カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

台湾国家撮影文化センター台北館、2021年4月19日開館-旧・大阪商船ビル、7年かけて復原

台湾・台北市中正区の台北駅前の「大阪商船台北支店ビル」の復原が完成し、博物館「国家撮影文化センター台北館(國家攝影文化中心台北館)」として2021年3月25日にプレオープン、4月19日に正式開館する。

国家撮影文化センター台北館(國家攝影文化中心台北館)。

中文摘要:「國家攝影文化中心」將於110年3月25日試營運、4月19日正式開幕。這座為1937年落成的「大阪商船株式會社台北支店大樓」。經歷七年規畫整修。

知られざる歴史建築だった「大阪商船ビル」を復原

大阪商船台北支店ビルは1937年に開業。大阪商船は住友系の商船会社として創業、当時は日本(内地)と台湾や南方を繋ぐ重要な航路を運航しており、昭和初期には台湾に18の拠点を構えていた。台北博覧会(1935年)を前にした1934年には台北市栄町二丁目(現:衡陽路)に大型の案内所を開設したほか、台北駅前にも店舗を構えていた。さらに、1937年には、基隆市にあった大阪商船の台湾本部機能(基隆支店、基隆大空襲で焼失)を台北駅前(台北市表町)に移転させるかたちで、現存する大型の自社ビル「大阪商船台北支店ビル」が完成した。
建物は渡邊節の設計で、地上3階建て(一部4階建て)。3階までは洋風建築でありながら4階は瓦屋根を乗せている、いわゆる「帝冠様式」の建物であった。1階には切符売り場が設けられ、2~3階はオフィスになっていたという。
戦後は建物を中国国民党政府が接収し「公路總局」などとして活用。のちに3階・4階の屋根は切除されオフィスが増築されており、外観は竣工時と大きく異なるものとなっていた。そのため、台北駅前の目立つ位置にありながら歴史建築だと知らない市民も多かったと思われる。

復原前の「公路總局」(ストリートビューより)。

その後、2013年には公路總局が萬華区へ移転したのに伴い台湾政府文化部の所有となったことで復原計画が具体化した。さらに、2014年には建物が古蹟に指定され、7年間かけて建物を元の姿に戻すべく、復原作業がおこなわれていた。

復原中の大阪商船ビル。4階部分の骨組みが見える。

なお、現在「大阪商船」は三井グループの「商船三井」となっており、内航部門として「フェリーさんふらわあ(旧・関西汽船)」など、不動産部門として「ダイビル」などを傘下に持つ。

同時期に同設計者により建設された大阪商船・ダイビル本館(大阪市)。

台湾の古写真などを展示する歴史とアートの博物館に

大阪商船台北支店ビルを活用した「国家撮影文化センター台北館(國家攝影文化中心台北館)」は、国立台湾美術館のもとで台湾を中心とした写真や映像、それに関連する書物などを所蔵・展示する博物館。建物の歴史についても展示されるほか、企画展として現代・過去の様々な写真作品の展示をおこなう。
3月27日から4月18日までは、予約が必要なプレオープン期間として運営。4月19日に開業記念式典が挙行され、グランドオープンとなる。

1階部分(開業前)。

館内は、1階がカフェ、文創商店(ミュージアムショップ)、図書館。2階と3階が展示室と倉庫となる。
同館の発表によると、建物の復原に際しては撤去されていた4階屋根部分の再現(復元)が特に困難を極めたとのこと。
開館記念展示として、台湾の歴史的写真を集めたテーマ展、さらに、現在の世界の写真家が撮影した作品を展示する国際展などが開催されている。

国家撮影文化センター台北館
國家攝影文化中心台北館

台北市中正區忠孝西路一段70號(旧・台北市表町二丁目9)
営業時間:10時~18時(※月曜日(星期一)定休日)

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大丸四万十店、2021年2月28日閉店-高知大丸の「四万十プラザ」、前身から約50年の歴史に幕

