カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

ホームワイドプロ高城店、2020年9月10日開店-ホームワイド「プロ向け」新業態

大分県大分市のJR高城駅近く、国道197号線沿いに、イオン九州のホームセンター新業態「ホームワイドプロ高城店」が2020年9月中旬に開店する。
追記:開業日は9月10日となった。

ホームワイドプロ高城店。

ホームワイド最古の店舗、プロ向け新業態に

ホームワイドプロ高城店の前身となる「横萬ホームセンター高城店」は1977年4月に開店。1988年4月には運営会社名の変更に合わせて「ホームワイド高城店」に改称、2003年4月には運営会社が九州ジャスコ(当時)と経営統合したため、イオン九州直営のホームセンターとなった。高城駅周辺には2020年5月現在はテナントとしてコーワペッツの総合ペット専門店「ペットワイド高城店」が入居する。
ホームワイド高城店は、新町店(現・ワイドマートD&F)、中央店(現・大分オーパ)に次ぐ歴史を持つ店舗であるが、中央店はジャスコ・フォーラスを経て2017年2月に閉店(現・大分オーパ)新町店は2020年8月をもって閉店するため、新町店の閉店後は現存最古のホームワイドとなる。
ホームワイドプロ高城店の売場面積は約3,262㎡(屋内約2,363㎡、屋外約899㎡)。
コンセプトに「PRO FIRST」を掲げ、早朝6時半から営業を開始。建設業関連に携わる職人のいかなるニーズにも対応できる幅広いアイテム数と在庫量、地域一番の価格で商品を提供する店を目指すとしている。

閉店相次いでいたホームワイド

イオン九州のホームセンター「ホームワイド」は、以前より閉店が相次いでいたため、2011年7月からは小型店舗を食品スーパー「ワイドマート ドラッグ&フード(D&F)」に転換開始するなど、業態改革を推し進めていた。

ワイドマート ドラッグ&フード新町店。
(横萬ホームセンター・ホームワイド1号店跡)

その一方で、2013年11月の小郡店以来新規出店が行われておらず、2018年8月からはホームワイドのスーパーセンター(SuC)業態を前身に持つ「イオンスーパーセンター」が、イオン九州直営食品スーパーとLIXILビバのホームセンター「スーパービバホーム」に順次転換するなど、ホームワイドの先行きは不透明なものとなっている。

ビバホームが出店するイオン九州の店舗。
かつてはホームワイド併設店が多かった。

ホームワイドプロ高城店

住所:大分県大分市新栄町271-1
営業時間:6時30分~19時

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サミットストア桜木町コレットマーレ店、2020年5月20日開店-アルズ跡、地階の新たな核店舗に

神奈川県横浜市中区の「ヒューリックみなとみらいショッピングタウン・コレットマーレ」に、サミットの食品スーパー「サミットストア桜木町コレットマーレ店」が2020年5月20日午前10時に開店する。

サミットストア桜木町コレットマーレ店。

桜木町駅前のサミット、コロナで1ヶ月遅れのオープンに

コレットマーレは、桜木町駅前のみなとみらい21地区28街区に「TOCみなとみらいコレットマーレ」として2010年3月に開業。建物は地上19階地下1階建、敷地面積は10,840㎡、建築面積は9,354㎡、延床面積は105,871㎡。2020年現在は住友商事グループの不動産ディベロッパー「住商アーバン開発」が商業フロアの運営を行う。
コレットマーレ地下1階には開業以来、荒井商事グループのアルズ(旧・福岡大洋フードセンター、生鮮市場タイヨー)が運営する「アルズフーズマーケットみなとみらい店」が入居していたが、2019年9月をもって閉店していた。

コレットマーレ。

サミットはアルズの後継店舗として2020年4月18日に開店予定であったが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けた緊急事態宣言発令により開店を無期限延期していたため、1ヶ月遅れでの開店となった。

