沖縄県那覇市の沖縄都市モノレール(ゆいレール)壺川駅前に、PPIHグループのディスカウントストア「(仮称)ドン・キホーテ那覇壺川店」が2020年3月に開店する。

ドン・キホーテが出店するゆいレール壺川駅前。
ゆいレール壺川駅前にドンキ・東急ステイ核の複合店舗
ドン・キホーテ那覇壺川店は「パチンコ&スロットサンシャイン壺川店」(2018年3月閉店)駐車場跡地に建設されるもので、建物は地上11階建、売場面積は3,490㎡、延床面積は20,357㎡。ドンキとしては沖縄県内7店舗目、那覇市内2店舗目。

パチンコ&スロットサンシャイン壺川店。
1~2階にドンキが出店、3~4階には共用駐車場、5~11階には東急不動産グループの長期滞在対応ビジネスホテルブランド「東急ステイ那覇」(客室数203室、2019年冬開業予定)が出店する。ドンキは沖縄県内7店舗目、那覇市内2店舗目。東急ステイは沖縄県内初となる。
2019年7月現在、新店舗の詳細は明らかにされていないが、PPIHは「沖縄観光の玄関口と称される国際通りからも近いため、地域にお住まいの方はもちろん、国内外から訪れる観光客のお客さまにも幅広くご利用いただける店舗を目指す」としており、立地特性を活かした訪日外国人観光客のインバウンド消費に対応した店舗になるとみられる。
(仮称)ドン・キホーテ那覇壺川店
住所:沖縄県那覇市壺川3丁目2番1号他
営業時間:未定
関連記事:サンエー浦添西海岸パルコシティ、2019年6月27日開業-パルコ、「郊外型」で沖縄初出店
関連記事:第一牧志公設市場、2019年6月16日閉鎖-再開発で、2022年に「新市場」完成
関連記事:那覇オーパ、2018年10月13日開業-カフーナ旭橋の核店舗
スーパーセンタートライアル宇佐店、2019年8月25日閉店-駅川寿屋、38年の歴史に幕
大分県宇佐市の法鏡寺交差点にある総合スーパー「トライアル宇佐店」(駅川寿屋)が2019年8月25日に閉店する。

トライアル宇佐店。
遺跡も発掘された駅川店、現在も寿屋が所有
トライアル宇佐店は1981年7月に「駅川寿屋」として開業。建物は2階建て(屋上は駐車場)で売場面積は4,823㎡。駅川は宇佐市成立前の宇佐郡駅川町(駅館(やっかん)+豊川の合成地名)に由来する。
当時の宇佐市は4町合併により誕生して14年ほど。旧駅川町は4町のなかで最も開発が進んでいなかった地区であったが、旧宇佐町、四日市町、長洲町の中間地点にあたるために市役所が設置され、発展が著しかった。
また、当地は遺跡が多い地区であり、建設前には遺跡の発掘調査も行われた。
その後、寿屋は別館を建設。寿屋傘下のディスカウントストア「キッド」、ファミリーレストラン「グルッペ」、書籍・CD「AVクラブ」(現:TSUTAYA AVクラブを運営するニューコワン)などが出店した。1990年代には出入口の移設を伴う大規模改修がおこなわれた。

駅川寿屋。
(改装を手がけた河村デザイン社のウェブサイトより)
しかし、2000年12月に徒歩圏にハイパーモールメルクス宇佐(核店舗はミスターマックス、食品売場はスーパー大栄→ゆめマート)が開業。寿屋は劣勢に立たされることになると、2002年1月に寿屋が経営悪化のため閉店する方針を発表(この時点では寿屋は多くの店舗を営業継続する方針であったが駅川店は「アクシス中津寿屋」「寿屋杵築店」などと共にいち早く閉店方針を表明)。同月末の寿屋のスーパーマーケット廃業に伴い閉店した。
なお、寿屋は倒産直前に全店舗を対象にラララグループ仕様の店舗への改装を進めていたが、駅川店は90年代の全館改装以降はほぼ未改装であった。