高知県四万十市中村の土佐くろしお鉄道中村駅前にある百貨店「大丸四万十店(高知大丸四万十プラザ)」が、2021年2月28日に閉店した。

高知大丸四万十プラザ。

中村の大丸、約半世紀の歴史に幕

高知大丸四万十プラザの前身となる中村の大丸小型店は1970年代に開業。永年、中村市中心部の天神橋商店街に店舗を構えていたが、2000年代に入り中村駅前のハローマック跡(ハローマックの跡、中古店が短期間出店)に移転した。
店内では婦人服、婦人雑貨、化粧品などを中心に銘菓なども販売していた。
なお、同店に入居する婦人服「ワールドサロン」は、今後も営業を続けるとしている。

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名古屋テレビ塔、2021年5月1日から「中部電力MIRAI TOWER」に-ネーミングライツ取得で改名

名古屋市中区栄にある展望タワー「名古屋テレビ塔」のネーミングライツを中部電力が取得し、2021年5月1日から「中部電力MIRAI TOWER(ミライタワー)」という新名称に生まれ変わる。

レイヤード・ヒサヤオオドオリパークと名古屋テレビ塔。
(撮影:hirotti…さん

「タワー六兄弟」の長男、2020年にリニューアル

名古屋テレビ塔は日本初の展望台付きテレビ塔として1954年6月に開業。
設計者の内藤多仲博士は「塔博士」とも称され、同塔を皮切りに「タワー六兄弟」と呼ばれる通天閣(2代目)、別府タワー、さっぽろテレビ塔、東京タワー、博多ポートタワーを相次いで設計している。
2005年には国の登録有形文化財に指定された一方、テレビ塔としての機能は2011年のアナログテレビ放送と2012~2016年まで行われたNOTTVの放送終了を以て終了している。2020年にはリニューアルをおこない、合わせて館内に宿泊施設THE TOWER HOTEL NAGOYA(ザ・タワーホテル・ナゴヤ)が開業したほか、タワー下にある久屋大通公園も三井不動産などによって「レイヤード・ヒサヤオオドオリパーク」としてリニューアルしている。

「レイヤード・ヒサヤオオドオリパーク」ロゴ。

中部電力のネーミングライツ所得で「ミライタワー」に

中部電力MIRAI TOWER」の新名称は、中部電力のネーミングライツ取得により同社の創立70周年となる5月1日より使用が開始される。命名権契約額は非公表。

新名称「中部電力ミライタワー」ロゴ。
(ニュースリリースより)

改名を前に、4月30日18時からはオープニングセレモニーを実施。
新名称となる5月1日は「中部電力の日」として展望台入場料を大人900円を500円に、小人400円を無料に割引し、入場料収益を社会貢献活動に寄附するとしている。

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一畑百貨店ゆめタウン出雲店、2021年3月12日開店-駅前から移転、2年ぶり「復活」

島根県出雲市にあるショッピングセンター(総合スーパー)「ゆめタウン出雲」の1階に、小型百貨店「一畑百貨店ゆめタウン出雲店」が2021年3月12日に開業した。

ゆめタウン出雲。

2019年に閉店していた一畑出雲店

一畑百貨店ゆめタウン出雲店の前身となる一畑百貨店出雲店は1964年に一畑百貨店松江本店の支店として開店。
老朽化のため2000年に当時の店舗は解体され、跡地に建設された一畑ツインリーブスホテルの建物に2001年に縮小再出店した。

旧・一畑百貨店出雲店。

売場面積は1,639㎡+催事スペースであったが、2019年2月28日に閉店。出雲市では2000年に広島そごう出雲ショップも閉店しており、市内から(空港売店を除いて)百貨店は消滅していた。

一畑出雲店、ゆめタウン1階に2年ぶり復活

一畑百貨店ゆめタウン出雲店が出店するのは「ゆめタウン出雲」の本館1階。1階ではイズミについで面積が広い同店の核テナントの1つで、店舗面積は414㎡となる。
こうした総合スーパーへの百貨店出店は九州を中心に多く見られるが、山陰地方では珍しい。

