大分県玖珠町の名産で九州各地で販売されるもろみ漬け「吉四六漬(きっちょむづけ)」が、2020年9月末で製造中止となる。
吉四六漬。
九州に根付いた「吉四六漬」
吉四六漬は1978年に玖珠町農協が製造を開始。パッケージイラストは大分県出身の漫画家・イラストレーター富永一朗氏が担当した。玖珠町を代表する特産品として同町の「一村一品」にも選ばれている。
販売される吉四六漬。
玖珠町農協は合併により玖珠九重農協(JA玖珠九重)となったのちも、定番の「胡瓜」「大根」「人参」以外に「椎茸」「セロリ」「こんにゃく」など大分県産野菜を中心に様々なバリエーションを展開することで観光客にも人気を集め、大分県・福岡県を中心として九州各地の百貨店やスーパーマーケット、駅、土産品店などで販売されるようになった。
JA統合のタイミングで終売-コロナ禍も影響か
吉四六漬の製造終了は、2021年度にJA玖珠九重がJAおおいたと合併するタイミングに合わせたもの。
吉四六漬は近年売り上げの減少が続いていたといい、地元紙・大分合同新聞によると最盛期の売り上げは約7億円であったが、2019年度は約1億円ほど。JAの大規模統合を前に事業整理に踏み切ったものと思われる。
さらに、吉四六漬は大分県内では土産品売場の定番商品であり、コロナ禍による土産品需要の減少も大きな影響を与えることになったことが推測される。
大分県の土産品売場で販売される吉四六漬。
なお、吉四六漬に類似する漬物としては、福岡県上毛町の二反田醤油店が製造し、福岡県豊前市・大分県中津市周辺で食べられているもろみ漬け「求菩提漬」がある。吉四六漬の味が恋しくなったならば、この求菩提漬を購入し、昔を懐かしむのも良いであろう。
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