カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

MEGAドン・キホーテ和泉中央店、2019年2月15日開店-DCMダイキ跡に

大阪府和泉市の和泉中央駅前に、ディスカウントストア「MEGAドン・キホーテ和泉中央店」が2019年2月15日に開店する。

MEGAドン・キホーテ和泉中央店。

和泉中央駅前のダイキ跡「MEGAドンキ」に

MEGAドン・キホーテ和泉中央店はDCMダイキ和泉中央店跡に出店。建物は地上2階建、売場面積は3,928㎡。
和泉中央店は「ニューファミリーが集う大型ディスカウント店」として、店舗屋外への「遊具スペース」の設置や「キッズ用タブレット付きのショッピングカート」を導入するなど、子育て世代のニューファミリー層をターゲットとした売場づくりを行う。
商品構成としては、一般食品、日用品などの生活必需品やトレンドを意識した化粧品、スマートフォンアクセサリーなどドンキならではの商品を展開、生活家電は同社関西最大級の品揃えになるという。

泉北高速鉄道沿線へのドン・キホーテ出店は、2016年6月の「ドン・キホーテクロスモール堺店」(栂・美木多駅徒歩15分)以来2店舗目であり、和泉中央店は駅徒歩1分という好立地に出店することから、沿線各駅からの買物客獲得が期待される。

MEGAドン・キホーテ和泉中央店

住所:大阪府和泉市いぶき町5丁目6番17号
営業時間:午前9時~翌午前3時

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ピーコックストア青山店、2019年2月28日閉店-旧大丸ピーコック都内1号店

東京都港区南青山にある総合スーパー「ピーコックストア青山店」が2019年2月28日で閉店する。

ピーコックストア青山店。

かつての「青山の大丸」、55年の歴史に幕

ピーコックストア青山店は1964年10月に高級スーパー「大丸ピーコック青山店」として五光ビルの地階から3階に開店。売場面積は2,387㎡。大丸ピーコックの東京1号店で、東京オリンピックに合わせた出店であった。

館内には百貨店などで良くみられるテナントが入居しており永年に亘って「南青山のミニデパート」として親しまれた。
2013年4月からはイオン系列となっており、現在は首都圏で旧大丸ピーコックの店舗などを運営する「イオンマーケット」が運営する。

閉店告知。

店舗はあまり改装されておらず、外壁には「DAIMARU」の文字を剥がした跡が残っている。
かつて高級衣料品を扱っていたフロアはイオンに引き継がれた後も衣料品売場として存続し、主に実用衣料やトップバリュコレクションなどが販売されていた。イオンとなって以降「百貨店らしさ」が感じられたRF1やハンドバック売場などは撤退している。
建物は老朽化しており上層階はすでに退去済みであるため、近く再開発のため解体されるとみられる。
(情報を一部追記しました。)

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宇都宮パルコ、2019年5月閉店-22年の歴史に幕

栃木県宇都宮市のファッションビル「宇都宮パルコ」が2019年5月に閉店する。

宇都宮パルコと再開発が検討されるドン・キホーテ

バンバ地区の核店舗、近年はテナント撤退が相次ぐ

宇都宮パルコは二荒山神社の御前でもあるバンバ地区に1997年3月に開店。市内最大の商店街・オリオン通りの徒歩圏という好立地への出店であった。
建物は地上10階、地下1階建てで、売場面積は14,996㎡。建物の正式名は「宇都宮相生再開発ビル」で、もともと神苑であったため、二荒山神社が所有する。かつては店舗向かいに地場百貨店「上野百貨店」が、店舗隣接地に「西武百貨店宇都宮店」があったが、上野は2000年に倒産、西武は2002年に撤退している。
建物のテナントとしてはABC-MARTGU紀伊國屋書店ユザワヤシャンブル、交番などが出店。かつてはタワーレコードJINSキャンドゥなども出店していたがいずれも閉店しており、テナントの撤退が進みつつあった。
宇都宮パルコは2017年の大津パルコ閉店後はパルコ全店のなかでテナント売上高が最も低く、近年は約40億円前後で推移していた。
閉店日は調整中であるといい確定ではないとみられるが、僅か「約4ヶ月後」の閉店ということで地元にとってみても衝撃が大きいものになろう。