ドライフルーツ・ナッツバイキングや少量商品を強化

サミットストア桜木町コレットマーレ店は地下1階に出店。売場面積は1,689㎡、年商目標は約25億円。同社118店舗目、横浜市内9店舗目となる。
青果売場では店内製造フレッシュサラダやカットフルーツに加え、同社初となるドライフルーツ・ナッツバイキング売場を常設展開。鮮魚売場では作業場一体型開口タイプの「おさかなキッチンコーナー」、精肉売場では全面ガラス張りの「グリルキッチンコーナー」をそれぞれ導入。惣菜売場でも売場から作業場内が見えるようにするなど、ライブ感・シズル感の演出を目的とした売場を採用。各売場とも店舗周辺に居住する単身者や近隣オフィス就業者の昼食需要に対応した少量・適量商品を拡充する。
また、店内製造のベーカリーやコイン式コーヒーマシンを備えるイートイン「サミCafe」を併設する。

サミットストア桜木町コレットマーレ店

住所:神奈川県横浜市中区桜木町1丁目1番7号
営業時間:午前9時~午後11時

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イオンフードスタイル鴨居店、2020年5月15日開店-元・忠実屋のダイエー、業態転換

神奈川県横浜市緑区のJR横浜線鴨居駅前にあるダイエーの総合スーパー「イオンフードスタイル鴨居店」(旧ダイエー鴨居店)が2020年5月15日にリニューアルオープンした。

イオンフードスタイル鴨居店。

鴨居駅前のダイエー、イオンフードスタイルに

イオンフードスタイル鴨居店(鴨居商業ビル)は1978年4月に首都圏地盤の総合スーパー「忠実屋鴨居店」として開店。1992年3月のダイエー傘下入り、1994年3月の運営会社再編に合わせて店名を「ダイエー鴨居店」に改称していた。建物は地上4階建で、売場面積は6,697㎡。建物と同名の会社が所有する。
鴨居店はダイエー直営売場を核にグループの専門店(コルドバ・マルシェ・アシーネ)が入居するフロア構成であったが、2016年に屋上にフットサルコートを、2018年に直営衣料・生活用品売場を残しつつ、直営100円ベーカリー「D’sベーカリー」や大型総合衣料品店「パシオス」、100円ショップ「Seria」、クリニックモール(鍼灸整骨院・歯科・理容・美容室)を導入する大規模リニューアルを実施していた。
今回の改装は前回の新規テナント導入を補完する形のリニューアル・業態転換となっており、食品売場を生活提案型売場モデル「フードスタイル」に刷新した。

オリジンデリカ(イメージ)。

これに合わせてイオングループの弁当・惣菜専門店「オリジンデリカ」を導入、冷凍食品の売場を大幅に増やすなど、「即食」に対応する店舗となった。

競争激化していた鴨居店周辺

イオンフードスタイル鴨居店の1km圏内には、2007年3月に三井不動産系の大型ショッピングモール「ららぽーと横浜」(核店舗:イトーヨーカドー)が進出して以降まいばすけっとやminiピアゴなど都市型食品スーパーが相次ぎ出店するなど、競争が激化していた。
鴨居店の建物は築40年以上経過しているが、今回のイオンフードスタイルへの改装・業態転換により、鴨居駅南口を代表する大型店として今後も営業継続していく意思を地域に示していく狙いもあるとみられる。
(写真協力:りふれいんさん

ダイエー鴨居店(イオンフードスタイル鴨居店)

住所:神奈川県横浜市緑区鴨居1-6-1
営業時間:8時~23時

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キーノ和歌山、2020年6月5日開業-南海和歌山市駅ビル、複合商業ビルに

和歌山県和歌山市の南海電鉄和歌山市駅の駅ビル建て替え工事が完了し、複合商業施設「キーノ和歌山」を核として2020年6月5日にグランドオープンする。

キーノ和歌山。

かつて高島屋が出店していた駅ビルを建て替え

キーノ和歌山の前身となる「南海和歌山ビルディング」は1973年に開業。建物は地上7階建地下1階建、店舗面積は4,965㎡、延床面積は17,217㎡。

南海和歌山ビルディング。

核店舗は百貨店「高島屋和歌山店(旧店から移転)」で、グループの食品スーパー「高島屋ストア(フレッシュマート、のちのカナート)」をはじめとして婦人服や紳士服、化粧品、贈答品などを展開していたが、業績不振や賃貸借契約満了を理由に2014年8月をもって閉店。同年9月からは高島屋ストアを前身に持つ「H2Oリテイリング(阪急阪神百貨店・イズミヤ)」傘下の食品スーパー「カナート和歌山市駅店」が核店舗となったが、再開発のため2017年3月をもって閉店していた。