一畑百貨店ゆめタウン出雲店(公式サイトより)。

ファッションコーナーではマックレガーエリフェセラピなどの婦人服、婦人雑貨・化粧品などを中心に販売。
食品コーナーでは、地元産品コーナー「これね しまね」や全国銘菓を扱う「菓匠庵」を開設。松江銘菓「桂月堂」も出店する。
このほか、ギフトコーナー、サービスカウンター(一畑友の会受付)も設けられる。

店内のようす(一畑百貨店・公式ツイッターより)。

一畑百貨店ゆめタウン出雲店

住所:島根県出雲市大塚町650-1 イズミゆめタウン出雲1階

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松江タウンスクエア・キャスパル、2021年4月18日閉館-旧アピア、40年の歴史に幕

島根県松江市の松江城近くにあるショッピングセンター「松江タウンスクエア キャスパル」が、2021年4月18日に閉館する。

松江タウンスクエア キャスパル。

山陰有数の老舗ショッピングセンター・キャスパル

キャスパルは協同組合松江ショッピングプラザが運営するショッピンングセンター「松江ショッピングプラザ アピア」として1981年11月に開業。当時は島根県では数少ない郊外型ショッピングセンターであった。
しかし、核店舗であったスーパー「原徳チェーン(現在のホック)」が2004年に倒産。アピアは同年に休業(事実上の閉店)となった。
その後、アピアは原徳チェーンの後継企業「ホック」が全館を借り受け、2006年3月に「キャスパル」として営業を再開することとなった。

別館(左、後述)との連絡通路。

現在の店舗面積は9,536㎡で、建物は2階建て。ホックを核にファストファッション「ハニーズ」、手芸「丸十」、100円ショップ「TOKUTOKUYA(得得屋)」、「サンドラッグ」、「宮脇書店」などが出店する(一部は閉店済み)ほか、フードコートを備える。
また、建物の南側には空中連絡通路で接続された別館がある。

跡地は未定-別館のビッグエスは営業継続

閉店後の跡地の活用方法などについては、3月時点は発表されていない。
なお、別館にある「フィットネスジム24 ビッグ・エス松江」、敷地内にある「島根銀行黒田出張所」は、営業を続けるとしている。

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コンフォートホテル京都東寺、2021年4月8日開業-ダイエーグルメシティ九条東寺店跡に「東寺&トレインビュー」ホテル誕生

京都府京都市南区の近鉄京都線東寺駅前にあったダイエーグルメシティ九条東寺店の跡地に、チョイスホテルズジャパンの宿泊施設「コンフォートホテル京都東寺」が2021年4月8日に開業する。

東寺のダイエー跡地、NTT都市開発の複合施設に

チョイスホテルズジャパン(本社:東京都中央区)は、2000年9月に大手ホテルチェーン「Choice Hotels International」(本社:米国メリーランド州/世界40ヶ国7,000施設超)の日本におけるマスターフランチャイジー会社「日本チョイス」として設立。設立当初より、東海地方地盤の大手ホテルチェーン「グリーンズ」(本社:三重県四日市市)の完全子会社として経営が行われている。
コンフォートホテル京都東寺が出店するのは九条油小路交差点近くの国道1号線・九条通り沿い。近鉄東寺駅、市バスの九条近鉄前バス停からもすぐの場所となる。
建物は2021年2月に竣工、地上8階地下1階建、敷地面積は984.24㎡、延床面積は約5,944.37㎡。客室数は全182室。

Comfort HOTEL Kyoto Toji.
駅やバス停から至近の場所となる。

当地には長らく、1968年11月に開店したダイエーグループの総合スーパー「ダイエーグルメシティ九条東寺店」(旧・サカエ/地上3階建、売場面積1,325㎡)が営業していたが、競合店の相次ぐ進出もあり2018年12月をもって閉店。
ダイエー跡地ではNTT都市開発主導のもと、2019年11月以降「京都東寺駅前開発プロジェクト」として、コンフォートホテルを核にブランワン(本社:京都市中京区)のベーカリーカフェ「Fiveran」が出店する複合施設の建設が進められていた。

