米・ニーマン・マーカス、2020年5月7日倒産-米国大手高級百貨店初となる新型コロナ関連破綻

米国大手高級百貨店「Neiman Marcus」(ニーマン・マーカス)が、日本の民事再生法に相当する連邦破産法11条の適用を申請し、2020年5月7日に経営破綻した。

Neiman Marcus Dallas – Downtown. (Flagship Store)
(from Official Website)

同社は米国の大手百貨店で初となる新型コロナウイルス関連の経営破綻となった。

米国を代表する高級百貨店、新型コロナで経営破綻

ニーマン・マーカスは1907年9月にテキサス州ダラスで創業。1970年代より全米各地に店舗網を拡大し、1987年にはニューヨーク・マンハッタンの高級百貨店「Bergdorf Goodman(バーグドルフ・グッドマン)」を取得、1998年にはハワイ・ホノルル初となる店舗を(当時)ダイエー系ショッピングセンターだった「Ala Moana Center(アラモアナセンター)」に出店、2019年3月にはマンハッタン初となる直営店「Neiman Marcus Hudson Yards(ハドソンヤード店)」を出店するなど、米国を代表する高級百貨店の一角としての地位を築いた。

Neiman Marcus Hudson Yards. (from Official Website)

2020年現在は米国本土とハワイ・ホノルルに主力業態「Neiman Marcus」43店舗、NYに「Bergdorf Goodman」2店舗(メンズ館・ウィメンズ館)、アウトレット業態「Neiman Marcus Last Call」22店舗、インテリア雑貨通販「Horchow」を展開する。
その一方、2005年に米国投資ファンド「Warburg Pincus(ウォーバーグ・ピンカス)」「TRPGキャピタル」傘下、2013年には「Ares Management (アレスマネジメント)」「カナダ年金制度投資委員会」傘下となったことで債務が膨張、2020年3月には新型コロナウイルス感染拡大により全店舗が休業するなど、財務状況が悪化していた。

コロナウイルス終息を目処に営業再開めざす

米・ニーマン・マーカスグループは連邦破産法11条の適用により、債権者2/3超との合意のもと、6億7500万ドル(約720億円)の一時的な運転資金融資(DIP融資)を受け、負債総額40億ドル(約4200億円)の解消に向けた経営再建を目指すこととなる。

今回の連邦破産法11条適用に対し、ニーマン・マーカスグループのGeoffroy van Raemdonck会長兼最高経営責任者(CEO)は「We are pleased to receive court approvals of our first day motions, which provide us with ample liquidity to operate the business and allow our dedicated associates, together with our brand partners, to continue providing magical experiences to our loyal luxury customers.」、日本人向けサービスを行うニーマン・マーカス・ハワイも「当措置は事業清算とは異なります。」「私共は、企業の再構築と共に、今後もラグジュアリーファッションと顧客サービスを提供し続けて参ります。」とコメントするなど、新型コロナウイルス感染症感染拡大による都市封鎖(ロックダウン)のため、2020年5月現在休業中のグループ各店舗について感染症終息を目処に営業再開する方針を示している。
また、従業員への賃金支払いやギフトカード、クレジットカード、返品サービスに関しても従来どおり継続する見込みとなっている。

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