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西友豊田店、2023年11月2日18時閉店-48年の歴史に幕、Seriaは豊田駅前に再出店

東京都日野市のJR中央線豊田駅近くにある総合スーパー「西友豊田店」が2023年11月2日午後6時をもって閉店した。

豊田駅前の大型総合スーパー

西友豊田店は1975年5月に開店。建物は地上3階建で店舗面積は5,858㎡。西友が自社物件として所有する。
同店は開店以来、地域随一の大型店として営業を続けていたが、2014年11月に「イオンモール多摩平の森」が至近距離に開業するなど競争が激化することとなった。

2020年には大規模改装実施するも閉店に

西友豊田店は、2020年6月に「選びやすく、買いやすく生まれ変わりました」を掲げ全館改装を実施し、2階フロアに100円ショップ「Seria」を導入したばかりであったが、2023年5月に閉店の方針を店頭にて発表。同年7月27日からは「閉店前の売りつくしセール」を開始し、段階的に営業規模を縮小していた。

西友豊田店。(2020年6月当時)

西友は日野市から撤退、跡地活用の方針などは未発表

西友豊田店の建物は1990年代に耐震改修が行われているが、2023年11月現時点で跡地活用の具体的な方針など発表されていない。西友は豊田店の引継ぎ店舗を「西友国立店」としており、同社店舗は日野市内から撤退することとなる。

西友豊田店閉店のお知らせ。(2023年7月発表)

Seriaは徒歩圏内に新店舗

Seriaは西友豊田店の引継ぎ店舗を日野市内の京王線沿線にある「Seria日野落川店」ではなく、八王子市内のJR中央線沿線にある「Seriaサザンスカイタワー八王子店」「Seria八王子オクトーレ店」2店舗としている。
同社店舗は豊田駅周辺から姿を消すこととなるが、2023年12月1日に事実上の後継店舗「Seria豊田駅前店」を開店する予定であり、駅周辺唯一のSeriaは1ヶ月ほどで復活することとなる。

(写真・画像は同社公式より)
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ザ・ガーデン自由が丘木場店、2023年11月1日開店-ヨーカドーに狭小新店、首都圏SST戦略の一環で

東京都江東区の東京メトロ東西線木場駅近くにあるセブン&アイHDの大型総合スーパー「イトーヨーカドー木場店」専門店街に、同社系列の高級食品スーパー「ザ・ガーデン自由が丘木場店」が2023年11月1日に開店した。

ヨーカドー専門店街に初のテナント出店

ザ・ガーデン自由が丘木場店は、イトーヨーカドー木場店専門店街1階で売場面積は30坪。(約99㎡)
同店の開店はセブン&アイHDによる「首都圏食品スーパーストア事業戦略(首都圏SST戦略)」の一環によるもので「シェルガーデン初のテナント形式による出店」になったとしている。

ザ・ガーデン自由が丘木場店。(同社公式より)

ザ・ガーデン自由が丘木場店は「都市型セレクトストア」としてコンセプトに「ちょといい、ちょうどいい」を掲げ、同社が創業以来強みとしてきた「老舗・名店の一品」「オーガニックワイン」「こだわりの一品」を池袋店を始めとする大型店から厳選して展開。
同店の特徴である狭小な売場を短時間で買物可能な「タイパ」対応店舗として打ち出し、「東京會舘」「猿田彦珈琲」といった老舗・名店商品や「亀戸升本」といった老舗割烹料亭による弁当惣菜を「とっておきの一品」として提案する。

ザ・ガーデン自由が丘木場店

住所:東京都江東区木場1-5-30
営業時間:午前10時~午後9時

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イオンそよら古川橋駅前、2023年11月1日9時開業-ダイエー時代からの強み活かした“リボーン型そよら”、賑わう開業日に

