カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

イズミヤ茨木店、2020年8月2日閉店-茨木ショップタウンの衣料スーパー、再開発を前に

大阪府茨木市のJR茨木駅西口にペデストリアンデッキを通じて直結する「茨木ショップタウン」の核店舗「イズミヤ茨木店(fratto茨木店)」が、2020年8月2日午後6時をもって閉店する。

イズミヤ茨木店。

茨木駅前の「衣料品専門イズミヤ」、50年の歴史に幕

茨木ショップタウンは、1970年3月に住友商事グループが大阪万博に合わせて整備した複合商業施設として国鉄茨木駅(当時)駅前に開業。建物は地上10階地下2階建、店舗面積は2,900㎡。
核店舗のイズミヤ茨木店は1974年8月に別館(地上4階地下1階建)を新設するなど、長らく駅前随一の規模を持つ総合スーパーだったが、2001年9月をもって別館を閉鎖、ショップタウン1~2階に売場を再び集約していた。
その後、2010年12月に2階直営衣料品売場をイズミヤのカジュアル衣料新業態「fratto」1号店に刷新、あわせて100円ショップ「meets.」を導入する大規模リニューアルを実施した。
イズミヤ茨木店。

茨木ショップタウンを含めたJR茨木駅西口では、2015年頃から再開発構想が持ち上がっており、イズミヤの閉店はそれを見越したものであると思われる。
2020年7月時点では、イズミヤ跡の活用方法については未定となっているが、同店のテナントとして入居するmeets.は当面営業を継続する予定。JR茨木駅周辺のH2Oリテイリング(阪急阪神百貨店)系スーパーは「阪急オアシス茨木駅前店」(2020年7月10日建替リニューアル)、イズミヤの衣料品専門店はくずはモール店、それぞれ1店舗のみとなる。

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レナウン、2020年7月末前後に多くの店舗が閉店-シンプルライフ・アーノルドパーマーなど人気店も、今後の状況は不明

2020年5月15日に民事再生法の適用を申請し倒産したアパレル大手「レナウン」(東京都江東区)の店舗の閉店が相次いでいる。
大手百貨店や総合スーパーでも、館内全ての「シンプルライフ」「アーノルドパーマー」「ダーバン」などの人気ブランドを7月末までに全店閉店する例が増えていることが都商研の取材でわかった。

シンプルライフ。

5月に倒産したレナウン、殆どの店舗が営業続けていた

レナウンは1902年に大阪で「佐々木商会」として創業。1923年に英国の巡洋艦「レナウン」に因んで改名された。同社は全国の百貨店や総合スーパーに「アーノルドパーマー(Arnold Palmer)」や「ダーバン(D’URBAN)」「インターメッツォ(INTERMEZZO)」「シンプルライフ(Simple Life)」「通勤快足」など多くのブランドを展開していたが、2010年には中国の繊維企業「山東如意科技集団有限公司」(山東省済寧市)の傘下となったのち、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け2020年5月に倒産していた。負債総額は約138億円であった。
その一方で、同社はその後も殆どの店舗の営業を継続。商品の殆どを大幅割引することで多くの客を集め、再建へと踏み出した。

レナウン本社が入居する有明・TFTビル。

「秋服の入荷は未定」-見切りをつけて閉店か

レナウンは経営破綻時には大規模な店舗閉鎖などを発表していなかったものの、当初6月中に決めるとしていた再建スポンサーの選定が難航しているものとみられ、2020年7月以降は店舗の閉店が急増した。
閉店は百貨店内のみならずイオンモール、ヨーカドー系のショッピングセンター内ともに相次いでおり、なかには館内にあるレナウン系列の人気ブランドショップ全てを閉店させる例もみられるようになった。

