宮下公園・ レイヤードミヤシタパーク、2020年7月28日開業-三井不動産の新ブランド商業施設「RAYARD」1号店

東京都渋谷区にある渋谷区立宮下公園のリニューアルが2020年7月28日に完成し、併せて下層部に三井不動産の複合商業施設「三井ショッピングパーク レイヤードミヤシタパーク(RAYARD MIYASHITA PARK)」が7月28日に開業した。

宮下公園・ミヤシタパーク。

なお、商業施設部分は7月28日から当面の間、事前予約制・入場制限を実施するほか、区画の半分ほど(「フードホール」など多くの飲食店)は8月4日の、ホテル部分は8月1日の開業となっている。

宮下公園、2度目の五輪に合わせて建替リニューアル

宮下公園は戦前に都市計画公園として一部が開園。開園当初は公園付近に旧皇族・梨本宮家の邸宅があり、公園一帯が宮下町と呼ばれていたため、地名に合わせて公園名が命名された。
現在のミヤシタパークの前身・渋谷区立宮下公園は1953年に全面開園したもので、1964年の東京五輪開催に合わせて施設の高架化(ビル化)工事を開始、1966年に東京都内初となる「屋上公園」として生まれ変わることとなった。なお、下層階は駐車場などとなった。
2011年4月には渋谷区とネーミングライツ契約(10年間)を締結したナイキ・ジャパンとの連携のもと、複合施設「宮下ナイキパーク」としてフットサル場やクライミングウォール、スケート場を整備する大規模リニューアルを実施した。その一方、市民団体によるナイキがおこなう整備事業への反対運動もあり実際には公園の名称変更は行わなかった。
さらに、老朽化による耐震化問題が明るみになったこともあり、渋谷区主導で「(仮称)新宮下公園等整備事業」が推進されることが決まり、2017年3月をもって公園を閉鎖。ナイキはネーミングライツ契約を中途解約していた。

三井不動産との連携で「ミクストユースな複合公園」に

ミヤシタパークの建物は地上18階地下2階建、南街区の商業棟は1~4階(15,922㎡)、北街区の商業棟は1~3階(10,649㎡)、ホテル棟は4~18階(240室)、敷地面積は約10,740㎡、延床面積は約46,000㎡、全長は約330mとなる。

宮下公園・ミヤシタパーク。

商業棟の運営は三井不動産商業マネジメント、ホテル棟の運営は三井不動産ホテルマネジメント、公園の運営は三井不動産と西武造園(西武鉄道グループ)の2社で構成する宮下公園パートナーズが担う。
開発コンセプトは「「あたらしい刺激や話題」と「快適さや居心地のよさ」の異なる 2 つの要素がボーダレスに混ざり合い、訪れるたびに新しいヒト・モノ・体験・文化に出会える場所。」施設は官民協働事業(PPP)の一環として、渋谷区と三井不動産が共同で開発したもので、渋谷区初となる立体都市公園制度活用事例となる。

新・渋谷区立宮下公園。スタバも出店する。

新装なった「渋谷区立宮下公園」は建物の4階部分にあたり、営業時間は8:00~23:00。「街・公園・商業施設の一体化」をめざし、公園と商業施設は多くの階段などで結ばれていることが特徴となる。
公園内には「フラグメント(fragment Design)」を主宰する藤原ヒロシ氏がプロデュースした「スターバックス」(48席)が出店。ボルタリング場スケート場多目的コートなどが設けられており、スポーツ施設の利用は9:00~22:00(受付は21:30まで)、ボルタリング場とスケート場の利用料金は2時間1000円(小中学生480円)で、渋谷区民は半額となる。
このほか、375台の駐車場が設けられる。

ラグジュアリーから屋台街まで90店舗が出店

ミヤシタパークの商業フロア「レイヤード ミヤシタパーク」には、日本初6店舗、商業施設初31店舗、新業態28店舗を含むを含む約90店舗が出店する。館内は複雑な構造であるが、各所にはエスカレーターや広場が配置されており、回遊しやすい仕組みになっている。

