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天満屋広島アルパーク店、2020年1月31日閉店-三井不動産系から大和ハウスに施設売却

広島県広島市西区のJR山陽本線新井口駅・広島電鉄宮島線商工センター入口駅に直結するショッピングセンター「アルパーク」の核テナント「天満屋広島アルパーク店」(アルパーク天満屋)が、2020年1月31日をもって閉店する。

アルパーク西棟・天満屋広島アルパーク店。

まもなく開業30周年を迎える「アルパーク」

アルパークは1990年4月に、広島市西部で進められた臨海部開発プロジェクト「広島西部開発事業」(商工センター)の商業核として、広島市や大手不動産ディベロッパー「三井不動産」、準大手ゼネコン「フジタ」(現在は大和ハウス傘下)など民間企業複数社により開業した。

アルパーク東棟。

アルパークの建物は地上10階地下2階塔屋2階建(東棟)、地上5階地下1階塔屋1階建(西棟)、地上8階地下2階塔屋2階建(南棟・駐車場)、地上4階建(北棟)、施設全館の店舗面積は約90,200㎡、延床面積は約197,400㎡。
2019年7月現在は、西棟に百貨店「天満屋」、東棟に食品スーパー「スパーク」(広電ストアマダムジョイ跡)、紳士服「ORIHICA」、セレクトショップ「WEGO」、ファストファッション「UNIQLO」「GU」「Gap」、ベビー服・ベビー用品店「アカチャンホンポ」、靴量販店「ABC-MART」、雑貨「無印良品」、100円ショップ「ダイソー」、アミューズメント「namco」など専門店約140店舗が出店。北棟には「フタバ図書アルティ」、「スーパースポーツゼビオ」、「109シネマズ」のほか飲食店4店舗、美容院が出店する。

アルパーク通り。

天満屋グループの広島における旗艦店だった

天満屋広島アルパーク店は1990年4月に「アルパーク天満屋」として開業。運営会社再編の一環により1997年に現在の店名となった。営業フロアは1~4階、売場面積は26,421㎡。
2012年3月の「天満屋広島八丁堀店」(現・天満屋広島八丁堀ビル)閉店後も、天満屋の広島市内における百貨店旗艦店として営業を継続していたが、競争激化による業績不振を理由に2020年1月31日をもって閉店することが決定した。

天満屋は広島八丁堀店も閉店済み。

天満屋グループが広島市内で営業する百貨店店舗は、安佐南区のJR可部線緑井駅前に位置する「天満屋緑井店」(緑井天満屋)1店舗のみとなる。また、アルパーク天満屋が管轄する山口県周南市の「アルパーク天満屋周南ショップ」の営業継続については現時点で発表されていない。

三井不動産、アルパークを売却-大和ハウス系の運営に

アルパークは開業時には中四国で最大の商業施設で、日本国内では数少ない「郊外型百貨店」を核に据えた広域集客型ショッピングセンターである一方、郊外ながら駅からペデストリアンデッキを通じて直結するなど、競合施設よりも交通アクセスにおいて高い優位性を備えていたことから、山口県東部からも集客していた。
アルパークは2000年10月に東棟を増床、2008年からの大規模改装により2009年4月には北棟を新設するなど、集客力の向上のために設備投資を続けたものの、2019年5月には三井不動産グループが「競合商業施設新規開業の影響による施設売上下落」「築年数経過による施設競争力維持のためコスト増加」を理由に西棟・東棟を大和ハウス工業に売却。施設の運営形態及び専門店の営業継続が不透明なものとなっていた。

競争激化するショッピングセンターー後継テナントは?

アルパーク周辺では、2015年6月にイズミのショッピングセンター「ゆめタウン廿日市」、2017年4月にイズミの生活提案型ショッピングセンター「LECT(レクト)」が相次ぎ開業。

LECT.

