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ジュンク堂書店福岡本店、2020年6月30日閉店ーMMT再開発で、西通りに仮店舗開設

福岡県福岡市中央区天神の西鉄福岡(天神)駅、地下鉄天神駅近くにある複合商業ビル「メディアモール天神」(MMT)が再開発のため近く閉鎖されることにともない「ジュンク堂書店福岡本店」(淳久堂書店)が2020年6月30日に閉店する。

MMTビル。

かつては数年おきに店舗が変わっていたMMT

メディアモール天神は1979年に東急不動産グループの複合商業施設として開業。建物は地上9階地下3階建。開業当初は低層階(地階~地上4階)に東急不動産の「天神東急プラザ」が、高層階(5~9階)に東急ホテルチェーンの「天神東急ホテル」が出店したが、東急プラザは数年で閉店。その後は「ソロンコーポレーション」により「マルチマート天神(MMT)」として営業再開するもこちらも数年で閉店、その後は「ベスト電器」が福岡本店建替え期間中の仮店舗として使用したのち1997年からはマイカルグループのファッションビル「天神ビブレ」の女子中高大生をターゲットとした別館「天神ビブレ2」となったが同社の経営破綻を受けて2001年2月に閉店、さらに同時期に東急ホテルチェーンが撤退したことで建物全館が閉館状態となった。
その後、2001年11月には低層階が関西地盤の大手書店「ジュンク堂書店(淳久堂書店)」に、高層階に専門学校「ヒューマン・アカデミー」などが入居する「メディアモール天神(MMT)」となった。ジュンク堂書店は、当時日本最大級の面積の書店であった。2016年にはキャナルシティ博多などを運営するディベロッパー「福岡地所」が建物を取得していた。

天神ビブレとMMTビル。

数年おきに核テナントが変わったMMTであったが、ジュンク堂書店はこれらの核テナントのなかで最も長く営業することとなった。
サイゼリヤなどMMTビルの他のテナントは当面営業を続けるものの、夏ごろまでに順次閉店するものと思われる。

閉店のお知らせ。

再開発で建替えへ-ジュンク堂書店は再出店予定

天神エリアでは、福岡市が「天神ビッグバン」と称して高さ制限や容積率の規制緩和による民間再開発促進事業を推進しており、2024年を目処に天神ビブレと同じ区画内にある「福岡ビル」(2019年3月閉館)及び「天神コア」「天神ビブレ」(2020年3月)の跡地にオフィスやハイクオリティホテルを備えた西鉄グループの複合商業施設(地上19階地下4階建、延床面積約100,000㎡、高さ約96m)が開業を予定している。

福岡ビル・天神コア跡地に建設予定の建物イメージ。

MMTビルの建て替えもこれに伴うもので、建物隣接地(新生飯店・楽天地など)を含めてMMTビルを所有する福岡地所が再開発をおこなう。また、2021年に閉館する予定の、隣接する福岡市役所北別館との一体開発も検討されている。

手前から福岡市役所北別館・MMT・ビブレ。

新ビルは福岡ビル・天神コア跡と同様に19階建て規模となる予定で、2024年ごろの竣工を見込む。下層階には核テナントっとして「ジュンク堂書店」が再出店し、高層階はオフィスなどとする計画だという。

ジュンク堂書店、西通りに仮店舗

ジュンク堂書店は、天神西通りにある「天神西通りスクエア」にあった経営破綻したファストファッション店「フォーエバー21福岡天神店」跡に仮店舗を出店する。
店舗面積は現在の3分の1程度になるという。
ジュンク堂書店が出店した当時、福岡市天神エリアには紀伊國屋書店、福家書店、丸善、リブロなど多くの大手書店が軒を連ねており「日本有数の大型書店激戦区」となっていたが、近年は撤退が相次いでおり、仮店舗の開設を望む声が多くあった。
仮店舗は2020年8月上旬に開業する予定であるという。

FOREVER21跡。

ジュンク堂書店福岡本店(仮店舗)

住所:福岡県福岡市中央区大名1丁目15−1
営業時間:未定

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ジョイポリスVR渋谷、2020年6月30日閉店-SHIBUYA109のVR特化JOYPOLIS、突然の閉幕

香港企業「華夏文化科技集団有限公司」(CA Cultural Technology Group/CAカルチュラル・テクノロジー・グループ)傘下の「CAセガジョイポリス」は、東京都渋谷区の「JOYPOLIS VR SHIBUYA(ジョイポリスVR渋谷)」を2020年6月30日午後9時をもって閉店する。

JOYPOLIS VR SHIBUYA.

