カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

クロスモール富田林、2019年3月15日開業-隣接地にはトライアル富田林店も

大阪府富田林市の国道309号線沿いにショッピングセンター「クロスモール富田林」が2019年3月15日に開業する。同モールの隣接地には「スーパーセンタートライアル富田林店」の建設も進められており、大型店の一大集積地となる。

クロスモール富田林。
施工主の「オノコム」ウェブサイトより。

目玉は南河内地方初のスタバ-映画館は併設されず

クロスモール富田林が開業するのは、近鉄川西駅東側約1キロほどの国道309号線沿いで、かつては農地などとなっていた場所。クロスモールはオリックス系のショッピングセンターブランドで、大阪府では堺市にも出店している。
クロスモール富田林は平屋建てで、売場面積は6,218㎡。同モールにはスーパーマーケットが出店しないものの、道を挟んで隣接するかたちで「スーパーセンタートライアル」が建設されており、こちらも2019年夏ごろの開業を目指して工事が進められている。
クロスモール富田林の核テナントは「ケーズデンキ」で、2月28日に先行開業済み。同店は事実上「ケーズデンキ千代田店」(河内長野市)を移店させたものとなっており、千代田店は2月に閉店している。
このほか、ファストファッションの「ユニクロ」「GU」、カフェ「スターバックスコーヒー」などが出店する予定となっている。スターバックスコーヒーは富田林市をはじめとした南河内地方で初出店となる。

なお、当初はシネマコンプレックスの出店が噂されており、ネット上でも話題となっていたものの、3月時点では映画館の出店計画は無いという。

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2019年のプリツカー賞に磯崎新氏-「建築界のノーベル賞」、日本人8人目

「建築界のノーベル賞」と称されるプリツカー賞を磯崎新氏が受賞することが決まった。

プリツカー賞、日本人8人目の受賞

プリツカー賞はハイアットグループの創業者であるジェイ・プリツカー氏が1979年に設立。毎年1人の存命中の建築家が受賞するもので「建築界のノーベル賞」と称される。
日本人の受賞は2014年の坂茂氏に続き8人目。過去には丹下健三氏、槇文彦氏、安藤忠雄氏などが受賞している。
磯崎新氏は1931年大分市生まれ、東京大学大学院卒。ポストモダン建築家の代表として知られる。妻は紀行作家の故・宮脇俊三氏の元妻としても知られる彫刻家の故・宮脇愛子氏。

主な作品


西日本シティ銀行本店(旧・福岡相互銀行、1972年)。


西日本シティ銀行佐賀支店(旧・福岡相互銀行、1973年)。


西日本総合展示場(1977年)。


つくばセンタービル(1983年)。


水戸芸術館(1990年)。


北九州国際会議場(1990年)。


別府ビーコンプラザ(1995年)。


山口情報芸術センター(2003年)。

このほか、旧福岡相互銀行(福岡シティ銀行)の多くの支店、JR由布院駅、大分県立図書館、深圳文化センターなどがある。

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セブンイレブン、24時間営業短縮実験を2019年3月中旬から実施

コンビニ業界最大手「セブン-イレブン・ジャパン」(東京都千代田区)は、24時間営業見直しに向けた実証実験を柱とする「加盟店支援策」を2019年3月1日から5日にかけて発表した。

セブンイレブン(東京都)。

直営10店で「営業時間短縮実験」-今後はFC店でも

今回、セブン-イレブン・ジャパンが加盟店支援策として発表したのは「営業時間短縮に向けた実証実験」、「店舗の省人化」、「本部社員による一定期間のオーナー業務代行、提携派遣会社によるアルバイト・パートの派遣」の3点。
営業時間短縮に向けた実証実験は、宮城・栃木・千葉・東京・愛知・兵庫・福岡・熊本の8都県にある立地条件などが異なる同社直営10店舗を実験店とし、営業時間を3月中旬以降「午前7時~午後11時」に短縮。利用客や従業員への影響、作業・物流効率、売上・収益などを検証する。

駅構内コンビニ等では短時間営業を実施している。

このほか、店舗の省人化を目指す「省人化プロジェクト」(3月4日新設)は店舗の生産性向上に向けた情報集約を目的としたもの。「スタッフ派遣」は既存の施策の再周知となっている。
また、今後はFC店舗でもこうした営業時間の短縮実験をおこなうことを予定しているという。

深刻化する人手不足-セブンの経営方針も転換なるか?

