カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

淀屋橋駅前にツインタワー建設へー大阪市が都市計画発表、2025年の完成めざす

大阪市は、大阪府大阪市北区の淀屋橋駅周辺を再開発し、ツインタワーを建設する都市計画案を2019年5月30日に公表した。

建設予定地。右が東側。

御堂筋の「ゲートタワー」建設へ

大阪市の都市計画案によると、ツインタワーが建設されるのは
御堂筋と土佐堀筋の交差点である「淀屋橋」交差点前。
この地域周辺には以前にも再開発計画があったものの、景気の低迷などにより凍結されたという経緯がある。

開発エリア東側。
(「大阪市営地下鉄」のCI撤去直前に撮影したもの)

今回の再開発に際して容積率が1600パーセントに引き上げられ、東側には日本土地建物、京阪電鉄により高さ150メートルの、西側には大和ハウス工業、住友商事、住友生命、ミズノ、白洋舍などにより135メートルの超高層ビルが建設される。

東側の大部分は「日本土地建物」が所有。

館内の中高層はオフィス、下層階には商業施設が入居する予定で、イベント広場、テラスなども設けられる計画という。

歴史的建築「ミズノ本店」など解体へ

敷地内には、西側には「ミズノ淀屋橋店(「美津濃」時代からの本店)」や「石原ビルディング」といった歴史的建築物や「住友生命淀屋橋ビル」などが、東側には「日土地淀屋橋ビル」などが立地するが、いずれも計画がまとまり次第、近く解体されるとみられる。

開発エリア西側、ミズノと石原ビルディング。

大阪市中心部ではオフィスの空室率が低い状況が続いており、大阪万博の開催や統合型リゾート誘致、うめきた再開発の進展などにより大型再開発の機運が高まっている。
淀屋橋地区の再開発は、大阪万博が開催される前の2024~25年ごろの完成を目指して工事が進められる。

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イオンフードスタイル三ツ境店、2019年7月下旬開店-ダイエー三ツ境店を業態転換

神奈川県横浜市瀬谷区の相鉄三ツ境駅近くにある総合スーパー「ダイエー三ツ境店」が「イオンフードスタイル三ツ境店」に業態転換され、2019年7月下旬にリニューアルオープンする。

旧「忠実屋」、ダイエーからイオンへ

ダイエー三ツ境店は1977年11月に「忠実屋三ツ境店」として開店。1994年に忠実屋がダイエーに合併したことに伴い「ダイエー三ツ境店」となった。建物名は「露木コミュニティランド」。売場面積は9,761㎡で、建物は地元不動産会社が所有する。

ダイエー三ツ境店。

館内には「西松屋」「チヨダ」「ドムドムハンバーガー」「ディッパーダン」など多くのテナントが出店する。
近隣では2018年11月に相鉄駅ビル「三ツ境ライフ」が全面改装をおこなっていた。

三ツ境ライフ。

イオンフードスタイル三ツ境への業態転換後も運営会社はダイエーのままであるが、7月下旬からは「ダイエー」の屋号は使用されないものとみられる。また、食品売場以外は専門店へと転換される可能性が高い。
ダイエー三ツ境店では、5月30日より売り尽くしセールが開催される。
新たな専門店などについては5月現在は発表されていない。

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イオンタウン山科椥辻、2019年冬開業-ヒカリ屋跡、ダイエーの「イオンフードスタイル」に

京都府京都市山科区の京都市営地下鉄椥辻駅前に、ショッピングセンター「イオンタウン山科椥辻」が2019年冬に開業する。

イオンタウン山科椥辻。

ヒカリ屋最後の店舗、イオンタウンに

イオンタウン山科椥辻の前身となる滋賀県地盤の総合スーパー「ヒカリ屋山科店」は1973年11月に開店。建物は地上3階建、売場面積は6,937㎡。
ヒカリ屋山科店はダイエー傘下となったのち、グループ経営再建の過程で進められた運営会社再編の一環で、2007年3月に「グルメシティヒカリ屋山科店」に改称、2015年3月には「ダイエーグルメシティヒカリ屋山科店」に再度改称し、ヒカリ屋最後の店舗、山科区役所・椥辻駅周辺エリアでは最大の商業施設として営業を継続していた。

ダイエーグルメシティヒカリ屋山科店。

しかし、建物は築45年と老朽化が進んでおり、店舗周辺でも「阪急オアシス」「マツヤスーパー」「MEGAドン・キホーテ」「サンディ」など、競合店の新規出店が数多く見られるようになったことから、建替えのため2018年11月30日をもって閉店するに至った。

