カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

熊本パルコ、2020年閉店へ

熊本県熊本市中央区の下通商店街にあるファッションビル「熊本パルコ」が2020年中に閉館する。地元メディアなどが報じた。

熊本パルコ。

かつては長崎屋だった熊本パルコ

熊本パルコの入居する「新世界会館」は「サンバード長崎屋熊本店」として1971年10月に開店。長崎屋は1984年2月に閉店し、跡地に1986年5月に「熊本パルコ」が開店した。売場面積は9,051㎡。
もともとこの地には同名の映画館があり、建物はその跡地に建設された。建物は映画館内で飲食店を経営していた「三陽」が所有する。同社は現在熊本県内を中心に「三笠うどん」などを展開している。
店舗前には水圧で回転するオブジェ「グラニッドボール」が置かれており、市民に「パル玉」と呼ばれて親しまれている。

パル玉。

閉店は売上の低下に加えて建物の老朽化も大きな要因であると思われる。
2019年秋には熊本交通センター跡地の再開発が、2021年には熊本駅ビルの完成が予定されており、そちらとの棲み分けも課題となっていた。また、近年はテナントの撤退も相次いでいた。
建物の今後については2月現在は発表されていないが、築50年近いために再開発される可能性もあろう。

地方店の閉店すすめるパルコ

パルコは2012年より大丸松坂屋百貨店の傘下となっているが、とくに近年は都市部での再開発参画と地方店の閉店を進めており、2016年には千葉パルコ、2017年には大津パルコを閉店。2019年中には宇都宮パルコを閉店させる方針としている一方、2017年には上野パルコ(パルコヤ)、2019年には錦糸町パルコを開店させるほか、神戸市や川崎市などにも小規模店舗「ゼロゲート」を出店させている。

間も無く開店する錦糸町パルコ。

現在パルコは、大都市圏郊外の中規模店舗、地方都市の店舗を
コミュニティ店舗」と位置づけているが、それらのうち地方都市の店舗の殆どはここ数年の間に閉店しており、首都圏外で残るコミュニティ店舗は「松本パルコ」のみとなる。

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ジョイス水沢中央店、2019年2月24日閉店-メイプルの核、水沢駅前唯一の食品スーパー

岩手県奥州市のJR水沢駅前にあるショッピングセンター「メイプル」の核テナント「ジョイス水沢中央店」が、2019年2月24日午後7時をもって閉店した。

ジョイス水沢中央店。

水沢駅前唯一の食品スーパー、13年の歴史に幕

メイプルは1985年11月、総合スーパー「ジャスコ」を核に「ショッピングシティメイプル」として開業。建物は地上4階地下1階建。水沢駅前を代表する大型商業施設として、ダイエー水沢店(旧・ヤマニ三春屋)、水沢マルカン百貨店、マルサン百貨店とともに一時代を築いたが、2005年5月のジャスコ撤退を機に一時閉店していた。
その後、水沢市(現・奥州市)、水沢商工会議所(現・奥州商工会議所)が出資する「水沢クロス開発」が施設を取得し、日本ショッピングセンター協会による支援のもと、2006年4月に再開業を果たした。改装後の店舗面積は7,738㎡。
食品スーパー「ジョイス」を核に、ドラッグストア「クスリのダルマ」、100円ショップ「ダイソー&アオヤマ」、長崎屋の衣料品スーパー「サンバード」FC店舗を前身に持つ「暮らしの衣料館すまいる」(2013年7月に名称変更)など約30店舗が出店。
地下1階(旧ジャスコ食品売場)は公共施設として「市民活動支援センター」「地域包括支援センター」「勤労者福祉サービスセンター」など7施設が入居する。

メイプル。

ジョイス水沢中央店は水沢駅前唯一の食品スーパーであり、同店の閉店後、駅周辺のスーパーは駅徒歩15分ほどの距離にある「ユニバース水沢日高店」「ジョイス水沢原中店」のみとなるため、早急な後継店舗の誘致が期待される。

追記:マルイチが新たな核店舗として出店する。

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井筒屋、宇部井筒屋跡を宇部商工会議所に売却へ-ゆめタウン宇部には井筒屋小型店、2019年3月20日開店

北部九州・山口地盤の地方百貨店「井筒屋」(北九州市小倉北区)と「宇部商工会議所」(山口県宇部市)は、「宇部井筒屋」(山口井筒屋宇部店)店舗跡の土地・建物を宇部商工会議所に売却することを2019年2月19日に発表した。
その一方で、井筒屋はゆめタウン宇部に「井筒屋宇部ショップ」を2019年3月20日に開業させている。

