和歌山県岩出市の国道24号線(和歌山バイパス)沿いにあるオークワのショッピングセンター「オークワミレニアシティ岩出」が、2020年9月20日をもって閉店する。

オークワミレニアシティ岩出。
2000年に開業したミレニアシティ
オークワミレニアシティ岩出は、1980年12月にニチイの総合スーパー「ニチイ岩出店」として開店。1990年代中盤にはマイカル(旧・ニチイ)の生活百貨店業態「岩出サティ」に転換したが、同社の経営悪化や競合店の出店もあり1999年をもって閉店。2000年11月に和歌山地盤のオークワが店舗を引継ぎ現在の名称に改称、売場の抜本的再編やバリアフリー設備の導入を含む大規模増床リニューアルを実施した。
なお、1996年にサティの競合店として開店した「ダイエーハイパーマート岩出店」はわずか4年後となる2000年に閉店。長期間放置状態にあったが、2008年から大型専門店主体のショッピングセンター「ロッシュコート」として2020年現在も営業を続けている。
建物を所有する企業は万代、ラムーなど核の施設を保有
オークワミレニアシティ岩出の建物は地上2階建、売場面積は13,812㎡、直営売場面積は7,773㎡。大阪府阪南市に本社を置く辻野開発が所有する。

館内のようす。
岩出市内随一の規模を有する商業施設として、オークワ直営の食品・衣料・雑貨売場を核に、レディスファッション「Honeys」や100円ショップ「ダイソー」、オークワグループの複合書店「WAY」、ファストフード「マクドナルド」といった専門店が出店していたが、オークワの閉店発表にあわせて順次閉店。8月には2階が閉鎖されており、2020年9月現在は1階の一部フロアのみ営業している。

閉店告知。
建物を所有する辻野開発は南海尾崎駅前のイズミヤ尾崎店跡(1974年6月開業)を「南海ショッピングデパート/万代尾崎店」、阪和線和泉砂川駅近くのマイカル泉南サティ跡(1996年11月開業)を「泉南ショッピングセンター/ラ・ムー泉南店」として再生した実績があり、新たな商業施設としての再生も期待される。ミレニアシティ跡地の活用方法などについては9月現在は未定となっている。
トークタウン東岸和田、2020年12月閉館-旧サティ、イオンは8月31日閉店・建替えへ
大阪府岸和田市のJR東岸和田駅前にあるショッピングセンター「トークタウン東岸和田」が、老朽化による建て替えのため2020年12月に閉館する。なお、核店舗の総合スーパー「イオン東岸和田店(旧・ニチイ→サティ)」は先行して8月31日に閉店する。

トークタウン東岸和田・イオン東岸和田店。
トークタウン、41年の歴史に幕-建て替えめざす
トークタウン(ニューキャッスルショッピングデパート協同組合)は1979年11月に開業。もともとこの地には黒崎窯業岸和田工場(現・黒崎播磨)があった。岸和田に本社を置く岩出建設グループが建物を所有しており、管理・運営をおこなっている。

かつてニチイの看板だった縦長の広告塔屋。
当初の核店舗はニチイ東岸和田店で、1993年には映画館(シネマコンプレックス)「ワーナー・マイカル・シネマズ岸和田」が開館、1994年にはサティ業態に転換し、1999年に増床が行われた。なお、ワーナーマイカルシネマズは2008年に閉館している。
建物は地上5階建で、店舗面積は31,630㎡。テナントとしてレディスファッション「Honeys(ハニーズ)」「LOBELIA(ロベリア)」、旧・ユニー系の呉服店「さが美」、100円ショップ「CanDo」、イオングループの「未来屋書店」、「ドトールコーヒー」、水泳教室「岸和田イトマンスイミングスクール」(ピーープル跡)といった専門店が出店する。

