広島県三原市は、空き店舗状態が続いている「ペアシティ三原西館」の1階を歴史資料館として活用する方針を発表した。
ペアシティ三原西館。
三原駅前の顔、経営不振の陰には「しまなみ海道」延伸も
「ペアシティ三原」は三原駅前に立地する1981年開店の再開発ビル。
当初は東館に百貨店「天満屋三原店」、西館に総合スーパー「ニチイ三原店」と「三原国際ホテル」が出店していた。
三原駅から船に乗り換える交通結節点に立地しているために当初は多くの客を集めたものの、ペアシティ開業前から大規模駐車場を備えたジャスコ(現:イオン三原店)が徒歩圏に出店しており、更にしまなみ海道の延伸により店舗そばにある三原港の利用客が激減した影響もあり、長年に亘って経営不振が続いていた。
西館のニチイは早くも1996年に撤退、東館の天満屋も2006年に撤退し、東館跡は解体・更地化(市有地)、西館は1階がパルディ(ミハラスーパー)と専門店、中層階が主に公共施設、高層階が三原国際ホテルとなっていたが、2015年9月には1階のパルディも撤退。商業施設としての役割はほぼ終えていた。
なお、三原国際ホテルや他フロアの公共施設は営業を継続する。
ペアシティ三原東館。現在は更地となっている。
三原城築城450年の目玉に
歴史資料館は2016年11月の「三原浮城まつり」までに開館する予定。
2016年は三原城の築城450年に当たり、450年記念の拠点施設になるという。
館内は三原城を築城した小早川隆景をメインに「城下町」、「隆景公歴史体験」、「文化・伝統」の3ゾーンになり、活用面積は約700㎡を予定する。
歴史資料館としての活用は次のテナントが見つかるまでの暫定的な措置とされているが、出店希望者は見つかっていないという。
ペアシティ三原はJR三原駅を挟んで三原城址にも近く、観光客がアクセスしやすいこともあり、また、徒歩圏にはイオンが立地していることから、スーパーとしての再活用を目指すよりも資料館として再活用されることは最適と言えるかも知れない。
今後は、知名度の向上に加え、既設の三原市歴史民俗資料館とどのように連携を取っていくことができるかなどが課題となろう。
外部リンク:三原市