「メガドンキ」も近く再開発か-注目集まる活性化策

宇都宮パルコが立地するエリアはJR宇都宮駅からは2km弱の距離があるが、永年に亘って宇都宮市の中心部として栄えたエリアであった。しかし、バブル崩壊後は大型店の撤退が相次いでおり、様々な活性化策が行われている。宇都宮パルコの建設もその一環であった。
宇都宮パルコに隣接する「ラパーク宇都宮・長崎屋MEGAドンキホーテ宇都宮店」(旧西武百貨店宇都宮店)が入居する「斎藤会館」についても、建物の老朽化による耐震性不足が指摘されており、近い将来閉店して解体・再開発される可能性が高い。
また、かつてパルコのライバルであり2005年に閉店した「宇都宮109」(旧山崎百貨店)跡地のイベント広場「オリオンスクエア」も2020年までに全天候型イベントスペースとして再整備される計画がある。
宇都宮109跡のオリオンスクエア。再整備計画がある。

宇都宮市中心部最大の拠点であり東武百貨店が出店する東武宇都宮駅も現在は優等列車が殆ど来ずローカル線の様相を呈しており、ライトレールの東武宇都宮駅延伸計画についても2019年時点では具体的な着工時期は未定となっている。
ライトレール整備に合わせてJR宇都宮駅周辺の再開発が進むなか、パルコ跡の再活用も含めて東武宇都宮駅からオリオン通り・バンバ地区周辺の活性化策・再開発にも注目が集まる。

関連記事:宇都宮オリオンスクエア、全天候型広場に改修へ-109跡地、2020年度までの完成目指す
関連記事:JR宇都宮駅東口再開発、公民8棟を整備へ-野村不動産らが開発、LRT開業に向けて

赤坂サカス隣接地、TBSが2019年1月に再開発を発表-赤坂BLITZは閉館・スタジオ転換

東京放送ホールディングス(TBS HD)は、本社が所在する東京都港区の「赤坂サカス」改装とその周辺を再開発する「赤坂エンタテインメント・シティ構想」を2019年1月30日に発表した。
再開発に伴い新たなエンタテイメント拠点などが建設されるとともに、サカスも改装をおこない既存の人気ライブハウス「マイナビBLITZ赤坂」は一旦閉館し、ライブハウスからTBSテレビの観覧機能付きスタジオに転換される。
追記:マイナビBLITZ赤坂」の閉館日は2020年9月22日となった。

サカス隣接地再開発-エンタテイメント拠点など建設

赤坂サカスは1994年に開業したTBSの新社屋・放送センター(ビッグハット)の隣接地にあった旧社屋を再開発し、2008年3月に開業した。開発業者はTBS HDと三井不動産。
TBS放送センターと各種イベントなどが開催される「サカス広場」、ライブハウス「マイナビBLITTZ赤坂」、劇場「赤坂ACTシアター」、オフィスビル「赤坂Bizタワー」などで構成される。

TBSテレビ本社屋。

今回の再開発はTBS HDの「グループ中期経営計画 2020」において発表されたもの。
再開発のメインとなるのは赤坂サカスの隣接地にある「国際新赤坂ビル」の敷地。

新国際赤坂ビル。

国際新赤坂ビルは東館地上24階・地下3階、西館地上18階・地下3階。もともとタクシー大手の国際自動車が1980年に建設したものであったが現在は三菱地所が所有する。
2019年現在、同ビルには安藤ハザマ本社(西館)などのほか、東館の商業床にはマルエツ、文教堂書店などが入居している。

赤坂サカスと再開発エリア(TBSニュースリリースより)。

開発業者はTBS HDと三菱地所で、「リアルな場としてのメディア機能を拡充し、次世代ライブエンタテインメントの発信拠点を創設していく」としており、新たなエンタテイメント拠点(劇場ライブハウスなど)の開設を検討しているとみられる。今後、約10年後の完成を目指して工事が進められる。
このほか、TBS HDは赤坂サカスに隣接するビル「ザ・ヘクサゴン」も取得している。

サカスも改装-赤坂BLITZは閉館・TBSのスタジオに

TBSは「国際新赤坂ビル」の再開発に伴い、赤坂サカスの既存エリアでも改装を進める。
改装は既に取り掛かられており、2019年3月までにサカス広場の改装などが完成。
また、人気の大型ライブハウス「マイナビBLITTZ赤坂」(赤坂ブリッツ)は一旦閉館し、今後ライブハウスからTBSテレビの観覧機能付きスタジオへと転換する。

