家電量販店最大手「ヤマダ電機」(群馬県高崎市)は、2019年12月30日付で家具販売大手「大塚家具」(東京都江東区)株の過半数となる51.74%(議決権比率)を第三者割当増資により取得し、子会社化する資本業務提携契約を2019年12月12日に締結した。 ヤマダ電機本社。(群馬県高崎市)
ヤマダ電機、大塚家具との連携強化を推し進めていた
ヤマダ電機は2011年に住宅メーカー「エス・バイ・エル」を買収し住宅関連事業に本格参入して以降、2012年に旧日立化成系の住宅設備メーカー「ハウステック」を買収するなど関連事業の強化を推進、家電販売事業との相乗効果が期待される「スマートハウス」の拡販を目指している。
同社は2016年11月、東京都立川市に生活提案型業態「LABI LIFE SELECT」1号店を出店、2017年6月には群馬県前橋市の同社アウトレット店舗跡を業態転換する形で家具・インテリア専門店「インテリアリフォームYAMADA」を出店、同年9月には茨城県ひたちなか市の同社店舗跡に家電製品と家具・インテリアの併売、直営カフェの併設を行う新業態「家電住まいる館YAMADA」1号店を出店しており、2019年5月末時点では80店舗を展開する。
ヤマダ電機家電住まいる館。(福岡市東区)
ヤマダ電機は2019年2月に大塚家具と資本業務提携を締結して以降、3月に人的交流を開始、5月にはヤマダ電機一部店舗での大塚家具商品の取扱いを開始、7月には群馬県前橋市のインテリアリフォームYAMADAを大塚家具とのコラボ店舗に転換するなど、両社間での連携を強めていた。
IDC大塚家具新宿ショールーム。(東京都新宿区)
依然として経営不振続く大塚家具、株価はストップ高に
大塚家具は2019年2月のヤマダ電機の資本業務提携に合わせて、越境EC事業を手掛ける「ハイラインズ」と資本業務提携を締結。2019年6月には阿里巴巴集団(アリババグループ)の中国大手ネット通販「天猫国際(T-MALL)」に出店、7月にはアリババ系家具小売大手「北京居然之家云地匯新零售連鎖有限公司」(居然之家/Easyhome/イージーホーム)への高級羽毛布団の供給を開始したが、同社の売上高は依然として減少傾向にあり、株価も2019年2月の資本業務提携契約締結時の半分以下の水準に落ち込むなど、経営再建の道筋が不透明となっていた。
大塚家具の株価は2019年10月以降、1株160円前後を推移していたが、ヤマダ電機により子会社化の方針を受けストップ高となり前日比30.86%となる1株212円で取引時間終了を迎えた。
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