今もライバルとなっているミスターマックス。
2002年1月の閉店後は寿屋が入居企業を募集し、同年8月にトライアル宇佐店として古い内装を残したまま営業を再開。24時間営業となった(現在は24時閉店)。2階の一部にはゲームセンターが出店した。
また、別館には2003年11月に贈答品店「江戸心本店」が開業。レストラン棟にはドコモショップが出店している。
現在も建物はラララグループ寿屋の後継企業「カリーノグループ」が所有しており、同社傘下の企業がメンテナンスしている。館内の一部照明は同社によりLED化されている。
活用方法は未定
トライアル宇佐店は8月4日に2階売場を閉鎖、8月25日19時を以て完全閉店となる。
トライアルは2018年に近隣にあった小型店・豊後高田店(旧・寿屋豊後高田店)を新店舗の「トライアル豊後高田玉津店」に移転させている一方、宇佐店が新店舗として移転する計画は7月現在出されていない。
建物は築30年以上が経過しているものの、新耐震基準を満たしていると思われ、駐車場も十分であるため再活用される可能性もある。
市役所に近く、交通量が非常に多い交差点という「宇佐の一等地」であるため今後が注目される。
関連記事:マルショク・サンリブ四日市、2017年10月31日閉店-宇佐四日市商店街の核店舗
関連記事:イオンモール三光、2019年12月改装リニューアル-「セントラルシネマ三光」は2020年2月竣工
関連記事:スーパー大栄、「ゆめマート北九州」に2019年3月1日社名変更-「丸和」は72年の歴史に幕
阪急オアシス山下店、2019年7月31日閉店-山下Mechaビルの核、一部専門店は営業継続
兵庫県川西市の能勢電鉄山下駅近くに位置するショッピングセンター「山下Mechaビル」(阪急オアシス山下店・ココカラファインライフォートマルゼン山下店)が、2019年7月31日をもって閉店する。
Me・cha enjoyable life store.
山下駅近くの大型店、オンセンド1店舗のみ営業継続
山下Mechaビルは1994年9月開業。建物は地上2階地下1階建で、店舗面積は3,439㎡、建物は地元の不動産会社が所有する。
核テナントの「阪急オアシス山下店」は1994年9月に、医療機器・医薬品大手「ニプロ」(旧・日本硝子商事→ニッショー)が運営する関西地場中堅食品スーパー「ニッショー山下店」として開店。2006年7月の阪急百貨店グループ入り、複数回にわたる運営会社及び店舗ブランド再編に伴い、2009年3月より現在の店舗名に改称している。
阪急オアシス山下店。(旧・Mechaニッショー山下店)
準核テナントの「ココカラファインライフォート山下店」は1994年9月に、兵庫県地盤のドラッグストア「マルゼン山下店」として開店。2004年5月の運営会社社名変更、2010年10月のココカラファイン傘下入り、2013年4月の運営会社再編後も店頭では「マルゼン」の屋号を残し営業していた。

ココカラファインライフォート山下店。(マルゼン山下店)
山下Mechaビルでは2019年6月に「青い鳥クリーニング」が先行して閉店しており、7月31日の阪急オアシス、ココカラファインの閉店により、営業を継続する店舗は低価格衣料品店「オンセンド」1店舗のみとなる。
H2Oリテイリングでは近隣に新店舗を出店
阪急オアシスを運営するH2Oリテイリングは、2017年9月に能勢電鉄多田駅前に位置する総合スーパー「イズミヤ多田店」の大規模改装を実施、2019年8月上旬に川西市内で進められる土地区画整理事業の核として大型ショッピングセンター「オアシスタウンキセラ川西」(阪急オアシスキセラ川西店)の開店を予定するなど、積極的な新規出店及び既存店のリニューアルを進めており、山下店の閉店はスクラップ&ビルドの一環とみられる。
阪急オアシス山下店の閉店後、店舗徒歩圏内のスーパーは畦野駅前の「コープこうべ うねの店」、山下駅前の「フードネットマート山下店」2店舗のみとなる。
関連記事:イオンタウン川西、2018年11月23日開業-ダイエーから「移転」
関連記事:ダイエー川西店、2018年11月17日閉店-老朽化で「イオンフードスタイル」として移転へ
フレスポ春日井、2019年7月19日開業-愛知初となるフレスポ、ヤマナカを核に
愛知県春日井市の名鉄小牧線味鋺駅近くに、大和リースのショッピングセンター「フレスポ春日井」が2019年7月19日に開業する。