ダーバン。

8月以降も営業を続けるというあるレナウン店舗スタッフは都商研の取材に対して「倒産以降、レナウン側からの連絡が殆どない」「秋服が入荷されるかさえ分からない」と述べたほか、ある百貨店は「各ブランドは8月以降も営業を続けるが今後の状況については百貨店側も分からない」としており、大型店側も見切りをつけて全店閉店に踏み込んだ事例が多いものと思われる。
レナウンは2019年時点で約2000店を展開していたが、7月末前後に閉店したレナウン系列店舗は数百店に上るものとみられる。
秋以降、レナウン系列の各店舗が現在のまま営業を続けられるかどうかは不透明な状況となっている。

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とらのあな仙台店・横浜店・町田店・京都店、2020年8月閉店-1年で約半数が閉店に

東京都千代田区秋葉原に本社・本店を置く大手漫画・同人誌専門店「虎の穴(コミックとらのあな)」は、宮城県仙台市の「とらのあな仙台店」、東京都町田市の「とらのあな町田店」、神奈川県横浜市の「とらのあな横浜店」、京都府京都市の「とらのあな京都店」4店舗を2020年8月中に閉店させる。

とらのあな横浜店のシンボル的存在・うみみ。

とらのあな、1年ほどで店舗半減

とらのあなは2019年には大須店・湘南藤沢店・宇都宮店2020年2月には立川店6月には三宮店・静岡店を、7月には新潟店・福岡店をそれぞれ閉店。僅か1年程度で12店が閉店することとなった。
同社は地方店舗を中心に大規模な店舗整理・定休日新設を含む営業時間の短縮を相次ぎ打ち出していたが、ネット通販の拡大に加えて新型コロナウイルスの感染拡大やそれに伴うコミケの中止の影響は非常に大きかったと考えられる。8月からはさらに営業時間を短縮する店舗も発表されている。

とらのあな福岡店。

とらのあなでは、今後「とらのあな出張所 豊橋店」で実施している他社との連携などによる「IN SHOP」展開、クリエイターから直接作品を配送する「C to C」サービスの匿名配送を開始する予定であるなど、実店舗閉店を補完するための事業を進めていくとしている。

とらのあな京都店。

2019年時点では20店舗以上を構えていたとらのあなであるが、2020年9月からの店舗は札幌店・大宮店・千葉店・秋葉原店(A・B・C・ラジオ会館出張所)・新宿店A・池袋店・名古屋店・豊橋出張所・なんば店(A・B)・梅田店・岡山店・広島店・台北店の12店舗16館(出張所含む)となる。

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東戸塚西武、2020年8月に「人気声優」起用のキャンペーン-店内放送やプレゼント企画も、全館新装に合わせて

神奈川県横浜市戸塚区の東戸塚駅前にある百貨店「西武東戸塚S.C.」(西武百貨店東戸塚店/東戸塚西武)で、2020年8月1日から8月30日まで「夏を彩るSpecial Voiceプレミアムインフォメーション!」と題し、人気声優を起用したキャンペーンが実施される。

人気声優4名を起用-声優のサインプレゼントも

今回、店内放送に起用される声優は、アニメ「ダンベル何キロ持てる?」の肩にちっちゃい重機を乗せている肉のお兄さん・街雄鳴造役などで知られる石川界人さん、ゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」の土と向き合うアイドル・藤原肇役などで知られる鈴木みのりさん、アニメ「ドラゴンボールシリーズ」のブルマ大好きマン・ヤムチャ役などで知られる古谷徹さん、スクールアイドル「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」のスヤァ…な転入生・近江彼方役などで知られる鬼頭明里さんの4人。

「西武東戸塚S.C. 夏を彩るSpecial Voiceプレミアムインフォメーション!」キャンペーン告知(そごう・西武ウェブサイトより)。

放送期間は8月1日から31日で、スケジュールは以下のとおり。
各週1時間に1回程度放送される予定となっている。

  • 8月1日(土)~9日(日):石川界人さん
  • 8月10日(月)~16日(日):鈴木みのりさん
  • 8月17日(月)~23日(日):古谷徹さん
  • 8月24日(月)~30日(日):鬼頭明里さん