ダイエーグルメシティ九条東寺店。(2018年当時)

コンフォート京都再進出2号店、独自の空間やサービスも

コンフォートホテル京都東寺では、3月24日に開業した「コンフォートホテル京都堀川五条と同様、京都に特化した新たなコンセプト「re;KYOTO~ここからはじまる、新しい京都~」を掲げ、京都発のテキスタイルブランド「ケイコロール」(山元桂子氏)とのコラボを実施。
内外装は「シンプルでありながら、深みのあるデザイン」「静けさだけでなく、趣きもあわせ持つ、京都に魅せられた人々が何度も訪れたくなるホテル」を意識。館内中央には吹き抜け(坪庭)が設けられ、内装には碁盤の目のモチーフ、フロントには京町家のモチーフ、ライブラリーカフェには満月をモチーフとした照明や和傘があしらわれている。

Comfort HOTEL Kyoto Toji Front.

館内にはオープンスペース「Comfort LibraryCafe(コンフォートライブラリーカフェ)」を設置。同社としては27施設目で、フリードリンクやブックディレクターの幅允孝氏が選書した書籍・写真集(180冊超)に加え、フリーWi-Fiやコンセントが整備される。
また、宿泊者を対象とした茶道体験などイベントを開催可能なスペースを設ける。(茶道体験の提供方法や日程、金額など詳細は未定)

Comfort Library Cafe Kyoto Toji.

一部客室は「東寺ビュー」「トレインビュー」

客室にはソニー製のAndroidTV(HDMI接続可能)や可動式のデスクを導入するなど、コロナ禍での「ニューノーマル」やテレワークに対応。

客室。

さらに、京都駅徒歩圏内かつ東寺駅そばであることから、一部の客室からは神社仏閣や京都タワーに加えて新幹線や近鉄京都線を一望することができる。

鉄道好きの担当者オススメの客室。
写真左には近鉄京都線の東寺駅がみえる。

都商研の取材に対し、鉄道好きの担当者は「この部屋に当たると嬉しくなる」とコメント。客室からの景色のよさ、そして「トレインビュー」であることも人気を呼びそうだ。

コンフォートホテル京都東寺
(Comfort HOTEL KyotoToji/凱富酒店京都東寺)

住所:京都府京都市南区西九条島町 54-1
(ダイエーグルメシティ九条東寺店跡地)
※予約・宿泊プラン詳細は以下リンク参照

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コンフォートホテル京都堀川五条、2021年3月24日開業-旧・日本1号店近くに再出店、京都らしい「伝統文化の提案」掲げる

京都府京都市下京区の京都市営地下鉄烏丸線五条駅近くに、チョイスホテルズジャパンが運営する宿泊施設「コンフォートホテル京都堀川五条」が2021年3月24日に開業する。

米国発のグローバルホテルチェーン「チョイスホテルズ」

チョイスホテルズジャパン(本社:東京都中央区)は、2000年9月に大手ホテルチェーン「Choice Hotels International」(本社:米国メリーランド州/世界40ヶ国7,000施設超)の日本におけるマスターフランチャイジー会社「日本チョイス」として設立。設立当初より、東海地方地盤の大手ホテルチェーン「グリーンズ」(本社:三重県四日市市)の完全子会社として経営が行われている。
チョイスホテルズジャパンは、2019年10月のマスターフランチャイズ契約更新にあわせてロゴマークを刷新。あわせて訪日外国人観光客増加を見据えた積極的な新規出店と既存施設のリニューアルを進めていた。

現在のコンフォートホテル・ロゴマーク。

2021年2月末時点で、日本国内における「コンフォートイン」「コンフォートホテル」「コンフォートスイーツ」の施設数は全国66施設、客室数は10,495室となっている。

コロナ禍のなか堀川五条に出店したコンフォート

コンフォートホテル京都堀川五条が出店するのは堀川五条交差点近くの国道1号線・堀川通り沿いの民家跡。地下鉄五条駅、市バスの堀川五条バス停からもすぐの場所となる。
建物は地上10階建、延床面積は約4,573.08㎡。客室数は全153室。