一世風靡した屋内アミューズメント「ジョイポリス」

ジョイポリスは、1994年7月に大手ゲーム会社「セガ」直営の大規模屋内型アミューズメント施設として誕生。最盛期となる1998年には国内7店舗を展開していたが、遊具の開発・維持・管理に多額の費用が必要なため、2000年代の業績悪化時に国内施設の大半を閉鎖していた。
その後、ジョイポリスは、2015年4月にセガ完全子会社の「セガ・ライブクリエイション」に運営会社を移行、同年7月からは中国に拠点を置く香港企業「華夏動漫形象有限公司」(China Theme Park/チャイナ・テーマパーク)(2020年に社名変更)との合弁により、上海・青島への出店を開始。2017年1月には合弁相手であった華夏社に株式の85.1%を譲渡し、2020年6月現在は華夏社傘下のアミューズメント施設ブランドとなっている。
なお、華夏社は日本の総合玩具メーカー「イマ・グループ」(傘下にスタジオディーンなど)が設立に携わっており、2015年3月の上場後も同社の関連会社としてグループに属している。

新体制・新ブランド1号店だった渋谷ジョイポリス

ジョイポリスVR渋谷は、コト消費強化型ファッションビル「MAGNET by SHIBUYA109」(2018年4月開業)の一部先行リニューアルに合わせて、同年10月25日に開店した。

MAGNET by SHIBUYA109。

ジョイポリスの国内店舗としては1998年11月の梅田ジョイポリス(2018年閉店)以来約20年ぶり、新体制(CAセガジョイポリス)としては初となる新規出店であった。
VRコンテンツに特化した新業態「JOYPOLIS VR」の1号店として、日本初となる映画・ターミネーターがテーマのVRゲーム「TERMINATOR SALVATION VR」を始め、対戦型VRガンシューティング「TOWER TAG」、定期的に内容が変わる「VR脱出ゲーム」といったコンテンツを導入。
小規模ながら、近隣で営業する東急レクリエーションの体験型VRテーマパーク「TYFFONIUM SHIBUYA」やアドアーズの「VR PARK TOKYO」と共同プロモーションを打ち出し、地域一体で“VRの聖地”をめざした。

新型コロナで長期休業・突然の閉店に

ジョイポリスVR渋谷は、新型コロナによる感染拡大を受けて2020年3月から営業時間の短縮、小中高生のみでの来店規制を開始。4月8日からは緊急事態宣言の発令を受けて長期休業状態となった。
度重なる再開延期や営業体制の見直しを経て、6月13日から段階的に営業再開したもの、6月24日に急遽閉店が決定した。
ジョイポリスVR渋谷の後継店舗は現時点で決まっておらず、ジョイポリスは再び国内1店舗(東京ジョイポリス)のみとなる。

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PIAGOプラス妙興寺店、2020年6月27日開店-アピタ・ユーストア・ピアゴ跡、ドンキ流「個店経営」新業態1号店に

愛知県一宮市の名鉄本線妙興寺店前に、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)グループの総合スーパー「PIAGOプラス妙興寺店」が2020年6月27日午前9時に開店する。

ピアゴプラス妙興寺店。

アピタ・ユーストア・ピアゴを経て新業態1号店に

PIAGOプラス妙興寺店の前身となる「ピアゴ妙興寺店」は、ユニーの高級総合スーパー「アピタ一宮店」として1986年6月に開店。2003年6月にユニーグループのディスカウント「ユーストア妙興寺店」として業態転換、2009年2月にはグループの運営会社及び店舗ブランド再編に伴い店舗名を「ピアゴ妙興寺店」に改称していたが、2020年6月12日午後6時をもって業態転換のため一時閉店、ダイソーなど一部専門店のみ営業を継続していた。