コンビニエンスストアは公共料金等支払サービスや宅配受付、チケット販売などを手掛けることで「社会インフラ」の1つと評されるようになった。しかし、一方で営業時間の長さと業務内容の増大から加盟店の負担増が問題となっているほか、都市部では人手不足も深刻化している。
コンビニ各社では大手のローソン、ファミマではFC店でも24時間営業を行っていない店舗もあるが、それはごく一部に留まっている。また、セブンイレブンは24時間立ち入りが出来る場所の店舗では24時間営業をおこなうことを原則としていた。
今回の取り組みがどれだけの成果を上げることになるのか、またセブンイレブンの経営方針が変更されるのかどうかが注目される。

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ドンキモールトンロー、2019年2月22日開業-ドンキ、タイ初出店は日系店舗中心の商業施設に

タイ王国バンコク市ワッタナー区エカマイ通に、大型ショッピングセンター「DONKI MALL THONGLOR」(ドンキモールトンロー)が2019年2月22日に開業した。
DONKI MALL Thonglor.

ドンキ、タイに「DON DON DONKI」初出店

ドンキモールトンローは地上5階地下3階建、延床面積は28,088㎡。パンパシフィックインターナショナルHD(PPIH)グループの海外事業持株会社「Pan Pacific Retail
Management(Singapore) Pte.Ltd.」、タイ国内最大手塗料メーカー「TOA Venture Holding Co., Ltd.」、日本駐車
場開発の現地法人「Nippon Parking Development (Thailand) Co.,Ltd.」の3社が設立した合弁会社が管理・運営を行う。
DONKI MALL Thonglor Logo design.

ドン・キホーテ直営の「DON DON DONKI」を核に、ドラッグストア「ツルハドラッグ」、均一ショップ「ダイソー」、ゼビオグループのゴルフ用品店「ゴルフパートナー」、マルコメ初となる海外常設アンテナショップ「発酵らぼ」、お好み焼き「鶴橋風月」、しゃぶしゃぶ食べ放題店「但馬屋」、田中義剛が牧場長を務める「花畑牧場」、抹茶・日本茶スイーツ専門店「nana’s green tea」、カラオケ「まねきねこ」、屋内スポーツ施設「D-SPORTS STADIUM」、多目的イベントホール「Downtown Party & @THONGLOR HALL」など約30店舗が入居する。

ツルハドラッグドンキモールトンロー店。
(同社公式サイトより)

核テナントの「DON DON DONKI」は、コンセプトに「ジャパンブランド・スペシャリティストア」を掲げ、店内商品の大半を日本製もしくは日本市場向け商品とした東南アジア向け業態。トンロー店では生鮮4品(青果・鮮魚・精肉・惣菜)をフルラインで展開し、購入商品の店内調理やイートインにも対応する。

ドンキ、東南アジアへのさらなる出店拡大なるか

ドン・キホーテは2015年、創業者の安田隆夫氏がシンガポールに移住、海外持株会社を設立して以来、2017年12月に東南アジア仕様新業態1号店「DON DON DONKI」を出店、2019年現在東南アジアに4店舗(シンガポール3店舗、タイ1店舗)を展開するなど積極的な投資を進めている。DON DON DONKIは、日本文化や日本食に関心を持つ現地住民のみならず日系住民にも重宝されるなど、好調な集客を維持しており、今後も店舗網の拡大が期待される。

東南アジア有数の繁華街、オーチャードにもドンキが出店。

DONKI MALL THONGLOR

住所:107 Sukhumvit 63, Klongton Nuea, Wattana, Bangkok, Thailand
営業時間:24時間(DON DON DONKI)