Comfort HOTEL Kyoto Horikawagojo.
駅やバス停から至近の場所となる。

コンフォートホテル京都堀川五条では、観光客需要に加え、京都府内の大学や研究所、MICE施設利用客などビジネス需要の獲得をめざす。
その一環として、館内のオープンスペース「Comfort LibraryCafe(コンフォートライブラリーカフェ)」(同社26施設目)では、フリードリンクやブックディレクターの幅允孝氏が選書した書籍・写真集に加え、フリーWi-Fiやコンセントを整備。客室にはコンセントやUSBポートを10口ほど整備、ソニー製AndroidTV(HDMI接続可能)や可動式のデスクを導入するなど、コロナ禍でのニューノーマルやテレワークへの対応をおこなっている。

Comfort Library Cafe Kyoto Horikawagojo.

また、同ホテル最大の占有面積とベッド数を備える「ファミリールーム」(25㎡)には“小上がり”を導入するなど、「清潔感かつ温かみのあるデザインを前提に、アクセントとして京都旅行での躍動的な気分が継続できるような地域性をプラス」するとしている。

Family Room(Three Beds).

「7年ぶり復活」で「京都ならではの伝統文化」提案

コンフォートホテル堀川京都五条の近くには、かつて1999年2月にコンフォートブランド日本1号店として開業した「コンフォートイン京都五条」(2014年1月閉館/客室数46室)が立地。同ホテルとしては約7年ぶりの京都府内再進出となる。
同ホテルは日本における“コンフォートブランド始まりの地”への再進出であることから、京都に特化した新たなコンセプト「re;KYOTO~ここからはじまる、新しい京都~」を掲げ、伝統と新しさの双方に焦点を当てた内容となる。
その一環として、1930年創業の舞台衣装専門染工場「山元染工場」が2016年4月に立ち上げたテキスタイルブランド「ケイコロール」(山元桂子氏)とのコラボを実施。客室内には同氏によるファブリックパネルを展示するほか、ライブラリーカフェには「館内のダークな色調に悪目立ちしない明るい気持ちの配色を意識した山のライン」を強調した暖簾アートが展示されている。

コンフォートホテル京都五条の暖簾アートと山元桂子氏。

2021年4月8日開業予定の「コンフォートホテル京都東寺においても、客室にケイコロールのパネルを展示。京都東寺のライブラリーカフェでは宿泊者を対象とした茶道体験などイベントを開催する。(茶道体験の提供方法や日程、金額など詳細は未定)
担当者は都商研の取材に対して(コロナ禍によって)ホテル内で楽しめる内容を充実させたことは「ビジネスホテルではなかなか珍しい」ことだとして期待を寄せる。

コンフォートホテル京都東寺の茶道体験。

コロナ禍のなか「付加価値」でより楽しめるホテルに

京都府内では、近隣の府県や都市と比べ新型コロナウイルスの感染者数の抑え込みがなされており、2021年2月28日をもって京都府の緊急事態宣言が解除、さらに京都市では3月22日をもって飲食店への時短要請が解除されている。その一方で、宿泊施設においては依然としてビジネス需要・観光需要ともに先行きが不透明な状況にある。
こういった背景もあり、コンフォートホテル京都五条は従来のビジネスホテルとしての価値向上のみならず、京都が持つ伝統文化をホテル内で体感・体験できるという付加価値を付け加えることで「ビジネスホテル+α」を実現。結果的に「ビジネス客」「観光客」の双方にとってより過ごしやすく、そしてより楽しめるホテルになったといえよう。

コンフォートホテル京都堀川五条
(Comfort HOTEL KyotoHorikawaGojo/凱富酒店京都堀川五條)

住所:京都府京都市下京区堀川通五条下る泉水町 134-32
※予約・宿泊プラン詳細は以下リンク参照

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東急ハンズ池袋店、2021年10月31日閉店-ハンズ旗艦店、37年の歴史に幕