さらに、アルパークからは距離があるものの同じく山陽本線の駅と直結する「イオンモール広島府中」が2015年から2016年にかけて増床を実施し中四国最大となる延床面積約256,000㎡を有するショッピングセンターとなったほか、2018年4月にイオンモール初となるアウトレットブランド「THE OUTLETS HIROSHIMA(ジ・アウトレット 広島)」が開業するなど、イズミとイオンの大手2社によるショッピングセンター競争が激化している。
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2019年現在中四国最大のSC「イオンモール広島府中」。

アルパークは2019年現在も、中四国地方ではイオンモール広島府中、イオンモール岡山に次ぐ規模を有するが、開業から築30年近く経過。さらに、開業当初から営業を続ける西棟・東棟と大型専門店や映画館が入居する北棟が分断されているなど、施設の構造が時代の変化に対応しきれていないといった課題が存在する。

既存のアルパークと離れた位置にある「アルパーク北館」。

アルパークでは2019年7月現在、売却以前と同様に「三井不動産商業マネジメント」により「三井ショッピングパーク アルパーク」として運営が行われているが、11月下旬を目処に三井ショッピングパークカードでのポイント付与を終了することを天満屋の閉店発表に先行して告知している。
アルパークは今後も営業を続けるものの、段階的に三井不動産との関係を薄めていき、将来的には完全に大和ハウスグループによる運営に移行するとみられる。
競合施設に存在しない「百貨店」の撤退は集客力に影響を及ぼす結果となるか、また、これを機に天満屋以上の集客力を持つテナントを誘致することができるのか、今後の動きが注目される。

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イオンスタイル河辺、2019年8月9日開店-東急ストア・河辺とうきゅう跡

東京都青梅市のJR青梅線河辺駅前に、イオンの総合スーパー「イオンスタイル河辺」が2019年8月9日に開店する。

2019年4月に閉店した「河辺とうきゅう」

イオンスタイル河辺の前身となる東急ストアの「河辺とうきゅう」は、再開発ビル「河辺タウンビルA館」の核テナントとして2007年4月に開店。建物は地上5階建で、売場面積は11,021㎡、公益財団法人東京都都市づくり公社が所有する。

河辺とうきゅう。

東急ストアの開業当初は総合スーパー業態として営業を行っていたが、2013年12月の改装を機に直営売場を大幅に削減し、2階直営食品・日用品売場を主とする食品スーパー業態に転換、3階・4階の直営衣料・書籍・文具・玩具売場跡を「パシオス」「マックハウス」などの専門店フロアに刷新したが、2019年4月30日をもって完全閉店していた。

イオンスタイル河辺、食に加えて化粧品や衣料品も展開

イオンスタイル河辺の直営売場面積は約3,500㎡、専門店売場面積は約5,200㎡(A・B棟含む)。
同店舗は東急ストアの一部専門店とパート社員40名を引継ぎ、商品、サービス、売場環境を一新し開店するもので、近隣住民や駅利用者の需要に対応した店舗づくりを行う。
2階フロアの直営食品売場では、青梅市の老舗酒造会社「小澤酒造」(1702年創業)の澤乃井酒粕と青梅産の豚肉「青梅豚」を使った豚汁「御嶽汁」のフリーズドライや地元産野菜を展開。グローサラント型売場「ここdeデリ」では、和洋中惣菜約40種類を提供する「リワードキッチン」や店内製造のピッツァ、3種類のカレーなども提供する。
3階フロアでは、イオン直営のインナーカジュアルストア「IC」や美と健康の専門ショップ「グラムビューティーク」を展開する。

東急時代からのテナントに加え、4店舗が新規出店

イオンスタイル河辺には東急ストア時代からの専門店として、東急百貨店のベーカリー部門として創業した「サンジェルマン」、イオングループの靴量販店「ASBee fam.」、100円ショップ「ダイソー」、書店「文教堂」、手芸用品店「クラフトハートトーカイ」など20店舗が引続き出店するほか、8月23日には新たな専門店として雑貨店「HIDE&SEEK」、眼鏡店「メガネフラワー」、とんかつ「かつ良」、釜揚げ讃岐うどん「きぬさ屋」の4店舗が新規出店する。