大阪府門真市の京阪本線古川橋駅前に、イオンリテールの都市型ショッピングセンター「イオンそよら古川橋駅前」が2023年11月1日午前9時に開業した。

イオンそよら古川橋駅前。

古川橋土地整理事業を機に生まれた駅前のシンボル

イオンそよら古川橋駅前の前身となる総合スーパー「ダイエー古川橋駅前店」は1984年2月に開店。建物は地上7階建(地上6階地下1階建)で営業フロアは1~3階、店舗面積は14,319㎡だった。
ダイエー古川橋駅前店は「門真市古川橋特定土地整理事業」により整備された「サンコオア第1ビル」の商業核であり、2016年3月のイオンリテールへの店舗承継後も引続き、総合スーパー「イオン古川橋駅前店」として地域の賑わいに不可欠といえる役割を担った。

一方、イオン古川橋駅前店は開店から39年が経過し、買物客の需要の変化への対応に迫られていた。こうした背景もあり、2023年4月に都市型ショッピングセンター「そよら」への転換が正式発表となり、同年夏より順次フロアの一部閉鎖をともなうリニューアルを進めていた。

フロアごとに異なるコンセプト訴求

イオンそよら古川橋駅前の建物は従来同様に地上7階建で敷地面積は約12,147㎡、売場面積は約14,967㎡、延床面積は約52,691㎡。グループの総合スーパー事業会社「イオンリテール」が管理運営を担う。
そよらの屋号は一般公募により選定された「そら、寄って、楽しんでって!」との呼びかけに由来するもので、大阪府内では2023年9月開業の東岸和田に次ぎ4施設目となる。

2023年9月開業のイオンそよら東岸和田。

そよら古川橋駅前ではキーワードに「通う」「集う」「つながる場」を掲げ、フロアごとに異なるコンセプトを訴求。日常生活で一番便利な都市生活拠点として「お子さまを連れて一番快適に過ごせる身近な施設」をめざすとしている。

直営衣食住も全面刷新、専門店ライクなスタイルに

イオンそよら古川橋駅前の核を担う直営総合スーパー「イオンスタイル古川橋駅前」は、ダイエー時代から引続き3フロア体制を採るもの、直営輸入食品・酒類や直営衣料、スポーツ関連売場を中心に既存の売場カテゴリからスピンアウトし、専門店に近いスタイルで顧客提案を行う。

イオンスタイル古川橋駅前の地場野菜コーナー。

1階食品フロアのうち農産では地場野菜売場コーナーの新設に加えて「大阪府指定なにわ伝統野菜」を新規取扱開始。水産では鮮魚の対面販売や調理サービスを実施。惣菜では「鉄板焼きコーナー」に加えて「ピッツァソリデラ」を新たに展開する。
また、直営輸入食品・珈琲豆販売を「カフェランテ」、ワインを始めとする酒類を「イオンリカー」、フラワー&ガーデンを「ルポゼ・フルール」として専門店化し品揃えを大幅に拡大する。

イオンスタイル古川橋駅前の地獲れ鮮魚コーナー。
岸和田漁港など近郊漁港の鮮魚が目立つ。

2階では直営ファミリーファッション専門店「ESSEME」「SELF+SERVICE」「TOPVALU COLLECTION」によるファミリーファッションの強化や服飾雑貨・キッズ関連商品「KIDS UNIVERSITY」のコーナー化を実施。改装前に各階に分散していた健康関連(S&BC)商品群を集約し、調剤薬局「イオン薬局」を導入することで、日々の暮らしのシーンごとにスムーズに買物できるような環境を整える。

イオンスタイル古川橋駅前2階「MARCHE rouge」。

3階では直営スポーツアパレル「sporsium」とグループの靴量販店「ASBee」の売場を設け、専門店フロアの体操教室などとの相乗効果を狙う。

イオンスタイル古川橋駅前3階「sporsium」。
専門店と変わらない空間づくりが特徴だ。

そよら専門店1階では「食」を提案

そよら古川橋駅前1階のテーマは「フードワールド」。
入口正面に広がるフードコート「ふるえきキッチン」には「バーガーキング」「うどんの祥 かな泉」「南蛮食堂」「千客万来まねきだこ」「京都ラーメンたかばし」「FUJIYA CONFECTIONERY」の6店舗が集積するほか、ポップアップショップも展開。「食品売場との融合」を謳う空間として、300席の座席では直営食品フロアの惣菜やピザのイートイン、スマホのバッテリー不足に悩む買物客の充電も可能となっている。

