高雄鐵路地下化展示館、2020年8月31日閉館-旧高雄駅舎、再び曳家へ

台湾・高雄市三民区にある旧・高雄駅舎を利用した「高雄鐵路地下化展示館」が、駅舎移設のため2020年8月31日に閉館する。

旧・高雄駅舎。

築80年の旧高雄駅舎、2度目の曳家へ

高雄駅は1900年に「打狗駅」として現在の高雄港駅跡の場所に開業。1920年に打狗が高雄と改名されたことに合わせて高雄駅と改称され、1941年に現在地へと移設された。
今回閉鎖される旧駅舎は駅移転にともない1941年に清水建設により建てられたもの。鉄筋コンクリートの建物に瓦屋根を乗せた和洋折衷の「帝冠様式」を採用しており、また、正面から見ると「高」の字を模していることが分かる。高雄港駅周辺は1944年以降の米軍による高雄大空襲の被害を受けたほか、高雄駅は1947年に228事件の舞台の1つとなり駅内にて多くの高雄市民が中華民国軍に殺害されるなど、様々な歴史の舞台となった。
旧駅舎は2002年に鉄道地下化工事のために仮駅舎が完成し、使用中止に。保存を求める声が多くあったことから、2003年に建物がレールに乗せられ、約82メートル曳家された。

高雄駅の工事フェンスに掲げられた曳家のようす。

その後、2013年からは鉄道地下化工事の進捗状況を伝える「高雄鐵路地下化展示館」として活用されていた。

展示館内のようす。

今回の旧駅舎閉鎖は、2018年10月に鉄道の地下化工事が完成したことによるもの。今後、旧駅舎は隣接地の高架道路を解体したのちに再び曳家され、新しいビルに囲まれた元の場所近くに移されることになる。
すべての工事が完成するのは、2023年8月の予定となっている。

完成予想図(高雄市)。

なお、台鉄の高雄駅では、高雄市が「打狗」から改名されて100周年であることを記念して、8月31日から高雄の古蹟や鉄道をテーマとした絵画展が開催されている。

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