フレスポ春日井。
紡績工場跡地に愛知県内初となるフレスポ
フレスポ春日井は三幸毛糸紡績春日井工場跡地で建設が進められてきたもので、建物は平屋建、敷地面積は約19,214㎡、延床面積は6,704㎡。フレスポとしては愛知県内初の施設となる。
同施設では地場大手食品スーパー「ヤマナカ」を核に、ドラッグストア「ウエルシア」、100円ショップ「Seria」、ゲームセンター「トム・ソーヤのなかまたち」、ヤマナカグループのスポーツクラブ「エグゼノ/ソラリエ」(8月1日開業)など10店舗が出店、先行オープンした店舗と合わせて11月下旬までに14店舗が出店する計画となっている。

EXENO/solalier.

フロアマップ。
ヤマナカではスポーツクラブ利用者向けの商品展開も
フレスポ春日井の核となる「ヤマナカ追進店」(ついしん)は平屋建、売場面積は約1,896㎡、年間売上目標は14億円。

ヤマナカ追進店。
店舗ビジョンに「お客様においしさ・楽しさ・お値打ちさを実感していただけるお店」を掲げ、春日井市内に本店を置くベーカリー「モンシェル」商品の販売やグループのスポーツクラブ利用者を対象とした健康食品、生活雑貨コーナーの充実、インストアベーカリーやイートインの併設を行うなど、“ここですべてが揃うお店”を目指す。
なお、同市内にあった旧・西友・ザ・モール春日井(リヴィン)も大和ハウス系の商業施設となる計画が発表されている。
フレスポ春日井
住所:愛知県春日井市追進町2丁目1‐5
営業時間:9時30分~23時(ヤマナカ)

関連記事:MEGAドン・キホーテUNY気噴店、2019年4月30日開店-ピアゴ跡に
関連記事:西友リヴィン・ザ・モール春日井、2019年3月までに閉店-大和ハウスが新施設を建設
MEGAドン・キホーテUNY勝幡店、2019年7月16日開店-ピアゴ跡に
愛知県愛西市の名鉄津島線勝幡(しょばた)駅前に、総合ディスカウントストア「MEGAドン・キホーテUNY勝幡店」が2019年7月16日午前8時に開店する。
MEGAドン・キホーテUNY勝幡店。
勝幡駅前の元ユーストア、生鮮導入のMEGAドンキUNYに
MEGAドン・キホーテUNY勝幡店の前身となる「ユーストア勝幡店」は1979年7月に開店。現店舗は1997年12月に開店したもので、ユーストアの本社機能が2000年代初頭まで店舗近隣に設置されるなど、同社の主力店舗として位置付けられていた。
2009年2月には親会社である「ユニー」との経営統合及び店舗ブランド再編に伴い「ピアゴ勝幡店」に改称していたが、ドンキへの業態転換のため2019年4月29日をもってユニー直営売場、100円ショップ「Seria」を閉店し、一部専門店のみ営業を継続していた。
ドンキは愛知県26店舗目
MEGAドン・キホーテUNY勝幡店の建物は地上2階建、営業フロアは1階部分のみ、直営売場面積は4,861㎡、全館では5,950㎡。当初、ユニーの100%子会社として設立された「UDリテール」が運営する。
ドンキとしては愛知県内26店舗目で、ユニー・ドンキ双方のブランドを冠したダブルネーム店舗としては愛知県内7店舗目となる。
季節商品や家電製品を取扱開始、勝幡城モチーフの装飾も
ピアゴ時代と同様に生鮮食品を取扱うほか、ドンキへの業態転換に伴い「10km圏内では唯一の総合ディスカウント業態の店舗」となることから、新たに季節商品や家電製品を取扱開始する。また、織田信長ゆかりの勝幡城をモチーフとした店内装飾を施す。
テナントとして津島市の和菓子屋「河村屋菓子舗」、うどん屋「飛騨路」など11店舗が営業を継続する。
MEGAドン・キホーテUNY勝幡店のテナント一覧
- おしゃれ店ナカシマ(レディス)
- 桃太郎(お好み焼/たこ焼)
- 河村屋(和菓子)
- 飛騨路(うどん)
- フォーシーズン(クレープ、そばガレット)
- いずもや(クリーニング)
- きらら接骨院(接骨院)
- セイハ英語学院(教室)
- ヤマホウ(宝くじ)
- 保険見直し本舗(保険カウンター)
MEGAドン・キホーテUNY勝幡店
住所:愛知県愛西市勝幡町弁才天 2283 番地60
営業時間:午前8時~午後9時45分