館内のようす。
閉店は老朽化のため。建物は築41年で、閉館後に解体される。
イオンは跡地に新たな店舗を建設するとしているが、同じ阪和線沿線にイオンモール日根野があるなど近隣には複数の競合店があることから、店舗規模は縮小される可能性が高い。
館内にはストーリー仕立ての年表も
閉店を前に館内では「日男」(ニチイ)、「舞香」(マイカル)、「幸男」(サティ)、「じゃす子」(ジャスコ)を取り巻くストーリー仕立ての年表が掲出されている。

館内に掲示された年表。
閉館後、トークタウンは一部の専門店での営業を継続。建て替えのため、2020年12月までに全店舗が閉店する予定である。
新たな建物の規模や、再出店する予定の店舗などは8月時点で発表されていない。

「日男」(ニチイ)、「舞香」(マイカル)、「幸男」(サティ)、「じゃす子」(ジャスコ)の紹介。
年表では、日男一家は和泉市(イオン和泉府中店(旧サティ)と思われる)、幸男一家は貝塚市(イオン貝塚店(旧ジャスコ)と思われる)に引っ越すとしており、今後の「新しい二世帯住宅」の完成が待たれる。
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ベルシュカ名古屋店・GAP名古屋栄店、2020年8月閉店-松坂屋前のファストファッション旗艦店、相次ぎ撤退
愛知県名古屋市栄の大津通沿い、松坂屋前にあるファストファッションブランドの名古屋旗艦店「ベルシュカ名古屋店」「GAP名古屋栄店」が、2020年8月に相次ぎ閉店する。

手前からベルシュカ、GAP。
栄のベルシュカ・GAP、8月中に相次ぎ閉店
ベルシュカ名古屋店は2013年に開店。スペインのアパレル「インディテックス」が運営するファストファッションブランド・ベルシュカの旗艦店であった。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により8月17日での閉店を発表した。
GAP名古屋栄店は米国のファストファッションブランド・GAPの旗艦店で売場は3フロア。メンズ・レディーズ・キッズのフルラインで展開されていた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により8月30日での閉店を発表した。
追記:跡地に「ドン・キホーテ栄三丁目店」が出店する。
なお、GAPは8月30日に星が丘駅・三越となりの商業施設にある「GAP星が丘テラス店」も閉店させることを発表している。

星が丘テラスのGAP。
コロナ禍のなか郊外化する名古屋のファストファッション
両ファストファッションはともに栄への出店後に相次いで郊外型ショッピングセンターに進出。2020年現在、GAPは「イオンモール名古屋ドーム前」「イオンモール名古屋みなと」「イオンmozoワンダーシティ」に、ベルシュカは「イオンモール大高」「ららぽーと名古屋みなとアクルス」に出店している。
栄のファストファッション店は、新型コロナウイルスの感染拡大によって「都心地域」が避けられるなか、相次いで郊外へと拠点を移すこととなった。
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東急ハンズ三宮店、2020年12月閉店-神戸・生田神社前のハンズ、32年の歴史に幕
神戸市中央区の生田神社前(参道)にある大型雑貨店・都市型ホームセンター「東急ハンズ三宮店」が、2020年12月下旬に閉店する。
関西のハンズ旗艦店だった三宮店
東急ハンズ三宮店は1988年3月に「エムワンスクウェア」の核テナントとして開店。建物は地上6階・地下2階で店舗面積は5,777㎡。不動産会社「ミナックス」が所有する。