マイナビブリッツ赤坂(ニュースリリースより)。

赤坂ブリッツは赤坂サカス誕生前の1996年に誕生。赤坂サカスの新規開発に伴い2003年に一旦閉館したあと、2008年に赤坂サカスに再開業した。現在の収容人数は1,298人(オールスタンディング時)。2017年より、TBSグループと同じく毎日新聞を発祥とするマイナビがネーミングライツを取得している。

現在のロゴタイプ(ニュースリリースより)。

2019年2月時点では具体的な閉館・業態転換日は未発表。当面は予定が入っているうえ2020年に予定される東京五輪に向けてのライブ会場不足が叫ばれる昨今であるため、少なくとも五輪終了まではライブハウスとして営業する可能性が高い。
TBSは赤坂ブリッツを「TBS テレビに親しんでいただくリアルな場としていく」としているが、都心を代表するライブハウスとして親しまれていただけに「スタジオ転換」を惜しむ声は大きいであろう。
一方で、隣接地にはエンタテイメント拠点が開設されるため、何らかの「代替機能」が設けられる可能性が高く、新たなライブハウスの誕生にも期待したい。
なお、新施設に類似規模のライブハウスが設けられるか、また再び「ブリッツ」の名称が使われるかどうかも含めて2019年2月時点では未定だ。
追記:赤坂BLITZは2020年9月22日で一旦閉館、改装される。

外部リンク:「赤坂エンタテインメント・シティ構想」の実現に向けて – TBSホールディングス
関連記事:赤坂ブリッツ、2017年11月1日から「マイナビブリッツ赤坂」に-ネーミングライツ取得で
関連記事:ZEPP HANEDA、2020年夏開業-天空橋駅前、羽田空港跡地第1ゾーン整備事業の中核施設

伊勢丹、2019年2月20日から包装紙を変更-22年ぶりに

東京都新宿区の百貨店「伊勢丹」を運営する三越伊勢丹HDは、伊勢丹の包装紙とリボンを2019年2月20日から変更することを発表した。

伊勢丹、22年ぶりに包装紙変更

伊勢丹が包装紙を変更するのは22年ぶり。
新しい包装紙のタイトルは「radiane」で、フランス人アーティスト「フィリップ・ワイズベッカー氏」がデザイン。

新たな包装紙(公式サイトより)。

伊勢丹タータンと同じ「赤、黄、緑」で書かれた線は光が放射状に広がる様子をあらわすといい、どこか地図のようでもある。
白い部分にはISETANの文字が散りばめられる。
また、リボンも同じ字体の「ISETAN」の文字が記されたものとなる。

包装紙、リボンと紙袋イメージ(公式サイトより)。

包装紙はこれまでのものと比較するとかなり「目立たない」デザインとなるため、賛否両論を呼びそうだ。紙袋については今後もタータンチェックのデザインのものが使われるという。

外部リンク:伊勢丹の新しい包装紙
関連記事:伊勢丹府中店・伊勢丹相模原店、2019年9月30日閉店
関連記事:三越伊勢丹HDとイオングループ、3月からカード事業で提携へ-「ポイント相互交換」も

【アネックス館テナント一覧】棒二森屋、150年の歴史に幕(2)-旧アネックス館、2月8日再開業

2019年1月31日に閉店したJR函館駅前の百貨店「棒二森屋」(北海道函館市)の新館であった旧「アネックス館」が改装されて2019年2月8日に営業を再開する。

間も無く改装されるアネックス館。

閉店日の記事はこちら
旧アネックス館、2月8日開業-ファッションビルに

棒二森屋アネックス館は1982年に建設。地下1階、地上7階建て。
本館は老朽化により耐震性が低いことが発表されており、建物は解体される見込みだが、旧アネックス館、パーキング館は当面のあいだ営業を継続することとなった。
旧アネックス館は2月8日からファッションビルとして順次開業。移転・新規出店する店舗の一部は2月20日前後の開業になるという。パーキング館は3月に営業を再開する。
改装後の新名称は未定。再開発の進展状況を見て数年後(2022年以降)に閉館する計画だ。

旧棒二森屋アネックス館(手前)。

地階の食品売場をはじめとした百貨店の直営フロアは廃止されるが、本館から複数のテナントが移転。そのなかには「ハウスオブローゼ」など全国展開する人気店舗も含まれる。また、以前から1階で人気を集めている「はこだてスイーツ&CAFE」のコーナーには函館市亀田の人気老舗ベーカリー「キングベーク」など新規テナントも導入される。
なお、建物は中合が所有を継続するが「棒二森屋商品券」などは利用できない。