イオンスタイル河辺のテナント一覧
1階
  • ほっ!と保険(保険)
  • リンガーハット(ちゃんぽん)
  • かつ良(とんかつ)
  • 釜揚げ讃岐うどん きぬさ屋(うどん)
  • ハロースミス(合鍵・靴修理)
  • おしゃれ工房(洋服・バックお直し)
  • マミークリーニング(クリーニング)
  • 宝くじチャンスセンター(宝くじ)
  • ドコモショップ(携帯電話)(別館)
  • ロッテリア(ハンバーガー)(別館)
2階
  • サンジェルマン(ベーカリー・カフェ)
  • 文明堂(和菓子)
  • 伊藤園(お茶)
  • うおひで(魚惣菜)
  • 日本一(やきとり)
3階
  • ASBee fam.(靴)
  • シ・エ・ル(美容室)
4階
  • 文教堂(書籍)
  • クラフトハートトーカイ(手芸)
  • ダイソー(100円均一)
  • ハイド&シーク(雑貨)
  • メガネフラワー(眼鏡)
  • セイハ英語学院(教室)
  • ニットソーイングクラブ(洋裁教室)
イオンスタイル河辺

住所:東京都青梅市河辺町10丁目7番1号
営業時間:9時~22時(食品)
営業時間:9時~19時(イオン薬局、土日祝は18時まで)
営業時間:9時~21時(iC、グラムビューティーク)

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プラザ大手筋、2019年8月7日閉店-業務スーパーは7月28日に閉店、コマストアー・西友時代から50年の歴史に幕

京都府京都市伏見区の伏見大手筋商店街近くに位置する商業施設「プラザ大手筋」が、2019年8月7日をもって閉店する。

プラザ大手筋。

伏見大手筋で最も歴史のある大型店、50年の歴史に幕

プラザ大手筋は1968年10月に、関西地盤の総合スーパー「コマストア伏見店」として開業。建物は地上5階地下1階建、店舗面積は4,153㎡。1971年にコマストアが西友傘下となったのち「西友伏見店」となり、1978年に開業した「ニチイ伏見店」(現・イオン伏見店)とともに伏見大手筋商店街の商業核としての役割を果たしていたが、西武セゾングループの経営悪化や六地蔵エリアへの競合店進出、建物の老朽化もあり1998年8月をもって閉店していた。
西友の閉店を機に現在の施設名に改称、ベストグループの「プラザ大手筋食鮮館」、関西地場大手家電量販店「和光デンキ」、100円ショップ「ザ・ダイソー」といった大型専門店3店舗により構成されるショッピングセンターとして営業再開した。

プラザ大手筋開業当初から残るダイソー伏見プラザ大手筋店。

プラザ大手筋として営業再開した当施設であるが、主要テナントの1つであった和光デンキが経営不振(のちに民事再生法適用、廃業)に伴い1年ほどで撤退。プラザ大手筋食鮮館は2000年に経営母体であったベストグループ(現在のユナイテッドベジーズ、ローソンストア100など)の解体に伴い、店舗の運営主体が「シートゥーネットワーク」、青果・精肉部門の運営主体が「オーエムツーネットワーク」に分離。その後、2003年にシートゥーネットワーク運営の大手食品スーパー「つるかめランド」に業態転換したが、同社の英国テスコ傘下入りによる首都圏特化、不採算店閉鎖の方針により2008年をもって閉店していた。
そのため、プラザ大手筋では2009年9月の1階への業態スーパー出店まで高層階(3階4階)のテナントのみ営業する状態が1年以上続くなど、入居テナントの移り変わりが激しい商業施設であった。

業務スーパーは移転検討、建物の跡地活用については未定

プラザ大手筋には2019年現在、京都地盤の老舗酒店「奥田商店」が運営する生鮮食品スーパー「業務スーパー&酒のケント」(2009年9月開店)、低価格衣料品店「オンセンド」、100円ショップ「ダイソー」の3店舗が営業するが、業務スーパーは7月28日に閉店、オンセンドとダイソーは8月7日に閉店することを発表しており、同施設は50年の歴史に幕をおろすとみられる。

業務スーパー&酒のケント大手筋店。(2009年9月開店)

業務スーパーは現店舗近隣への再出店を検討しているが、移転先については公表していない。プラザ大手筋の跡地活用について現時点では明らかにされていないが、解体するものとみられる。

業務スーパー・オンセンド・ダイソーの閉店告知。

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DON DON DONKI クラークキーセントラル店、2019年8月1日開店-ドンキ、ルミネが出店する「セントラル」に出店

シンガポール共和国の複合商業施設「Clarke Quay Central」(Central)に、PPIHグループのドンキ新業態店舗「DON DON DONKI クラークキーセントラル店」が2019年8月1日に開店する。

Clarke Quay Central.