スーパー、蔦屋図書館、飲食街、ネットカフェなど出店

新たな南海和歌山市駅ビル「キーノ和歌山」は、オフィス棟、駐車場棟、商業ゾーン、ホテル、公益施設棟で構成される複合施設で、オフィス棟はすでに先行開業している。年間売上目標は23億円、来館者数目標は200万人。
また、1階には南海和歌山市駅の改札口も設けられる。

1階・南海和歌山市駅。アンスリーも併設される。


公式イメージキャラクターは「キノまる」。

商業ゾーンの賃貸面積は約4,100㎡で、29店舗が出店。そのうち全国初出店が3店舗、和歌山県が初出店5店舗、新業態が4店舗となる。
1階は「わざわざでも行きたくなる」をテーマとした「日常を彩るデイリーユースフロア」として、有限会社やさい工場(大阪)が手掛ける生鮮食品スーパー新業態「ロックスターファームズ」やドラッグストア「マツモトキヨシ」、カフェ「プロント」などが出店するほか、南海グループのショップとしてコンビニ「アンスリー」、和歌山バス案内所」が設けられる。
ロックスターファームズには、高級グロサリー「北野エース」や大阪府阪南市の老舗鮮魚店「藤左ヱ門」、和泉市の青果店「野菜の店にしだ」など和歌山初となる生鮮食品専門店に加え、地元精肉店「ミートファクトリー」や惣菜店「産直デリカ 木の実や」などが出店する。
2階は「和歌山を感じる“レストラン”のフロア」として、地元メーカー「平和酒造」のコンセプトショップ「平和酒店」など、和歌山県内の人気飲食店など10店が出店するほか、大和証券などサービス店舗が出店。
3階はクリニックモールとなり、医院、美容室、フィットネスクラブに加えてインタネットカフェ「快活CLUB」が出店する。
公益施設棟には2019年12月に一部が先行開業した「和歌山市民図書館」が入居。そのほか「蔦屋書店」や同社がFC運営する「スターバックスコーヒー」も出店する。

和歌山市民図書館。

ホテル部分は「カンデオホテル南海和歌山」となる。
なお、当初は4月24日に商業ゾーンが、4月30日に「カンデオホテルズ南海和歌山」が開業する予定であったが、全都道府県への緊急事態宣言発令に伴い6月5日開業へと改められた。

キーノ和歌山

住所:和歌山県和歌山市東蔵前丁39
営業時間:物販カフェ・レストラン

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ハセガワストア函館駅前店、2020年5月15日開店-やきとり弁当で人気のコンビニ、棒二森屋から移転復活

北海道函館市の函館ツインタワービル1階に、函館地盤のやきとり弁当店「ハセガワストア函館駅前店」が2020年5月15日に開店(移転復活)した。
函館ツインタワービル・ハセガワストア函館駅前店。

函館駅前にハセガワストア復活

ハセガワストア(ハセスト)は1958年3月に函館市内で創業。2020年5月現在は、函館市を中心にハセガワストアを13店舗、根室市にタイエーを4店舗展開する。
1978年8月に販売開始した「やきとり弁当」は、2004年から資本業務提携関係にある道内地場最大手コンビニ「セイコーマート」でも販売(2020年現在は取扱終了)、アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」に登場するなど、同社の看板商品・函館名物として親しまれている。
ハセガワストアのやきとり弁当(小)。

同社は2015年9月に函館駅前初となる店舗「ハセガワストア棒二森屋店(やきとり弁当専門店)」を出店したが、棒二森屋の百貨店事業廃業に伴い2019年1月をもって閉店したため、約1年半ぶりの函館駅前へのハセスト復活となった。
ハセガワストア棒二森屋店。