また、これに合わせて「4つのキーワードを集めて応募しよう!西武東戸塚S.C.オリジナルトートバッグor声優さんのサイン色紙が当たる!Twitterキャンペーン!」も実施される。
キャンペーンはツイッターで各店内放送で流れるキーワードと西武や声優へのメッセージをつぶやくもので、抽選でAコース100名に西武東戸塚S.C.オリジナルトートバッグ、Bコース各声優のサイン色紙を各3名(合計12名)がプレゼントされる。
詳細は店内放送と東戸塚西武のツイッターを参照のこと。

改装をおこなった東戸塚西武をPRする狙いも

東戸塚西武は2020年春より「きれいで、おいしい、日々のはじまり 。」をキーメッセージとしたリニューアルを実施しており、2020年6月にグランドオープンしたばかり。

西武百貨店東戸塚店。(改装前)

改装では百貨店面積を圧縮するとともに新規テナントを導入、とくに「コスメ」と「グルメ」に力を入れた店舗へと生まれ変わった。
今回の人気声優を起用した館内放送は、新たな客層の来館を促して「生まれ変わった東戸塚西武」を体感してもらいたいという思いがあろう。

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松山三越、2021年秋までに全館リニューアル-高層階を宿泊施設に

愛媛県松山市の大街道商店街にある百貨店「松山三越」が2021年秋の全館リニューアルをめざし、2020年秋から改装に入る。

松山三越。

地域2番店の松山三越、10年連続赤字だった

松山三越は1946年10月に開店。現在の店舗は1991年に建設されたもので、連絡通路でANAクラウンプラザホテル松山内の商業施設「ファッションタウンアヴァ」(BEAMS、DIESELなどが出店)と接続する。売場面積は21,420㎡、ファッションタウンアヴァと合わせると25,054㎡。建物は松山三越(自社)が所有する。
松山市の百貨店では「いよてつ高島屋」が地域一番店であり、松山三越は地域2番店。両店はともに大手百貨店であり、重複ブランドが少なくなかった。
伊予鉄髙島屋--
伊予鉄高島屋。

松山三越は長らく赤字(昨年まで10年連続)を計上していたこともあり、近く差別化のための改装をおこなう考えを発表していた。

百貨店にホテル・エステ・スイーツも-地元企業が参画

今回の改装には三越に加えて、道後温泉で旅館を運営する「茶玻瑠」「古湧園」、不動産店やホテルを運営する「三福ホールディングス」、飲食店を運営する「タケシカンパニー」など、愛媛県内の企業が参画する。
地階・1階は地元客・観光客をターゲットに地元・瀬戸内の旬の食を扱う「フードホール」「地産地消マルシェ」を設け、土産物店、スイーツ店などを誘致する。
2階・3階・4階は松山三越の売場となり、化粧品、アパレルなどを取り扱う。化粧品売場は2階に移設する。直営売場では三越・伊勢丹の商品を扱う「デジタルサロン」も設ける。
5・6階はエステサロンやヘルスケア関連の店舗を誘致。
7・8階は宿泊施設とし、デザイン性の高いライフスタイルホテルを誘致するとしている。
屋上にはフットサルコートと神社があるが、それらは今後も存続するとみられる。

現在、高層階にはレストランが出店。

今後、2020年秋から営業をおこないながらの改装をおこなう計画だとしている。
三越が地方店の複合ビル化を進めるのは珍しいこと。改装により観光客の取り込み・客層の拡大に成功し、三越流の新たな百貨店像を描くことができるかどうか注目される。

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百盛・パークソンTDプラザ店、2020年7月27日売却・近く閉店へ-百盛、北ベトナムから撤退・南部に経営資源集中へ

東南アジア最大手百貨店グループ「パークソン・リテール・アジア(百盛/Parkson Retail Asia Limited)」傘下の「パークソン・ハイピョン(百盛海防/Parkson Haiphong/PHCL)」は、ベトナム社会主義共和国ハイフォン市の百貨店「パークソンTDプラザ店(PARKSON TD PLAZA)」をTDグループの地場建設会社「Thuy Duong」に売却する株式譲渡契約を2020年7月27日に締結した。

Parkson TD Plaza.