当初はパルコ運営、現在はルミネも入居する「Central」

DON DON DONKIクラークキーセントラル店が出店する「Clarke Quay Central」は2007年開業。建物は地上5階地下1階建で延床面積は約29,752㎡、地場大手不動産ディベロッパー「Far East Organization」が所有する。
開業当初、ファッションビル「パルコ」(PARCO(Singapore)Pte Ltd)が運営を手掛けていたことから、キッコーマン傘下の日系スーパー「ヤマカワ」(山川、Yamakawa Supermarket)、居酒屋「和民」、抹茶カフェ「辻利」、「麻布茶房北海道アイスクリーム」、「らーめん山頭火」といった日本ブランド、温泉を意識した公衆浴場「Ikeda Spa Prestige」(池田スパ)など日系専門店が多数出店していた。
2009年のパルコ運営撤退後も日系企業を中心とした商業ビルとなっており、2017年11月には2階フロアにJR東日本グループのファッションビル「ルミネシンガポール」が開業するなど、2019年現在も日本色が強い商業施設となっている。

DON DON DONKIの新業態、レストラン一体型店舗に

DON DON DONKIクラークキーセントラル店は、Clarke Quay Centralの地下1階に出店。売場面積は1,139㎡。DONDONDONKIとしてはシンガポール共和国内5店舗目。(Sweet potato factory業態除く)
同店舗では「レストラン一体型店舗」として、生鮮4品(青果・鮮魚・精肉・惣菜)や酒売場、化粧品専門コーナーに加え、焼き芋メニューを提供する「Sweet Potato Factory」(DONDONDONKI店内初)やフードコートを導入、イートインスペースも併設する。フードコートには北海道スイーツカフェダイニング「HOKKAIDO MELT」や牛丼専門店「SUGIMOTO BONTA」、「シロイトンカツ」など、シンガポール初進出の日本食テナント6店舗が出店することから、PPIHグループは「日本の食文化だけでなく、新商品の情報発信とワクワクドキドキするお買い物の楽しさを体現できる店舗を目指す」としている。
Clarke Quay Centralの地下1階には開業以来長らく、日系スーパー「ヤマカワ」が営業していたが、サンテックシティモールの系列店舗を含めて2018年までに全店閉店していた。同施設へのDONDONDONKI出店により、約1年ぶりに日本食を取扱うスーパーが復活することとなった。

DON DON DONKI クラークキーセントラル店

住所:6 Eu Tong Sen Street, The Central,Singapore 059817
営業時間:24時間営業

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東急百貨店東横店、2020年3月31日閉店-再開発で

東京都渋谷区の渋谷駅に直結する百貨店「東急百貨店東横店」が、再開発のため2020年3月31日に閉館する。

東急百貨店東横店。

東京初の本格的ターミナル百貨店、86年の歴史に幕

東急百貨店東横店は1934年11月に東京初の本格的ターミナル百貨店「東横百貨店」(のちの東館)として開業。1951年には改装により「東横のれん街」と屋上ロープウェイ「ひばり号」を新設した。のちにロープウェイは撤去されている。
さらに、1954年に玉電ビルに増床するかたちで劇場「東横ホール」(1985年閉館)を目玉とした西館を、1966年に南館を開業させ、1967年の白木屋改名に合わせて「東急百貨店東横店」となった。

東急百貨店東横店南館。

売場面積は31,543㎡であったが、渋谷駅再開発のため2013年3月に東館を閉館。「東急のれん街」は渋谷マークシティへと移転している。また、2012年には渋谷ヒカリエに東急百貨店の売場である「ShinQs」(シンクス)も開業している。