イオンそよら古川橋駅前1階「ふるえきキッチン」。

また、隣接する飲食店のうち、シアトルスタイルのカフェ「スターバックスコーヒー」、松屋フーズの牛めし・とんかつ複合店舗「松屋」「松のや」では施設外からの入店も可能であり、専門店街の営業時間にとらわれない長時間営業も行う。

そよら専門店2階には門真初の衣料雑貨やコワーキングも

そよら古川橋駅前2階のテーマは「コンフォートライフ」。
ストライプのレディスアパレル「Green Parks topic」やワールドのファミリーアパレル「SHOO・LA・RUE」を始め、ダイソーグループの均一ショップ「THREEPPY」「Standard Products」、北欧・米国家具雑貨店「ANTENNA」、イオングループの「未来屋書店」など快適な生活を支える専門店が集積する。

未来屋書店&MIRAIYA Bookmark Lounge古川橋駅前。

未来屋書店では子供向け書籍の拡充や読み聞かせ企画といった施策に加え、コワーキングスペースを併設するなど、書店という業態にとらわれない空間をめざす。

3階は世代問わず健康になれる空間に

3階のテーマは「ヘルシーライフスタイル」。
関西初となる学生向け新体操教室「イオン新体操スクール」や大阪初となるトレーニングスタジオ「イオンスポーツクラブ3FIT」、ペット専門店「PETEMO」、ゲームセンター「モーリーファンタジー」といったグループの専門店に加え、100円ショップ「ダイソー」や大型キッズリユースショップ「ふくちゃんリユスタ」など展開。

ファミリー層の期待度が高かった「ふくちゃんリユスタ」。

直営専門店(SporsiumやASBee)と親和性の高い空間は「専門店さんを入れながら、病気になった人を予防するようなフロア構成」(安澤正臣イオンスタイル古川橋駅前店長談)をめざしたものであり、2024年2月までに開設予定の門真市消費生活センター・ 門真市女性サポートステーション「門真市くらしの相談窓口」やクリニックゾーンとともに地域の健康や生活に不可欠な空間となりそうだ。

開業式典にはハッピーワオンも登場

イオンそよら古川橋駅前の開業を記念し、開業当日朝からイオングループ共通電子マネーのイメージキャラクター「ハッピーワオン」や門真市イメージキャラクター「ガラスケ」が待機列に登場。待機列で動き回り、地元音楽グループの門真市歌にあわせてダンスを踊るなど盛り上がりをみせた。

イオンそよら古川橋駅前のテープカットセレモニー。

午前8時30分開始の開業式典式典には、川本昌彦イオンリテール執行役員近畿カンパニー支社長に加え、宮本一孝門真市市長や川村光世光亜興産社長など、旧店舗時代から縁の深い地元関係者やテナント代表者など多数参加した。
そのなかで、川本昌彦イオンリテール執行役員近畿カンパニー支社長は「今の時代にあったショッピングセンターとして生まれ変わることとなった。」「これからも末永く、皆様、地域に、門真市の皆様に愛される店をめざして頑張ります。」とコメント。
宮本一孝門真市市長は「古川橋駅前はこれから大きく変わっていく。こちらが大きく変わっていくのと同時に、北側にはタワーマンション、門真市の図書館・文化会館・複合施設が数年後にオープンしてまいります。」「古川橋から広がっていくんだろうなと思う。」「(ガラスケとハッピーワオンが動いでいるが)門真は犬で猫でちょうどよかった。猿(去る)やなくてよかった。」と古川橋駅前で進む再開発プロジェクトや市制施行60周年と絡めコメントし、テープカットによる新たな幕開けとなった。

流れ込む買物客とハッピーワオン。

従来と異なる改装思想のもと、躯体活かし「リボーン」

イオン古川橋駅前店は、1984年2月のダイエー古川橋駅前店としての開店当初は“広域商圏型”の店舗であったが、競合店の増加や老朽化を背景に半径2km圏内の“足下商圏型”の店舗に変化していた。また、主要客層も「GMS開店からそのまま客層年齢があがる」など高齢化が進み、新規顧客の獲得も厳しい状況となっていた。