関連記事:MEGAドン・キホーテUNY鈴鹿店、2019年6月25日開店-旧マイカルサティ・アピタ跡に、ドンキ初となる「ユニー直営衣料」導入
関連記事:MEGAドン・キホーテUNY一宮大和店、2019年5月28日開店-ピアゴ大和店跡に
関連記事:MEGAドン・キホーテUNY気噴店、2019年4月30日開店-ピアゴ跡に
関連記事:MEGAドン・キホーテUNY伝法寺店、2019年3月27日開店-ピアゴ跡に
関連記事:ドン・キホーテHD、社名を「パン・パシフィック・インターナショナルHD」に-2019年から
関連記事:ドン・キホーテHD、ユニーを完全子会社化-ファミマが売却、進むユニーの「ドンキ転換」
関連記事:ドン・キホーテUNY可児店、2019年2月21日開店-ピアゴ跡に「ユニードンキ初」生鮮なし
パルテノン多摩、2020年4月から長期休館-改修工事で約2年間
東京都多摩市と公益財団法人多摩市文化振興財団が運営する大型複合文化施設「パルテノン多摩」が、大規模改修のため2020年4月1日から約2年間休館する。

パルテノン多摩。
多摩センターのシンボル、長期休館へ
パルテノン多摩は多摩センター駅前に1987年10月に開業。
多摩センターのシンボル的存在であり、様々なアーティストやオーケストラなどの公演、また市民活動の場としても定着していたが、開館から築30年が経過しており、老朽化が見られたうえにバリアフリー化が進んでおらず、時代に合わなくなっていた。
そのため、多摩市により近く大規模改修される方針が発表されていた。
バリアフリー化に-大ホールは現在より見やすく
今回の改修は、全館のバリアフリー化、照明装置やトイレの改修などに加えてエレベータの増設、天井を東日本大震災後に制定された基準にあったものに交換するなどかなり大規模なものとなる。
このほか、大ホールでは床のかさ上げ、張り出し舞台の設置などをおこなうため、2018年末から工事が始まっている。改修により柱の配置、席幅なども変更されるため、現在よりも舞台が見やすくなるという。
総事業費は約80億円を見込んでいる。