宇部井筒屋。

旧店舗を商議所に売却

宇部井筒屋(山口井筒屋宇部店)は1933年に開業。建物は地上4階地下1階建、売場面積は7,683㎡、山口井筒屋が自社物件として保有する。年商は約28億円(2018年2月期)であった。
開業当初は山口地盤の百貨店「ちまきや」傘下の店舗であったが、1969年10月に井筒屋が資本参加して以降、井筒屋色を段階的に強め、1972年には現在の屋号、1977年には現在の建物で運営が行われるようになった。
同店は面積が狭く、無料駐車場もあるため近年も黒字を計上する年があるなど、地方都市にしては比較的好調であったが、井筒屋本体の経営経営悪化と老朽化のため、2018年12月31日をもって閉店していた。
宇部井筒屋跡では、2019年1月5日から3月中旬まで1階東玄関に「お問い合せカウンター」を設ける暫定利用が行われているが、3月下旬以降の跡地利用方針は未定であった。

井筒屋宇部ショップ、ゆめタウン1階に開店

井筒屋は同店に代わる新たな拠点として、ゆめタウン宇部1階に「山口井筒屋宇部ショップ」を3月20日に開店させる。同店の売場面積は444㎡で、取扱品目は食品(銘菓は「いのくま」「御堀堂」「山陰堂」など)、化粧品、婦人服、ファッション雑貨など。地元紙・宇部日報によると店員数は38人で、外商店員も擁する。
3月20日から24日までは記念イベントとして「伊万里真珠フェア」「お楽しみ袋販売」などが開催される予定。
また、税込2,160円以上お買い上げで先着500名に紅白饅頭がプレゼントされる。

宇部井筒屋の新店舗イメージ。

井筒屋が単独店の閉店後に店舗をゆめタウンに移店させるのは中津井筒屋、大牟田井筒屋に続いて3店舗目で、いずれも約500㎡前後の売場面積となっている。なお、このほか飯塚井筒屋についてはイオンに移店している。
ゆめタウン宇部では改装に合わせて「サマンサモスモスブルー」「エムニ」などの新規テナントも導入している。

地盤沈下進む宇部市中心部、新施設は起爆剤となるか

宇部市の中心部である琴芝・新天町エリアでは、宇部井筒屋が閉店したほかにも、2009年4月に大型衣料品店「エムラ宇部店」が店舗再編の一環として呉服専門店「エムラきもの館」に業態転換、2019年2月25日には地場大手総合スーパー「宇部丸信」跡の「レッドキャベツ新天町店」(現在はイオン系)が閉店、2018年10月にファミリーレストラン「ジョイフル」も閉店するなど地盤沈下が深刻化しており、10年の間に市街地から百貨店、大型スーパー、100円ショップ、衣料スーパー、ファミレスが消滅することとなった。
レッドキャベツ新天町店。

宇部商工会議所は、宇部井筒屋跡を2021年に解体、新たな複合施設を2023年に開設することを検討しているが、大型店の相次ぐ撤退により市中心部の先行きは不透明な状況にある。
宇部井筒屋跡が、市民生活の向上に繋がる「賑わい創出の起爆剤」として有効活用されることが期待される。

追記:宇部商工会議所は3月26日に臨時議員総会で取得を否決、会頭は辞任。跡地問題は棚上げされることとなる。

井筒屋宇部ショップ

住所:山口県宇部市黒石北三丁目4-1 ゆめタウン宇部 1階
営業時間:9:00~21:00

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ヤナゲン百貨店大垣本店、2019年8月31日閉店

岐阜県大垣市の大垣駅前にある「ヤナゲン百貨店大垣本店」が、2019年8月31日をもって閉店する。
ヤナゲン-1
ヤナゲン百貨店。手前からA館、B館、C館。

創業109年の老舗百貨店、かつては3館体制だった

ヤナゲンは1910年に柳源呉服店として創業。1966年に百貨店化した。かつては「ヤナゲン百貨店」(A、B、C館の3館体制、約22,000㎡)とインテリア専門店「ヤナゲンFAL」(旧岐大ホームセンター)、スーパーの「ヤナゲンストアー」を擁していたが、債務超過に陥り2000年には大垣共立銀行管理となり、2005年には大手スーパー「平和堂」の傘下となるとともに本店B館1階の大規模改装とC館の閉鎖を実施した。
2011年にはヤナゲンFALを平和堂の「アル・プラザ鶴見」に縮小移転、2016年8月には再開発により本館の売場をA館1館に集約するなど経営合理化を進めていたが、名古屋・岐阜エリアの百貨店や大垣駅北口のショッピングセンター「アクアウォーク大垣」との競合もあり厳しい経営状況が続いていた。再開発の影響により食品売場が消滅したことも痛手だったと思われる。
ヤナゲンはFAL店の閉店も発表しており、同社は109年の歴史に幕を下ろすこととなる。