従前のGMS(総合スーパー)から刷新したという空間。

イオンリテール近畿SC部住井竹男部長によると、一般的な店舗のリニューアルは3億円~5億円の投資規模であるが、そよら古川橋駅前のリニューアルは「新店1店級」「うん十億円」(詳細金額や売上は非公表)の投資規模であり、従来地元服飾宝飾関連テナントが中心だった1階玄関付近を全部フードコート(及び飲食店街)に転換するという思い切った取組みができたという。
取組みの結果、そよら古川橋駅前の専門店42店舗のうち36店舗が新規出店、残る6店舗も館内移転やブランド変更をともなうリニューアルとなり「子育て世代が車で来てもらえるような施設」となった。
また、取材では今後の同社による既存老朽店舗のスクラップ&ビルドや近畿SC部が位置づける“リボーン”のあり方、具体的な出店戦略が明らかとなった。

安澤正臣イオンスタイル古川橋駅前店長。

そよら古川橋の今後について、取材に応じたイオンリテール近畿SC部住井竹男部長は「(従来比1.3倍の)年間500万人の客に来店いただけたら」、イオンスタイル古川橋駅前店「各店地域のお客様、商圏にあった品揃えのもとイオンスタイルとなった。」と希望を寄せており、そよらのコンセプト通り、従来以上に地域にとって気軽に寄って楽しめるスポットとなりそうだ。

イオンそよら古川橋駅前

住所:大阪府門真市末広町41-2
営業時間:8時~23時(イオンスタイル1階)
営業時間:9時~22時(イオンスタイル2階3階)
※各専門店は店舗により異なる
※最新情報はそよら古川橋駅前公式サイトを参照

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フードグランニチエー三吉店、2023年10月31日閉店-イオン・フジ系高級食品スーパー、営業譲渡で

広島県福山市の国道313号線沿いにあるイオングループ系・フジカンパニーズ系食品スーパー「フードグランニチエー三吉店」が2023年10月31日をもって閉店する。

旧福山リハビリテーション病院跡地の高級食品スーパー

フードグランニチエー三吉店は、2018年10月に医療法人健応会の総合病院「福山リハビリテーション病院」跡地に開店。建物は地上2階建で売場面積は約876㎡(265坪)。
ニチエー三吉店は、同社高級食品スーパー「フードグラン」業態としては、2016年3月の三成店(尾道市)、2017年4月のEKICITY広島店(広島市)に次ぐ3店舗目であり、イベントスペース「GRAND ROOM」の整備など、旗艦店に相応しい店舗づくりを打ち出していた。

フードグランニチエー三吉店(同社公式より)。

事業再編進める「フジ」への営業譲渡で閉店に

ニチエー三吉店の閉店は、同社親会社「フジ・リテイリング」への営業譲渡によるもので、2023年11月16日に親会社直営の食品スーパー「フジ福山三吉店」として新装開店する予定となっている。

フジ・リテイリングは、2024年3月の「フジ」「マックスバリュ西日本」との3社合併に向けて、経営管理機構の改革やイオングループ共通PB「トップバリュ」の導入など準備を進めている。
ニチエー三吉店の運営会社変更も3社合併に向けた動きの一環とみられるが、2023年10月現時点で他店舗の営業譲渡に関する方針は発表されていない。

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藤三光町ショッピングセンター、2023年10月31日閉店-11月に港町店として移転、ナフコは営業継続

広島県呉市のJR呉線川原石駅近くにある地場大手食品スーパー「藤三」の商業施設「藤三光町ショッピングセンター」が2023年10月31日19時をもって閉店する。

海上保安大学校のお膝元にある藤三の大型店

藤三光町ショッピングセンターは1987年2月に開業。営業フロアは2フロアで店舗面積は2,989㎡。
藤三直営食品スーパーを核に、ホームセンター「ホームプラザナフコ光町店」や100円ショップ「Watts with」といったチェーン店、地元飲食サービス系店舗が多数入居するなど、海上保安大学校を擁する地域随一の大型店であった。
藤三光町ショッピングセンターのワッツウィズ。

