カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

イセタンハウス、2020年8月31日閉店-大名古屋ビルヂングの伊勢丹、僅か4年で

愛知県名古屋市のJR名古屋駅前の大名古屋ビルヂングの核店舗「イセタンハウス(ISETAN HAUS)」が、2020年8月31日に閉店する。dainagoya05
イセタンハウス・エントランス。

名駅の伊勢丹、僅か4年で閉店

イセタンハウスは2016年3月9日の大名古屋ビルヂング建替えリニューアルオープンに合わせて開店。

大名古屋ビルヂング。

店舗は2階から地下1階までで、伊勢丹としては規模が小さいものであったが、名駅を利用するビジネスマンをターゲットにコスメ、服飾雑貨、ビジネスウェアなどを販売。好立地ということもあり、一定の人気を集めていた。
2018年4月にはリニューアルをおこない「クロージングイセタンミツコシ」「藤巻百貨店」などが新規出店したばかりだった。

大名古屋ビル、後継テナントは未定

三越伊勢丹はこうした従来の百貨店よりも規模が小さい中規模店舗の出店を進めるとしていたが、4月に殆どの店舗が休業した影響で「1ヶ月あたり150億円の営業減益となっている」と発表したばかりであり、今後も経営の合理化が続くものと思われる。
大名古屋ビルヂングの後継テナントについては5月時点で決まっていない。

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MEGAドン・キホーテUNY本庄店、2020年5月19日開店-本庄駅南口近くのアピタ跡に

埼玉県本庄市のJR本庄駅南口近くに、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)の総合ディスカウント「MEGAドン・キホーテUNY本庄店」が2020年5月19日午前9時に開店する。

MEGAドン・キホーテUNY本庄店。

本庄駅南口近くのアピタ、MEGAドンキUNYに

MEGAドン・キホーテUNY本庄店の前身となる「アピタ本庄店」は1989年3月に開業。建物は地上2階建、売場面積は11,070㎡。建物はヒューリック(旧・昭栄)が所有する。
開業以来、ユニーの総合スーパー「アピタ」を屋号に冠していたが、ドンキへの業態転換のため、2020年2月16日をもって直営売場を閉店、一部専門店のみ営業を継続していた。

ドンキが強みとするトレンド商品やアウトドア用品を拡充

MEGAドン・キホーテUNY本庄店の営業フロアは1~2階、直営売場面積は6,498㎡。ダブルネーム店舗は埼玉県内2店舗目で、UDリテールが運営する。
1階ではアピタ時代と同様に生鮮食品を取扱うほか、2階ではドンキが強みとするカラーコンタクトレンズや香水、インポートブランド、スポーツ用品、カー用品を新たに導入。埼玉県内屈指の観光スポット「秩父・長瀞」まで車で1時間圏内という立地条件を活かし、キャンプ用品やアウトドアブランドのウェアをまとめたアウトドアコーナーを展開する。

大型モールの進出が相次ぐ本庄で巻き返し目指す

アピタは開業当初、本庄駅北口の総合スーパー「ベルク本庄店」と並ぶ市内有数の大型店であったが、2013年6月に上越新幹線本庄早稲田駅前の商業核としてベイシアグループの旗艦店「ベイシアゲート本庄早稲田」が開業、2019年6月にはベルクが「フォルテ本庄」として建替リニューアル、同年12月には本庄市役所前に「ビバモール本庄」が全面開業するなど、競合店の新規出店や建替リニューアルが相次いでいた。ドンキへの業態転換により、旧態依然としていた売場の若返りを実現し、客層の拡大や集客力の向上を図る狙いがあるとみられる。

MEGAドン・キホーテUNY本庄店のテナント一覧
階数 店舗名 業種・業態
1階 マミーリブレ レディス
1階 Ladies’land CO・CO レディス
1階 靴の店トリオ
1階 フラワーショップラン
1階 化粧品専門店さいとう コスメ・ビューティーケア
1階 メガネステーション メガネ・コンタクト
1階 安くてごめんね 鶏肉惣菜
1階 一口茶屋 たい焼・たこ焼
1階 金井園 お茶・コーヒー
1階 サーティワンアイスクリーム アイスクリーム
1階 珈琲館 喫茶
1階 ミスタードーナツ ドーナツ
1階 ロイヤルカリー カレー
1階 クリーニングホシノ クリーニング
1階 日本旅行サービス トラベル
1階 ハローズガーデン ゲームコーナー
1階 イレブンカット 美容室
1階 Losfeliz ネイルサロン
2階 東京さが美 呉服
2階 Seria 100円ショップ
2階 よむよむ 書籍・文具
2階 げんき堂整体院 整体・整骨
2階 リフォームSANWA ファッションリフォーム
別棟 マクドナルド ファーストフード
別棟 宝くじチャンスセンター 宝くじ
MEGAドン・キホーテUNY本庄店