(続きは続報が出次第更新します)

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ゆめタウン小野田、2019年5月12日閉店-おのだサンパークの核店舗

山口県山陽小野田市のショッピングセンター「おのだサンパーク」の核店舗である総合スーパー「ゆめタウン小野田」が、2019年5月12日をもって閉店する。

おのだサンパーク・ゆめタウン小野田。

シーモールに次ぐ山口県内最大級のショッピングセンター

おのだサンパークは1983年10月に九州地盤の地場大手総合スーパー「寿屋」の山口1号店を核とする「サンパークおのだ」として開業。2002年の寿屋小売業廃業を機に新たな核として「フジグラン」が出店、2008年には京阪流通システムと共同で施設の建替えを伴う大規模リニューアルを実施している。

おのだサンパーク・エントランス。

2019年現在、山口県内ではシーモール下関に次ぐ規模を持つ大型商業施設として、総合スーパー「ゆめタウン」を核に、アダストリアの「GLOBAL WORK」、「AZUL by moussy」、ファストファッション「GU」、靴量販店「ABCマート」、西鉄グループの雑貨店「雑貨館インキューブ」、「無印良品」、大型スポーツ用品店「ヒマラヤ」、「スターバックスコーヒー」など約140店舗が入居する。

自社競合に加え、小野田市への新店出店も撤退の理由か

ゆめタウン小野田は2012年6月20日、フジグラン小野田跡に開店。建物は地上2階建、営業面積は約8,000㎡。
近隣には「ゆめタウン宇部」(1996年開業)を始めとする自社店舗が複数出店するため、主要客層を「アラサー世代」に定め、山口県初となるイズミ直営ベーカリーやスイーツゾーンの導入、低価格帯の直営衣料品を拡充するなど差別化を図った。
しかし、同店はイズミが得意とするショッピングセンター業態ではなかったことに加え、2019年5月にはJR南小野田駅近隣に代替店舗となる食品スーパー「ゆめマート南小野田」が開店することから撤退するに至ったとみられる。

ゆめマート南小野田。

ゆめタウンブランドの店舗閉店は2004年の「ゆめタウン大村」、2010年の「ゆめタウン鳥栖」(末期はイズミスーパーセンター鳥栖)以来となる。

おのだサンパーク、改装へ

おのだサンパークは2019年3月、山口県内初となる原宿・表参道発の低価格雑貨店「オーサムストア」、オンワードの婦人服ブランド「23区」「組曲」、ワールドの婦人服ブランド「grove」、「楽天モバイル」を導入するなどリニューアルを進めている。
ゆめタウンに代わる新たな核テナントの導入が期待されており、後継テナントもある程度決まっている可能性が高いものの、2月現在新たな核店舗については発表されていない。
(撮影:淀津昇さん

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梅田オーパ地階、2019年2月28日一時閉店-渋谷系・109系ブランド「完全消滅」

大阪府大阪市北区の「梅田OPA」(梅田オーパ)地下1階が2019年2月28日をもって一時閉店し、4月中旬を目処にリニューアルオープンすることになった。
追記:梅田OPA地下1階には、100円ショップ「ダイソー梅田OPA店」が4月12日に新装開店する。同店は新ロゴ・新CI・新店舗デザイン採用1号店となる予定。新店舗の店舗規模、既存店舗(地下2階)の営業継続は3月現在未定となっている。

梅田OPA。

渋谷系・109系アパレルブランドは完全消滅

梅田OPAは2013年4月19日、ABC-MART梅田ビル(旧・阪急百貨店イングス館)跡の地下1~2階部分に開業。売場面積は約3,200㎡。OPAとしては関西地区15年ぶり、ダイエー完全子会社としては最後の新規出店店舗であった。
開業当初は、ファションモデル松本恵奈プロデュースの「EMODA」、小悪魔ageha専属モデルプロデュースのルームウェアブランド「Rady」、SBYが手掛けるコスメ専門店「WoMANiA」など、渋谷系・109系ブランドの取扱いに定評のあるOPAならではのアパレルブランドを多数導入していたが、梅田エリアの他商業施設より規模が小さく、同じく渋谷系・109系ブランドの取扱いに強みを持つJR西日本グループの「梅田EST」、阪急阪神グループの「HEP FIVE」が隣接するなど競合店が数多く存在したことから運営戦略の見直しを進めていた。

