東京都千代田区の東京駅日本橋口前で三菱地所グループが開発を進める「TOKYO TORCH (トウキョウトーチ)」のA棟「常盤橋タワー」低層階に、同社の商業フロア「TOKYO TORCH Terrace(トウキョウトーチテラス)」が2021年7月21日にプレ開業する。
TOKYO TORCH Tokiwabashi Tower.
三菱地所の東京駅前複合再開発、一部先行開業
TOKYO TORCH は、三菱地所が施行者として主導する「大手町二丁目常盤橋地区第一種市街地再開発事業(通称:常盤町街区再開発プロジェクト)」として2016年4月に都市計画(国家戦略特区認定)が決定、2017年4月に着工。2020年9月に現在のプロジェクト名称となった。敷地面積は約31,400㎡で、総延べ面積は約740,000㎡。

LOGO image.
建物は主にA棟(常盤橋タワー)、B棟(TORCH TOWER)、C棟(変電所棟)、C棟(下水道棟)の4棟で構成されており、2027年度を目処にショッピングモール(SHOP&RESTAURANTS)やオフィス、ホール、国際級ホテルなどが整備される。
(詳細は過去記事を参照)
常盤橋タワー低層階は「地方の名店」中心に
TOKYO TORCH のA棟(常盤橋タワー)は2018年1月に着工、2021年6月末に竣工。建物は地上38階地下5階建で、商業フロアは1~3階、オフィスフロアは9~37階、延床面積は約146,000㎡。高さは約212m。

Tokiwabashi Tower Floor Plan.
商業フロア(TOKYO TORCH Terrace)のうち、1階にはスペイン料理・スペインバル「Bar Español YEBRA」といった日本初の飲食店や、大阪・梅田のフレンチ串揚げ店「BEIGNET」や佐賀・鹿島に本社を置く三原食品のソイドリンク&フードカフェ「TOFFEE tokyo」といった東京初の飲食店、MOTHERSグループのオールデイダイニング新業態「TATA BAR RESTAURANT CAFÉ」、新潟・燕三条のイタリアン「Tsubamesanjo Bit TOKYO」、クラフトビアレストラン「CRAFT BEER MARKET」といった飲食店6店舗が出店。

Bar Español YEBRA.

BEIGNET.

TOFFEE tokyo.
2階には北海道札幌市に本社を置くオーシャンの和食・炉端焼き新業態「北海道 炉端 えぞ羅」や兵庫県伊丹市に本社を置く野乃鳥(Nonotory)の鶏料理新業態「丹波赤どり専門 とりのや 本店」といった東京初の飲食ブランド、BRIANZAの炭火焼きラテンイタリアン新業態「BRIANZA TOKYO」といった飲食店3店舗が出店。

BRIANZA TOKYO.
地下1階には超速鮮魚羽田市場の海鮮居酒屋新業態「魚と日本酒羽田市場」とスペシャリティコーヒーショップ「タリーズコーヒー」、コンビニ「セブンイレブン」(2022年1月開店予定)の3店舗が出店するなど、「地方の名店を中心に多様な店舗が集積する商業ゾーン」をめざすとしている。

TULLY’S COFFEE.
食がテーマのラウンジや各地の名物を集めた広場も
常盤橋タワー商業フロア(TOKYO TORCH Terrace)の3階には、カフェテリアラウンジ「MY Shokudo(まいしょくどう)」(2021年8月開業予定/約1.490㎡)を整備。MY Shokudoは、常盤橋タワーの全オフィスフロアから直接アクセス可能という立地特性を活かした共用サービススペースとして、昼は就業者専用のラウンジ、夜は一般向けに広く開放するカフェテリアとして各種プログラムやサービスを提供する。また、キッチン付きのホールスペース「MY Shokudo Hall & Kitchen」に関しては、三菱地所の食関連プロジェクト「EAT LEAD(旧・食育丸の内)」の拠点として、終日一般向けに開放するとしている。また、同フロアにはコンビニ「セブン-イレブン」も出店する。