住所:埼玉県本庄市南1丁目2番10号
営業時間:午前8時~翌午前0時
(19日~21日は営業時間を「午前9時~午後10時」に短縮。)

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MEGAドン・キホーテUNY豊明店、2020年5月12日開店-市中心部のピアゴ跡に

愛知県豊明市の愛知県道57号線沿いに、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)の総合ディスカウントストア「MEGAドン・キホーテUNY豊明店」が2020年5月12日午前9時に開店する。

MEGAドン・キホーテUNY豊明店。

豊明市中心部のピアゴ、MEGAドンキUNYに

MEGAドン・キホーテUNY豊明店の前身となる「ユニー豊明店」は1973年9月に開店。建物は地上4階建、売場は1~2階、売場面積は7,726㎡。
2009年2月には同社の店舗ブランド再編に伴い「ピアゴ豊明店」に改称していたが、ドンキへの業態転換のため、2020年2月23日をもって直営売場を閉店、一部専門店のみ営業を継続していた。
なお、同じ豊明市内の名鉄本線前後駅前・パルネスには「ピアゴ前後駅前店(旧・アピタ豊明店)」が営業していたが、2010年7月をもって閉店。2020年5月現在はコープあいちの食品スーパー「コープとよあけ店」となっている。

業態転換で若年層やニューファミリー層の取込み目指す

MEGAドン・キホーテUNY豊明店の営業フロアは1~2階、直営売場面積は5,987㎡。ドンキとしては愛知県内34店舗目で、ユニー・ドンキ双方のブランドを冠したダブルネーム店舗としては愛知県内15店舗目。UDリテールが店舗を運営する。
ピアゴ時代と同様に生鮮食品を取扱うほか、新たにドンキが強みとするスマートフォンアクセサリーやカラーコンタクトレンズ、香水、インポートブランドなどのトレンド商品、スポーツ用品、カー用品の取扱いを開始。日用消耗品やペット用品、インテリア雑貨、コスメの品揃えも拡充するなど、従来からのシニア層に加え、ニューファミリー層や10代を中心とした若年層の取込みを目指すとしている。

MEGAドン・キホーテUNY豊明店のテナント一覧
階数 店舗名 業種・業態
1階 カットコムズ ヘアカット
1階 コスメベル コスメ
1階 マルミ薬品 薬局
1階 ちかだ屋 銘店
1階 お茶の磯田園 お茶
1階 あかね亭 喫茶
2階 きもの&和装 和わ 呉服
2階 スガキヤ ラーメン
2階 めん処茜亭 めん処
2階 松屋ドライ クリーニング
2階 ゆうゆうパソコン教室 パソコン教室
2階 シエスタ リラクゼーション
店外 宝くじチャンスセンター 宝くじ
MEGAドン・キホーテUNY豊明店

住所::愛知県豊明市三崎町井ノ花5番地の1
営業時間:午前8時~翌午前0時
(5月12日~14日は営業時間を「午前9時~午後10時」に短縮)
※地図のミスはドンキ側によるもの。

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イオンタウン読谷座喜味、2020年5月15日開業-旧・読谷中学校跡地、マックスバリュ・イオンドラッグ核の施設に

沖縄県読谷村の世界遺産座喜味城近く、旧・読谷中学校跡地に、イオン琉球の地域密着型ショッピングセンター「イオンタウン読谷座喜味」が2020年5月15日午前9時に開業する。
イオンタウン読谷座喜味

読谷中跡地のイオン、度重なる開業延期を経てついに開業

イオンタウン読谷座喜味は2010年度以降、読谷村が所有する「読谷村立読谷中学校」(2010年7月移転)跡地を、官民協働事業(PPP)の一環として、イオングループの「イオン琉球」が公募型プロポーザルにより借り受け、定期借地方式により開発を進めてきたもの。
当初は「イオンタウン読谷北(仮称)」として2019年春の開業を目指していたが、度重なる着工の遅れから、開業が延期されていた。