ピアゴにアピタやドンキのタピオカ・焼き芋店も導入

PIAGOプラス妙興寺店の建物は地上5階建、直営フロアは1~3階、店舗面積は7,790㎡、直営売場面積は5,573㎡。一宮市内の不動産会社である東洋繊維が所有する。
PIAGOプラス妙興寺店は「個店経営を本格導入したNewピアゴ1号店」として、ストアコンセプトに「すべては顧客の『楽しさ』につながる」」を掲げ、3フロアにユニー直営の食品・衣料・生活用品専門店を導入する。
1階にはユニー直営の生鮮食品スーパー「PIAGOプラス(ピアゴプラス)」が出店。
従来通り、生鮮4品(青果・鮮魚・精肉・惣菜)を取扱うほか、冷凍食品・アイス・ドリンク・酒・お菓子の品揃えを2割から5割に拡充。毎週金曜日に行われる5%割引デー(5%OFF感謝デー)を廃止するなど、EDLP型の店舗となる。

PIAGOプラス ロゴマーク。

2階にはユニー直営の大型衣料品店「APITA CLOTHING(アピタクロージング)」が出店。同業態としては鈴鹿美濃加茂に次ぐ3店舗目で、MEGAドン・キホーテUNY(UDリテール運営)以外の店舗への出店は初となる。
アピタクロージングでは、30代から40代の女性を対象としたナショナルブランドの衣料品やインポートバッグ、ブランドスニーカーに加え、PPIHグループが強みとする低価格コスメやアクセサリーを新たに展開。メンズ衣料も品揃えすることで、地域のお客さまのニーズにお応えできる店舗を目指すとしている。

APITA CLOTHING ロゴマーク。

3階にはユニー直営の医薬品・家電・雑貨専門店「デイリードラッグ」が出店。医薬品・家電・雑貨の上手な組み合わせや使い方を提案する「ソリューション型ドラッグストア」の創造に挑戦するとしている。

デイリードラッグ ロゴマーク。

PIAGOプラス妙興寺店には、業態転換前から引続き100円ショップ「ダイソー」や一宮市内に本社を構える珈琲店「MGコーヒー」、パン工房「ブーランコ」、カネ美食品の総合惣菜店「Kanemi」などのテナントが引続き営業を継続するほか、PPIHグループのタピオカ・焼き芋スイーツ店「tapi-mo」やピザ店「PIZZA ALBA」、生花店「HANACHAN LAND」も新たに出店する。

ユニーへの「ドンキ流個店経営」移植成功なるか?

PPIHグループ(旧・ドン・キホーテHD)は、業績不振が続くユニー運営店舗の再生を目的として、2017年11月にドンキとユニーの合弁会社「UDリテール」(現在はPPPH完全子会社)を設立。
2018年2月には双方の屋号を冠したダブルネーム店舗「MEGAドン・キホーテUNY」への業態転換を開始し、2019年6月にはユニー直営衣料品部門を「APITA CLOTHING(アピタクロージング)」として、MEGAドンキUNY旗艦店(2万㎡前後)向けに専門店パッケージ化するなど、UDリテールへの経営資源移行、総合ディスカウントストアへの移行による事業再建を進めている。

MEGAドンキUNY。

その一方、PPIHグループは、ユニーの主要顧客であった高齢層や贈答品需要への対応、グループ系列店舗との競合対策として、ダブルネーム店舗とは異なる“従来型の総合スーパー”という業態を維持した新業態の開発を行う必要に迫られていた。
ユニーでは、上記課題解決の一環として、2019年7月にドン・キホーテが成長戦略の柱としてきた「個店経営(個店主義経営)」への完全移行を実施、現場スタッフへの権限委譲を進めていたが、今回業態転換したPIAGOプラスと同様な売場の抜本的リニューアルはこれまで行われてこなかった。
PPIHグループは、妙興寺店と同様の業態転換を複数の既存店で行い効果検証する方針を示しており、第一号店の「個店主義」の手法が成功するかどうか注目される。