核はダイエーの「イオンフードスタイル」

イオンタウン山科椥辻の建物は地上3階建で、総賃貸面積は約7,700㎡。
ダイエーの「イオンフードスタイル山科椥辻店」を核に、プールを備えたフィットネスクラブ、100円ショップ、ドラッグストアなど約20店舗が出店する予定。館内には医療モールも設けられる。
山科区役所・椥辻駅周辺エリアでは2019年4月の「MEGAドン・キホーテ京都山科店」閉店以降は衣食住をフルラインで取扱う大型店が消滅していたため、新施設への衣料、生活雑貨系店舗の導入が期待される。

イオンタウン山科椥辻

住所:京都府京都市椥辻草海道町15番地
営業時間:未定

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ライフ新大阪店、2019年5月31日閉店-旧ライフ大阪本社・ラヴィーレ新大阪

大阪府大阪市淀川区の新大阪駅、東三国駅近くに位置する総合スーパー「ライフ新大阪店」が、2019年5月31日18時をもって閉店する。

かつてのライフ関西旗艦店、38年の歴史に幕

ライフ新大阪店は1980年5月に同社大阪本社を併設する総合スーパー「ライフ三国店」として開店。
1991年には本社機能の新大阪駅東口への移転に合わせて、高級総合スーパー業態1号店「ラヴィーレ新大阪」に転換されたが、1996年には総合スーパー業態「ライフ新大阪店」に転換。現在の店名で約22年間営業していた。

2018年秋には大規模改修を終えたばかりだったが

ライフ新大阪店の建物は地上4階建で売場面積は5,000㎡。地元不動産会社が所有する。
2019年現在、同社直営売場のほか、眼鏡店「メガネの愛眼」、喫茶店「ホリーズカフェ」などがテナントとして出店する。

ライフ新大阪店。関西地区の旗艦店だった。

ライフ新大阪店は長らく同社の旗艦店として位置付けられていたが、2013年11月に新大阪センイシティー2号館跡地再開発の一環として新たな旗艦店「ライフセントラルスクエア西宮原店」が開店。店舗間の距離が約750mほどしかないことから新大阪店の営業継続が危惧されていたが、2018年秋に建物の大規模改修が行われたこともあり、当面は営業を継続するものとみられていた。
ライフは新大阪エリアにドミナント出店を行っており、近隣にダイエーの食品スーパー「イオンフードスタイル」、関西スーパー傘下の「スーパーナショナル」、佐竹食品の「業務スーパーTAKENOKO」が出店しているため地域に与える影響は軽微とみられる。
建物は改修を終えたばかりであるが、今後の活用方法については5月現在は発表されていない。
(写真:浅葱さん

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アズナス、2019年8月からH2Oリテイリング傘下に-阪急系コンビニ、屋号は変わらず

阪急阪神東宝グループに属する流通大手「H2Oリテイリング」(阪急阪神百貨店)は、同じく阪急阪神東宝グループに属する「阪急阪神HD」の完全子会社「エキ・リテール・サービス阪急阪神」からアズナス(asnas)事業を、2019年8月1日を目処に取得することを発表した。

H2Oリテイリング傘下の阪急阪神百貨店・うめだ阪急。

事業再編進める阪急阪神、asnasをH2Oに運営移管

アズナスは1995年4月に阪急電鉄グループの「阪急リテールズ」(現エキ・リテール・サービス阪急阪神)により、「日本初の駅ホーム上のコンビニエンスストア」として阪急十三駅構内で創業。店名の由来は「As soon as」から採られている。
創業以来、従来型の駅売店「ラガールショップ」や阪神ステーションネットが運営する「アンスリー」を業態転換するなど多店舗化を推進、2019年5月28日現在は阪急阪神沿線を中心にコンビニエンスストア「アズナス」(asnas)「アズナスエクスプレス」(asnas exp)53店舗、駅売店「アズナス エクスプレス・ビー」(asnas exp-b)47店舗を運営する。
同店は阪急電車オリジナルグッズや阪急そば監修カップ麺、宝塚ホテル監修ドーナツの販売など、阪急阪神ならではの品揃えに定評があった。

asnas十三店。(asnas1号店)

7&iと資本業務提携関係にあるH2O、asnasの屋号は維持

H2Oリテイリングは2018年6月、同社主導の共通ポイントサービス「Sポイント」を阪急阪神HD(阪急・阪神・北大阪急行)の駅ナカ店舗に導入。2019年4月にも阪急阪神HD傘下の「阪急阪神レストランズ」から阪急電車駅構内カフェ「フレッズカフェ」を取得するなど、駅ナカ事業の強化をすすめていた。
同社は流通大手「セブン&アイHD」と資本業務提携関係にあるが、アズナスの屋号は維持される。

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コストコ熊本御船店(仮称)、2021年春開業-御船インター近くに