株式譲渡に伴い、パークソン・ハイピョン社はTDプラザの百貨店店舗を閉店、ホーチミン市内1店舗の運営に専念する方針を決定している。

東南アジア最大手の百貨店グループ「百盛」

パークソン・リテール・アジアは、マレーシアに本拠を置く華人系財閥「ライオングループ(金獅集団/LION Group)」傘下の高級百貨店として、連邦直轄領クアラルンプールのスンガイ・ワンプラザ(Sungei Wang Plaza)で1987年に創業。1994年に同社初となる海外店舗を中国・北京に現地企業との合弁事業として出店して以来、同社の地盤であるマレーシアや中国を中心に出店を加速、2020年現在は東南アジア最大手の百貨店グループとなっている。

海防郊外の百盛越南2号店、大型複合施設の核だった

パークソンTDプラザ店は、ハイフォン駅から南東3kmほどの距離にある複合商業施設「TDプラザ」の核店舗として2007年1月に開業。建物は地上19階建、営業フロアは1~4階、売場面積は約23,000㎡。パークソングループとしてはベトナム2店舗目、運営はパークソン・リテール・アジア完全子会社のパークソン・ハイフォン(2006年12月設立)が担う。
同店は、施設に入居する専門店や韓国大手財閥・CJグループ系の映画館(シネマコンプレックス)「CGV」、アスコット社のサービスレジデンス「サマセット セントラルTDハイフォンシティ」、施設に隣接するタイ資本の大型総合スーパー「Big C」とともに新都心を形成していたが、グループの業績不振を受けたキャッシュフロー改善を目的として、TDグループの地場建設会社「Thuy Duong」(2007年5月設立)に1,000万ドルで売却する方針が決まったという。
パークソン・リテール・アジアは今回の売却により約700万シンガポールドルの純損失を計上、パークソン・ハイフォンは同社が管轄するホーチミン市1店舗の運営に専念するとしている。

ベトナムの先駆的外資系百貨店だったが近年は苦戦

パークソングループは、ベトナム社会主義共和国ホーチミン市の国営サイゴンツーリストデパートを事実上引継ぐ形で2005年6月にベトナム1号店「パークソン サイゴンツーリストプラザ店」を開業した。
Parkson Saigon Tourist Plaza.

パークソンはベトナムにおける外資系百貨店の先駆的存在として最盛期には10店舗近くを展開していたが、競争激化により2015年にパラゴン店・ハノイランドマークタワー店を閉店、2016年にベトタワー店を閉店、2018年にカンタビル店・フレミントン店を閉店したため、店舗数は最盛期の半分ほどに減少していた。
その一方、2019年4月には旗艦店であるサイゴンツーリストプラザ店の大規模リニューアルを開始、他既存店についても同様のリニューアルを目指す方針を打ち出しており、今後は「南ベトナム(ホーチミン市近郊など)への経営資源集約」を図るとみられる。

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吉野家グループ、はなまるうどん・京樽など含め最大150店舗閉店-2020年度中に、新型コロナの影響で

大手外食チェーン「吉野家ホールディングス」(本社:東京都中央区)は、傘下の牛丼チェーン「吉野家」、セルフ式讃岐うどんチェーン「はなまるうどん」、持ち帰り寿司・回転寿司チェーン「京樽」を、2020年度中に最大150店舗閉店する方針を2020年7月28日に発表した。
吉野家×はなまるうどん。

主力事業への経営資源集中進めていた吉野家HD

吉野家は1899年に東京・日本橋で創業。1958年12月に牛丼店のチェーン化を目的に法人化した。
1980年7月には急速な店舗網拡大による経営悪化を理由に会社更生法を適用、西武セゾングループ傘下となり、1988年には社名を「吉野家D&C」に変更していた。同社は長らく、西武セゾン系の大手牛丼・ドーナツチェーンとして、吉野家とダンキンドーナツを中核事業に据えていたが、西武セゾングループ解体の影響を受け、2001年に伊藤忠商事傘下となった。(2011年1月提携解消)