PIAGOプラス妙興寺店

住所:愛知県一宮市大和町妙興寺字白山西3番地2 
営業時間:午前9時~午後11時

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イオン伏見店、2020年冬閉店-旧・サティ、建替え再出店の方針示すも縮小か

京都府京都市伏見区の伏見大手筋商店街横にある総合スーパー「イオン伏見店」が、建物の老朽化により2020年冬に閉店する。
イオンリテールは、現店舗を建替えて再出店する方針を示している。

イオン伏見店。

旧ニチイ・サティから42年の歴史に幕

イオン伏見店はニチイ伏見店として1978年11月開店。2020年現在の売場は1階から4階で、店舗面積は8,656㎡。建物はイオングループが所有する。
ニチイ伏見店から伏見サティに業態転換したのち、運営者のマイカルの経営破綻・2011年のイオンリテールとの合併によってイオン伏見店となった。

テナント・フロア案内。

2020年現在、イオンの調剤薬局、関西の大手喫茶店「ホリーズカフェ」、100円ショップ「キャンドゥ」など10店舗ほどのテナントが出店している。

建替え・再出店めざすも縮小か

閉店は建物の老朽化によるもの。近隣では、2019年に「プラザ大手筋」(旧西友)が同じく老朽化のために閉店したばかりであった。
イオンは跡地に新店舗を建設する方針を示しており、地元紙・京都新聞の報道によると近隣に仮店舗も設けるとしている。
一方で、現在のイオン伏見店は敷地面積の都合などから直営の駐車場が設置されていない(契約駐車場は2000円以上購入で1時間無料)。
新店舗には駐車場が併設されると思われ、現店舗よりも売場面積が大きく縮小されることはほぼ確実であろう。

追記:建て替え中は近隣のプラザ大手筋に仮店舗を出店する。

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イオン上越寺店、2020年6月25日開店-新潟撤退のバロー跡「イオン化」2号店に

新潟県上越市の国道18号線(上新バイパス)近くに、イオンリテールの食品スーパー「イオン上越寺店」が2020年6月25日午前9時に開店する。

イオン上越寺店。

イオン、今年4月閉店のバロー跡を引継ぎ出店

イオン上越寺店の前身となる「スーパーマーケットバロー上越寺店」は2016年7月に開店。建物は平屋建、敷地面積は12,065㎡、店舗面積は1,945㎡。
バロー上越寺店は、2012年11月に開店したバロー下門前店に次ぐ新潟県内3号店、県内最新の店舗であったが、バローの食品スーパー新潟県内撤退に伴い2020年4月5日をもって閉店していた。

イオン下門前店。(旧・バロー下門前店)

イオン上越寺店は、6月11日に開店した「イオン下門前店」と同様にバローから店舗を引継ぎ開店するもので、イオンリテールとしては新潟県内27店舗目、上越市内3店舗目となる。
コンセプトに「ファミリー世代とアクティブシニアの健康な生活を応援。いつ来ても快適で安心・安全・便利なFood Store」を掲げ、バロー時代と同様に生鮮食品を取扱うほか、イオンのグローサラント型売場「ここdeデリ」やインストアベーカリーを導入。日用品や家事用品などの充実を図り、ワンストップショッピングの実現に努めるとしている。

イオン上越寺店

住所:新潟県上越市寺158-1
営業時間:午前9時~午後9時

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ドン・キホーテ大須店、2020年6月26日開店-OSU301ビル・大須の新たな核店舗に

愛知県名古屋市中区の大須萬松寺通り商店街にある複合商業施設「OSU301(大須301ビル)」に、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)のディスカウントストア「ドン・キホーテ大須店」が2020年6月26日午前8時に開店する。