マックスバリュ・イオンドラッグ核の地域密着SCに

イオンタウン読谷座喜味の敷地面積は13,338㎡、店舗面積は3,250㎡、駐車場台数は450台。同社が運営するイオンタウンは「イオンタウン読谷」に次ぎ読谷村2施設目となる。
施設テーマに「Enjoy!Wellness!」を掲げ、イオン琉球直営の食品スーパー「マックスバリュ座喜味店」(1,000㎡、沖縄26店舗目)とドラッグストア「イオンドラッグ座喜味店」(450㎡、沖縄7店舗目)を核に、総合子供服・ベビー服・ベビー用品店「西松屋」や24時間営業のフィットネスジム「エニタイムフィットネス」など8店舗が出店する。

将来的には医療モールも開業、地域医療の一大拠点に

イオンタウン読谷座喜味の隣接地では、建設計画発表当初より医療関連施設を集積させたクリニックモール(開業時期未定)の整備構想がある。
そのため、核店舗のイオンドラッグでは「美・健康」を掲げ、医薬品に加えてウェルネスフーズを拡充、同社初となるセルフ式コラーゲンマシーンの導入や血圧・血管年齢を無料で測定可能な健康チェックコーナーを設けるなど、医療施設との相乗効果を実現可能な店づくりを目指す。
これらの取組みにより、イオン琉球は「地域の中核となるコミュニティの場を提供」「ワンストップでの安心を提供していく」とコメントしている。

イオンタウン読谷座喜味のテナント一覧
階数 店舗名 業種・業態
1階 マックスバリュ 食品スーパー
1階 イオンドラッグ ドラッグストア
1階 西松屋 子供服・ベビー服・ベビー用品店
1階 エニタイムフィットネス フィットネスジム(6月1日開業)
1階 ヘアーサロンIWASAKI 美容室
1階 グッドスマイル コインランドリー
1階 ほけん選科 保険カウンター
1階 イオン銀行ATM ATM
1階 クリニックモール クリニックモール(開業未定)
イオンタウン読谷座喜味

住所:沖縄県中頭郡読谷村字上地205-1 
営業時間(マックスバリュ):24時間営業
営業時間(イオンドラッグ):午前10時~午後11時
営業時間(専門店):各専門店によって異なる

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さいか屋横須賀店、2021年2月閉店-創業店、約150年の歴史に幕

神奈川県横須賀市の京急横須賀中央駅近くにある百貨店「さいか屋横須賀店」が2021年2月に閉店する。
追記:閉店日は2月21日となる。

さいか屋横須賀店。

さいか屋、創業店を閉店-約150年の歴史に幕

さいか屋横須賀店は1867年に呉服店として浦賀で創業。
1872年に横須賀に移転し「雜賀屋呉服店(さいか屋)」となり、1928年に百貨店化した。
創業店である横須賀店は1974年に建て替えられ(大通り館)、1990年に新館・南館を増築していたが、2009年に経営再建のため事業再生ADRを申請し、2010年に本館である「大通り館」を老朽化により閉鎖。新館(百貨店)・南館(飲食街・カラオケ)のみで営業をおこなっていたが、南館は核店舗であったシダックスが2018年に閉店以降大部分が空き店舗となっていた。このほか文化教室がある北別館、立体駐車場を備える。
新館などは自社物件である一方、大通り館跡は売却されている。大通り館跡にはマンション建設計画があったが中止されており、現在は平面駐車場となっている。

手前が大通り館跡、右が南館。

さいか屋の大株主は京急電鉄(約14パーセント保有)であり、京急プレミアポイントの付与が行われるなど連携をおこなっていたが2015年にはさいか屋川崎店も閉店しており、同社は京急沿線から姿を消すこととなる。

さいか屋川崎店。 

さいか屋、百貨店は藤沢店のみに

今後営業を続けるさいか屋の店舗は百貨店「さいか屋藤沢店」、ファッションビル「さいか屋町田ジョルナ」の2店舗と川崎駅前の日航ホテルにあるサテライトショップのみとなる。なお、横須賀市内にもサテライトショップを設ける方針だという。

さいか屋藤沢店。

神奈川県内では都心への流出などにより百貨店の閉店が相次いでおり、神奈川県内の百貨店がある都市は横浜市と藤沢市のみとなる。
横須賀店の新館・南館は築30年とまだ新しい一方、大通り館跡では再開発が検討されており、今後の活用方法などが注目される。