やきとり弁当中心の超小型・新業態店舗に

ハセガワストア函館駅前店は、マリオット系高級ホテル「フォーポイント バイ シェラトン 函館(FOUR POINTS BY SHERATON函館)」を核とする複合施設「函館ツインタワービル」の1階商業フロアに出店。同社他店舗と比べ、営業時間は短く売場面積は狭小、品揃えもやきとり弁当や飲料、土産品に特化する新業態店舗となる。
2019年10月には、棒二森屋1階で営業継続していた「ラッキーピエロ函館駅前店」が函館駅前の「ホテルニューオーテ」(ハセストから約100m)2階に移転リニューアルしており、函館を代表するファストフードの聖地となりそうだ。

ハセガワストア函館駅前店

住所: 北海道函館市若松町14-10 函館ツインタワービル1階
営業時間:午前7時~午後7時

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米・JCペニー、2020年5月15日倒産-米国の大手大衆百貨店、新型コロナ影響でさらなる店舗閉鎖も

米国大手大衆百貨店(総合スーパーに近い業態)「JC Penny」(JCペニー)が、日本の民事再生法に相当する連邦破産法11条の適用を申請し、2020年5月15日に経営破綻した。
New Concept Shop.Penny’s Hurst North East Mall.(from JCPenny)

米国大手小売の経営破綻は、5月4日の「J・CREW(J・クルー)」、5月7日の「Neiman Marcus(ニーマン・マーカス)」に次ぎ3社目となる。

米国大手大衆百貨店、ネット通販との競合で苦戦していた

JCペニーは1902年4月にワイオミング州ケメラーで創業。創業当初より全米各地に店舗網を拡大し、1962年には後の中核事業となるカタログ通販に参入、金融事業など多角化経営を打ち出し、大手流通グループとして地位を築いた。
2010年代からは、Amazonなど大手ネット通販との競合による業績低迷を受け、不採算店舗の閉鎖や従業員の削減に加え、中核事業のひとつであったカタログ通販から撤退するなど、大胆なリストラ策を推し進めていた。その一方、2019年11月には新コンセプト店舗「Penny’s」1号店をテキサス州ハーストの大型ショッピングセンター「サイモン ノースイーストモール」に出店、ECサイト「jcp.com」を核とした事業モデルへの転換を図っていた。
New Concept Shop.(from JCPenny

その最中、2020年に入り新型コロナウイルス感染拡大による都市封鎖(ロックダウン)が行われたため、3月19日をもって全店舗を休業、5月現在も大半の店舗が営業再開に至っていなかった。

青山・デオデオと提携し日本でも多店舗展開していた

JCペニーは1994年に大手紳士服チェーン「青山商事(洋服の青山)」と提携し、青山グループ運営のカジュアル衣料専門店「CALAJA(キャラジャ)」に商品供給する形で日本市場に参入。1996年には広島地盤の大手家電量販店「デオデオ(現・エディオン)」と提携し、西日本のショッピングセンターや同社運営店舗を中心に大型インテリア雑貨店「JCペニー・ホームコレクションズ」を多店舗展開していたが、青山・デオデオ運営店舗ともに当初から業績不振が続いたため提携を解消、2020年現在は日本市場から完全撤退している。
JCペニーが核店舗のひとつとして出店した「パピヨンプラザ」。

DIP融資で営業を継続、不採算店舗は閉鎖の可能性も

JCペニーは連邦破産法11条の適用により、債権者70%との合意のもと、手元資金約5億ドル(約535億円)に加え、9億5,000万ドル(約1,010億円)の一時的な運転資金融資(DIP融資)を受けることで、経営再建を目指すこととなる。
同社は経営再建の一環として、米国本土及びプエルトリコで展開する約850店舗のうち、一部の店舗を段階的に閉鎖(詳細は未発表)することを発表しているが、JCペニーの Jill Soltau(ジル・ソルタウ)最高経営責任者(CEO)は「Implementing this financial restructuring plan through a court-supervised process is the best path to ensure that JCPenney will build on its over 100-year history to serve our customers for decades to come. (「裁判所の監督下で財務再構築プランを進めることは、100年以上の歴史に築かれたJCペニーが、今後何十年にもわたりお客様にサービスを提供するための最善の方法である」)」とコメントしており、同社の多くの事業は存続する見込みとなっている。