MY Shokudo Hall & Kitchen.
常盤橋タワーの開業にあわせて、C棟(変電所棟)の地上部分に大規模広場「TOKYO TORCH Park」が開業する。大規模広場では、自治体との協業により新潟市小千谷市の情報発信拠点「小千谷市PRゾーン(錦鯉が泳ぐ池)」や茨城県つくば市の芝生エリア「つくばの天然芝」を整備。これに加えて、新潟県佐渡市の「佐渡島の金鉱石」や静岡県裾野市環境緑花事業協同組合の「FSGシステム(うるおいある緑化空間)」を導入するなど、「“日本を明るく、元気にするまち”として、様々な取り組みや仕掛けを展開していく」としている。

TOKYO TORCH Park.
なお、東京都内への緊急事態宣言発令の伴い、7月21日に予定していたグランドオープン、オープニングイベントは延期となる。
店舗は21日より順次営業を開始する。
TOKYO TORCH Terrace
住所:東京都千代田区大手町2丁目6-4
営業時間:店舗により異なる

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小田急百貨店新宿本店本館、2022年10月2日閉店-新宿駅西口再開発で「48階建て超高層ビル」に
東京都新宿区の小田急新宿駅ビル・新宿地下鉄ビルディングに出店する「小田急百貨店新宿店本館」が、再開発による「新宿駅西口地区開発計画(仮称)」建設のため2022年9月に閉店する。
追記:10月2日での閉店が発表された。

小田急百貨店新宿本店・小田急新宿駅。
開業60年を迎える小田急百貨店新宿本店
小田急百貨店は1962年11月に現在のハルク館(小田急ハルク)の場所で1号店となる新宿店を開業。現在の本館は1966年に北側の新宿地下鉄ビルディング部分が、1967年に小田急新宿駅ビル部分が順次開業した。この小田急駅ビル部分は名建築家・坂倉準三氏によるものである。なお、新宿地下鉄ビルディングはもともと別の大手百貨店が出店する計画もあったが、隣接する小田急の駅ビルと合わせて全区画が小田急百貨店新宿店本館となった。これに合わせて1962年に開業した店舗はハルク館となった。
1984年には小田急南口専門店ビル(新宿ミロード)が増築されている。

小田急百貨店本館とハルク館。
店舗面積は46,761㎡(ハルク館含まず、ミロード含む)で、現在、建物は東京メトロと小田急電鉄が所有する。
ハルク館(小田急ハルク、店舗面積19,120㎡)は2002年にビックカメラが出店するなど、2021年現在は専門店街中心の構成となっている。当初、建物は東京建物の所有であったが、現在は小田急電鉄が所有する。
新宿駅西口再開発で48階建て超高層ビルに
「小田急百貨店新宿店本館」の閉店は再開発のため。
小田急百貨店新宿本店本館は営業終了後に解体され、小田急電鉄、東京メトロが共同で「新宿駅西口地区開発計画(仮称)」を建設する。開発地域は2021年4月に都市再生特別地区に指定されている。

新宿駅西口地区開発計画(仮称)。
「新宿駅西口地区開発計画(仮称)」は地上48階、地下5階、塔屋1階、高さ約260m。
高層階はハイグレードなオフィス機能を、中低層部には商業機能を備えるほか、9~14階部分には公共的空間として連絡通路「スカイコリドー(空中回廊)」が整備される。小田急百貨店が再出店するかどうかは、2021年時点では発表されていない。
着工は2022年10月以降、竣工は2029年度が予定されている。
小田急百貨店新宿本店の建物では、再開発に先駆けて地階の「メトロ食堂街」の大部分が2020年9月に閉店している。
今後、小田急百貨店新宿本店は売場移設に向けた改装をおこない、2022年10月以降はハルク館内に売場を集約して営業を継続するとしている。