開業当初の梅田OPA、写真の店舗は近隣のESTに移転している。

2015年3月27日には、地下2階を100円ショップ「ダイソー」、ドラッグストア「コクミンドラッグ」、「ファミリーマート」など、生活密着型専門店中心のテナント構成に全面リニューアルしたが、地下1階ファッションフロアの集客性の改善には結び付かなかった。

地下2階は梅田地下街(Whityうめだ)と直結している。

今後は都市型ショッピングセンターに転換か?

OPAはイオンモールの完全子会社となった2016年以降、都市型ショッピングセンター業態の新規出店、既存店の業態転換を推し進めており、梅田OPAも同様の業態になる可能性が高いと考えられる。
また、今回の改装に合わせてイオングループのポイントサービス「WAON POINT」の取扱いを3月31日をもって終了する。

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旧・正札竹村本館、2019年中に更地に-大館市のシンボル的百貨店

秋田県大館市の「正札竹村」本館の解体が本格化しており、2019年1月には「マチのシンボル」として60年間に亘って親しまれた屋上の広告塔屋が撤去された。

正札竹村・本館。

2001年に倒産した大館市のシンボル的百貨店

正札竹村は1853年ごろに竹村呉服店として創業。本館の建物は地上7階地下1階建て+屋上塔屋2階。建設当時は大館市で一番高いビルだった。
長らく「いとく大館ショッピングセンター」「ジャスコ大館店(閉店済み)」とともに大館市を代表する商業施設として営業を続けていたが、2001年に倒産。大館市が2005年に取得した。
建物は本館、新館A・B棟、旧館、立体駐車場の5区画に分かれていたが、旧館は解体され「ハチ公小路」となったほか、新館は耐震補強され産直市場「NOSHO館 フレッシュハチ」などが入居するテナントビルとなった。

本館、廃業から18年で解体にー看板のみ保存

正札竹村の本館は将来的な再生も視野に特定非営利活動法人アートNPOゼロダテにより「正札コミュニティ・アートセンター構想」が掲げられ、アートイベント「ゼロダテ」などで活用されていた。
しかし、本館の建物は1969年築で老朽化が著しかったほか、アスベストも使われているため、大館市議会は2018年夏に本館の解体を決定した。また、隣接する立体駐車場についてもこれに先駆けて2017年に解体されている。
なお、ハチ公小径は2018年秋までに大部分のテナントが撤退もしくは一時休業しており、旧正札竹村本館棟解体事務所が設置されているほか、立体駐車場跡地も解体のための駐車場となっている。

屋上の看板。

解体は2018年秋から内装の解体が行われ、2019年に入ると本格化した。1月中旬には約60年に亘って大館のシンボルとなっていた広告塔屋の看板が撤去された。
大館市によると解体費用は約5億円になるという。また、広告塔屋の看板は大館市立大館郷土博物館での公開を視野に保存されるという。

外部リンク:ゼロダテ
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小田急湘南ゲート、2019年3月22日開業-小田急百貨店藤沢店、同店核の都市型ショッピングセンターに

神奈川県藤沢市の江ノ電藤沢駅ビルに、小田急百貨店を核とするショッピングセンター「ODAKYU湘南GATE」(小田急湘南ゲート)が2019年3月22日に開業する。

ODAKYU湘南GATE。

江ノ電藤沢駅直結の百貨店、ショッピングセンターに一新

小田急湘南ゲートの前身となる「小田急百貨店藤沢店」は1974年5月、江ノ島電鉄が経営母体の「江ノ電百貨店」として創業。
競合店との競争激化に加えて江ノ電自体が小田急電鉄の傘下であることから1985年には株式会社藤沢小田急(現:小田急百貨店)に経営譲渡、屋号を「小田急百貨店」に改称している。

小田急百貨店藤沢店。

施設は地上7階地下1階建で、売場面積は12,641㎡。施設は小田急百貨店が所有している。施設2階は江ノ電藤沢駅と直結しており、江ノ電の駅ビルとして開業した経緯がうかがえる。