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イオンモール名取、2019年4月19日増床リニューアル-東北最大のイオン、更に”巨大化”

宮城県名取市の仙台空港アクセス鉄道杜せきのした駅前にある「イオンモール名取」が増床リニューアルし、2019年4月19日にグランドオープンする。

イオンモール名取(増床後のイメージ)。

東北最大のイオンモール、規模拡大で「駅直結」に

イオンモール名取は、「ダイヤモンドシティ・エアリ」として2007年2月開業。総賃貸面積は約67,000㎡、延床面積は約117,000㎡。
運営会社の経営統合に伴い同年9月「イオンモール名取エアリ」に改称、運営会社のブランド戦略の一環として2011年10月に現在の屋号に改称した。
今回の増床はコンセプトに「くらしにキラリ、わたしのランドマーク」を掲げ、杜せきのした駅側の駐車場に増床棟(地上3階建)を建設。「杜せきのした駅」とモール増床棟2Fを直結し、デッキには屋根が新設される。

改装後のイメージ。

増床棟1階はピロティ型駐車場、2階・3階は新規出店36店舗、既存棟からの移設10店舗の専門店で構成され、ニトリのホームファッション店「ニトリデコホーム」、アパレル「ラコステ」(既存棟から移転)、「グローバルワーク」(既存棟から移転)、「a.v.v」、リラクゼーションサロン「ラフィネ」、イオン傘下のスポーツ用品店「スポーツオーソリティー」(既存棟から移転)など50店舗が導入される。
また、杜せきのした駅からの2階エントランスは「杜のテラス」となり、カフェ「スターバックスコーヒー」(既存棟から移転)、七ヶ浜のカフェ「シチノカフェ」、フルーツジュース「果琳」などの喫茶・飲食店が出店する。

杜のテラス。

既存棟も改装リニューアル

今回の増床リニューアルに合わせて既存棟の改装も実施される。
既存棟1階には、核店舗の「イオン名取店」フードゾーン(食品売場)とのつながりを意識した食空間「けやきマルシェ」が展開され、チーズタルト専門店「PABLO(パブロ)」、食品雑貨・グロサリー専門店「カルディコーヒーファーム」、プレミアムチョコレート「GODIVA(ゴディバ)」が新規出店する。
このほか、既存棟内には和グロサリー専門店「久世福商店」、中国初の日本風雑貨店「メイソウ」、300円ショップ「スリーコインズプラス」などが新たに出店するほか、「ユニクロ」、「GU」、「ダイソー」、「ミスタードーナツ」など複数の既存テナントが2月から4月にかけて移転リニューアルし、順次オープンしている。
増床後の総賃貸面積は約80,000㎡、延床面積は約142,000㎡で、イオンモール全体でも有数の規模となる。

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藤沢OPA、2019年4月27日までにリニューアル-生活密着型のショッピングセンターに

神奈川県藤沢市の藤沢駅前に位置するファッションビル「藤沢OPA」(藤沢オーパ)は、2019年3月1日から4月27日にかけてリニューアルを実施する。
追記:店名は「湘南藤沢オーパ」に変更される。

藤沢OPA。

首都圏で最も歴史のあるOPA、全館改装

藤沢OPAは、十字屋・大丸傘下の百貨店「藤沢十字屋」として1973年9月に開業。
藤沢駅周辺の百貨店としては、さいか屋に次ぎ2番目に出店したもの、江ノ電百貨店(現・小田急百貨店)や丸井といった競合店の相次ぐ進出により、店舗規模の小さい十字屋は経営悪化に陥った。そのため、1986年3月にはファッションビル「藤沢コスタ」に業態転換、1996年3月にはOPAブランド首都圏1号店となる「藤沢OPA」に全面改装していた。