吉野家の牛丼。

吉野家は1997年の京樽買収をきっかけに、はなまるうどんやどんを相次ぎ買収するなど、総合外食チェーンとして事業の多角化を図ったが、2004年の米国産牛肉BSE問題拡大を発端とした牛丼販売休止を機に業績が低迷。2007年10月には持株会社に移行するなど経営改革をめざしたが、M&Aによる多角化戦略は失敗に終わり、2008年9月には牛丼業界首位の座をゼンショー傘下のすき家に明け渡すこととなった。
その後も経営不振から脱却できず、2009年8月には激安ラーメン店「R1(びっくりラーメン一番)」を廃業、2011年4月には首都圏地盤の焼肉店「牛繁」株の3割超を売却、2020年2月には安楽亭に「アークミール(ステーキのどん・フォルクス)」全株を売却するなど、主力事業への経営資源集約を推し進めている。

テイクアウトやデリバリーの拡充で立て直しめざす

吉野家HDは、新型コロナ感染拡大により2020年4月~5月にかけて国内1,000店舗の営業時間を短縮・臨時休業、大規模なディスカウントキャンペーンを実施した影響もあり、2021年2月期第1四半期(3月~5月)連結売上高は396億8100万円(前年同期比24.8%減)、純利益も40億8700万円の赤字(前年は10億9700万円の黒字)となった。
今後は新規出店の抑制やテイクアウト・デリバリーのさらなる強化、冷凍食品部門の拡大(チルド弁当の開発)など新型コロナに対応した事業展開を図るという。
吉野家HDは業績低迷を受け、役員報酬の減額と無配の方針も決定したが、株主優待の縮小・廃止などについては現時点では行わないとしている。

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浜松町バスターミナル、2020年9月30日閉鎖-世界貿易センタービルの2021年閉館を前に

東京都港区の浜松町駅・大門駅前にある「世界貿易センタービル」別館1階にあるバスセンター「浜松町バスターミナル」が、再開発のため2020年9月30日に閉鎖される。

世界貿易センタービル。

東京の南の玄関の1つだった

浜松町バスターミナルは世界貿易センタービル別館1階に立地。
世界貿易センタービル本館と繋がっており、建物を経由して浜松町駅・大門駅とも直結されていた。
バスターミナルは弘前、盛岡、徳島など全国各地に発着する高速バスが発着する「東京の南の玄関」の1つとなっているほか、はとバスなどバスツアーの案内所も設けられている。

浜松町バスターミナルの案内所。
(はとバス、京急高速バス、JTBサンライズツアー)

浜松町バスターミナルに乗り入れるバスは近く経路変更などがおこなわれるとみられるが、7月時点では多くの路線でバスセンター廃止後の対処についての発表はなされていない。

現・世界貿易センタービル、2021年度中に解体へ

浜松町バスターミナルの閉鎖は「浜松町二丁目4地区再開発」のため。
世界貿易センタービルは1970年に建てられたもので、老朽化により建物全体を建替えするため2021年度中に解体工事が開始される計画となっており、大型テナントの1つであった「文教堂浜松町店」が2020年7月6日に閉店するなど、テナントの撤退が進められている。今後、ビル内会議室の貸し出しについても2020年12月末で終了する予定としている。
追記:展望台は2021年1月31日に営業終了予定となっている。

建物前に掲げられた開発告知。

再開発後は39階建ての超高層ビルとなる予定であり、2020年現在は2021年春の開業を目指して南館の建設工事が進められている。
新たな建物はおもにオフィスとなる計画である。
なお、バスターミナル機能は、2027年度竣工予定である浜松町駅直結の別館に設けられる計画となっている。

新ビルの完成予想図(JR東日本リリースより)。

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東急ハンズ宮崎店、2020年11月20日開業-宮崎初出店、アミュプラザに