厳しい米国小売、今後も経営破綻相次ぐか

JCペニーは、2020年5月7日に連邦破産法11条の適用を申請した「Neiman Marcus(ニーマン・マーカス)」などの高級百貨店チェーンと異なり、国内大手総合スーパー(イオン・イトーヨーカドーなど)に近いデイリーユース型の店舗モデルを採用するなど、米国小売屈指の店舗網を展開していた。
2018年10月には、JCペニーと同様の事業モデルで米国最大手流通グループとなった「Sears Holdings(シアーズHD)」も連邦破産法11条を申請、主力業態である「Sears(シアーズ)」「K-mart(Kマート)」を年間50~200店舗単位で閉鎖しているが、未だに経営再建には至っていない。
シアーズやJCペニーは米国全土に店舗網を展開しており、大型ショッピングモールの核としての役割を担う店舗も多いため、両社による店舗網の再構築は、新型コロナに苦しむ商業施設ディベロッパーや関連業種チェーンの持続的な経営にも大きな影響を与えるとみられる。

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レナウン、2020年5月15日民事再生手続き申請-大手アパレル、新型コロナ影響で倒産

アパレル大手「レナウン」(東京都江東区)が、2020年5月15日に民事再生法の適用を申請し、倒産した。
今後は営業を継続しながら経営再建をおこなうとみられる。

シンプルライフの店舗。

アパレル世界大手だったレナウン

レナウンは1902年に大阪で「佐々木商会」として創業。1923年に英国の巡洋艦「レナウン」に因んで改名された。
その後、全国の百貨店や総合スーパーに「アーノルドパーマー(Arnold Palmer)」や「ダーバン(D’URBAN)」「インターメッツォ(INTERMEZZO)」「シンプルライフ(Simple Life)」「通勤快足」など多くのブランドを展開、CMソングも話題となり、世界有数のアパレル企業へと成長した。

ダーバン。

一方で、1990年に英国ブランド「アクアスキュータム」を買収するなど積極投資をおこなった直後にバブル経済が崩壊、多額の負債を抱えることとなり、2000年代に入るとアクアスキュータムやJ.クルーの展開を終了するなどリストラを進め、2010年には中国の繊維企業「山東如意科技集団有限公司」(山東省済寧市)の傘下となっていた。
2020年現在、同社がレナウンの3割ほどの株式を保有する。

J.CREW

約30年間に亘る経営再建、コロナ後に実を結ぶか

中国企業の傘下となったレナウンであったが東証一部上場を維持したまま経営再建をおこない、山東如意がアクアスキュータムを再買収しレナウンによる販売を再開するなどブランド展開を見直すとともに中国進出を加速させるなど、事業の立て直しを進めていた。2019年には新規開業した「渋谷スクランブルスクエア」にアクアスキュータムのポップアップショップを開設している。
しかし、2020年4月に新型コロナウイルスの影響で国内殆どの百貨店・総合スーパーが休業に追い込まれ、2020年5月15日に民事再生法を申請することとなった。負債総額は約138億円で、債権者は子会社のレナウンエージェンシー。
今後は営業を続けながら経営再建をおこなうとみられる。

レナウン本社が入居する有明・TFTビル。

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ツクモ、2020年6月中までに首都圏店舗の大半を閉店-ヤマダ内は全店閉鎖、都内は秋葉原各店のみに

ヤマダ電機グループのProjectWhiteは、総合PC専門店「ツクモ(TSUKUMO)」首都圏店舗の半数超を、2020年5月中旬から6月上旬にかけて閉店することを2020年5月14日に発表した。