小田急グループが共同開発、60以上の専門店が出店

今回の大規模改装は、駅ビルの運営ノウハウを有する小田急電鉄と小田急百貨店が共同開発する形で実施。改装後は小田急百貨店が店舗の運営を担う。

改装中のようす。

キーワードに「My Favorite & 3rd.Place」を掲げ、「小田急百貨店ふじさわ」(旧藤沢店)を核に60を超える専門店が入居する。

ODAKYU湘南GATEのロゴマーク。

地下1階は「地域のお客さまから支持される上質な食卓を提案するフロア」として、小田急百貨店が食料品売場を展開、小田急山のホテルが手掛ける菓子・惣菜・ベーカリー専門店「ボン・ロザージュ」、横浜・戸塚のレーズンウィッチ店「鎌倉小川軒」、ティラミス専門店「C3」(シーキューブ)の3店舗が新規出店する。
1階は「ビューティとファッションで上質な日常を提案するフロア」として、小田急百貨店が化粧品・服飾雑貨売場を展開、改装に合わせてラグジュアリーブランド「COACH」(コーチ)がさいか屋から移転する。

小田急百貨店藤沢店は改装に合わせて店名を変更する。

2階は「湘南ライフスタイルを体感できるグランドフロア」として、イオングループの高品質オーガニック食品スーパー「ビオセボン」、食のセレクトショップ「DEAN&DELUCA」(ディーンアンドデルーカ)が手掛ける「DEAN & DELUCA CAFE」、「Afternoon Tea TEAROOM」など12店舗が出店。

ODAKYU湘南GATEの館内イメージ。

3階は「食とファッション ワンランク上の日常があるフロア」として、オンワード樫山の婦人服店「23区」、「レリアン」、アメリカンカジュアルウェア「McGREGOR」(マックレガー)など百貨店で定番のブランドに加え、飲食店など18店舗が出店。
フードホール「湘南ゲートキッチン」には、地元精肉店「タカギフーズ」が初めて手掛ける肉バル「湘南Grill Style」、藤沢発のジャパニーズスパゲッティ専門店「JPASTA」、海老名ビナウォークで売上No.1を記録したラーメン店「清勝丸」、湘南の地魚・神奈川の地野菜・地酒にこだわった「茅ヶ崎海ぶね」、韓国家庭料理「李家PEGOPA」といった湘南・藤沢の飲食店6店舗が出店する。

フードホール「湘南ゲートキッチン」。

4階は「湘南の暮らしをコトとモノでサポートするフロア」として、100円ショップ「ダイソー」、眼鏡店「OWNDAYS」など13店舗が出店。
5階は「自分や家族のお気に入りが発見できるフロア」として、手芸用品店「ユザワヤ」、旅行代理店「H.I.S」など14店舗が出店。小田急百貨店時代から「京橋千疋屋フルーツパーラー」も引続き出店する。
6階は「人と人をつなぐ開かれたコミュニティフロア」として公共施設が入居。藤沢市民会館及び秩父宮記念体育館に隣接する「藤沢市南市民図書館」、JR藤沢駅ビル「ルミネ藤沢」6階の「藤沢市民ギャラリー」がそれぞれ2019年夏以降に移転する。
7階は「バラエティ豊かな食とサービスを提供するフロア」として、小田急百貨店レストラン街「味彩小路」を「湘南ゲートダイニング」としてリニューアル。焼肉店「牛兵衛草庵」や小田急不動産の住宅相談所「湘南小田急住まいのプラザ」など8店舗が出店。百貨店のお中元・お歳暮ギフト特設会場も設けられる催事場「イベントスクエア」も併設される。
屋上はこれまで通り「ベルマーレフットサルコート藤沢」と「小田急豊川稲荷神社」が設置される。

大型店間の競争激しい湘南・藤沢エリア

藤沢駅周辺は、長らく湘南エリアを代表する商業集積地として、小田急百貨店を始め、さいか屋、OPA、イトーヨーカドー、ビックカメラ(旧・丸井)といった大型店が多数出店するなど高い集客性を維持してきたが、2000年代以降、辻堂駅周辺で進められた大規模都市開発の一環により、住友不動産グループの「テラスモール湘南」、丸紅グループの「ラズ湘南辻堂」が相次ぎ開業、パナソニック藤沢工場跡地でも「FujisawaSST」(藤沢サスティナブル・スマートタウン)が開発され、蔦屋書店を核とした「湘南T-SITE」が開業するなど、大型店間の競争は駅周辺のみならず藤沢市全域に広がりをみせるようになった。