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米・ニーマン・マーカス、2020年5月7日倒産-米国大手高級百貨店初となる新型コロナ関連破綻

米国大手高級百貨店「Neiman Marcus」(ニーマン・マーカス)が、日本の民事再生法に相当する連邦破産法11条の適用を申請し、2020年5月7日に経営破綻した。

Neiman Marcus Dallas – Downtown. (Flagship Store)
(from Official Website)

同社は米国の大手百貨店で初となる新型コロナウイルス関連の経営破綻となった。

米国を代表する高級百貨店、新型コロナで経営破綻

ニーマン・マーカスは1907年9月にテキサス州ダラスで創業。1970年代より全米各地に店舗網を拡大し、1987年にはニューヨーク・マンハッタンの高級百貨店「Bergdorf Goodman(バーグドルフ・グッドマン)」を取得、1998年にはハワイ・ホノルル初となる店舗を(当時)ダイエー系ショッピングセンターだった「Ala Moana Center(アラモアナセンター)」に出店、2019年3月にはマンハッタン初となる直営店「Neiman Marcus Hudson Yards(ハドソンヤード店)」を出店するなど、米国を代表する高級百貨店の一角としての地位を築いた。

Neiman Marcus Hudson Yards. (from Official Website)

2020年現在は米国本土とハワイ・ホノルルに主力業態「Neiman Marcus」43店舗、NYに「Bergdorf Goodman」2店舗(メンズ館・ウィメンズ館)、アウトレット業態「Neiman Marcus Last Call」22店舗、インテリア雑貨通販「Horchow」を展開する。
その一方、2005年に米国投資ファンド「Warburg Pincus(ウォーバーグ・ピンカス)」「TRPGキャピタル」傘下、2013年には「Ares Management (アレスマネジメント)」「カナダ年金制度投資委員会」傘下となったことで債務が膨張、2020年3月には新型コロナウイルス感染拡大により全店舗が休業するなど、財務状況が悪化していた。

コロナウイルス終息を目処に営業再開めざす

米・ニーマン・マーカスグループは連邦破産法11条の適用により、債権者2/3超との合意のもと、6億7500万ドル(約720億円)の一時的な運転資金融資(DIP融資)を受け、負債総額40億ドル(約4200億円)の解消に向けた経営再建を目指すこととなる。

今回の連邦破産法11条適用に対し、ニーマン・マーカスグループのGeoffroy van Raemdonck会長兼最高経営責任者(CEO)は「We are pleased to receive court approvals of our first day motions, which provide us with ample liquidity to operate the business and allow our dedicated associates, together with our brand partners, to continue providing magical experiences to our loyal luxury customers.」、日本人向けサービスを行うニーマン・マーカス・ハワイも「当措置は事業清算とは異なります。」「私共は、企業の再構築と共に、今後もラグジュアリーファッションと顧客サービスを提供し続けて参ります。」とコメントするなど、新型コロナウイルス感染症感染拡大による都市封鎖(ロックダウン)のため、2020年5月現在休業中のグループ各店舗について感染症終息を目処に営業再開する方針を示している。
また、従業員への賃金支払いやギフトカード、クレジットカード、返品サービスに関しても従来どおり継続する見込みとなっている。

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アイ・ティ・オージャパン、2020年5月7日倒産・全店閉店-百貨店メンズアパレル「バジエ」など展開

大阪府大阪市に本社を置き、全国の百貨店を中心に展開する中堅メンズアパレル(紳士服企画卸販売)「アイ・ティ・オージャパン(I.T.O JAPAN&CO.)」が、2020年5月7日に倒産し、事業停止した。

運営店舗(バジエ、写真の後ろ側)。

百貨店メンズアパレル、運営店舗は全て閉店

アイ・ティ・オージャパンは1974年に創業。
北は札幌三越から南はきりしま国分山形屋まで、全国の百貨店で「バジエ(VAGIIE)」「バラシ(barassi MILANO)」「ジーゲラン(GEEGELLAN)」などのブランド名でメンズアパレル店舗を展開していた。しかし、近年は百貨店の閉店が相次ぎ、店舗も減少傾向にあったとみられる。