生活密着型の専門店を新導入、既存店もリニューアル

藤沢OPAは地上8階地下2階建、営業面積は8,763㎡。
食品スーパー「フードウェイ」(大丸ピーコック跡)を核に、ファストファッション「UNIQLO」(ユニクロ)、紳士服店「SUIT SELECT」(スーツセレクト)、雑貨店「無印良品」、靴量販店「ABCマート」、CD・DVDショップ「タワーレコード」、スポーツ用品店「ムラサキスポーツ」、100円ショップ「Seria」などが約60店舗が入居する。
藤沢OPAはリニューアルコンセプトに「SHONAN DAIRY LIFE」を掲げ、低層階を中心に住友商事系のドラッグストア「Tomod’s」(トモズ)やカードゲーム専門店「ホビーステーション」、米国カリフォルニア発のハンバーガーチェーン「カールスジュニア」、サントリーグループのカフェ「PRONTO」(プロント)など6店舗を新たに導入する。
既存店でもワールドの婦人服店「index」が新たなファッションブランド「OPAQUE.CLIP」を導入するなど、約20店舗でリニューアルが行われるほか、館内に設置されている「OPA」ロゴマークの一部が新しいロゴへと変更されている。

藤沢OPA1階イメージパース。

藤沢OPA周辺では、小田急百貨店藤沢店が都市型ショッピングセンター「ODAKYU湘南GATE」(小田急湘南ゲート)への業態転換を伴う大規模リニューアルを進めており、今後も施設間競争は高まりをみせるとみられる。

小田急湘南ゲート。

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フジ、三和ストアーから3店舗を譲受-2019年5月中旬の再開店を目指す

四国地方地場流通大手「フジ」(愛媛県松山市)子会社の「フジマート」(広島県廿日市市)は、地場中堅スーパー「三和ストアー」(広島県呉市)から「三和ストアー吉浦駅店」「パセット中通店」「パセット長ノ木店」の3店舗を2019年3月下旬を目処に譲受することを発表した。3店舗は3月15日をもって一時閉店、フジマート運営店舗として5月中旬に再開店する。

三和ストアーパセット中通店。

廃業予定の三和ストアー、一部店舗がフジマート運営に

フジマートは2012年11月、フジが旧スーパーふじおかから「ピュアークック」事業を引き継ぐ形で設立。
近年は小商圏対応の地域密着型スーパーとして、親会社からフジ洋光台店、ZY東雲店を譲受、建替えを含めた既存店のリニューアルを進め、2019年2月現在は広島市を中心に10店舗を展開する。

三和ストアーは1959年5月、呉市本通で創業。
同社は「呉で一番早くスーパーマーケット形式を取り入れたスーパー」として、最盛期には呉市内に12店舗を展開。
2000年代以降は新規出店・スクラップアンドビルドを加速し、一部店舗を都市型食品スーパー業態「パセット」に転換するなど積極的なリニューアルを進めていたが、近年は競合店との競争激化により店舗数を7店舗まで縮小、2019年3月15日をもって全店閉店を予定している。

事業承継は「三和ストアーからの申し入れ」

今回のフジマートによる店舗譲受は、三和ストアーによる「店舗の事業承継についての申し入れ」によるもので、三和ストアー7店舗のうち「三和ストアー吉浦駅店」(1997年7月開店)、「パセット中通店」(2000年11月開店)、「パセット長ノ木店」(2002年8月開店)の3店舗が承継対象店舗となった。
三和ストアー運営店舗の多くで施設の老朽化が顕著にみられるが、3店舗は比較的築年数が浅く、立地も良好であるため早期の営業引継ぎ決定に至ったと考えられる。

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フジ、ディスカウント業態「ZY」から撤退-2019年3月1日のゼットワイ高岡店「フジ転換」で

愛媛県松山市の食品ディスカウントストア「フジ・ゼットワイ高岡店」(ZY高岡店)が、食品スーパー「フジ高岡店」として2019年3月1日にリニューアルオープンした。
同店はフジのディスカウントストア「ZY(ゼットワイ)」最後の店舗であったため、同業態は消滅となった。