19テナントが出店、3月末までに順次開業へ

各企業・テナント各社の発表、現地取材、地元メディアの報道などにより判明したアネックス館のテナントは以下の通り。太字は本館から移転、太字下線は新規出店テナント。
(一部ブラウザによっては正しく表示されない場合あり)

1階に「はこだてスイーツ&CAFE」の看板が掲げられる。
店前を走る電車は館内に継続出店する千秋庵総本家の広告。

開業時の総テナントは19店舗になるという。一部に空きスペースもあるため、今後新たなテナントの導入が進む可能性もある。
また、棒二森屋本館の店舗のうち人気の地場ハンバーガーチェーン「ラッキーピエロ」は移転先を検討中だといい、数か月間は棒二森屋本館の現店舗で営業を継続する計画だ。

ラッキーピエロは当面本館で営業継続する。

旧棒二森屋アネックス館のテナント一覧(判明分)
屋上 未定(閉鎖) 未定
7階 未定(閉鎖) 未定
6階 CD・公共施設 玉光堂
函館市ふらっとDaimon
5階 書店・公共施設 くまざわ書店
函館市消費生活センター
4階 催事場 催事場・イベントスペースを検討
3階 メンズ・キッズ
ファッション
INDEPENDENCE STORE
TETE HOMME(テットオム)
BK-KIDS
2階 メンズ・レディス
ファッション
アクセサリー
コスメ
レストラン
NICOLE CLUB FOR MAN(ニコル)
ウォッチタウン
ハウスオブローゼ
セレクトショップCOSMIC
ミラオーウェン
スタジオb(館内移転)
カフェニシムラ
1階 スイーツ&CAFE
ベーカリー
キングベーク
ラップ&ロールカフェ
千秋庵総本家(館内移転)
ハーヴェスト
ワッフルデニーム
地階 未定(閉鎖) 未定

※「ラッキーピエロ」は当面のあいだ本館1階で営業を継続。

なお「棒二森屋函館空港店」については当面現在のまま営業を継続するという。

キラリス、2月7日改装-徒歩圏にマックスバリュも

棒二森屋向かいの和光デパート跡にある再開発ビル「キラリス函館」も2月7日に地階がリニューアルされ、牡蠣焼き「知内番屋」など新たに飲食店3店舗が出店する。
さらに、2019年秋ごろには棒二森屋跡地のすぐ近くに「マックスバリュ函館若松店」も開業する予定であり、函館駅前の賑わいは維持されることとなりそうだ。

2月7日に地階をリニューアルするキラリス。

アネックス館(仮称)/函館駅前ビル(仮称)

住所:北海道函館市若松町16-8
営業時間:10時~18時から20時(テナントにより異なる)

関連記事:棒二森屋、2019年1月31日に150年の歴史に幕(1)-雪の最終営業日
関連記事:棒二森屋、2019年1月31閉店-親会社のイオン、再開発か
関連記事:シエスタハコダテ、2017年4月22日開業-旧ホリタ・ダイエー五稜郭店跡の大型再開発ビル

棒二森屋、2019年1月31日に150年の歴史に幕(1)-雪の最終営業日

北海道函館市の函館駅前にある百貨店「棒二森屋」が2019年1月31日に閉店し、150年の歴史に幕をおろした。

閉店セールをおこなう棒二森屋。

2人の九州移民が造った「駅前の顔」、150年の歴史に幕

森屋は大分県出身の渡辺熊四郎が「金森森屋洋物店」として1869年12月に創業、棒二は佐賀県出身で近江商人をルーツに持つ荻野儀平が「棒二荻野呉服店」として1882年に創業した。有名観光地として知られる「金森赤レンガ倉庫」はもともと金森森屋の関連企業のものであった。森屋は渡辺が勤めていた長崎の問屋の屋号に由来する。
この両社は1936年に合併、「棒二森屋」となり、1937年に現店舗の本館を建設している。設計者は地元出身の建築家・明石信道。

棒二森屋本館。1937年築。

本館はのちに増築され、戦後一時は三越と提携関係にあったが、1981年にダイエーが資本参加。
1982年に専門店を多く導入した新館「アネックス館」が完成し、現在の姿となった。新館の設計者も地元出身の建築家・明石信道。全館を合わせた売場面積は22,153㎡。
近年の年商は最盛期の約2割ほどだったという。