ドン・キホーテ大須店。

名古屋・大須の玄関口として誕生した「OSU301」

OSU301(大須301ビル)は「大須30番第1地区市街地再開発事業」の一環として2003年12月に開業。建物は地上12階地下1階建で、建築面積は1,941㎡、延床面積は約14,809㎡。名古屋市内初となる組合施行の再開発プロジェクトとして、低層階に商業フロア、高層階にオフィスや住宅、クリニックモールが整備された。
開業当初は、地下1階に名宝観光のパチンコ店「ベイシティ名宝大須店」の別館(スロット・休憩所など)、1~2階に靴量販店「ABC-MART」や300円ショップ「三日月百子(ミカヅキモモコ)」などファッション・雑貨系店舗、3階は「大須中華街」として中華料理・中華食品専門店が入居していた。
しかし、2009年11月に大須中華街が営業終了・閉館、2017年には名宝観光が隣接する万松寺ビルに店舗を一本化した。
そのため、2020年5月現在は中古PC・スマホ専門店「じゃんぱら」やイヤホン・ヘッドホン専門店「e☆イヤホン」、TCGやガチャガチャ・プリクラ専門店、メイドカフェなど「大須」という立地特性を活かしたテナントが中心の施設となっている。

ドン・キホーテの看板が設置された大須301ビル。
大須中華街の名残として外壁に龍の装飾がある。

一方で、ドンキ大須店が出店する地階は、開業当初の核店舗であったベイシティ名宝大須店別館の撤退以降3年ほど地階がほぼ空き店舗となっており、核店舗不在の状況が続いていた。

ドンキ、OSU301の名宝別館跡にワンフロアで出店

ドン・キホーテ大須店は、OSU301(大須301ビル)地下1階のベイシティ名宝大須店別館跡に出店するもので、売場面積は1,022.7㎡。ドンキとしては愛知県内34店舗目、名古屋市内10店舗目となる。
ドンキ大須店では、ドンキが強みとするカラコンや玩具、バラエティグッズ、サロン専売ヘアケア用品の拡充に加え、食料品や家庭雑貨品、日用消耗品、医薬品、コスメ、理美容家電、オフィス用品、文具を取扱うなど、大須を代表する複合商業施設の新たな核として、若年層の「遊ぶ」、オフィスワーカーの「働く」、地域住民の「暮らす」、それぞれのシーンに対応した品揃えをワンフロアに凝縮した店舗を目指すとしている。

小さなドンキ、大須の新たな集客の核に

ドン・キホーテ大須店は、2014年11月に開業した「栄ナナイロ(ドン・キホーテ名古屋栄店)」や2020年3月にリニューアルを終えた「MEGAドン・キホーテUNY納屋橋店」など、市内中心部のグループ他店舗と比べるとかなり小規模な店舗となった。

ドンキ旗艦店の1つ・名古屋栄店。

小規模ではあるものの、幅広い世代に人気であるドンキは、OSU301のみならず「名古屋の原宿・浅草・秋葉原」として親しまれる「大須らしい」地域の集客核になるであろう。
(写真撮影:なこち)

ドン・キホーテ大須店

住所:愛知県名古屋市中区大須3丁目30-60 OSU301ビル
営業時間:午前8時~翌午前0時

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上海新天地ビル・ラオックス大阪日本橋店、2020年5月解体開始-LaOX中国企業傘下入りの発端だったチャイナモール

大阪府大阪市中央区日本橋のでんでんタウン近くにある中国系複合商業施設「上海新天地ビル」(チャイナモール上海新天地)が2020年4月をもって全館を閉店した。建物は5月から解体工事が行われている。

上海新天地ビル。

ラオックス免税店化のきっかけとなった上海新天地

上海新天地ビルの前身となる大型家具・インテリア専門店「ワールドインテリアビル」は1975年12月に開業。建物は地上7階建、店舗面積は2,945㎡。
開業当初は施設の大部分を輸入家具店が占めていたが、1990年代に低層フロアを他業種に賃貸。1997年8月に台湾発祥の大手PCメーカー「Gateway2000」(現在はエイサーが買収)直営店「大阪ゲートウェイカントリー」が出店、2002年には大阪・日本橋に本店を構える家電量販店「中川ムセン」のバラエティ雑貨店「ナカヌキヤなんば店」が出店するなど電気街ならではのテナントがみられるようになった。
その後、2004年5月には高層フロアに中文産業グループ(社長:羅怡文)の大型中国物産・食品専門店「チャイナモールOSAKA上海新天地」が開業。2006年1月には東京・秋葉原に本社を置く家電量販店「ラオックス」の関西直営1号店・免税専門店新業態「ラオックスDUTY FREE 大阪」が出店するなど、上海新天地ビルとして中国系住民や中国人観光客を対象とした施設として方向転換を図った。

上海新天地。

ラオックスは2009年6月に羅怡文氏が経営する中国大手家電量販店「蘇寧電器(現・蘇寧易購)」と中文産業グループの「日本観光免税(旧・上海新天地)」傘下となっており、上海新天地ビルはラオックスの中国傘下入り及び免税店化のきっかけとなった施設といえる。

再開発構想あった新天地、新型コロナで計画加速か?