東京都豊島区のサンシャインシティ近くにある大手雑貨店・都市型ホームセンター「東急ハンズ池袋店」が、2021年9月下旬に閉店する。
追記:閉店日は10月31日となった。

東急ハンズ池袋店・エントランス。

池袋のハンズ、37年の歴史に幕

東急ハンズ池袋店は「住友生命池袋ビル」の核テナントとして1984年9月に開業。建物は地下2階地上9階建て、売場は1階から8階まで、店舗面積は6,390㎡で、同社の旗艦店として知られる。
建物は三菱UFJ信託銀行を経て、2021年現在は大部分がヒューリックの所有となっている。

東急ハンズ池袋店(ヒューリックより)。

ハンズは閉店理由について老朽化を大きな要因としているものの、池袋駅近くではマルイが閉店を発表しているほか、飲食店の撤退も目立っている。ハンズも3月時点では近隣への移転などを発表しておらず、池袋地域はコロナ禍の影響が非常に大きなものとなっている。

建物の今後やハンズの後継店舗などについては、3月時点では発表されていない。

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香椎ビッグマートビル、2021年4月閉館-旧・ダイエー、ヤマダはベスト電器跡に移転

福岡県福岡市東区千早の西鉄香椎宮前駅・国道3号線沿いにある福岡地所グループの複合商業ビル「香椎ビッグマートビル」が2021年4月中旬を目処に全館閉店する。
香椎ビッグマート(家電住まいる館YAMADA)とベスト電器

旧ダイエー、香椎一の商業ビル「ビッグマート」

香椎ビックマートは1980年5月に開業。建物は地上5階地下1階建、店舗面積は12,419㎡。2020年時点では福岡地所グループのエフ・ジェイ・エンターテインメントワークスが運営する。
開業当初は福岡市東区で最大の大型店であり、総合スーパー「ダイエー香椎店」を核に「ベスト電器」や地場文具・事務用品店「ピットまつや」などの専門店、福岡地所系の「TNC西日本文化サークル」「九州スポーツ振興・福岡イトマンスイミングスクール」(ともに本社機能併設)といったカルチャー施設に加え、当時福岡地所の大株主だった「福岡シティ銀行(現・西日本シティ銀行)」の支店が出店していた。
さらに、隣接地には福岡地所グループの大規模分譲マンション「サンライフ香椎」や飲食店街「香椎ファミリープラザ」(ドムドムなど出店)、香椎駅前には旧・ユニード系の総合スーパー「ダイエー香椎駅前店(ユニード香椎アピロス)」(1973年開店/2000年閉店)が出店しており、福岡地所・ダイエーともにドミナントを形成していた。
しかし、2000年代に入ると近隣にイオン香椎浜、ゆめタウン博多など大型ショッピングセンターが相次ぎ出店。その影響もあり、福岡イトマンが香椎本店を閉校(本社は南区長住に移転/香椎スポーツガーデンフェニックスが居抜き出店)、2005年10月には核店舗のダイエーが閉店するなど、テナントが相次ぎ撤退した。
そのため、ダイエー閉店直後の同年12月に家電量販店「ヤマダ電機テックランド福岡香椎本店」と食品スーパー「ハローデイ香椎店」を核とする施設にリニューアル。地階には「ダイソー」と「サンドラッグ」が新規出店、高層階には福岡イトマンの受け皿となった「ブリヂストンスイミングスクール」がフェニックスを買収するかたちで再出店するなどして再生を果たした。
香椎ビッグマートのエントランス。

核店舗であり、ヤマダ電機テックランドから業態転換した「家電住まいる館YAMADA福岡香椎店」の営業フロアは地上1~2階、売場面積は9,421㎡。
ヤマダグループの福岡旗艦店であり、テックランド時代は家電製品に加えて書籍売場やカー用品売場を導入するなど幅広い品揃えであった。一方で、2012年12月にヤマダがベスト電器を子会社化したことで、近接するベスト電器(→ビックカメラ→B・B香椎本店)とのグループ間競合が生じることとなった。
そこで、ベストには同社と提携関係にあった「ゲオ・セカンドストリート」に加えて2015年7月に地場手芸店「サンカクヤ」、2016年12月に「西松屋」を導入。また、ヤマダは2018年5月に家電住まいる館YAMADAの九州1号店に業態転換、2019年4月には「ヤマダ不動産」を導入するなどして、棲み分けが図られた。

