レナウン、2020年7月末前後に多くの店舗が閉店-シンプルライフ・アーノルドパーマーなど人気店も、今後の状況は不明

2020年5月15日に民事再生法の適用を申請し倒産したアパレル大手「レナウン」(東京都江東区)の店舗の閉店が相次いでいる。
大手百貨店や総合スーパーでも、館内全ての「シンプルライフ」「アーノルドパーマー」「ダーバン」などの人気ブランドを7月末までに全店閉店する例が増えていることが都商研の取材でわかった。

シンプルライフ。

5月に倒産したレナウン、殆どの店舗が営業続けていた

レナウンは1902年に大阪で「佐々木商会」として創業。1923年に英国の巡洋艦「レナウン」に因んで改名された。同社は全国の百貨店や総合スーパーに「アーノルドパーマー(Arnold Palmer)」や「ダーバン(D’URBAN)」「インターメッツォ(INTERMEZZO)」「シンプルライフ(Simple Life)」「通勤快足」など多くのブランドを展開していたが、2010年には中国の繊維企業「山東如意科技集団有限公司」(山東省済寧市)の傘下となったのち、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け2020年5月に倒産していた。負債総額は約138億円であった。
その一方で、同社はその後も殆どの店舗の営業を継続。商品の殆どを大幅割引することで多くの客を集め、再建へと踏み出した。

レナウン本社が入居する有明・TFTビル。

「秋服の入荷は未定」-見切りをつけて閉店か

レナウンは経営破綻時には大規模な店舗閉鎖などを発表していなかったものの、当初6月中に決めるとしていた再建スポンサーの選定が難航しているものとみられ、2020年7月以降は店舗の閉店が急増した。
閉店は百貨店内のみならずイオンモール、ヨーカドー系のショッピングセンター内ともに相次いでおり、なかには館内にあるレナウン系列の人気ブランドショップ全てを閉店させる例もみられるようになった。

ダーバン。

8月以降も営業を続けるというあるレナウン店舗スタッフは都商研の取材に対して「倒産以降、レナウン側からの連絡が殆どない」「秋服が入荷されるかさえ分からない」と述べたほか、ある百貨店は「各ブランドは8月以降も営業を続けるが今後の状況については百貨店側も分からない」としており、大型店側も見切りをつけて全店閉店に踏み込んだ事例が多いものと思われる。
レナウンは2019年時点で約2000店を展開していたが、7月末前後に閉店したレナウン系列店舗は数百店に上るものとみられる。
秋以降、レナウン系列の各店舗が現在のまま営業を続けられるかどうかは不透明な状況となっている。

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