渋谷スクランブルスクエアに専門店出店

東急百貨店東横店の閉店は再開発のため。
今後、東急東横店は地階食品売場など一部のみで当面営業。また、隣接地において2019年11月に開業する「渋谷スクランブルスクエア東棟」に東急百貨店の売場として化粧品、ファッション雑貨を扱う「+Q」(プラスク)、セレクトショップ「428-224」(シブヤ224)、食品コーナー「東急フードショーエッジ」などを出店させる。

渋谷スクランブルスクエア東館。

東急百貨店東横店の跡地には、2027年の完成を目指して「渋谷スクランブルスクエア西棟」などが建設される予定となっている。

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ニコニコ本社・ニコファーレ、2019年7月31日営業終了-イベントスペースは11月開業のハレザ池袋「ハレスタ」に移転

KADOKAWA傘下の「ドワンゴ」は、同社直営の複合施設「ニコニコ本社」及びイベントスペース「ニコファーレ」を2019年7月31日をもって営業することを発表した。

ニコニコ本社が入居するP’PARCO。

ニコニコ本社、(原宿)時代から8年の歴史に幕

ニコニコ本社は2010年12月に、動画共有サイト「ニコニコ動画」(現・niconico)の複合施設として、東京都渋谷区神宮前に開業。建物は地上2階地下2階建。2011年4月の全面開業時には、公式ショップ「ニコニコショップ」やカフェ「TEA ROOM 2525」、ニコニコ生放送が配信可能な「サテライトスタジオ」を併設していたが、東京都豊島区東池袋の池袋駅に隣接するファッションビル「P’PARCO」(ピーダッシュパルコ)への移転に伴い2014年1月をもって営業終了していた。原宿のニコニコ本社跡は2019年現在、セレクトショップ「スピンズ」の2.5次元提案型業態「2.5SPINNS」として営業が行われている。
現在のニコニコ本社は、2014年10月にP’PARCO地下1階の一部と地下2階全フロアに開業。コンセプトに「ニコニコを365日かけて地上に再現する」を掲げ、原宿時代と同様に公式ショップやカフェ「nicocafe」が営業、サテライトスタジオ「ニコぶくろスタジオ」を併設するほか、イベントスペースも設置していた。
今回の営業終了に伴い、ニコニコ本社は原宿時代から8年の歴史に幕をおろすこととなった。

六本木ニコファーレも営業終了

ニコファーレは2011年7月に、動画共有サイト「ニコニコ動画」直営のイベントスペースとして、エイベックスグループのディスコ「六本木ヴェルファーレ」(2007年閉館)跡地に建設が進められたセントラム六本木ビル(現・ラウンドクロス六本木)地下1階に開業。ニコファーレは「ネットとリアルが融合する次世代ライブ空間」を掲げ、アイドルグループやVtuberによる各種イベント、ゲーム関連イベント、アニソンDJイベントの開催を特徴としていたが、ニコニコ本社の営業終了に合わせて同施設も8年の歴史に幕をおろす。

ハレザ池袋に後継施設-物販・カフェの存続は未定

ドワンゴは2019年11月に、旧豊島区役所跡地で建設が進められている複合施設「Hareza池袋」(ハレザ池袋)ホール棟の豊島区立芸術文化劇場「東京建物Brillia HALL」に後継施設「ハレスタ」を開設する。

ハレザ池袋。

一方で、2017年当時計画されていたニコファーレの施設名存続及びニコニコ本社が有していた物販・カフェ店舗の導入について現時点では未定となっている。

ハレスタのイメージ。

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フローリッシュタテマチ、2019年7月から解体-旧長崎屋・金沢テミス、ザイマックスが再開発へ

石川県金沢市の竪町商店街(タテマチストリート)にある商業施設「フローリッシュタテマチ」(旧・長崎屋金沢店OFF館、金沢テミス)の解体工事が2019年7月16日に開始された。
フローリッシュタテマチ(旧・長崎屋OFF館、金沢テミス)。