東急ハンズ三宮店。
同店は大阪の江坂店、心斎橋店(心斎橋パルコに移転予定)とともに永年に亘って関西の東急ハンズ旗艦店として営業してきた。
しかし、近年の東急ハンズは大型商業ビルのテナントに雑貨店として出店することが多く、古いタイプの三宮店は使いづらかったと思われる。
兵庫県内では、東急ハンズは三宮店以外に姫路店、尼崎店を出店しているが、いずれもテナント型店舗であり、また三宮店より店舗面積が狭く雑貨中心の業態となっている。
東急ハンズ閉店後の建物の入居者などについては8月現在発表されていない。
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生鮮夢市場がんばりや、2020年8月30日廃業・全店舗閉店-徳島市中心部から食品スーパー消滅
徳島県徳島市の地場食品スーパー「生鮮夢市場がんばりや」が、2020年8月30日までに全店舗を閉店し廃業する。
徳島の全日食系低価格食品スーパー
がんばりやは、1995年4月に徳島市安宅町の「食品ストア吉田」をリニューアルする形で創業。屋号は店舗の建築工事中に発生した阪神淡路大震災で飛び交った掛け声「がんばりや」に因んだものだという。
同社は産地直送の生鮮品や自家製惣菜、地元名産品の品揃えに強みを持っており、地元住民を中心に低価格路線の生鮮食品スーパーとして親しまれていた。また、近年はクレジットカードや電子マネー(WAON、iD)導入による支払手段の拡充、全日食チェーン加盟によるグロサリーの価格競争力強化、全日食加盟店間(M&Mマルナカマート大津店)での共同販促キャンペーンを打ち出していた。
「中心部唯一」「徳島イオンそば」の2店舗ともに閉店
がんばりや本店(がんばりや南末広店)は、初代店舗を移転リニューアルする形で2000年10月に開店。本社機能を併設していた。
2017年4月には店舗隣接地の徳島リバーシティ(ジャスコ徳島店)が「イオンモール徳島」として建替リニューアルを実施、近隣競合店(キョーエイ)が閉店したため、対抗策として増床計画を発表したが、実現には至らなかった。
「生鮮夢市場がんばりや」看板。
がんばりやにんにく店(がんばりやかごや町店)は、2010年3月に徳島市中心部・籠屋町商店街の大型総合スーパー「ダイエー徳島店」(2005年閉店)跡地再開発の一環として建設された「アルファステイツ新町」(食品館)、「籠屋町アビタシオン」(生鮮館)1階部分に開店。
店舗名は「にんにくみたいに個性豊かで力強く、料理の名脇役、ちょっと臭いけど、無くてはならなくてはいけない存在」「にんにくみたいな店になりたい!」という想いにより命名されたという。にんにく店は2棟体制かつ狭小な売場であったが、対面の精肉・水産・惣菜売場を展開するなど、「不満は一杯あるけど好き!!」と言われるような店を目指すとしていた。
生鮮夢市場がんばりやにんにく店。
がんばりや2店舗ともに跡地への後継店舗出店は未定となっている。また、にんにく店の閉店により徳島市中心部から食品スーパーが消滅することとなる。
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b8ta Tokyo、2020年8月1日開店-米国発「先進的商品専門店」日本初出店
東京都新宿区の「新宿マルイ」本館1階と千代田区の「有楽町電気ビル」2階に、先進的なイノベーション商品を販売する「b8ta(ベータ)」の日本初出店店舗が2020年8月1日に開店した。

b8taが出店した新宿マルイ本館。入口に案内も。
様々な企業が先進的商品を販売する店舗、日本初出店
b8taは「VR」や「IoT家電」などといった最新のガジェット・先進的商品を体験・購入することができる店舗。2015年に米国・サンフランシスコに出店して以降、世界に25店舗を構える。
店舗内はいくつかの区画に区切られており、各区画の出店企業・ブランドから月額固定の出店料金を集めることで運営される。商品が売れても売れなくても出店料金は固定となり、売上はすべて出店企業・ブランドの収入となる。そのため、新興企業であっても出店しやすい強みを持つという。