会員制の倉庫型卸売スーパー「コストコ」(Costco)を展開するコストコホールセールジャパン(川崎市)は、熊本県上益城郡御船町の九州自動車道御船インターチェンジ近くに「コストコ熊本御船倉庫店」(仮称)を2021年に出店する。

御船インターチェンジ。

コストコ九州3店目、熊本初出店

コストコは1983年に米国シアトルで創業。
会員制の倉庫型大型スーパーとして知られ、日本国内では26店舗(26倉庫)を、九州では福岡県に2店舗(2倉庫、うち久山倉庫店は日本1号店)を展開する。
とくに近年は地方での店舗展開を進めている。

コストコの店舗(高雄店)。

コストコの出店は熊本県御船町の誘致によるもの。
出店先は御船インターチェンジ東側の現在は農地になっている場所で、イオンモール熊本(旧・クレア)から3キロメートルほどの場所となる。

イオンモール熊本近くへの出店となる。

御船町は熊本地震で被災しており、大型店舗の誘致により復興にも弾みを付けたい考え。今後、2021年春の開業を目指して工事が進められる見込みとなっている。
一方で、コストコには格安給油所が併設されるため熊本県石油商業組合などからの反対運動も起きているという。

コストコ併設の給油所(富谷店)。

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ニコキッチン六本松店、2019年5月24日開店-イオン九州の新業態小型店

福岡市中央区の地下鉄六本松駅ちかくにイオン九州の新業態小型店1号店となる「ニコキッチン六本松店」が2019年5月24日に開店した。

ニコキッチン六本松店。

イオン九州の新業態「狭小店」

ニコキッチン(nico kitchen)はイオン九州の新業態小型店で、2019年1月からイオン(ダイエー)二日市店内に実験的な店舗を出店していた。六本松店は単独店舗1号店となった。
ニコキッチン六本松店が出店したのは地下鉄六本松駅近く、六本松交差点前に新築された「六本松SKビル」の1階。なお、同ビルの2~3階には医療モールがある。
向かいには官民による再開発ビル「六本松421」が所在する。

六本松421。

ニコキッチンの店内は一般的なコンビニより少し広い程度で、スーパーマーケットで見られるような明るい木目調の内装が特徴。
取扱商品は加工食品・冷凍食品・インスタント食品を中心とした食品、衛生用品などの日用雑貨となる。開店時には生鮮食品、酒類は販売されていなかった。
テナントとして大手惣菜店「クック・チャム」(愛媛県)、阪急系の100円ベーカリー「阪急ベーカリー」(大阪市)が出店するほか、イートインが併設されている。銀行ATMなどは設置されていない。

店舗ロゴ。テナントは2店舗。

新業態のターゲットはいかに…?

イオン九州の都市型新業態ということで注目された「ニコキッチン」であるが、系列他社の「まいばすけっと」「イオンエクスプレス」などの小型スーパーとは大きく異なった趣となった。

人口密集地のビル1階に出店。2~3階は医療モール。

一方で、人口密集地の駅チカにあり通勤・通学需要が見込める立地であるものの、開店時間は朝8時からとその需要を満たすには遅く、また銀行ATMが無いなど、「スーパーとしても」「コンビニとしても」少し不便・中途半端に思う点も少なくない。
今度は他地域にも店舗網を広げていくことになるのだろうか。

ニコキッチン六本松店

住所:福岡市中央区六本松2-3-6
六本松SKビル1F
営業時間:8:00~21:00

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イオンモール座間シネマ棟「イオンシネマ座間」、2020年春開業-座間市民待望の映画館

神奈川県座間市のショッピングセンター「イオンモール座間」に、シネマコンプレックス「イオンシネマ座間」が2020年春に開業する。
イオンシネマ座間。

シネコンなしのイオンモール座間に「イオンシネマ」進出

イオンモール座間は2018年3月に日産自動車座間事業所(旧座間工場)」跡地の一部に出店。建物は地上3階建で、総賃貸面積は約50,000㎡。
イオンモール座間は座間市内最大規模の商業施設として、コンセプトに「MY LIVING FACTORY」を掲げ、イオンの総合スーパー「イオンスタイル座間」を核にファストファッションブランド「H&M」「ユニクロ」、スポーツ用品店「スポーツオーソリティー」、家電量販店「ノジマ」、「紀伊國屋書店」など約160の専門店が出店するが、近隣商業施設との兼ね合いのためか、開業時点での映画館導入が発表されていなかった。