2館体制の大型総合スーパー「長崎屋」として開業

長崎屋金沢店は1969年10月に開店。1986年からは総合スーパー業態の「長崎屋金沢店生活館」とディスカウント業態の「長崎屋金沢店OFF館」の2館体制で営業を行っていたが、北陸鉄道石川線西泉駅近くへのショッピングセンター「長崎屋ラパーク金沢」(1993年10月開業)出店に伴い2館とも1993年までに閉店、生活館は同年中に解体されていた。

長崎屋金沢店OFF館。

北陸初の専門店が多くあった「テミス」

長崎屋OFF館の閉館後は日本総合企画グループが再生し、新たな商業施設「金沢テミス」(アメリカンマインドテミス)が1993年11月に開業した。
当施設には「ディズニーストア」、「タワーレコード」、「アニメイト」が北陸初出店。富山地盤のジーンズ・カジュアル衣料専門店「アメリカンスクエアマツヤ」やタカラグループの大型アミューズメント施設「タカラ島」も入居するなど、竪町を象徴する施設の1つとなっていた。
しかし、竪町商店街のユニー跡地に「金沢パティオ」が2007年4月に開業。「金沢ベルセル」がサブカル系に特化した大規模改装を2008年3月に実施したことで有力テナントが流出、さらに2009年には運営する日本総合企画グループが民事再生法を適用し倒産しており、近年は空きフロアが目立っていた。
日本総合企画グループの倒産後、当施設は「フローリッシュビル」に改称し、一部店舗が営業を継続していたが、セレクトショップ「SPINNS」のパティオ移転により閉館していた。
建物は地上7階建地下1階建であった。

不動産大手「ザイマックス」が所有するも跡地活用は未定

当施設は2019年7月現在、不動産大手「ザイマックスグループ」が所有しており、同社により委託を受けた解体業者により2020年6月30日までに解体工事を完了する予定。
ザイマックスグループは商業施設やオフィスの管理・運営のほか、宿泊特化型ホテル「からくさホテル」を展開するが、当施設の跡地活用については発表していない。

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イオンモール川口、2021年春再開業-建替前の約2倍に

建て替えをおこなっていた埼玉県川口市のショッピングセンター「イオンモール川口」が、2021年春に再開業する。

(仮称)イオンモール川口の施設外観イメージ。

「グリジャ」として親しまれたイオン、約3年ぶりに復活

イオンモール川口は1984年4月に、ジャスコ(現・イオン)と三菱商事の合弁会社として設立された「ダイヤモンドシティ」の首都圏1号店「川口グリーンシティ」(通称:グリジャ)として開業。運営会社再編に伴い2007年9月に施設名を「イオンモール川口グリーンシティ」に改称、ブランド名変更に伴い2011年10月に現在の名称に改称した。建物は地上3階建(一部6階建)で総賃貸面積は約34,000㎡、敷地面積は約49,900㎡、延床面積は約54,000㎡、施設所有者はサイボー(旧 埼玉紡績)株式会社。

イオンモール川口。

イオンモール川口は長らく地域最大規模の商業施設として営業を続けていたが、2000年11月にグループの「ダイヤモンドシティ・キャラ」(現・イオンモール川口前川、サイボー所有)が1kmほどの距離に開業、その後もセブン&アイHDの「アリオ川口」や三井不動産グループの「ララガーデン川口」など競合施設が相次ぎ進出したことから、建替えのため2018年8月31日をもって閉店していた。

旧施設時代の約2倍、イオンモール川口前川に迫る規模に

イオンモール川口跡地に建設予定の新施設「(仮称)イオンモール川口」は2021年春に開業予定。総賃貸面積は約59,000㎡、敷地面積は約78,000㎡、延床面積は約125,000㎡。
施設規模は建替前の約2倍になり、近隣のイオンモール川口前川に匹敵するものとなる。新施設はコンセプトに「“CITY”から“PARK”へ 川口GREEN PARK」を掲げており、施設を運営するイオンモールは「公園(PARK)のような心地よい環境の中で、日々の暮らしを支えながら、新たなニーズを満たす多様なコンテンツを展開し、地域の皆さまに愛される商業施設を創造してまいります」とコメントしている。

