本店の周辺では、午前中を中心に「そごう・西武労働組合UAゼンセン・連合系が「西武池袋本店を守ろう!池袋の地に百貨店を残そう!これからもお客さまと共に…」などと書かれた横断幕や幟り旗を掲げてデモ行進をおこなった。

掲げられた幟り旗と取材するテレビ局。

全学連など、西武エントランスで連帯デモ

午前中を中心に「そごう・西武労働組合」が百貨店から離れているあいだ、店舗エントランスでは各業界ユニオン全学連中核派などがデモ隊(勝手連)を構え、ストライキに支援・連帯するとして「池袋の街を変えるな」「売却阻止」「憲法改正阻止」「政権交代」「ウクライナ即時停戦せよ」「中国との戦争反対」などを訴えていた。

昼からは店舗エントランスで雇用維持など訴える

昼ごろからは、「そごう・西武労働組合」が店舗エントランスで横断幕や「ストライキ決行中」の札をかかげ、ビラを配るなどして雇用の維持などを訴えた。
「そごう・西武労働組合」によると、デモには約300人が参加したという。

店舗前で雇用の維持を訴えるそごう・西武労働組合。


ビラ配りもおこなわれた。

セブンアイ、9月1日に「そごう・西武」売却完了へ

西武池袋本店はかつては日本一、2023年時点でも全国3位の売上高を誇る百貨店であり、外資への売却とそれに伴うヨドバシカメラ入店によって西武側の雇用が守られないばかりか、百貨店の売上が低下するとそごう・西武全体の経営に大きな影響を与える可能性もある。今回のストライキはそれに反発したものとなる。
大手百貨店でのストライキ決行は1962年の阪神百貨店以来、約61年ぶりとなった。
一方で、セブン&アイHDは9月1日での売却を進めるとしており、8月31日に取締役会を開催。9月1日付で売却完了となる見込みとなっている。

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