「無印良品」を展開する大手雑貨店「良品計画」(本社:東京都豊島区)は、大手コンビニ「ローソン」(本社:東京都品川区)での自社ブランド商品実験販売を2020年6月17日に開始した。
ローソンの店舗。
創業以来ファミマと提携していた無印良品
無印良品は1980年12月に、西武セゾングループの中核企業であった総合スーパー「西友ストアー(現・西友)」のプライベートブランド(PB)として誕生。1989年6月に西友全額出資の完全子会社として現在の運営会社(良品計画)が設立された。
ブランド発足以来長らく、無印良品と同様に西友を母体として創業した大手コンビニ「ファミリーマート」と提携関係にあり、セゾングループ解体後もファミマ各店舗に無印良品コーナーを設けるなど商品の取扱いを継続していたが、2019年1月をもって39年間の提携関係に幕をおろしていた。
ローソンと提携、今後は商品の共同開発も
良品計画は、同社が無印良品で販売中の約7,000品目のうち、生活に密着した肌着・靴下・化粧水・文具・レトルトカレーといった商品群約500品目を東京都内のローソンで実験的に販売する。
実験販売の対象店舗は都内3店舗、期間は約3ヶ月間にとどまるが、将来的には両社による商品の共同開発等を見据えているとしており、取扱店舗の拡大も検討段階にあるという。
ローソンは2020年現在、三菱商事の傘下となっている(株式の50パーセントを保有)が、無印良品も三菱商事が株式の約3.8パーセントを保有する大株主となっている。
両社双方が「Win-Win」の関係に?
ローソンは2020年春にPB商品「ローソンセレクト」を「L Basic」「L marche」に再編、ロゴデザインやパッケージを刷新するブランド再構築を推し進め、賛否両論を巻き起こしている。良品計画との提携は、ローソンによるPB改革の延長線上にあるものとみられる。
良品計画も都市部での旗艦店「無印良品 銀座」や駅ナカ駅チカ特化業態「MUJI com」の出店に合わせて、地方都市(上越市・鹿児島市など)での大型店出店計画やネット通販での販路拡大を推し進めているが、全国47都道府県に約16,000店舗を展開するファミマとの提携関係にあった当時と比べ取扱店舗数が大きく減少したため、代替となる販路の確保が課題となっていたとみられる。
無印良品コーナーを併設したコンビニ。
競合するセブンイレブンは、無印良品と同様に旧・セゾングループを母体に持つ生活雑貨店「ロフト」のオリジナル商品「by LOFT」を一部店舗で取扱うなど、コンビニ各社による雑貨強化の動きがみられており、ローソンと良品計画の提携は競合他社との差別化や販路拡大など両社双方にメリットがみられる。
「無印良品」商品を実験販売するローソン都内3店舗
- ローソン久が原一丁目店(6月17日販売開始)
- ローソン新宿若松町店(6月18日販売開始)
- ローソン南砂二丁目店(6月19日販売開始)
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