(仮称)イオンモール川口

住所:埼玉県川口市大字安行領根岸字外谷田3180番地外

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バロー淡路店、2019年7月19日開店-大阪市内初のバロー、淀川キリスト教病院跡地に

大阪府大阪市東淀川区の阪急淡路駅近くに、中堅スーパー「バロー」(岐阜県多治見市)の大阪市初となる店舗「バロー淡路店」が2019年7月19日午前9時30分に開店した。
バロー淡路店。

東海地方地盤の有力スーパー「バロー」、大阪市内初出店

バロー淡路店は、淀川キリスト教病院旧本館(柴島駅前に2012年移転)跡地に出店。建物は平屋建で、敷地面積は6,727㎡、建築面積は3,135㎡、売場面積は約2,032㎡、延床面積は約2,993㎡、駐車場台数は70台。
同店では生鮮3品に加え、中部フーズの惣菜売場、北欧倶楽部のインストアベーカリーを導入するほか、コンセント及びUSBを備えたイートインスペースを併設。オープン特別営業期間を除き、原則として折込チラシの配布を実施しない「エブリデイ・ロープライス(EDLP)」型の店舗運営を行っている。

積極的拡大で脚光のバロー、大阪にも本格展開なるか

バローは1958年に主婦の店恵那店として岐阜県恵那市で創業。のちにバローに改名し、本社を岐阜県多治見市に移した。
バローはかねてから、店舗運営のローコスト化や自社開発商品「Vセレクト」に強みを持ち、東海地方地盤の食品スーパーとしては売上高首位を獲得。近年は「新日本スーパーマーケット同盟」の結成やホームセンター大手「ダイユー・リックHD」(現・アレンザHD)株の子会社化など、積極的に事業拡大を進めることでも脚光を浴びており、東海地方以外の店舗も増えつつある。
その一方で、同社は2016年10月の大阪府内1号店「バロー寝屋川店」開店から、2019年4月の「バロー高槻店」開店までの約2年半、食品スーパーの新規出店を実施していなかった。
近年は東海地方でショッピングセンターも手掛ける。

今回同社が店舗を新設した阪急淡路駅周辺では、大阪市主導による「淡路駅周辺地区土地区画整理事業」が進められており、2019年3月にはJRおおさか東線全線開通に伴い「JR淡路駅」が開業、2028年を目処に阪急淡路駅が高架化を予定するなど、将来有望な地域として注目を集めている。
一方で、阪急淡路駅周辺では以前より、西口正面の淡路本町商店街に衣料専門百貨店「キリンド」や総合スーパー「イズミヤ」が出店、東口には区画整理事業に合わせて移転した「阪急オアシス」「アカシヤ」が出店するなど、地域有数の商業集積地として大型店が飽和状態にある。
淡路駅前の既存店にみられない利便性の高い平面駐車場を備え、毎日低価格を謳う東海地方食品スーパーの雄・バローが、価格に敏感な地域住民に受け入れられるかどうか、そして大阪での本格出店開始となるのかどうか、今後に注目したい。

バロー淡路店

住所:大阪府大阪市東淀川区淡路二丁目9 番2号
営業時間:午前10時~午後9時(平日)
営業時間:午前9時30分~午後9時(土・日曜日、開店3日間)

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MEGAドン・キホーテUNY太田川店、2019年7月30日開店-ラスパ太田川の核、ピアゴ跡に

愛知県東海市の名鉄河和線太田川駅及び駅前に位置するショッピングセンター「ラスパ太田川」の新たな核テナントとして、総合ディスカウントストア「MEGAドン・キホーテUNY太田川店」が2019年7月30日午前8時に開店する。
MEGAドン・キホーテUNY太田川店。