閉店告知。

帝国データバンクによると、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言で百貨店が休業するなか4月中旬に代表が死去し、
事業を停止することになったもので、コロナ禍前の2019年7月期末時点での負債額は約13億4000万円であったという。
同社が運営する店舗は5月7日限りで閉店している。

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MEGAドン・キホーテUNY恵那店、2020年5月12日開店-アクロスプラザそばのピアゴ跡に

岐阜県恵那市の国道257号線(中山道)沿いに、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)の総合ディスカウントストア「MEGAドン・キホーテUNY恵那店」が2020年5月12日午前9時に開店する。
MEGAドン・キホーテUNY恵那店。

恵那の元ユニー・ジョイマート

MEGAドン・キホーテUNY恵那店の前身となる「ユニー恵那店(フェアモール恵那)」は1991年5月に開業。建物は地上3階建、敷地面積は20,019㎡、売場面積は6,300㎡、延床面積は11,919㎡。
ユニー恵那店は、2004年8月に同社の日常生活密着型総合スーパー新業態6号店「ジョイマートユニー恵那店」に転換、2009年2月には同社の店舗ブランド再編に伴い「ピアゴ恵那店」に改称していたが、ドンキへの業態転換のため、2020年2月23日をもって直営売場を閉店、一部専門店のみ営業を継続していた。

業態転換で若年層やニューファミリー層の取込み目指す

MEGAドン・キホーテUNY恵那店の営業フロアは1~2階、直営売場面積は5,296㎡。UDリテールが店舗を運営する。ドンキとしては岐阜県内9店舗目で、ユニー・ドンキ双方のブランドを冠したダブルネーム店舗としては岐阜県内4店舗目、恵那市内初出店となる。
ピアゴ時代と同様に生鮮食品を取扱うほか、新たにドンキが強みとするスマートフォンアクセサリーやカラーコンタクトレンズ、香水、インポートブランドなどのトレンド商品、スポーツ用品、カー用品の取扱いを開始。遊具を設置したキッズ広場と玩具・家電売場を隣接した「アミューズメントゾーン」を展開するなど、従来からのシニア層に加え、ニューファミリー層や10代を中心とした若年層の取込みを目指すとしている。

“地域最大の商業施設”の座を譲ったUNY、巻き返しなるか

ユニー恵那店は開業以来、地域随一の規模を有する大型ショッピングセンターであったが、2019年9月に同店を上回る規模の「アクロスプラザ恵那(核店舗:バロー正家店)」が至近距離に開業、2020年には恵那市内で創業した大手流通グループ「バロー」の1号店「バロー恵那店(恵那ショッピングセンター)」が総合スーパーとしてリニューアルするなど、競合店との競争環境に変化が生じていた。
“地域最大の商業施設”の座を譲った同店であるが、ドンキへの業態転換により、集客力の向上や客層の拡大を図る狙いがあるとみられる。

MEGAドン・キホーテUNY恵那店のテナント一覧
階数 店舗名 業種・業態
1階 サーティーワンアイスクリーム アイスクリーム
1階 米乃家 お好み焼き
1階 風まつり フードコート
1階 ファンタジープラザ アミューズメント
1階 中部ドライ クリーニング
1階 ワシントン 洋服リフォーム
2階 ジュアン レディス
2階 セリア 100円均一
2階 BUN 美容室
2階 コリとりさろん エフ分の1 リラクゼーション
MEGAドン・キホーテUNY恵那店

住所:岐阜県恵那市長島町正家2丁目2番地17
営業時間:午前8時~翌午前0時
(5月12日~14日は営業時間を「午前9時~午後10時」に短縮)

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米・Jクルー、2020年5月4日倒産-米大手小売初となる新型コロナ関連破綻

米国大手カジュアルファッションブランド「J・CREW」(Jクルー)が2020年5月4日に連邦破産法11条(日本における民事再生法)の適用を申請し、経営破綻した。

J・CREW. (from facebook)

同社は米国小売大手初となる新型コロナウイルス関連の経営破綻になる。

経営再建進めていた米国大手アパレルブランド

Jクルーは1947年にカタログ販売「Popular Club Plan」として創業。1983年に現在のブランド名に改称、1989年に実店舗1号店をニューヨーク・マンハッタンに開店した。
1997年に米国ファンド「TPGキャピタル」傘下となり、2006年にはニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場したが、2010年に再び株式を非公開化、低価格ブランド「Madewell」(2006年買収)を次世代の主力業態に据え、経営再建を進めていた最中であった。