賑わう最終日

閉店日となった1月31日は開店前から行列ができ、店員の「大変お待たせしました」の言葉とともに店内へとなだれ込んだ。
当日は朝から雪となったため、遠方から来店した客が勢い余って店頭で転ぶ姿も見られたほどだった。
7階の「レストラン和家」の横では棒二森屋と函館の街の歴史を振り返る「さよなら、棒二森屋」展が開催された。レストランは混雑し列も生まれていた。

さよなら、棒二森屋展。


現店舗の建設初期の写真、周辺地域の写真などが飾られた。

夕方になると商品は少なくなった。特に、函館から姿を消す大手ベーカリー「ドンク」などでは行列が生じるようになった。
閉店時間が近付くにつれて、本館1階では記念式典の準備が始められ、閉店時間を迎えた18時には会場に買物客から寄せられた「メッセージボード」が設置された。

商品が少なくなった店内。

大勢の函館市民が館内にあふれるなか、18時15分には3人兄弟の迷子が発生するハプニングもあったが、すぐ見つかり館内に暖かい拍手が巻き起こった。

メッセージボード前が式典会場となった。

18時30分からは閉店記念式典が開催、蛍の光の生演奏が披露されるなど、150年の歴史の集大成にふさわしいものとなった。
店長の挨拶の後、従業員による案内のもと、買物客が玄関に案内され、シャッターが降ろされた。

店員による挨拶。

18時54分、テーマソングが流れるなか、棒二森屋は大勢の函館市民に見送られながら150年の歴史に幕を下ろした。
(撮影:1月27日~1月31日)

旧アネックス館、改装へ-2月8日開業

棒二森屋本館は老朽化により耐震性が低いことが発表されており、建物は解体される見込みだ。
ダイエーの親会社であるイオンは再開発をおこない、マンションや宿泊施設等を核とした建物に建て替えたい意向を発表している。
一方で、旧アネックス館、パーキング館は当面のあいだ営業を継続する予定。当面はファッションビルとして営業し、再開発の進展状況を見て数年後(2022年以降)に閉館するとみられる。建物は中合が所有を継続するが「棒二森屋商品券」などは利用できない。

アネックス館(手前)は営業を継続する。

旧アネックス館は2月8日から順次開業。移転・新規出店する店舗の一部は2月20日前後の開業になるという。パーキング館は3月に営業を再開する。

アネックス館のテナント一覧などはこちら(続き記事)

関連記事:棒二森屋、2019年1月31日に150年の歴史に幕(2)-旧アネックス館、2月8日再開業
関連記事:棒二森屋、2019年1月31閉店-親会社のイオン、再開発か

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無印良品、ファミリーマートでの取り扱いを終了-2019年1月28日で

大手雑貨店「無印良品」を運営する良品計画(東京都豊島区)は、かつて同グループであったコンビニエンスストア「ファミリーマート」(東京都豊島区)での商品取り扱いを2019年1月28日に終了したことを発表した。

ファミリーマートの店舗(港区)

ファミマと無印の提携関係、39年で終了

取り扱いの終了は無印良品の公式サイトで1月29日に発表されたもの。
無印良品はもともと西武セゾングループの中核企業の1つであった総合スーパー「西友ストアー」(現:西友)のプライベートブランドとして1980年に誕生。当時ファミリーマートは西友が運営していたため(1981年に西友の子会社として分社)、誕生とほぼ同時にファミリーマートでの販売が開始された。
西武セゾングループの解体後も多くのファミリーマートの店舗には無印良品コーナーが設置されるなど取り扱いが継続されていたものの、販売開始から39年で「取り扱い終了」となる。

販売終了の理由については明らかにされていない。
ファミリーマートの店頭では、すでに無印良品の棚を撤去したところもあるという。

空になった売場。

無印良品は地方ではまだまだ店舗が少ない地域もある。「販売終了」の影響は大きなものとなろう。

関連記事:NEXCO西日本、管内コンビニの多くをセブンイレブンに転換-2018年4月中に、一部店舗は「サービス低下」も?
関連記事:アピタに「ファミリーマートサービススポット」設置進む-「スーパーでコンビニのサービス」提供

天牛堺書店、2019年1月27日全店閉店-1月28日に破産申請

大阪府堺市を中心に展開する中堅書店「天牛堺書店」(大阪府堺市南区)が1月28日に大阪地裁堺支部から破産開始決定を受けた。店舗は1月27日の営業を以て全店閉店している。