再開発のため閉店したメトロ食堂街。
新宿駅西口地区開発計画(仮称)
住所:東京都新宿区西新宿1丁目1

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アリオ加古川、2021年秋開業ーイトーヨーカドー加古川店を大規模改装、「子ども図書館」も復活
兵庫県加古川市の山陽電鉄別府駅近くにある総合スーパー「イトーヨーカドー加古川店」がリニューアルし、2021年秋に「アリオ加古川」として開業する。

アリオ加古川。
「グリーンプラザべふ」の核店舗
イトーヨーカドー加古川店は、肥料メーカー「多木化学」の工場跡地のショッピングセンター「グリーンプラザべふ」の核店舗として1988年2月開店。グリーンプラザの店舗面積31,800㎡のうち、ヨーカドーが14,626㎡を占める。加古川店はイトーヨーカ堂の関西地区2号店で兵庫県初の店舗であった。現在、イトーヨーカドー最西端の店舗となっている。
なお、山陽電鉄の2駅隣の西二見駅前には「イトーヨーカドー明石店」が存在する。

イトーヨーカドー加古川店。
「アリオ(Ario)」はイトーヨーカ堂傘下の「セブン&アイ・クリエイトリンク」が開発・運営するショッピングセンター。2005年3月に1号店を出店し、現在全国で18店舗が営業している。
2020年3月にセブン&アイ・ホールディングスが所有していたクリエイトリンク社の株式のうち、51.0%をイトーヨーカ堂が取得し、子会社化。連携強化でヨーカ堂の店舗のSC化を加速させていた。
「東播磨最大級のフードゾーン」謳うー図書館も復活
「アリオ加古川」は3階建てで売場面積は約28,000㎡。既存の専門店74店舗のうち、新規導入39店舗、リニューアル19店舗の計58店舗を刷新。ヨーカドーの食品売場と700席以上のフードコート、地元テナント中心の市場「グリーンマート」からなるフードゾーンは「東播磨最大級の規模」になるという。

700席以上あるフードコート。
また、多木化学の創業者が設立した公益財団法人「多木文化振興会」が運営する「子ども図書館」や地元の魅力を発信するスペース「播の郷(はりのさと)」を設置する。

10000冊以上の本を揃える子ども図書館。
同店の子ども図書館は元々イトーヨーカドーが運営するかたちで設置されていたが、2009年9月に少子化による利用者の減少を理由として秋田店、沼津店など他の設置店と同時に閉館していた。そのため「11年ぶりの復活」となる。
アリオ加古川
住所:兵庫県加古川市別府町緑町2
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ヨドバシカメラ札幌タワー、2020年代後半開業-五番舘西武跡「テレビ塔超え」超高層複合施設に
北海道札幌市中央区の札幌駅前にあった百貨店「西武百貨店札幌店(西武札幌店/旧・五番舘西武)」跡地一帯に、ヨドバシホールディングス(ヨドバシHD)が主体となる「札幌駅南口北4西3地区市街地再開発準備組合」による複合商業施設が2020年代後半を目処に開業する。

ヨドバシHDによる新施設。
「道内初百貨店」前身の西武跡、「開発凍結中」だった
西武百貨店札幌店は、1906年に北海道内初の百貨店「五番館(五番舘)」として開業。1928年に法人化した。
五番館は創業以来、道内有数の老舗百貨店として丸井今井や札幌三越とともに競争を繰り広げていたが、1982年に西武百貨店と資本業務提携を締結し、1988年に旭川西武(後の西武旭川店)の運営を譲受。あわせて社名を「西武北海道」に改称するなど、西武セゾングループの道内における中核企業に転身した。
その後、五番館は1990年に店名を「五番館西武(五番舘西武)」に改称し、札幌そごう(現・札幌エスタ)斜向かいに新館(後のロフト館)を新設。新館新設にあわせ、両館の外装をシンボリックな赤煉瓦を用いたものに刷新した。
1997年には西武百貨店との合併にともない店名を「札幌西武」に改称し、新館に道内初となる西武セゾン系の大型雑貨店「ロフト」を導入するリニューアルを実施。2006年のセブン&アイHD傘下入りに前後して、衣料服飾関連売場への追加投資と地階食品フロアの廃止を行う大胆な営業改革を行ったが、2009年9月30日をもって閉店した。