ビッグマートは解体、ヤマダはベスト跡に移転

築40年を迎えた香椎ビッグマートは近年老朽化が進んでおり、再開発計画が始動していた。
2020年11月にヤマダ不動産が路面店として香椎駅前に移転。12月にはブリヂストンスイミングスクールと地階フードコートが閉鎖。さらに、ダイエーに代わるかたちで施設の核店舗となったヤマダとハローデイも2021年3月31日をもって現店舗を閉店することを発表している。

ひと足先に閉店した西銀跡。

残るサービス系店舗も4月中旬を目処に閉店する予定で、建物は全館閉鎖となる見込み。5月以降解体工事が予定されているが、3月時点では跡地の活用方法などについては発表されていない。
このうち、ヤマダは近接するベスト電器の建物への移転を発表している。ベスト電器は2021年3月7日をもって閉店、テナントの西松屋やゲオ・セカンドストリートも3月中に閉店している。

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港南台バーズ、高島屋跡に増床して2021年4月22日リニューアル開業-無印良品を核にノジマなど出店

神奈川県横浜市港南区のJR根岸線港南台駅前にあった「高島屋港南台店」の跡に、専門店街「港南台バーズ」が増床し、2021年4月22日にリニューアルオープンする。

港南台バーズ。

港南台高島屋、バーズ専門店街に

高島屋港南台店は、相鉄グループの日本市街地開発(当時)が開発を主導する商業施設「港南台バーズ」の百貨店核「横浜高島屋港南台店」として1983年10月1日に開業。高島屋グループの運営会社再編に伴い、1995年9月に高島屋の直営店舗となった。

高島屋港南台店。

営業フロアは地上5階地下1階、売場面積は8,214㎡、売上高は79億7900万円(2019年2月期)。ペデストリアンデッキや連絡通路を通じて総合スーパー「ダイエー港南台店(イオンフードスタイル港南台)」、既存の「港南台バーズ専門店街」に直結していたが、高島屋は経営不振により2020年8月16日に閉店していた。
その後、高島屋跡は専門店街とすべく改装がすすめられていた。

高島屋跡、大型専門店で構成-食品はMUJI×伊勢丹

今回の増床リニューアルは、相鉄アーバンクリエイツと相鉄ビルマネジメントが高島屋が出店していたエリアを全面改装しておこなうもの。
キャッチフレーズは「+New わくわくプラス、ときめきプラス」で、高島屋跡は殆どに大型専門店が出店する形式となる。

高島屋跡・専門店の構成。

そのうち、地階と1階には核テナントとして「無印良品」が5月14日に移転・増床して出店。店舗面積は約4973㎡と、無印良品として関東最大級で、食品売場は「クイーンズ伊勢丹」を展開する三越伊勢丹グループの「エムアイフードスタイル」と共同で運営し、「食と農」をテーマに地元の旬野菜のほか、生鮮食品やグロサリー、総菜などを取り扱うとしている。また、他の無印良品大型店と同様に「おかしの量り売りコーナー」「給水コーナー」等も設置される。
2階には「アカチャンホンポ」「スタジオマリオ」が出店するほか、キッズスペースなどを新設。
3階には「ユニクロ」(増床移転)と「ジーユー」、4階には「コーナン」、5階には家電量販店「ノジマ」が県内最大級の売場面積で、それぞれ核テナントとして出店する。コーナンには工作コーナー「DIY LABO」を併設する。
さらに、屋上には遊具エリア「バーズテラス」を新設。テラスには「バーベキューエリア」が設けられるといい、地域の憩いの場となりそうだ。

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