商品と商品説明のタブレット(ポータブルLED照明器具)。
各企業・ブランドのブースには様々な商品が置かれ、実際に商品を手に取って体験することができることを特色とするほか、商品説明のためのタブレット端末が設置されている。
新宿マルイでは1階の一等地に出店
新宿マルイの「b8ta Tokyo-Shinjuku Marui」は1階のかなり広い面積を占める。
店舗は開放的な雰囲気で寄り付きやすい一方、パッと見たところ「何の店か分かりづらい」状態であり、「通りがかりに立ち寄る」客は少ないように思えた。

b8ta Tokyo-Shinjuku Marui.
先進的機器よりも、まずは「どういったコンセプトの店舗で、どういった商品を販売しているか」を分かりやすく表示し、集客に繋げていかせることが課題になるであろう。
なお「b8ta Tokyo-Shinjuku Marui」では丸井の社員がb8taJapanへ出向し、店舗運営をb8taスタッフとともにおこなっているという。
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メルカリステーション、2020年6月10日開店-新宿マルイにメルカリの旗艦店
東京都新宿区の「新宿マルイ本館(丸井新宿店)」2階に、フリマアプリ「メルカリ」の旗艦店となる実店舗「メルカリステーション」が2020年6月10日に開店した。

新宿マルイ本館。
メルカリ、マルイに旗艦店-店舗で出品も可能
メルカリステーションのコンセプトは「もっと、みんなのフリマアプリへ」。
メルカリを「体験しながら学べる」リアル店舗であるとしており、メルカリの使い方が学べるゾーン ではメルカリの使い方教室などを実施。メルカリを楽しく体験できるゾーンでは、商品の見つけ方や買い方、不要なモノの出品方法など、AR機能を設けたスマートグラスを使ってメルカリの楽しみ方を講師と一緒に体験できるとしている。

メルカリステーション。
さらに、店内で出品する品物を綺麗に撮影したり、かんたん発送をおこなうための「撮影・梱包ブース」も設けられており、パナソニックのテクノロジーを活用した次世代型ワンストップ端末「メルカリポストプラス」が設置されている。
メルカリは感染症対策として消毒液の設置、入店人数の制限をおこなうなどとしているが、訪問時には閑散とした状態だった。今後、メルカリの実店舗として定着することができるかどうかが注目される。
メルカリステーション
住所:東京都新宿区新宿3-30-13(新宿マルイ本館2階)
営業時間:11時~21時・日祝20時30分まで
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レナウン、主要5ブランドを小泉グループに売却-2020年8月21日発表、ダーバンなど存続へ
民事再生手続き中のアパレル大手「レナウン」(東京都江東区)は、機能性肌着など下着類を製造している子会社の「レナウンインクス」をストッキング大手の「アツギ」(神奈川県海老名市)に譲渡することを8月20日に、主要5ブランドをアパレル大手「小泉グループ」(大阪府大阪市中央区)傘下の小泉アパレルとオッジに売却することを2020年8月21日に発表した。

レナウン本社が入居する有明・TFTビル。
レナウン、再建スポンサー選定が難航していた
レナウンは1902年に大阪で「佐々木商会」として創業。1923年に英国の巡洋艦「レナウン」に因んで改名された。同社は日本全国と東アジア各地の百貨店や総合スーパーに「アーノルドパーマー(Arnold Palmer)」や「ダーバン(D’URBAN)」「インターメッツォ(INTERMEZZO)」「シンプルライフ(SIMPLE LIFE)」「通勤快足」など多くのブランドを展開していたが、2010年には中国の繊維企業「山東如意科技集団有限公司」(山東省済寧市)の傘下となったのち、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け2020年5月に倒産していた。負債総額は約138億円であった。
経営破綻当初は6月ごろに再建スポンサーの選定をおこなうとしており、殆どの店舗は営業を続けていたものの、スポンサー選びが難航。2020年7月末ごろには数百店舗が突然閉店する事態となっており、今後が不安視されていた。
老舗・小泉が5ブランドを9月30日から引き継ぐ
小泉グループは1716年に麻布販売業として創業。
中核企業の「小泉アパレル」は全国の百貨店を中心に婦人服ブランド「麻里」等を展開するほか、近年は婦人服ブランド「オッジ」等を展開する「オッジ・インターナショナル」(以下、オッジ)、ファミリー向けアパレル「ゴールデンベア」等を展開する「コスギ」などを傘下に収めている。
小泉グループがレナウンから買収するブランドのうち、「小泉アパレル」が大手百貨店・地方百貨店旗艦店向けカジュアルウェア「シンプルライフ(SIMPLE LIFE)」と地方百貨店・総合スーパー向けカジュアルウェア「エレメントオブシンプルライフ(element of SIMPLE LIFE)」を、「オッジ」がトレンチコートを中心に百貨店で紳士フォーマル・雑貨を販売する「アクアスキュータム(Aquascutum)」、大手百貨店・地方百貨店旗艦店向け向け紳士服「ダーバン(D’URBAN)」、地方百貨店・総合スーパー向け紳士服「スタジオバイダーバン(STUDIO by D’URBAN)」を引き継ぐ。買収時期は2020年9月30日の予定。