ツクモ・TSUKUMO eX.。

秋葉原を代表するPC専門店だった「ツクモ」

ツクモ(旧・九十九電機)は1947年3月に東京・秋葉原で創業。
創業以来長らく、秋葉原に本社を置く家電量販店「石丸電気」「サトームセン」とともに電気街のシンボル的存在として親しまれていたが、2008年10月の民事再生法適用に伴う経営再建の一環として、2009年3月からはヤマダ電機の完全子会社「ProjectWhite」による経営となった。
ツクモはヤマダ電機の傘下となって以降、屋号を維持したまま2014年12月には同じくヤマダ電機傘下の大手家電量販店「ベスト電器」の本店8階に九州1号店となる「ツクモ福岡店」を出店。2016年1月からはヤマダ電機の都市型店舗「LABI」に相次ぎ新規出店するなど店舗網を拡大。2020年に入ってからも、1月には秋葉原駅前のヤマダ電機LABI秋葉原パソコン館(旧・サトームセン駅前1号店)を譲受し「ツクモ秋葉原駅前店」として営業開始、2月には関西2号店「ツクモ日本橋店」を出店していた。

日本橋店。

ヤマダ内店舗は全店閉鎖、都内のツクモは秋葉原のみに

今回閉鎖対象となった6店舗は、ヤマダ電機がFC契約を結び運営する「ツクモ池袋店」「ツクモ吉祥寺店」「ツクモ新橋店」「ツクモ新宿西口店」、ツクモが直営店舗として運営する「ツクモDOS/Vパソコン館」「ツクモ12号店」。
そのうちDOS/Vパソコン館(5月15日閉店)のみ業態変更・改装後に再オープンを予定しているが、他5店舗の売場跡地利用については未定となっている。

ツクモ吉祥寺店(ヤマダ電機LABI吉祥寺内、5月17日閉店)。

ProjectWhiteは、店舗統廃合の理由を「オンライン・B2Bビジネス強化の為」「好調なWEB販売部門、法人営業部門及びオリジナルPC開発部門への人的リソース投入」としているが、新型コロナウイルスの感染拡大による実店舗での売り上げ低下などが影響している可能性もある。また、開店したばかりである大型店・ツクモ秋葉原駅前店へ店舗の集約をおこなうことで店側・顧客側双方の利便性の向上を図るねらいもあると思われる。

秋葉原駅前店(旧サトームセン)。

今後、同社の首都圏店舗は「ツクモパソコン本店(1・2・3)」「TSUKUMO eX.」「ツクモ秋葉原駅前店(旧・LABI秋葉原パソコン館、サトームセン駅前1号店)」「DOS/Vパソコン館跡」の秋葉原エリアのみとなる見込み。

ツクモ閉鎖対象6店の閉店スケジュール
FC契約を結んでいる各地区ヤマダ電機LABI内インショップ4店舗
  • ツクモ池袋店(6月上旬閉店予定)
  • ツクモ吉祥寺店(5月17日閉店)
  • ツクモ新橋店(5月下旬~6月上旬閉店予定)
  • ツクモ新宿西口店(6月上旬閉店予定)
ツクモ直営2店舗
  • ツクモDOS/Vパソコン館(秋葉原、5月15日閉店)
  • ツクモ12号店(秋葉原、5月15日閉店)

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京都マルイ、2020年4月7日最終営業-5月12日閉店予定、新型コロナで営業終了前倒し

京都府京都市下京区の阪急京都河原町駅に直結するファッションビル「京都マルイ」が、当初の予定を前倒し、2020年5月12日をもって閉店した。最終営業日は4月7日となった。

京都マルイ。

京都中心部4番目の百貨店「四条河原町阪急」として開業

京都住友ビル(住友不動産京都ビル)は1976年10月に「四条河原町阪急」を核に開業。建物は地上8階地下1階建、阪急時代の営業フロアは6階~地下1階、売場面積は8,909㎡。
四条河原町阪急は開業以来、阪急を規模面で大きく上回る高島屋や大丸との差別化を目的に、ヤングファッションを中心とした売場づくりを推し進めていた。しかし、1997年のJR京都伊勢丹開業を境に河原町地区の求心力が低下、2000年代には大阪・梅田駅周辺の百貨店が相次ぎ増床リニューアルを実施、郊外型商業施設との競合による売上低迷もあったため、2010年8月をもって閉店していた。

