三菱商事、2017年にローソンを子会社化へ

総合商社大手の「三菱商事」(千代田区)は、9月16日にコンビニエンスストア大手の「ローソン」(品川区)を子会社化すると発表した。
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ローソンの店舗(福岡県)。

旧ダイエー系、ATMやLoppiなど先進的経営で知られたが…

ローソンは2016年9月現在、コンビニエンスストア国内3位。日本国内に約12,000店舗を展開するほか、中国、インドネシアなどに展開する。
1974年、当時国内流通最大手だった「ダイエー」のコンビニ事業部として大阪府豊中市に1号店を出店。1997年には小売業では初となる国内47都道府県出店を達成、コンビニ業界初となる銀行ATMやマルチメディア端末「Loppi(ロッピー)」の設置、ヤマト運輸との連携など先進的なサービスを展開。また、「100円ローソン」や「ナチュラルローソン」など、多彩な業態を展開してきた。
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ナチュラルローソンの店舗(東京都)。

ローソンは、2000年には親会社であったダイエーの経営再建の一環として三菱商事に株式の約20%を売却。その後も三菱商事は株式の買い増しを続け、2016年9月15日現在は株式の約33%を保有する筆頭株主となっている。
しかし、コンビニ業界国内3位であった「ファミリーマート」がam/pm、サークルK・サンクス、ココストア・エブリワンなどを相次ぎ買収、ローソンは業界2位から3位に転落した。さらに、三菱商事も2015年度決算で創業以来初となる赤字に転落するなど、両社は抜本的改革を迫られていた。
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三菱商事本社の入居するビル(千代田区)。

2017年からTOB、約1440億円でローソンを子会社化へ

三菱商事はローソンを子会社化するにあたって約1440億円を投資し、2017年1月から行うTOB(株式公開買い付け)で株式保有率を50.1%に引き上げる。
子会社化にあたっては、ローソンとしては総合商社の強みである海外戦略のノウハウ獲得や三菱商事系の食品卸「三菱食品」(旧・菱食)との連携強化を図れること、三菱商事としては成長が見込まれるコンビニ事業の獲得と言った点で、両社の思惑が一致したと考えられる。
総合商社である三菱商事がローソンを子会社化したことで、三菱商事は小売業などより消費者に近い事業での利益獲得を狙う「川下戦略」の拡大を図ることとなる。

外部リンク:三菱商事株式会社による当社株式に対する公開買付けの開始予定に関する意見表明及び業務提携契約の変更のお知らせ(ローソン)
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