改修スケジュール。
改修工事は、2022年2月の完成を見込んでおり、同年3月にプレオープン、7月にグランドオープンする計画となっている。
(写真:多摩市ウェブサイトより)
関連記事:ココリア多摩センター、2017年3月20日の三越閉館で専門店街拡大-多くのテナントが営業継続へ
関連記事:イオンスタイル河辺、2019年8月9日開店-東急ストア・河辺とうきゅう跡
関連記事:立川ロフト、2019年5月26日閉店-「立川ルミネロフト」は4月5日に増床
フレスポ富沢、2019年7月11日開業-アクロスプラザ富沢西向かいに
宮城県仙台市太白区に大和リースのショッピングセンター「フレスポ富沢」が2019年7月11日に開業する。
フレスポ富沢。
大和リースのショッピングセンター、富沢に開店
フレスポ富沢は仙台市が主導する「富沢駅西土地区画整理事業」の一環として建設が進められてきたもので、建物は平屋建5棟、敷地面積は約14,632㎡、延床面積は約3,583㎡。大和リースが運営する複合商業施設としては仙台市内7施設目となる。
同施設は大型衣料品店「ファッションセンターしまむら」、ドラッグストア「ツルハドラッグ」、靴量販店「ABCマート」、100円ショップ「ダイソー」を核に、「眼鏡市場」、託児機能付オフィス「ママスクエア」など10店舗が7月11日に出店、雲の上カンパニーが運営する仙台発のラーメン・中華そば専門店「伊藤商店」が8月上旬に出店、先行オープンした店舗と合わせて最終的に14店舗が開店する計画となっている。
フロアマップ。
発展著しい富沢、2018年にはアクロスプラザも開業
フレスポ富沢の正面では2018年1月に、同じく大和ハウスグループの大和情報サービスが運営する「アクロスプラザ富沢西」が開業しており、食品スーパー「ヨークベニマル」、百貨店ギフトサロン「三越富沢」、トップカルチャーの複合書店「蔦屋書店」が出店していることから、フレスポは一部を除きアクロスプラザに欠落していた専門店(低価格衣料品店、靴量販店など)を補完する役割を持つ施設となる。
大和リースは「大和ハウスグループ全体で地域の利便性を向上させ、地域の方々の日常に寄り添う施設を目指す」とコメントしており、食品スーパーや飲食店、ビジネスホテルの進出が相次ぐ富沢エリアのさらなる求心力向上が予想される。
フレスポ富沢
住所:宮城県仙台市太白区富田字京ノ北54-1(20B-51L)
営業時間:9:00~22:00(ツルハドラッグ)

関連記事:アークスグループ、イトーチェーンを2019年9月に子会社化-東北の店舗網強化へ
関連記事:ブランチ仙台、2019年4月25日全面開業-青葉区と泉区にまたがる複合商業施設
関連記事:大塚家具仙台ショールーム、2019年5月6日閉店-東北から全面撤退
関連記事:イオンモール名取、2019年4月19日増床リニューアル-東北最大のイオン、更に”巨大化”
関連記事:カインズ仙台泉店、2018年7月20日開店-「西友仙台泉店」跡地、周辺の再活用進む
関連記事:イオンスタイル仙台卸町、2018年9月15日開業-東北最大級の「食」フロアなど約70店
アークスグループ、イトーチェーンを2019年9月に子会社化-東北の店舗網強化へ
流通大手「アークス」(北海道札幌市中央区)は、宮城県地盤の食品スーパー「伊藤チェーン」(イトーチェーン、宮城県柴田町)との株式交換による経営統合を2019年7月5日に締結した。
今回の株式交換契約締結に伴い、アークスは伊藤チェーンの創業家5名から全株式を取得、9月1日に完全子会社化する。