上海新天地ビルは、2010年9月に日本最大級の総合免税店「ラオックス大阪日本橋店」を核とする施設に全面リニューアルを実施した。それに前後して、施設周辺には中国系住民を対象とした食料品店や雑貨店が相次ぎ開店するなど、中華街としての様相を強めた。

ラオックス大阪日本橋店。

その一方、2018年には地主ビジネスで知られる大手不動産会社「日本商業開発」が将来的な再開発を視野に建物を取得。2020年3月には新型コロナの感染拡大を発端とした訪日外国人観光客の減少を受けてラオックスが撤退(当初は一時休業)、4月には上海新天地が中華食品専門店「新天地」として、近隣の松屋町筋の天下一品近く(浪速区下寺1-1-3)に縮小移転したため、施設の解体が早まったとみられる。
再開発を主導する日本商業開発は、上海新天地ビルの跡地利用などについての詳細を2020年7月現在明らかにしていない。
日本橋では近年、訪日外国人観光客をターゲットにしたホテルの開業が相次いでいたが、訪日外国人観光客によるインバウンド需要の消滅もあり、再開発の難航が予想される。

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ダイエー向ヶ丘店、2020年9月30日閉店-半世紀の歴史に幕、建替え・再出店めざす

神奈川県川崎市多摩区の向ヶ丘遊園駅南口・民家園通り商店街にあるショッピングセンター「ダイエー向ヶ丘店」が、老朽化による店舗建て替えのため2020年9月30日に閉店する。

ダイエー向ヶ丘店。

向ヶ丘遊園のシンボル、50年の歴史に幕

ダイエー向ヶ丘店は岡田屋(モアーズ)傘下のスーパー「サンコー向ヶ丘ショッピングワールド」として1970年3月に開業。
サンコーとダイエーの提携により、1971年にダイエーの店舗に、1972年にダイエーの直営店となった。
建物は地上3階、地下1階で店舗面積は10,166㎡。ダイエーが所有する。

ダイエー向ヶ丘店。屋上には駐車場を備える。

テナントとしてダイソー、ノジマ、コメダ珈琲店などが出店。かつてはウェンディーズやドムドムも出店していた。

建て替え・再出店めざす-規模縮小か?

閉店は築50年となった建物の老朽化によるもの。ダイエーは閉店後に建物を解体し、建て替え・再出店する方針を示している。
その一方で、現在ダイエーは「ダイエー」の店名での出店はおこなあっておらず「ダイエー向ヶ丘店」としての歴史は半世紀で幕を閉じることになるとみられる。
また、近年同社が建て替え・再出店をおこなった店舗はいずれも店舗面積が旧店と比較すると大幅に小さな商業施設となっており、マンション併設型店舗となる例を含めて建物の大部分が住宅用地となる例も多い。
向ヶ丘店も駅前立地であり、広い土地を有することからマンション併設など、ダイエー時代の「ショッピングセンター」とは全く異なった小規模の商業施設となる可能性も高いであろう。
(撮影:昭和日記さん

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成城石井さんすて岡山店、2020年6月29日開店-岡山駅に中国地方1号店

岡山県岡山市北区のJR岡山駅ビル「サンステーションテラス岡山(通称:さんすて岡山)」南館2階に、高品質食品スーパー「成城石井さんすて岡山店」が2020年6月29日に開店する。

出店予定地となる「さんすて岡山」。

日本最西端の店舗ながら自家製惣菜やスイーツも展開

成城石井さんすて岡山店の売場面積は181.49㎡。同社店舗としては184店舗目、日本最西端の店舗となる。
2020年3月にリニューアルを実施した岡山駅ビル改装の目玉として出店するもので、「成城石井の中国エリア拡大へのスタート地点」として、6000アイテムを展開。