様々な場所に入口がある。

北街区の1~2階には世界初となる「LOUIS VUITTON」のメンズフラッグシップストアを始め、「GUCCI」「BALENCIAGA」「PRADA」「COACH」などのラグジュアリーブランドが出店。

北街区の下層階にはGUCCIなどが出店。
アートワークは横尾忠則氏。

とくにRonnie Fieg(ロニー・ファイグ)が手掛けるセレクトショップ兼ブランド「KITH(キス)」の日本国内初となるフラッグシップストアは特徴的なデザインとショーウインドウが目を惹く。

KITH。

3階は世界各国の料理が楽しめるグルメフロアとなっており、渋谷初となる都市型ワイナリー「渋谷ワイナリー」が出店する。 

北街区・3階。館内各所に昇降機があり、回遊しやすい構造に。

南街区1階には恵比寿駅近くにある「恵比寿横丁」を手掛けた浜倉的商店製作所が運営する産直食材・飲食店・コラボショップ街「渋谷横丁」、アディダスの旗艦店「Adidas Brand Center」が出店。横丁の並びには三井不動産グループの法人向け多拠点型シェアオフィス「ワークスタイリング」が設けられる。

南街区1階は北街区のブランド街と打って変わって「屋台街」の雰囲気。
そのコントラストが面白い。

南街区2階には鎌倉に本店を構えるgramのアクセサリー雑貨新業態「gram contemporary」や表参道に本店を構えるベーカリーカフェ「パンとエスプレッソとまちあわせ」、体験コーナーを併設した「キットカットショコラトリー」、土産品を扱う「THE SHIBUYA SOUVENIR STORE(ザ シブヤ スーベニア ストア)」などが出店。

南街区2階の吹き抜け。

3階FOODHALLには、米国ニューヨークに本店を構えるNYスタイルラーメン店日本1号店「KUROOBI(黒帯)」に加え、アメリカンチャイニーズ「PANDA EXPRESS(パンダエクスプレス)」やメキシカンファストフード「Taco Bell(タコベル)」、コカ・コーラボトラーズジャパンのモクテル専門店「VALUME」など多国籍店舗を中心に6店舗が出店する。

フードホール入口。

そのほか、3階には大人のスタジオジブリファン向けアメカジブランド「GBL」、米国カリフォルニア発祥のスムージー・ジュース専門店日本1号店「Jamba」や天狼院書店が手掛けるBOOK&CAFE「天狼院カフェSHIBUYA」、1995年創業のスケートボード専門店「instant skateboards」、高タンパク低カロリー料理専門レストラン「筋肉食堂」といった物販・飲食店舗が出店する。

館内各所にテラスも設けられる。

ホテルは三井不動産の新ブランド「シークエンス」

ミヤシタパークのホテル部分には、三井不動産ホテルマネジメントの次世代型新ホテルブランド1号店「sequence MIYASHITA PARK(シークエンス ミヤシタパーク)」が8月1日に開業する。

ホテル部分のシークエンス ミヤシタパーク。

シークエンス ミヤシタパークは施設コンセプトに「PARK MIND」を掲げ、誰もがリラックスして自由に過ごせる場所を目指すとしている。

当面の入場は予約制-公園は自由入場可能

開業当日となった7月28日は「入場予約制」となったため、それほど大きな混雑は起きなかった。
当面、入場にはウェブサイトからの予約をおこなう必要がある。そのため、商業施設の各フロアの入口には予約を確認する係員が配置されている。

当面は予約者のみ入館可能。

なお、4階の公園のみを利用する場合は予約せずに入場が可能となっている。その場合、当面は渋谷駅側の入口と直通エレベーターなど一部の入口からアクセスすることになる。

ミヤシタパーク(RAYARD MIYASHITA PARK)

住所:東京都渋谷区神宮前6丁目20番他
営業時間:公園は8:00~23:00/店舗ごとに異なる

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