イトーチェーン柴田店(公式サイトより)。
アークス、宮城の地場有力食品スーパーを買収
アークスは1961年10月に「ダイマルスーパー」(大丸スーパー)として北海道札幌市で創業。1989年3月の「丸友産業」(金市舘)との経営統合により「ラルズ」に社名変更、2002年11月の「福原」との経営統合に伴う「アークスグループ」発足により現社名に変更、純粋持株会社に移行した。
2019年2月時点では、北海道・東北地方で総合スーパー「ラルズプラザ」「東光ストア」(旧札幌東急ストア)、食品スーパー「スーパーアークス」「ラルズマート」「ビッグハウス」など334店舗を展開する。
2018年12月には「新日本スーパーマーケット同盟」を東海地方地盤の「バローHD」、西日本地盤の「リテールパートナーズ」と設立、流通再編の新たな核として注目されている。
アークス。
伊藤チェーンは1975年8月に宮城県仙台市の中田青空市場で創業。2008年6月からは「ホームセンタームサシ」への食品館業態店舗を出店開始、2011年9月にはアークスグループも加盟する共同仕入機構「CGCグループ」に加盟、2013年からは東北初となる高級スーパー「北野エース」の新業態「フーズブティック」を導入、2015年7月には東日本大震災より甚大な被害を受けた岩沼市による高台集団移転の商業核として新業態「フーズガーデン玉浦食彩館」を開店、2019年3月には宮城県内のスーパーとしては初となるスマホ決済「PayPay」を導入するなど、意欲的な事業展開を進めている。
2019年7月現在、同社は宮城県内に「食品館イトー」「イトーチェーン」など9店舗展開している。
アークスグループ、手薄な宮城県内での店舗網を強化
アークスグループは2011年10月に青森地盤の「ユニバース」と経営統合して以来、岩手地盤の「ジョイス」「ベルプラス」を相次ぎ買収するなど、東北への出店攻勢を強めていたが、2017年2月の「ジョイス仙台松森店」閉店に伴い宮城県内から食品スーパー業態の店舗を全面撤退したことで、アークスグループが宮城県内で運営する店舗は2019年7月現在、食品ディスカウント業態の「ビッグハウス」7店舗のみとなっていた。
アークスの地盤となる北海道では過疎化が深刻であり、同社の店舗でも中心市街地の店舗の閉店や老朽店舗のスクラップ&ビルドが続いている。今回の買収により、買収店舗を足掛かりとしたさらなる「アークス店舗網の南下」もありうるであろう。
2017年に閉店したジョイス仙台松森店。
関連記事:アークス・バロー・リテールパートナーズ、「新日本スーパーマーケット同盟」と銘打つ戦略的な資本業務提携を締結ー2018年12月25日に
関連記事:マックスバリュ北海道、イオン北海道に2020年3月合併-旧ニチイ・ポスフール系に一本化
関連記事:マックスバリュ東北、イオンリテール東北カンパニーと2020年3月を目処に経営統合へ
関連記事:ブランチ仙台、2019年4月25日全面開業-青葉区と泉区にまたがる複合商業施設
関連記事:大塚家具仙台ショールーム、2019年5月6日閉店-東北から全面撤退
関連記事:イオンモール名取、2019年4月19日増床リニューアル-東北最大のイオン、更に”巨大化”
関連記事:カインズ仙台泉店、2018年7月20日開店-「西友仙台泉店」跡地、周辺の再活用進む
関連記事:イオンスタイル仙台卸町、2018年9月15日開業-東北最大級の「食」フロアなど約70店
韓国マート協会、2019年7月5日に「日本製品の全撤去」要請-韓国のスーパーマーケット協会
韓国の多くのスーパーマーケットが加盟するスーパーマーケット協会「社団法人韓国マート協会」(한국마트협회、ソウル市恩平区)は、7月5日に記者会見を開き、加盟店に日本製品の販売を中止するように要請。
それを受け、加盟するスーパーでは日本製品の撤去がおこなわれている。
(翻訳摘要:한국마트협회 日本 제품 판매 중단)
韓国のスーパー協会加盟店、日本製品全撤去へ
韓国マート協会は韓国にある約4000店もの中小スーパーが加盟する韓国内大手のスーパーマーケット協会(業界団体)。個人経営や市場などに出店する中小スーパーも多く加盟しており、クレジットカードの手数料引下げ運動などをおこなっている。
同団体の発表と韓国紙によると、韓国マート協会は7月5日に旧ソウル日本大使館跡地前で韓国行商人総連合会らとともに記者会見を開催。同協会の洪理事が、日本製品のロゴを踏みながら全加盟店に日本製品を撤去するように呼びかけたという。