「ダーバン」はオッジが引き継ぐ。
なお、アクアスキュータムの雑貨販売(財布など)を継続するかどうかや、シンプルライフはメンズ・レディスともに引き継ぐかなど、展開品目の詳細については8月時点で発表されておらず、続報が待たれる。
これ以外のブランドについては、多くは廃止される可能性が高いものと思われる。
レナウンは経営再建が難航しているため、再生計画案の提出期限を8月17日から2021年2月17日までに延長。
さらに、東京商工リサーチによるとレナウンの連結子会社11社のうち「ダーバンソーイング宮崎」など2社が倒産・5社が事業閉鎖(8月上旬現在)しているほか、すでに店舗一覧などが見れなくなっているレナウン企業サイトについては8月31日をもって閉鎖することを発表している。
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アイスモンスター、2020年9月に日本撤退-台湾大手のフルーツかき氷店
台湾発祥のスイーツ専門店「ICE MONSTER(アイスモンスター)」は、東京メトロ明治神宮前(原宿)駅1番出口前(イベントスペース「jing」の敷地内)にある催事店舗を2020年8月31日に、大阪駅前の「アイスモンスターグランフロント大阪店」を9月6日に閉店し、同日付で日本から撤退する。

ICE MONSTER GRAND FRONT OSAKA.(大阪市北区)
マンゴーかき氷を世界に広めた台湾の有名スイーツ店
アイスモンスターの前身となる「冰館 ICE MONSTER」は、1997年に台湾・台北市の東門・永康街で羅駿樺(Frank Lo)により創業。冰館は芒果冰(マンゴーかき氷)ブームの火付け役となり、日本人観光客にも知られるようになったが、御家騒動を理由に2010年をもって一時閉店した。
その後、2012年に「ICE MONSTER」として大安区忠孝東路に再開業し、台北市内の微風広場松高店や誠品西門店といった大型商業施設への出店を開始。2013年11月にはCNN「世界のスイーツトップ10(Best Desserts Around the World TOP 10)」認定を受けるなど知名度を高め、2014年には中国に、2015年には日本に、2019年には米国・ハワイに初出店するなど、店舗網を世界に広げることとなった。

台北市の店舗。
高級かき氷店として日本進出するもわずか5年で撤退に
アイスモンスターは、2014年11月にコンテンツ産業を手掛ける「トランジットジェネラルオフィス」と食品卸「片岡物産」が共同出資する日本法人「アイスモンスタージャパン」を設立する形で日本に進出。2015年4月に日本1号店「ICE MONSTER OMOTESANDO(アイスモンスター表参道店)」を開店した。
その後は、2016年3月にグランフロント大阪店を、2017年4月に名古屋ラシック店、2018年10月には那覇オーパ店を出店するなど、東名阪三大都市圏と沖縄に常設店舗を出店。トランジット社が展開するイスラエル発祥のチョコレートカフェ「MAX BRENNER(マックスブレナー)」で主力商品やコラボレーション商品を展開、三越伊勢丹と合弁で展開するイベントスペース「SHINJUKU BOX」(クリスピークリームドーナツ跡)や、パルコ(大津・福岡)に期間限定ショップ「ICE MONSTER POP UP SHOP」を出店するなど、トランジット社が展開する他飲食ブランドとのシナジーを活かした積極的な事業展開を打ち出していた。