藤沢オーパ。

小田急百貨店の改装に合わせ、OPAも大規模改装を実施しており、今後も生き残りを懸けたさらなる店舗間競争の激化が予想される。

ODAKYU湘南GATEの館内構成
屋上 ベルマーレフットサルコート/稲荷神社
7階 レストラン「湘南GATEダイニング」/サービス(百貨店)
6階 藤沢市南市民図書館/市民ギャラリー
5階 趣味雑貨/サービス(ヘアサロン・旅行等)/カフェ
4階 生活雑貨/サービス(美容・リラクゼーション)
3階 フードホール「湘南ゲートキッチン」/ファッション
2階 カフェ/ナチュラルコスメ/食物販/ファッション/イベンストペース「きらっとプラス」
1階 化粧品/服飾雑貨(百貨店)
B1階 生鮮三品/惣菜/菓子/グロサリー/ベーカリー(百貨店)

館内構成。

ODAKYU湘南GATE

住所:神奈川県藤沢市南藤沢21-1
営業時間:(一部除く)
10時~20時(小田急百貨店・専門店街)
10時~19時(7階カード・ギフトサロン)
飲食店は11時~22時/22時半まで

外部リンク:小田急湘南GATE
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ドン・キホーテ赤坂見附店、2019年2月15日閉店-僅か9ヶ月で

東京都港区の東京メトロ赤坂見附駅近くのディスカウントストア「ドン・キホーテ赤坂見附店」が、2019年2月15日午後11時をもって閉店した。

ドン・キホーテ赤坂見附店。

赤坂不動尊山門跡のドンキ、僅か9ヶ月で閉店に

ドン・キホーテ赤坂見附店は、赤坂不動尊入口(山門)及びコインパーキング跡地に2018年5月10日開店。建物は地上7階地下1階建で、ドン・キホーテは地上1階〜5階部分に出店。売場面積は1,846㎡。
同店では昼間はビジネス街、夜は繁華街となる地域特性への対応として、都内最大級となるお酒コーナーの設置や弁当、ネクタイ、シューズの販売を強化するなど、約300m南東に位置する「ピカソ赤坂店」(2012年開店)との差別化、2店舗体制による相互補完を図っていた。
同社は以前より、2017年2月に開店した「ドン・キホーテ神保町店」を僅か8ヶ月後の10月に閉店させるなど、短期間での出退店を繰り返し行うなど経営判断の早さで知られており、赤坂見附店の撤退もその一環とみられる。
近隣のピカソ赤坂店も、開店当初は「高感度型モデル店舗」を掲げ採用を避けていたドンキ流POPの導入や営業時間の段階的な短縮(24時間営業→8時~26時→8時~24時)を行うなど、赤坂エリアでの店舗戦略の見直しを進めている。

ピカソ赤坂店。

再びピカソ1店舗体制となった赤坂エリアのドンキであるが、同社は積極的な出店攻勢を継続しており、今後も再び赤坂に「ドン・キホーテ」店舗を再出店する可能性が考えられる。

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三和ストアー、2019年3月15日全店閉店-呉地盤の中堅スーパー、60年の歴史に幕

広島県呉市に本社を置く地場中堅スーパー「三和ストアー」が、2019年3月15日をもって全7店舗を閉店、60年の歴史に幕を下ろすことを発表した。

三和ストアー本通店。(旧・三和ストアー本店)

呉市民の台所として親しまれたスーパー、60年の歴史に幕

三和ストアーは1959年5月、呉市本通で創業。
同社は「呉で一番早くスーパーマーケット形式を取り入れたスーパー」として、最盛期には呉市内に12店舗を展開。
2000年代以降は新規出店・スクラップアンドビルドを加速し、一部店舗を都市型食品スーパー業態「パセット」に転換するなど積極的なリニューアルを進めていたが、近年は競合店との競争激化により店舗数を7店舗まで減らしていた。

三和ストアーパセット中通店。

三和ストアーが運営する全7店舗のうち「三和ストアー天応店」「三和ストアー前川店」「三和ストアー阿賀店」の3店舗を2月28日までに閉店、「三和ストアー本通店」「三和ストアー吉浦駅店」「パセット中通」「パセット長ノ木」の4店舗を3月15日までに閉店する。
同社店舗は同業他社への譲渡、運営移管が検討されているが、運営店舗の多くで施設の老朽化が顕著にみられることから、譲渡対象店舗は一部に限られるとみられる。

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