韓国マート協会などによる記者会見。
協会側の要請により、韓国の多くのスーパーでは日本製品の撤去が進んでいるという。
(写真は韓国マート協会のリリースより)
外部リンク:사단법인 한국마트협회
イトーヨーカドー丸大新潟店、2019年7月12日リニューアル-家電量販店も出店
新潟県新潟市中央区の総合スーパー「イトーヨーカドー丸大新潟店」が2019年7月12日午前9時にリニューアルオープンする。
イトーヨーカドー丸大新潟店。
新潟唯一のヨーカドー、食品と家電を中心にリニューアル
イトーヨーカドー丸大新潟店は1960年7月に、長岡地盤の「丸大」が運営する百貨店「丸大新潟店」として開業。1977年11月にイトーヨーカドーと業務提携を締結し、1978年3月に現店舗が開業、1991年6月に現在の店舗名となった。
建物は地上8階地下1階建で、売場面積は約10,300㎡。
2019年6月時点では、手芸用品店「クラフトパーク」、100円ショップ「ダイソー」、眼鏡店「和真メガネ」、新潟名物元祖イタリアン専門店「みかづき」など14の専門店が出店する。
今回の改装を機に1999年8月以来、約19年ぶりとなる直営食品売場(地上1階・地下1階)の増床リニューアルを実施。弁当売場と地酒コーナーを改装前の約2倍に拡大、簡便即食ニーズに対応した惣菜の提供や青果・鮮魚売場と連携した商品開発、地酒の取扱品目拡充(改装後350品目)などを進める。その他、ゲームセンター「プレイランド」やタピオカカフェ「TEAVA」も出店する。
また、今回の改装を記念して、7月13日には「クレヨンしんちゃん」が来店するほか、9月1日までイトーヨーカドー春日部店限定の「サトーココノカドーグッズ」を販売する。
ノジマが新規出店-古町・本町エリアに大手家電店復活
今回の改装に先駆けて、イトーヨーカドー丸大新潟店では5階フロアに家電量販店「ノジマ」を6月29日に導入した。
ノジマはかつて、新潟地盤の家電量販店「真電」の買収により、万代エリアで「真電新潟本店」を営業していたが、イオン新潟南ショッピングセンター(現・イオンモール新潟南)への事実上の移転に伴い、2007年7月をもって閉店していた。ノジマ真電の閉店後「石丸電気新潟店」が経営悪化に伴い2008年9月をもって閉店したことで、古町エリアには大手家電量販店が消滅。南に2kmほどの距離にある新潟駅ビルの「ビックカメラ」及び駅前万代口「ヨドバシカメラ」の2店舗が最寄りとなっていた。
今回のノジマイトーヨーカドー丸大新潟店開店により、同社は約12年ぶりに新潟市中心部へ再進出することとなった。
本町食品センターも8月閉店-改装は久々の明るい話題
新潟市を代表する繁華街として知られた古町・本町エリアでは1990年代以降は大型店の閉店が相次いでおり、とくに2010年6月に百貨店「大和新潟店」が閉店して以降は、同年9月に「新潟WITH」(旧・新潟イチムラ)、2016年1月にファッションビル「ラフォーレ原宿・新潟」(NEXT21)が相次ぎ閉店、2019年8月には本町市場の集客の要である「本町食品センター」が、2020年3月には「新潟三越」が閉店を予定している。
こうした大型店閉鎖の動きに対応して、2017年8月にはラフォーレ跡に新潟市中央区役所が移転、2018年2月に大和跡地で整備が進められる再開発ビル「古町ルフル」の着工、2020年3月の新潟三越閉店後進められる地場不動産会社による三越跡の購入、再活用といったプロジェクトも構想段階にあるが、ラフォーレ跡の商業床はコンビニ、医療機関、サービス系店舗のみ、古町ルフルの商業床も全12フロアのうち低層2フロアのみ、新潟三越跡地の再生も詳細が発表されておらず、空洞化に歯止めがかからない現状がある。
イトーヨーカドーは2018年8月に「イトーヨーカドー丸大柏崎店」を閉店、2019年2月に「イトーヨーカドー丸大長岡店」を閉店、同年5月に「イトーヨーカドー直江津店」を閉店しており、県内最古の店舗である新潟店の去就に注目が集まっていた。
新潟三越閉店後、エリア唯一の大型店となるイトーヨーカドー丸大新潟店が今回実施した全面リニューアルはひさびさの明るい話題となった。
関連記事:イトーヨーカドー直江津店、2019年5月12日閉店-新たなテナントを誘致へ
関連記事:イトーヨーカドー丸大長岡店、2019年2月までの閉店検討-丸大本店、67年の歴史に幕へ
関連記事:イトーヨーカドー丸大柏崎店、2018年8月19日閉店-37年の歴史に幕