徒歩圏内に新店舗、ナフコは現店舗で当面営業継続

藤三光町ショッピングセンターの閉店は近隣への移転にともなうもの。同社は2023年11月中旬を目処に「藤三港町店」を核とする新施設を徒歩圏内に開業予定であり、施設の専門店としてツルハドラッグ系ドラッグストア「Wants」、カジュアル衣料作業服店「WORKMAN Plus」、100円ショップ「Seria」の開店も決まっている。
藤三光町ショッピングセンターでは、閉店後も「ナフコ」「美容室ローラン」の専門店2店舗が営業継続の方針を示しているが、建物は築40年近く経過しており、直営食品フロア再活用の方針などは未発表となっている。
藤三光町ショッピングセンター。

(画像は同社公式より)
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にしがき豊岡店、2023年10月29日閉店-同社兵庫但馬1号店、マルワ渡辺水産への譲渡で

兵庫県豊岡市三坂町にある食品スーパー「にしがき豊岡店」が2023年10月29日をもって閉店した。

にしがき但馬1号店だった

にしがき豊岡店は1997年11月に開店。建物は平屋建で店舗面積は280坪(約925㎡)。
豊岡店は京都府北部地場大手の同社としては兵庫但馬初の店舗であり、明生建設グループでドライブインを展開していた「パオパオ」(2012年11月破産)やジャパングループ(現スギ薬局グループ)のディスカウントストア「ファミリー(現豊岡ジャパン)」とともにショッピングセンターを形成した。

にしがき豊岡店。手前が2009年12月開店の増床部分。

同店は2009年12月に増床リニューアルを実施、2022年3月には100円ショップ「キャンドゥ」を導入、同年7月には山陰地場大手「マルワ渡辺水産」の鮮魚専門店を導入するなど、但馬における旗艦店としての役割を担っていた。

鮮魚部門で連携図るマルワ渡辺に運営譲渡

にしがき豊岡店の閉店はマルワ渡辺水産への譲渡によるもの。
にしがきとしての営業を終えることとなる。

にしがきは2022年7月にマルワ渡辺の鮮魚専門店を自社食品スーパー5店舗(東舞鶴・北浜・元町・豊岡・八鹿)に導入して以来、両社間で関係を深めており、同年9月には自社食品スーパー2店舗(下福井・福来)にマルワ渡辺の鮮魚を導入、2023年7月には1店舗(八鹿)をマルワ渡辺に譲渡していた。

マルワ渡辺、兵庫県内で影響力拡大

マルワ渡辺水産は、2017年3月に直営食品スーパー「マルワ豊岡加広店」を豊岡地場食品スーパー「エスカ加広本店」跡に開店しており、兵庫県内でにしがきの受け皿として影響力を拡大することとなる。
なお、旧にしがき店舗のマルワとしての新装開店日に関しては、2023年10月現時点において発表されていない。

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コープさっぽろ春採店、2023年10月31日閉店-春採湖近くの旧釧路市民生協系スーパー、売上減少で

北海道釧路市の春採湖周辺にあるコープさっぽろの食品スーパー「コープさっぽろ春採店」が2023年10月31日をもって閉店する。

旧釧路市民生協破綻最末期に開店した小型店

コープさっぽろ春採店は1995年に食品スーパー「くしろ市民生協春採店」として開店。
春採店の開店当初の運営主体は、1954年に太平洋炭礦の職域生協として設立された「太平洋炭礦生協」を母体に1971年に地域生協となった「釧路市民生協」であった。
同生協は道内有数の規模を誇る地域生協であったが、大型店との競争激化による経営悪化に加えて粉飾決算を行ったことで、1996年3月に和議申立て(現在の民事再生法申請にあたる)を実施。
2003年9月には再建の過程で「コープさっぽろ」運営店舗となった。

コープさっぽろ春採店。

2020年から2022年にかけて店舗の改装が進められており、店舗ロゴも新しいものへと交換されたばかりだった。

売上減少で

コープさっぽろ春採店の閉店は売上減少を理由としたもの。同店1km圏内にはアークスグループ系食品スーパー「フクハラ春採店」に加え、イオン系食品ディスカウント「ザ・ビッグ春採店」を核とする複合施設など大型店もあるが、春採湖周辺は非常に起伏の激しい土地であり、店舗間の徒歩圏内での買回りは非常に困難となっている。