太田川駅高架化に伴う再開発で開業した「ラスパ」

ラスパ太田川の前身となるユニーグループの総合スーパー「西川屋大田川店」は1970年3月に開店。1971年2月に運営会社再編の一環として店舗名を「ユニー大田川店」に改称し、30年以上営業を継続していたが、愛知県主導の「太田川駅付近連続立体交差事業」及び近隣への新店舗(アピタ東海荒尾店)開設に伴い2002年8月をもって閉店していた。
ユニー大田川店跡地は2003年6月以降、ユニーから敷地を借り受けた市民出資の株式会社「どんでん」により、商業施設併設の多目的イベント広場「どんでん広場」として暫定利用されていたが、鉄道施設高架切替及び契約期間満了に伴い2012年12月をもって閉店。敷地の一部を所有するユニーにより2013年6月、地域密着型ショッピングセンター「ラスパ太田川」として再開発することが決定し、2014年4月に着工、2015年3月に再開業していた。

ラスパの核、ピアゴからドンキに-北館専門店も大幅縮小

ラスパ太田川北館は地上2階建、南館は地上3階建(3・4階及び屋上は駐車場)、駅館は地上3階建(営業フロアは1階のみ、2・3階は名鉄太田川駅)、全館の営業面積は13,900㎡、敷地面積は20,000 ㎡、延床面積は29,300 ㎡。
開業以来、ユニーの総合スーパー「ピアゴ太田川店」(サークルKサービススポット併設)を核に、ドラッグストア「マツモトキヨシ」、ストライプのレディスファッション「green parks topic」、大型家具・インテリア専門店「ニトリ」、100円ショップ「ダイソー」、夢屋書店を前身に持つ「BOOKS えみたす」、シアトルコーヒーショップ「スターバックス」などのテナントが営業していたが、ドンキへの業態転換のため2019年6月16日をもってユニー直営売場を閉店、ラスパ北館専門店街のテナントも大幅縮小していた。(一部テナントは南館に館内移転)

ドンキは愛知県27店舗目

MEGAドン・キホーテUNY太田川店の建物は地上3階建、営業フロアは1・2階部分のみ、直営売場面積は4,792㎡。当初、ユニーの100%子会社として設立された「UDリテール」が運営する。
ドンキとしては愛知県内27店舗目で、ユニー・ドンキ双方のブランドを冠したダブルネーム店舗としては愛知県内8店舗目となる。
ピアゴ時代と同様に生鮮食品を取扱うほか、店舗周辺に名鉄太田川駅や高校、大学が立地することから、スマホパーツやカラーコンタクトなどの品揃えも強化する。

ラスパ太田川・MEGAドンキUNY太田川店のテナント一覧
南館1階
  • 太田川駅前デンタルクリニック(歯科医院)
  • 保険コンパス(保険相談)
  • パリス・デ・スキン(脱毛・エステ)
  • アバディーン(生活雑貨)
  • グリーンパークストピック(レディス)
  • シュープ・アニュー(美容室)
  • スターバックスコーヒー(コーヒーストア)
  • BOOKSえみたす(書籍)
  • アミューズメントパーク(アミューズメント)
  • ダイソー(バラエティショップ)
  • JTB提携店 日本観光社(トラベル)
南館2階
  • ニトリ(家具・インテリア)
  • つるべや(丼・うどん)
  • スガキヤ(ラーメン・甘味)
  • セイハ英語学院(子ども英会話教室)
  • パパイヤ式セイハダンスアカデミー(ダンス教室)
  • 小学館の幼児教室 ドラキッズ(幼児教室)
  • カワイミュージックスクール(音楽教室)
北館1階
  • パソコン教室かるん ラスパ太田川教室(パソコン教室)
  • 米乃家(団子・鯛焼き・たこ焼き)
  • 知多信用金庫(ATM)
  • 碧海信用金庫(ATM)
  • 十六銀行(ATM)
  • クリーニングの白英舎(クリーニング)
駅館1階
  • マツモトキヨシ(ドラッグストア)
  • さかなや道場(居酒屋)
  • BOOBY‘S BRITISH PUB(カフェダイニング)
  • 太田川にこにこ餃子(居酒屋)
MEGAドン・キホーテUNY太田川店

住所:愛知県東海市大田町下浜田102番1
営業時間:午前8時~翌午前0時

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