秋葉原に本社・本店を置く大手漫画・同人誌専門店「虎の穴(コミックとらのあな)」は、兵庫県神戸市中央区の「とらのあな三宮店」と静岡県静岡市葵区の「とらのあな静岡店」を2020年6月30日をもって閉店する。
とらのあなの古参店舗「三宮店」、20年近い歴史に幕
とらのあな三宮店は、神戸三宮センタープラザ西館3階フロアに2001年8月4日に開店。同社としては大阪なんば店(現・なんばA店)、日本橋店(現在は閉店)に次ぐ関西3号店であった。
三宮店は、積極的な統廃合や移転を行う同社店舗としては極めて珍しく、開店以来一切の店舗移転を行っておらず、2008年2月の店舗大規模改装時も隣接区画への売場拡張にとどまっていた。このため、2020年現在同社店舗としては2番目に歴史のある店舗となっている。
とらのあな三宮店。
さんプラザ・センタープラザ・センタープラザ西館には、とらのあな進出以前から数多くのアニメ・漫画関連ショップが集積しており、2010年代初頭まで代々木アニメーション学院も神戸校・神戸スタジオを設置するなど、秋葉原や中野サンプラザ、大阪・日本橋に匹敵するサブカルの聖地として古くから親しまれている。2020年現在も、アニメイトグループ各社を始め、アニメ・漫画・カードショップ・鉄道模型店など40~50店舗が軒を連ねている。
しかし、築40年超が経過するなど、中野サンプラザと同様に老朽化への対応が課題となっている。
静岡駅前からは10年ほどで撤退
とらのあな静岡店は2010年10月23日に開店。同社としては名古屋店に次ぐ東海地方2号店であった。
三宮店と同様、わずか200m圏内に駿河屋静岡本店やアニメイト、メロンブックスが出店するなど、地方都市としては高水準なサブカル関連の店舗集積を形成していた。
閉店理由は未発表、店舗網再構築の一環か?
とらのあなは2020年6月現在、両店舗の閉店理由について詳細を発表していないが、2019年の大須店・湘南藤沢店・宇都宮店、2020年2月の立川店閉店と同じく、店舗網再構築の一環と考えられる。
両店舗ともに、店舗周辺には地域随一といえるアニメ・漫画関連ショップの集積があるが、同社は以前から専売品の取扱いや店舗特典の拡充に取組んでいたこともあり今回の閉店発表は惜しまれる結果となった。