中三青森本店、2019年4月30日閉店-再開発ビル下層階に再出店を検討

青森県青森市の百貨店「中三青森店」(青森本店)が2019年4月末で閉店する。
同店周辺では再開発計画があり、中三は「一時休業」として、新たな建物の一部に再出店することを検討しているという。
p1040665中三青森本店。

かつて北東北全土に出店していた中三

中三は1896年に五所川原市で創業。1950年に株式会社化、1962年には中三弘前店を開業。百貨店としての営業を本格的にスタートさせた。

その後、1974年に青森市に、1981年に盛岡市と二戸市に、1997年に秋田市に進出し、北東北各地に店舗を構えることとなった。
しかし、1983年には二戸店を、2006年には五所川原店を、2009年には秋田店を閉店。
2011年には東日本大震災の影響で盛岡店が爆発事故を起こし(火元は隣接店舗)、同年に民事再生法を申請、経営破綻した。同時に日本百貨店協会を離脱、盛岡店は営業再開せずに閉店している。
image旧・中三秋田店(イオンモール秋田)。

その後、投資ファンド「フェニックス・キャピタル」の出資により2015年に民事再生手続きを終結。現在は青森店を本店とし、青森店、弘前店の2店舗で営業をおこなっている。
p1040572中三弘前店。

2016年から中三は青森市に本社を置く「MiK」がスポンサーとなっている。
同社は北海道・東北地方などで「カプリチョーザ」をFC運営しているほか、北海道・北東北を中心に飲食店や八甲田温泉などでのホテル運営など、多岐に渡る事業を行っている。
今回、閉店が発表された中三青森本店は1974年5月開店。売場面積は15,571㎡。
近年は建物の老朽化が目立っており、耐震性が不足していることも公表されていた。

再開発後の再出店検討-「小規模化」の可能性も

中三青森店の周辺にあたる「新町1丁目地区」では再開発計画が持ち上がっており、店舗は解体される。
複数の青森地元メディアによると、再開発後は複合ビルが建設され、低層階を商業床、高層階をマンションとする計画。中三駐車場棟も解体されるため、大型駐車場も設けられるとみられる。
中三は再開発後の建物への出店を検討しているというが、複合ビル下層階(最大でも3フロア)への出店であるため、たとえ再出店したとしても現在の売場面積より小さな規模になる可能性が高い。

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