宮崎県宮崎市のJR宮崎駅ビルに2020年11月20日に開業する「アミュプラザみやざき(アミュプラザ宮崎)」の核店舗の1つとして、「東急ハンズ宮崎店」が出店する。

東急ハンズ宮崎店。

東急ハンズ、宮崎初出店

アミュプラザ宮崎(運営:JR宮崎シティ)はJR九州と宮崎交通が建設している複合商業ビル「JR宮交ツインビル」に出店。
JR宮崎駅側が「アミュプラザみやざき うみ館」(地上10階建て、商業施設面積9,800㎡、オフィス面積4,100㎡)、駅前商店街側が「アミュプラザみやざき やま館」(地上6階建てで、商業施設面積6,300㎡)となる。

左が「アミュプラザみやざき うみ館」。
右が「アミュプラザみやざき やま館」。

東急ハンズが出店するのはうみ館3階で、店舗面積は約1,400㎡。同店としては九州6店舗目で、JR九州リテールがFC運営する。
なお「アミュプラザみやざき うみ館」「アミュプラザみやざき やま館」には、このほか紀伊國屋書店、ビームスなど約100店舗が出店、うみ館には屋上庭園や交通神社も併設される。

スーパーマーケットは「まつの」が出店。

あわせて宮崎駅高架下の商業施設「えきマチ一丁目宮崎」もリニューアルされ、「ひむか きらめき市場」が開業する予定となっている。

施設構成イメージ。

アミュプラザみやざきの主なテナント
  • 東急ハンズ
  • ビームス
  • ミラオーウェン
  • ジェラートピケ
  • センスオブプレイス バイ アーバンリサーチ
  • レトロガール
  • タイル
  • アフランシール
  • 紀伊國屋書店
  • まつの
  • キャンドゥ
  • ドンク
  • 羽田市場
  • リムオブジンズ
  • ワンダーアティックシネマ
  • 交通神社
アミュプラザみやざき/東急ハンズ

住所:宮崎県宮崎市錦町1番8号

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スーパービバホーム東水巻店、2020年8月1日開店-日本炭礦吉田ぼた山跡地、LIXILビバとトライアル出店

福岡県遠賀郡水巻町のJR筑豊本線東水巻駅近くに、LIXILビバのホームセンター「スーパービバホーム東水巻店」が2020年8月1日午前9時に開店する。
スーパービバホーム東水巻店

当初はビバモール東水巻として開業予定だった

スーパービバホーム東水巻店は、水巻町が旧・日本炭礦吉田ぼた山跡地への商業施設誘致を目的に実施した「吉田ぼた山跡地活用事業」の一環として、町と定期借地契約を締結した大和ハウスグループの「ダイワロイヤル」が開発を進めた商業区画に出店。
当初、この区画にはLIXILビバとしては九州初となる大型商業施設ブランド「ビバモール東水巻(仮称)」が2020年春に開業する予定であったが、出店する店舗は同社直営ホームセンター「スーパービバホーム」と福岡市に本社を構える大手スーパー「トライアル」の2店舗のみとなった。
準核店舗の「スーパーセンタートライアル東水巻店」は2020年4月15日に先行開店している。

地域随一の規模を誇る大型ホームセンターに

スーパービバホーム東水巻店の建物は平屋建、敷地面積は41,489㎡、売場面積は約10,403㎡。同社店舗としては九州5店舗目、福岡県内4店舗目。
同社は2018年7月の九州進出以来、イオン九州が運営する「イオンスーパーセンター」の一部を居抜きする形で新規出店を行ってきたが、東水巻店は初の新築店舗となる。
2019年秋には熊本市中央区大江のイオン熊本中央店(旧・ダイエー熊本店)に「スーパービバホーム熊本中央店(仮称)」、八代市のイオン八代ショッピングセンターに「スーパービバホーム八代店」、2021年春を目処にイズミゆめタウン宗像を引継ぐ形で「ビバモール宗像(仮称/イズミゆめマート併設)」の出店を予定しており、九州での出店形態は多様化することとなる。

スーパービバホーム東水巻店

住所:福岡県遠賀郡水巻町吉田南五丁目5番1号
営業時間(生活館):午前10時~午後7時
営業時間(資材館):午前7時~午後7時
※8月13日からの通常営業時間

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