インバウンド取込み目指した丸井、コロナで閉店前倒し

京都マルイは2011年4月に四条河原町阪急の後継店舗として開業。営業フロアは阪急時代と同じ6階~地下1階、売場面積は8,765㎡。丸井としては関西3施設目となる店舗であった。
開業当初は、東急ハンズの生活提案型雑貨店(ハンズビー)やふたば書房のBOOK&CAFE新業態など、京都初となるファッション・食物販店舗を中心としたフロア構成であったが、2016年3月の大手免税店「ラオックス」旗艦店導入を皮切りに、ドラッグストアやトラベルバッグブランドなど訪日外国人観光客を主要ターゲットとしたテナント中心のフロア構成に軸足を移していた。

四条河原町阪急時代からシンボルとなっていた「世界時計」。

その一方、2019年秋に競合店との競争激化や賃貸契約期間の満了のため2020年5月31日付での閉店を決定。2020年4月1日に「閉店感謝セール」を開始したもの、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて4月8日以降臨時休業を開始、5月4日に緊急事態宣言の延長が決まったため、当初の予定を前倒しして閉店することとなった。
なお、建物を所有する住友不動産グループが運営する「住友不動産京都ビルFOOD HALL」は、新型コロナウイルス感染症の終息を目処に営業再開を予定している。

京都河原町駅直結の一等地、2度目の再生なるか

京都マルイが出店していた京都住友ビルディングは、阪急京都河原町駅に直結するなど京都有数の立地条件下にあり、施設周辺でも2019年12月に京阪グループの複合商業施設「GOOD NATURE STATION」が開業、さらに2020年5月を目処に「ドン・キホーテ四条河原町店(仮称)」が開店する予定があるため、早期の跡地再生も見込まれる。
また、住友不動産がビルの高層階(7~8階)で運営するレストラン街「住友不動産京都ビルFOOD HALL」は、阪急商業開発が運営していた「モザイクダイニング四条河原町」を一部飲食テナントを含めて引継いだものであるため、住友不動産グループ主導によるビル全館の再生も期待される。

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ヨークフーズちはら台店、2020年5月13日開店-セブンアイの新業態1号店、もりまちちはら台モールに

千葉県市原市にある新昭和グループ系ショッピングセンター「もりまちちはら台モール」に、セブン&アイHDの食品スーパー新業態1号店「ヨークフーズちはら台店」が2020年5月13日午前9時に開店する。
ヨークフーズちはら台店。

ちはら台の新たな商業核「もりまちちはら台モール」

もりまちちはら台モールは2020年4月22日に一部店舗が先行開業。店舗面積は6,165㎡。
クレバリーホームを全国展開する新昭和グループが開発・運営を手掛ける地域密着型ショッピングセンターとして、総合衣料品スーパー「サンキ」やドラッグストア「マツモトキヨシ」、100円ショップ「Seria」、「スターバックス」などが出店する。

ヨークフーズ、暮らし提案型食品スーパーのモデル店舗に

ヨークフーズちはら台店の売場面積は1,987㎡。
生鮮食品部門(精肉・青果・鮮魚・惣菜・ベーカリー)では、オープンキッチンやデジタルサイネージを導入するなど、ライブ感ある提案型の売場を展開。
同社オリジナルの本格時短ミールキット「楽デリ」や日常使い・ハレの日需要にも対応する「店内製造のオリジナル商品」、地場野菜や勝浦・鴨川・天羽漁港で水揚げされた鮮魚、和風食品を中心とした昔馴染みの地元ブランドなど地産地消商品群「千産千消」を拡充し、ふれあいコーナー(休憩スペース)を43席設ける。

ヨークフーズ店内レイアウト(フロアマップ)。

同店は6月1日に発足する新会社「ヨーク(現・ヨークマート)」の運営となる予定で、セブン&アイHDが成長戦略の要と位置付ける「首都圏食品戦略」の具体的施策を象徴する店舗、同社が目指す「暮らし提案型食品スーパーマーケット」のモデルとしての役割を担う店舗となる。

ヨークフーズちはら台店

住所:千葉県市原市ちはら台南2-32-2
営業時間:9時~21時30分(通常時)

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