コープさっぽろ春採店の閉店案内。
8月31日と9月1日には地域住民向け説明会も開催された。

コープさっぽろは、釧路市内及び釧路郡釧路町内に貝塚店(旧ダイエーハイパーマート釧路店)を始め7店舗を展開しているが、旧釧路市民生協の店舗は経営再建の過程で旧桜ヶ丘本店など一部を除き閉鎖しており、市民生協時代の店舗はその多くが姿を消すこととなった。
なお、コープさっぽろは閉店にあわせて、コープさっぽろ中央店を基点とする移動スーパー「コープの移動販売おまかせ便カケルくん」を運行開始するとしている。

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ゆめテラス祇園、2023年11月1日開業-ゆめタウン祇園を50年ぶり建替え、核店舗は無印良品の大型店

広島県広島市安佐南区のJR可部線下祇園駅近くにあったイズミのショッピングセンター「ゆめタウン祇園」跡地に、イズミのショッピングセンター「ゆめテラス祇園」が2023年11月1日にグランドオープンする。

ゆめテラス祇園。

イズミ初の郊外型大型店、50年目に建替リニューアル

ゆめテラス祇園の前身となるゆめタウン祇園は、1973年3月に同社初・広島市初の郊外型ショッピングセンター「いづみ祇園ショッピングセンター」として開業。1980年6月には社名表記変更により「イズミ祇園ショッピングセンター」に、さらに2001年3月に「ゆめタウン祇園」に改称した。

ゆめタウン祇園。

ゆめタウン祇園への転換当初は「ファミリー館(旧・ファミリーランド)」「リビング館(生活館/旧・リビングランド)」の2館体制で、廣文館書店やダイソーなど専門店が40店舗ほど入居していたが、近年はイオンモール広島祇園(2009年4月開業)など競合店が増加。店舗の老朽化もあり2011年に店舗をファミリー館に集約し、地域密着型の店舗となった。
ゆめタウン祇園リビング館。
(2011年閉館、跡地は三菱地所の「ザ・パークハウス祇園」)

しかし、店舗の老朽化による建替えにともない、2021年1月31日に殆どの売場が一旦閉店。食品館のみ仮営業しながら建て替えが実施されていた。

新業態「ゆめテラス」無印良品の大型店旗艦店が出店

ゆめテラス祇園の建物は3階建てで、店舗面積は8,100㎡、テナント数は7店舗(イズミグループは1店舗とする)。ロゴは緑色の「you me terrace」となった。

「ゆめテラス」ロゴタイプ。

コンセプトは「自然やゆとりを感じられる憩いの場」。2023年6月1日には、2階のイズミ「食品館」のみ先行開業していた。
3階の核テナントは「無印良品」。店舗面積は2,337㎡で、旗艦店級の大型店となる。そのほか、イズミ直営のドラッグストア・コスメ売場「メディカルワン」「ジョリーブーケ」、そして「ごちそうおむすび膳七」「シマウマバーガー」「ケンタッキー・フライドチキン」(KFC)の3店が出店するフードコートが設けられる。また、1階にはクリーニング店などが出店する。
イズミは無印良品と連携してマルシェやワークショップ、食育、地域イベントなどを企画することで、地域に愛されるスポットを目指すとしている。

ゆめテラス祇園

広島県広島市安佐南区西原五丁目19番44号
営業時間:10時~22時(無印良品は10時~21時)

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西友小手指店、2023年10月31日閉店-42年の歴史に一旦幕、跡地への再出店の方針も

埼玉県所沢市の西武池袋線小手指駅近くにある大型総合スーパー「西友小手指店」が2023年10月31日18時をもって閉店した。

西武セゾンが作った小手指、42年の歴史に一旦幕

西友小手指店は1981年6月に開店。建物は地上5階地下1階建。
小手指店は設計段階で西武セゾンを代表するデザイナーが参画し、同社初となる文化教室「西友コミュニティカレッジ」や松竹との提携による「ドライブインシアター」、西武セゾングループの不動産ディベロッパー「西武都市開発(後の西洋環境開発)」と一体的な周辺開発を打ち出すなど、既存の総合スーパーという業態にとらわれない施設づくりをめざしていた。