神奈川県央ではシネコン撤退が相次いでいた

今回開業する「イオンモール座間シネマ棟」の建物は地上2階建、総賃貸面積は約5,000㎡。
イオンシネマ座間運営のシネマコンプレックス「(仮称)イオンシネマ座間」(10スクリーン、約1,500席)が出店する。
座間市周辺では2017年2月に南町田駅前の「109シネマズグランベリーモール」が再開発のため閉館、2018年2月にイオンつきみ野店の「イオンシネマつきみ野」が建替えのため閉館するなど、シネマコンプレックスの撤退が相次いでおり、半径10km圏内の映画館はビナウォークの「TOHOシネマズ海老名」、イオン海老名ショッピングセンター別館の「イオンシネマ海老名」2施設のみとなっていた。(米軍基地内を除く)
イオンモール座間のイオンシネマ導入により、施設の集客力拡大のみならず、旬の映画を求める座間市民の市外流出に歯止めがかかることが期待される。

イオンモール座間シネマ棟(イオンシネマ座間)

住所:神奈川県座間市広野台2-10-4

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ローソン、ポプラとの合弁会社「ローソン山陰」を2019年中に完全子会社化-「ポプ弁」山陰のローソンにも販売拡大

コンビニエンスストア大手「ローソン」(東京都品川区)は、山陰地区の地域子会社「ローソン山陰」(鳥取県米子市)を完全子会社化することを2019年5月21日に発表した。
ポプラから業態転換された「ローソン・ポプラ」(鳥取市)

ポプラ、ローソン山陰から撤退-今後はポプ弁供給に専念

ローソンは2014年12月に中国地方地盤の中堅コンビニ「ポプラ」(広島市安佐北区)と資本業務提携を締結して以降、2015年11月に鳥取県内のポプラ2店舗を両社のダブルブランド店舗「ローソン・ポプラ」に業態転換、2016年9月に両社の山陰地区運営店舗を引き継ぐ形で「ローソン山陰」(出資比率ローソン70%:ポプラ30%)を設立、2017年5月には第三者割当増資によりポプラ株18.24%を取得するなど提携強化を進めていた。
ローソンによる今回のローソン山陰完全子会社化は、ローソン及びポプラの役割分担明確化を目的としたもので、今後ローソンは店舗運営のバックアップに特化、ポプラは店内炊飯を特徴とした「ポプ弁」の供給に特化する。

ローソン山陰、ポプ弁販売店舗のさらなる拡大目指す

ローソン山陰が運営を手掛ける「ローソン・ポプラ」は、2015年11月の1号店開店以来、販売商品・各種サービスが店内炊飯弁当「ポプ弁」を除きローソンと共通化されており、今回の完全子会社化後も業態転換店舗では、従来と同様の売場形態が維持される。

ローソンから業態転換された「ローソン・ポプラ」(鳥取市)。

同社は旧ポプラ店舗のローソン・ポプラ化と並行して、旧ローソン店舗のローソン・ポプラ化を推進しており、今後は「ポプ弁」販売店舗のさらなる拡大が期待される。

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ザ・ビッグ境港店、2019年5月25日開店-マックスバリュ西日本、山陰初出店

鳥取県境港市の境港駅近くに、マックスバリュ西日本の総合ディスカウントスーパー「ザ・ビッグ境港店」が2019年5月25日午前9時に開店する。

ザ・ビッグ。

山陰初となる「ザ・ビッグ」、境港駅近くに出店

ザ・ビッグ境港店はパチンコ三共境港店跡地に出店。建物は平屋建で直営売場面積は約3,265㎡。取扱品目として生鮮食料品、衣料品、靴、スクール関連用品などを展開、境港市全域、島根県松江市(旧美保関町、旧八束町大根島)からの集客を目指す。
ザ・ビッグを運営するマックスバリュ西日本は2018年3月に、開発本部開発部に「山陰開発グループ」を新設する機構改革を実施しており、従来同社運営店舗が存在しなかった山陰地域への新規出店準備を進めていた。ザ・ビッグ境港店は同社山陰初の店舗となる。

大型店間の競争激しい境港、ビッグは支持を得られるか

山陰エリアでは1994年4月以来、イオングループの総合スーパー事業会社「イオンリテール」が食品スーパー業態の店舗を松江市に2店舗、鳥取市に1店舗展開しているが、2017年11月に開店した「イオンエクスプレス上乃木店」の出店以降、店舗新設は行われておらず、地場系の食品スーパーが依然として高い市場シェアを占めている。

イオンリテールが山陰で運営する食品スーパー。

境港店の徒歩圏内でも米子地盤の丸合が運営する総合スーパー「丸合境港ターミナル店」や大黒天物産の食品ディスカウント「ディオ境港店」といった競合店が出店、産業道路沿いにもスーパーセンター「PLANT-5境港店」や「ダイレックス境港店」が出店しており、ザ・ビッグが今後山陰エリアの顧客の支持を獲得できるか、店舗網の拡大が実現なるか注目していきたい。
大黒天物産ディオ境港店。

ザ・ビッグ境港店

住所:鳥取県境港市清水町790番地
営業時間:9時~21時

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