とらのあな福岡店・とらのあな新潟店、2020年7月31日閉店-新潟・九州から完全撤退

秋葉原に本社・本店を置く大手漫画・同人誌専門店「虎の穴(コミックとらのあな)」は、福岡県福岡市中央区の「とらのあな福岡店」と新潟県新潟市中央区の「とらのあな新潟店」を2020年7月31日をもって閉店する。

とらのあな福岡店。

北天神のとら、17年の歴史に幕-九州から完全撤退

とらのあな福岡店は、ダイエーショッパーズ福岡店本館(当時)裏の雑居ビル1~2階に2003年2月に開店。2006年10月に現在の河村天神荘ビル3階に移転した。2020年現在は同社日本最西端、九州唯一の店舗となっている。なお、同じビルの4階にはアニメグッズ・タペストリー専門店の軸中心派も出店する。

とらのあな福岡店。

とらのあな福岡店が出店する北天神は、2000年3月の大手漫画古書店「まんだらけ福岡本店」開店を皮切りに、ボークスやジーストアといった模型・グッズ専門店、メロンブックスや明輝堂など漫画・同人誌専門店、メイドカフェなどが相次ぎ出店するなど、長らく“サブカルの聖地”であった。

かつての北天神。

しかし、2011年4月のまんだらけ移転以降、アニメショップ「アニメイト」やアニメイト系の大手漫画・同人誌専門店「メロンブックス福岡店」が天神の大型商業ビル内に移転するなど、サブカル系店舗の「駅チカ」シフトが進んでいた。

新潟店、11月に移転・2月に改装したばかりだった

とらのあな新潟店は、2010年12月に新潟万代東宝プラザ(現在は閉館)を核とする商業施設として開業した万代シネモールビル3階に開店。2019年11月には新潟駅近くビルへと移転したばかりであった。 
とらのあな新潟店・新店舗(公式サイトより)。

2020年2月には店内商品の半数超を女性向けに刷新するなど、競合関係にあるメロンブックスとの差別化を図ったとみられる改装をおこなったばかりだったが、移転・改装直後の閉店ととなってしまった。

とらのあな、実店舗の縮小つづく-コロナも影響か

とらのあなは2020年7月現在、両店舗の閉店理由について詳細を発表していない。
とらのあなは2019年には大須店・湘南藤沢店・宇都宮店2020年2月には立川店6月には三宮店・静岡店をそれぞれ閉店
さらに地方店舗を中心に大規模な店舗整理・定休日新設を含む営業時間の短縮を相次ぎ打ち出すなど、実店舗の縮小が続いている。
こうした経営規模の縮小は、ネット通販の拡大に加えて新型コロナウイルスの感染拡大やそれに伴うコミケの中止なども影響していると考えられ、今後もさらなる実店舗縮小が続く可能性もあろう。
同社の地方店舗(東名阪の3大都市圏周辺を除く)は札幌・仙台・岡山・広島・台北のみとなる。

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