西友小手指店。

西友小手指店は1994年5月に都市型ショッピングセンター「西友小手指EPO(西友小手指店B館)」を新設し、高所得者層のグルメ・ファッション需要への対応を図ったが、2010年11月にEPOは専門店の相次ぐ撤退を背景に閉店し、本館もウォルマート型ディスカウント店舗となった。

跡地への再出店も検討

西友小手指店の閉店は再開発を理由としたもの。
西友小手指店跡地で進められる再開発事業の詳細に関して、2023年10月の閉店時点では明らかとなっていないが、同社は「再開発後の新しい建屋で、リニューアルオープンを予定」する方針を示している。
西友小手指店に先駆け、小手指EPOはハナミズキプラザ(通称:ハナプラ)を経て2015年に再度閉店、跡地は飯田グループHD系(アーネストワン)の分譲マンションとなっており、小手指から西武セゾンがつくった施設が姿を消すこととなった。

西友小手指店の閉店告知。

(画像は同社公式より)
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ロピア北九州リバーウォーク店、2023年10月31日開店-ダイエー・迫田・ラオックス跡、約10年ぶり大型食品スーパーに

福岡県北九州市小倉北区の小倉城そばにある複合商業施設「リバーウォーク北九州」地下1階に、流通大手「OICグループ(旧ロピアホールディングス)」の大型食品スーパー「ロピア北九州リバーウォーク店」が2023年10月31日午前10時に開店する。

開業当初はダイエー核の食物販フロアだった

リバーウォーク北九州は、2003年4月に「室町一丁目地区第一種市街地再開発事業」の中核施設(第1期事業)として開業。敷地面積は24,600㎡、延床面積は約178,000㎡。
リバーウォーク北九州地下1階には開業当初、同地区の再開発権利者であった流通大手「ダイエー」による、同社食品スーパー「グルメシティリバーウォーク店」を核とする食物販ゾーン「フードパオ」が営業していたが、2012年6月にダイエーが業績低迷を背景に閉店。
同年10月にはダイエーが権利床を維持しつつ、地場大手家具インテリア雑貨店「SAKODAホームファニシングスリバーウォーク北九州」が開店し、迫田直営フロアやカフェ(ヨゴリーノ)中心のフロアとして刷新を図ったが、2017年8月の迫田閉店により再び同フロアは閉鎖となった。

ラオックス主導で活性化図るもコロナ禍で不振に

リバーウォーク北九州地下1階は、2018年3月に免税店大手「ラオックス」がダイエーから権利床を買収し、大型免税店「ラオックスリバーウォーク北九州店」として新装開店

ラオックスリバーウォーク北九州店。

同年12月には訪日外国人観光客を意識した忍者テーマパーク「忍者パーク」と屋内型遊園地「遊キッズ愛ランド」を導入し、2019年6月には地元ファミリー層を意識した屋内型テーマパーク「リバチカこども王国 ジャイアントスタジアム」として再編するなど活性化を図ったが、訪日外国人需要に乏しい立地条件とコロナ禍が重なり無期限休業状態となった。

リバチカこども王国ジャイアントスタジアム。

加えて、リバーウォーク北九州自体も1階への西鉄ストア系都市型食品スーパー「レガネットキュートリバーウォーク店」導入や4階フードコート「タベリバガーデン」の再整備など集客力の維持を図っていたが、専門店の撤退が相次ぐ状況であった。

リバーウォーク、話題の「ロピア」で集客力向上なるか

ロピアは2023年6月に九州1号店「ロピア博多ヨドバシ店」を博多駅前に開店、8月に九州2号店「ロピア福岡新宮店」を福岡都市圏のベッドタウンである糟屋郡新宮町に開店するなど、ハイペースで店舗網の拡大を進めている。
リバーウォーク北九州は、2023年4月より東京建物グループの商業不動産運営会社「プライムプレイス」による受託のもとリニューアルを進めており、集客力の向上を図りたい両者の狙いが一致したものとみられる。
ロピア北九州リバーウォーク店の開店により、同施設に約10年ぶりに大型食品スーパーが復活することとなった。


リバーウォーク北九州。

ロピア北九州リバーウォーク店

住所:福岡県北九州市小倉北区室町1-1-1
営業時間:午前10時~午後8時

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