天牛堺書店高石店(1月28日)。

堺市を中心に展開する老舗書店、創業56年で倒産

天牛堺書店は1963年に堺市津久野駅前で創業。新書に加えて文具、CD、DVD、古書の販売も行っていた。

創業の地・天牛堺書店津久野店。

堺市や大阪市南部の駅ビル、駅前や百貨店、ショッピングセンターへの出店を主体とし、かつては関西国際空港にも出店。近年は2016年にイオンモール堺鉄砲町に新店舗を出店していた(当記事ヘッダー写真の店舗)。

イオンモール堺鉄砲町。

東京商工リサーチによると、負債総額は約18億円。ピーク時の1999年5月期には売上高約29億900万円を計上していたが、2018年5月期の売上高は約16億8000万円になっていたという。
なお、天牛書店(吹田市)は無関係の企業であり、同社の2店舗(江坂、天神橋)は営業をおこなっている。

地域に衝撃「閉店は寝耳に水」

天牛堺書店は2019年1月27日の営業を以て全店閉店。1月28日朝には各店舗の前に破産を知らせる紙が貼り出された。

破産を知らせる貼り紙(高石店、撮影:おかみさん)。

店舗の近くに住むという高石市の女子高生は「近所の本屋さんってここしかなかったから確かに困る。文房具も大抵ここで買ってたからなぁ」と話した。

突然の閉店であったことが分かる(撮影:おかみさん)

堺市周辺の書店は同社の店舗が多く、ドミナント展開していただけに地域への影響は非常に大きいものとなるが、1月28日時点で店舗跡を引き継ぐ企業などは発表されていない。

外部リンク:なんばスカイオ、2018年10月17日開業-南海難波駅直結、南海本社跡の超高層複合ビル
外部リンク:イオンモール堺鉄砲町、2016年3月19日開業-旧ダイセル工場も一部活用

ジュンテンドー西舞鶴モール、2019年2月21日開業-同社最大「旗艦店」、舞鶴初のユニクロも出店

京都府舞鶴市のダイワボウマテリアルズ舞鶴工場跡地に「ジュンテンドー西舞鶴モール」が2019年2月21日に開業する。

ジュンテンドー西舞鶴モール。

西舞鶴にジュンテンドー核の大型商業施設が誕生

ジュンテンドー西舞鶴モールの前身となる「ダイワボウマテリアルズ舞鶴工場」は、「日出紡績舞鶴第2工場」として1938年に操業開始。経営統合に伴い1941年に「大和紡績舞鶴工場」に改称して以降、ダイワボウグループ紡績部門の国内における重要拠点として操業していたが、2007年6月の火災事故により閉鎖。長らく更地の状態が続いていた。
ジュンテンドー(島根県益田市)は、工場跡地の約半分をダイワボウグループから賃借し、2017年から自社主導による大型ショッピングセンター「Jモール」(仮称)の開発を進めていた。

ジュンテンドーは近隣からの移転となる。

ユニクロなど京都府北部・舞鶴初の専門店が多数出店

ジュンテンドー西舞鶴モールの建物は平屋建6棟、開発区域面積は51,700㎡、店舗面積は10,604㎡。
ホームセンター「ジュンテンドー」の同社最大店舗(店舗面積6,158㎡)を核に、ファストファッション専門店「ユニクロ」、子供服・ベビー服・ベビー用品専門店「西松屋」、地場大手食品スーパー「さとうフレッシュバザール」、ドラッグストア「キリン堂」、100円ショップ「ダイソー」など3月までに6店舗が出店する。この他にも店舗出店スペースがあるとみられる。
そのうち、「ユニクロ」「西松屋」「キリン堂」は舞鶴初出店であり、京都府北部でも店舗がほとんどみられないことから、商圏を舞鶴市、綾部市全域、宮津市の一部に加え、福井県西部(小浜市、大飯郡)まで設定するなど、広域集客を目指す。
また「さとうフレッシュバザール舞鶴京田店」は食品専門の小型店となるが、1月に閉店した西舞鶴店の代替店舗としての機能を果たす。

西舞鶴店の店頭に掲げられた開店告知。

ジュンテンドーは先行開業-ユニクロは3月

多くのテナントは2月21日に開業するが、核テナントの「ジュンテンドー」は2月20日に先行開店。
「ユニクロ」は3月下旬の開店を予定している。

外部リンク:『ジュンテンドー西舞鶴モール』 オープンのお知らせ
関連記事:さとう西舞鶴駅前店、1月27日閉店
関連記事:さとう福知山駅前店、2019年秋閉店-さとう本店、48年の歴史に幕