フジZY高岡店。

フジのディスカウント1号店、一般的な食品スーパーに

フジ・ゼットワイ高岡店は「フジ高岡店」として1978年開店。1992年の増床を経て、2009年8月にディスカウント業態1号店「フジ・ゼットワイ高岡店」としてリニューアルした。建物は平屋建、店舗面積は1,847㎡だった。
3月1日の改装により、同店はディスカウント業態を廃して再び「フジ高岡店」に改称。
営業時間の1時間延長やイートインの新設、「簡便・時短」「個食」「健康」などをキーワードにした生鮮、惣菜の充実を目指すなど、地域密着型の売場づくりを行う。改装後の店舗面積は2,263㎡となる。

フジ、ディスカウント業態から10年で撤退

ZY(ゼットワイ)はコンセプトに「安さゼッタイ!」を掲げ、商品取扱数の削減や規格外野菜の販売を実施、老朽化や競合店との競争激化により集客性が低下していた既存店の業態転換により、最盛期には5店舗を展開したが、2018年以降食品スーパー業態への転換や建替え、グループ会社への店舗移管に伴い1店舗を残すのみとなっていた(ゼットワイ北条店は建替え中だがフジの通常店舗となる予定)。
大手流通各社は消費者の低価格志向を受けてディスカウント業態に相次ぎ参入したが、一部の例外を除きその多くが成功を収めたとは言い難い状況にある。
フジのZY(ゼットワイ)事業全面撤退も、顧客に既存食品スーパー業態との違いに加えて競合するディスカウントストアとの明確な優位性が提案できなかったことが理由として挙げられるであろう。

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河辺とうきゅう、2019年4月30日閉店-河辺タウンビルの核店舗

東京都青梅市のJR河辺駅前にある複合商業ビル「河辺タウンビル」の核店舗「河辺とうきゅう」が2019年4月30日に閉店する。

河辺とうきゅう。

公共物件「河辺タウンビル」の核店舗

河辺とうきゅうは2007年4月に河辺駅前に建設された再開発ビル「河辺タウンビルA館」の核テナントとして開店。売場面積は11,021㎡で、多摩地区の東急ストアのなかでは旗艦店級。建物は「公益財団法人 東京都都市づくり公社」が所有する公共物件である。
出店当初よりも直営面積は削減されており、現在は専門店も多く出店。2019年現在のテナントとしては「ダイソー」、「マックハウス」、「アスビー」、「文教堂書店」、「トーカイ」などが出店する。かつての直営衣料品売場は「パシオス」に転換された。
テナントの多くは東急ストア内への出店であるため、多くは河辺とうきゅうとともに閉店する可能性が高い。建物は築約11年とまだ新しいため、新たなテナントを募集するとみられるが、3月時点で新たなテナントについては発表されていない。

隣接地には西友河辺店が立地

河辺とうきゅうの隣接地には「西友河辺店」(売場面積9,673㎡)が立地しているため、東急ストアの閉店により河辺駅前からスーパーが消える訳ではない。
同店は菊竹清訓氏による斬新な建物で知られるものの1980年4月開店であり老朽化が指摘されている。とうきゅう跡の活用方法によっては西友にも影響があるかも知れず、今後の動向が注目される。

西友河辺店。

追記:跡地はイオン河辺店に

追記:河辺とうきゅうの後継にはイオンリテールが「イオン河辺店」(仮称)を出店する方針を示している。

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山交百貨店、2019年9月30日閉店-JR甲府駅前

山梨県甲府市のJR甲府駅前にある大型商業施設「山交百貨店」が2019年9月30日に閉館する。

山交百貨店。

JR甲府駅前の大型商業施設

山交百貨店は1954年に「甲府松菱」として開業。1965年に旧山梨交通甲府駅跡附近に移転し、山交百貨店に改称された。
現在の建物は1989年に建築されたもので、スパイラルエスカレータや時計台が設置されるなど豪華な建物となった。
シンボルであった時計台は2008年に撤去されている。建物は地上5階、地下4階(地下2~4階は駐車場など)売場面積は15,774㎡。
日本百貨店協会には加盟していないが、東急百貨店の商品券を利用することができる。

閉店は経営難のためだというか、建物は築29年ほどとまだ新しく、今後の処遇が注目される。

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