成城石井さんすて岡山店。

菓子・グロサリー商品、自社輸入のワインに加えて、プレミアムチーズケーキや自家製惣菜といった商品の常設販売も行う。

成城石井、さらなる店舗網の拡大なるか

成城石井は長らく、同社の主力商品である自家製惣菜やパン・スイーツを製造する「セントラルキッチン」(神奈川県横浜市・町田市など)からの商品配送の都合上、東名阪三大都市圏・東海道を中心に店舗のドミナント出店を行っており、競合他社と比べ地方都市への新規出店が出遅れていた。
この問題を解決すべく、2015年3月に既存店と異なる商品展開・物流システムの構築を基盤とする「遠隔地単店オペレーション」を打ち出し、山梨県甲府市や宮城県仙台市の駅ビルといった従来の店舗網から離れた地域への新規出店を開始している。
同社は今後も出店地域を拡大していくとしており、これら遠隔店舗を母店とした新規出店も予想される。
(撮影:ヨークセブンさん 

成城石井さんすて岡山店

住所:岡山県岡山市北区駅元町1番1号 さんすて岡山南館2階
営業時間:10時~22時

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太陽家具、福岡西店・福岡筑紫野店を2020年6月30日までに閉店-福岡都市圏から完全撤退、東京インテリア家具に

山口県に本店を置く家具店「太陽家具百貨店」は、旗艦店である福岡市西区福重の「太陽家具福岡西店」を2020年6月7日に、福岡県筑紫野市塔原東の「太陽家具福岡筑紫野店」を6月30日に閉店する。
2020年7月追記:福岡筑紫野店は7月中旬に閉店を延期、両店は閉店後に東京インテリア家具(本部:栃木県鹿沼市)が取得して福岡西店は「東京インテリア家具福岡西店」として2020年秋を目処にリニューアル開業する。「東京インテリア家具福岡筑紫野店」については未定。

太陽家具福岡筑紫野店。

事業立て直しを進めていた太陽家具

太陽家具百貨店は1947年4月に山口県宇部市で創業。2020年5月時点では、郊外型大型家具店「Life Stage TAIYO」、地域密着型家具店「太陽家具」を12店舗展開している。(熊本地震以来休業扱いのインテリア専門店「ANBIENCE+」1店舗を除く)
同社は1990年8月に、大型店舗1号店「太陽家具北九州西店(Life Stage TAIYO 北九州西店)」を百貨店「井筒屋本城店」跡に出店して以来、郊外型大型家具店とインテリア専門店の出店を加速。最盛期となる2008年には全国27店舗を展開していたが、低価格家具店などとの競争激化や事業立て直しの一環として、2012年1月までに首都圏・関西圏から全面撤退、2018年10月には大型店1号店の北九州西店を閉店、社員数を削減するなどリストラ策を進めていた
太陽家具北九州西店。(2018年10月閉店)

旗艦店閉店で福岡都市圏から完全撤退

太陽家具福岡筑紫野店は1997年2月に開店。建物は地上3階建。
九州自動車道筑紫野IC近くの幹線道路沿いへの出店であり、福岡都市圏初となるライフステージ業態の店舗であった。
近年は直営売場を縮小し、大分県別府市発祥の免税店「JTC生活広場福岡店」(2017年9月開店)や西部ガスグループのマンションデベロッパー「エストラスト」のショールームをテナントとして導入していた。
太陽家具福岡西店は2000年10月に開店。建物は地上4階建。
開店以来、太陽家具グループ最大の売場面積(12,354㎡)を備えることから、同年8月に開店した福山店(10,000㎡)とともに同社の旗艦店としての役割を担っていた。
近年は筑紫野店と同様に直営売場を縮小し、エストラストのショールームや女性専用30分健康体操教室「カーブス」をテナントとして導入していた。
両店舗の閉店により、太陽家具の営業店舗数は10年前の1/3となる10店舗、1万㎡級の店舗は福山店のみとなる。

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