ICE MONSTER OTSU PARCO POPUP SHOP(滋賀県大津市)。
一方で、日本では主力商品の「マンゴーかき氷」は1570円もするなど(台湾では180台湾ドル(約650円))、かなり高価なスイーツというイメージであり、また冬季限定でホットメニュー「ホットモンスター」の展開もおこなったものの日本では定着せず、夏季以外の集客は芳しくなかったと思われる。

MANGO SENSATION(マンゴーかき氷)。
2019年9月には表参道店をグループ他店舗(TOKYO BOX表参道)への業態転換のため閉店、12月には那覇オーパ店を閉店、2020年4月6日から残る2店舗についても新型コロナの感染拡大に伴う緊急事態宣言発令を受けて臨時休業、5月22日をもって名古屋ラシック店を閉店するなど、かき氷需要の高い夏期を待たずに経営規模を大きく縮小していた。
撤退を前に原宿で8月31日、大阪で9月6日まで催事出店
アイスモンスタージャパンは「新型コロナの感染拡大」を日本撤退の大きな理由だとしている。
日本撤退を前に「FINAL YEAR POP UP STORE」と題して、7月22日から9月6日まで大阪駅前のグランフロント大阪店を催事店舗に転換、7月31日から8月31日まで東京メトロ明治神宮前(原宿)駅1番出口前(イベントスペース「jing」の敷地内)にキッチンカーを催事出店する。

明治神宮前駅前のキッチンカー。
催事店舗では、オリジナルのカップで通常よりも小さいサイズの「カップマンゴーかき氷」(790円)、「カップいちごかき氷」(750円)を展開するなど「気軽に世界一のかき氷が楽しめる」としている。
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スーパービバホーム八代店、2020年9月3日開店-熊本初出店、イオン八代ショッピングセンターの大部分に
熊本県八代市にあるイオン九州のショッピングセンター「イオン八代ショッピングセンター」に、ホームセンター「スーパービバホーム八代店」が2020年9月3日に開店する。

イオン八代ショッピングセンター・ビバホーム。
テナント撤退が相次いでいたイオン八代SC
イオン八代ショッピングセンター(核店舗:イオン八代店)は2004年11月に開業。本棟の店舗面積は21,686㎡で、ビバホーム開店時点でテナントとして「ABC-MART」、「Seria」、「八代いぐさ館」、「USランド」などが、別館には「マンガ倉庫(別館:3,474㎡)」が出店する。

イオン八代ショッピングセンター。
イオン八代ショッピングセンターは2005年6月に中心商業地の近郊に開業したゆめタウン八代(店舗面積30,760㎡)との競争などによりテナントの閉店が相次いでおり、ヒマラヤ、タワーレコード、COMME ÇA ISM、マクドナルド、スターバックスなど有力テナントが相次ぎ撤退。
別棟の核テナントもデオデオ(のちエディオン)→ニトリ→マンガ倉庫へと変わっていたほか、1階にもデイサービスなどサービス系店舗が出店するようになっていた。

別館。
1階の大部分がビバホームに
ビバホームが出店するのは、イオン八代ショッピングセンター1階の食品売場などを除いた大部分。同店は熊本初出店となる。
店舗面積は9,540㎡で、プロフェッショナルのニーズにワンストップで対応する「総合建材供給センター」や各種災害に備えるLCP関連商品の売場が設けられるという。また、生活館では暮らしを豊かにする住生活商品を多数取り揃えるとしている。
2階はイオンと専門店が営業を継続する。
スーパービバホーム八代店
住所:熊本県八代市沖町3987-3
営業時間:平日資材館7時~19時、生活館10時~19時
日曜10時~19時
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