J・CREW Bromptoncross collection store. (from facebook)

日本市場再進出計画もあったが…

日本国内では、1992年に大手総合商社「伊藤忠商事」がJクルーブランドのマスターライセンス権を取得し、1993年以降大手アパレル「レナウン」との提携のもと、百貨店やファッションビルを中心に最盛期50店舗ほど展開していた。しかし、1990年代初頭より続くレナウングループ経営悪化の影響を受け、2006年に原宿旗艦店を閉鎖、合わせて郊外型ショッピングモール中心の店舗展開に路線転換を図ったが、2009年1月をもって日本事業から撤退、3月までに国内全23店舗が営業を終了していた。
レナウンによるJクルー事業撤退後も、米Jクルーによる日本再進出構想やファーストリテイリングによる米Jクルー買収計画もあったが、同社の経営不振もあり実現には至らなかった。

コロナウイルス終息を目処に営業再開めざす

米・Jクルーグループは連邦破産法11条の適用により、16億5000万ドル(約1760億円)の負債を株式に転換、合わせて4億ドル(約427億円)の一時的な運転資金融資(DIP融資)を受け、経営再建を目指す。
2020年5月現在、新型コロナウイルスの感染拡大による都市封鎖(ロックダウン)のため休業中のJクルーグループ各店舗(Jクルー181店舗、Madewell140店舗、FactoryStore170店舗)、ECサイト(3サイト)は、コロナウイルス終息を目処に営業を再開する見通しとなっており、ギフトカードやポイント、商品の返品・交換サービスも従来通り継続する。
また、業績が好調に推移しているMadewellも引続きグループに残留する計画となっている。

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オリオンプラザ、2020年4月28日閉館-丸和折尾店核の複合商業施設、5月から解体開始

福岡県北九州市八幡西区の折尾駅前地区再開発ビル「オリオンプラザ」が2020年4月28日をもって閉館した。
建物は駅前整備の一環として、5月から解体される。

オリオンプラザ。
丸和の塔屋看板は2019年9月まで放置状態だった。

北九州の玄関口としての役割を担っていたオリオンプラザ

オリオンプラザ第1ビルは1983年12月に開業。建物は地上5階建(商業フロアは1~3階、公共フロアは4階)、敷地面積は約2,140㎡、建築面積は約1,880㎡、延床面積は7,210㎡。
1984年9月に北九州地盤の総合スーパー「丸和折尾店」が開店。1985年12月に開業した西鉄折尾電停併設の「オリオンプラザ第2ビル」とともに北九州市の玄関口、折尾駅前の商業核としての役割を担った。

折尾電停。

しかし、2000年11月には西鉄北九州線が廃止。2004年から北九州市が推進する「折尾地区総合整備事業」に伴い、先行して2010年秋に折尾電停跡の第2ビルが解体、2013年11月に丸和が撤退するなど、建物の解体に向けた準備が行われていた。

丸和折尾店。

2020年3月までに殆どの店舗が撤退-4月閉鎖

オリオンプラザ第1ビルでは、2013年11月の丸和撤退後も商業フロアの一部店舗や東進衛星予備校折尾駅前校、公共施設が営業を継続していた。
しかし、駅前整備の一環として、2019年3月に東進衛星予備校が、2020年2月29日には北九州市立八幡図書館折尾分館がそれぞれ駅北側に移転。3月20日には北九州市交通局折尾駅前案内所がミスタードーナツ折尾ショップ跡地に移転、3月31日に八幡西生涯学習総合センター折尾分館が八幡西勤労青少年ホーム(フレッシュプラザ)に移転したため、一般住民を対象とした施設が建物内から消滅。4月28日には北九州市折尾総合整備事務所が移転したため、建物は完全に閉鎖状態となった。

再開発で買物難民の解消に期待

折尾駅周辺では2013年11月の丸和撤退以来、駅1km圏内のスーパーがサンリブ折尾(駅北側、国道199号線沿い)1店舗のみとなるなど、特に駅南側住民の買物環境が大きく悪化した。
2018年11月にはハローデイが八幡西区地域自治区会と提携し「おでかけ買い物バス」の運行を開始したが、依然として食品スーパーやドラッグストアを求める声が聞かれる。
2020年5月現在、オリオンプラザ跡地の具体的な活用方法について詳細は決定していないが、買物弱者問題の解決に結び付くような施設の開発が期待される。

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