西武百貨店札幌店(旧・五番館西武)。
西武札幌店跡は、2011年にヨドバシカメラが土地建物を取得し、ヨドバシ主導のもと建物を解体後に新店舗を建設する計画を打ち出していたが、東日本大震災による建築資材高騰や景気低迷を背景に計画を事実上凍結。2017年12月には札幌市や駅前通振興会・民間企業数社が出資するエリアマネジメント会社「札幌駅前通まちづくり」による賑わい創出施設「コバルドオリ(CoBAR STREET)」が敷地の一部に開業したが、2019年10月をもって閉館しており、2021年7月現在は平面駐車場として暫定活用中となっている。
テレビ塔より高い「商業・業務・宿泊」複合施設に
西武百貨店札幌店(五番舘)跡地の新施設は地上35階地下6階建、建築面積は約9,800㎡、延床面積は約210,200㎡。札幌駅側の高さは約60m、大通公園側の高さは約200mとなる。
(なお、札幌そごう・エスタ跡には更に高層の建物を建設する計画もある)
新施設一帯は2012年1月に「特定都市再生緊急整備地域(札幌都心地域)」指定を受けており、2019年発足の札幌駅南口北4西3地区市街地再開発準備組合により、西武札幌店跡地に加え、札幌駅前合同ビル(北海道銀行など入居)や交洋駅前ビル(北洋銀行系)、aune札幌駅前、北海道建設会館など複数棟を対象とする地上40階建規模の複合商業施設建設計画が検討されていた。

西武百貨店札幌店跡地とaune札幌駅前。
新施設の計画では、2019年11月に開業した「ヨドバシ梅田タワー(LINKS UMEDA/リンクス梅田)」と類似の建物構造を採用し、低層部(基壇部)に商業フロア、高層部に宿泊施設や業務関連施設を導入する。また、地下には駐車場(約740台相当)を併設するほか、西武札幌店時代と同様に地下鉄や地下街と接続する予定となっている。

新施設のフロア構成。
新施設の開業時期など詳細は現時点において未定となっているが、再開発対象地域の既存建築物解体から約56ヶ月後(約5年)の完成を見込んでおり、早くとも2020年代後半となるとみられる。
札幌駅南口北4西3地区第一種市街地再開発事業
住所:北海道札幌市中央区北4条西3丁目
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ららぽーと福岡、2022年春開業-JR竹下駅近く、キッザニア・おもちゃ美術館を併設
福岡県福岡市博多区那珂のJR竹下駅近くにあった「福岡市中央卸売市場青果市場」跡に、大型複合商業施設「三井ショッピングパーク ららぽーと福岡」が2022年春に開業する。

三井ショッピングパーク ららぽーと福岡。
JR竹下駅近く-三井不が西鉄・九電とともに開発
旧・青果市場の面積は約87,000㎡。JR竹下駅から約800mほど南側に立地していたが、老朽化により2016年に人工島の「アイランドシティ」(東区)に移転。福岡市が民間への売却をめざして再開発事業者の公募を行った。
公募に応募した各グループの代表企業は、三井不動産のほかイオンモール、イズミ(ゆめタウン)、JR九州であった。

ららぽーと福岡・立地図。
選定された三井不動産は「西日本鉄道」「九州電力」とともに設立した「博多那珂6開発特定目的会社」を通じて約190億円で福岡市青果市場跡を取得。工事は2020年11月に着工されていた。

青果市場跡地。
「キッザニア」「おもちゃ美術館」など出店
「ららぽーと福岡」の建物全体の延床面積は約206,400㎡。
JR竹下駅から徒歩9分であるほか、施設内にはバスターミナルを新設する予定で、各方面からの新設バス路線を計画するとしている。

ららぽーと福岡・配置図。
事業コンセプトは「出会いの広場」で、多様な人々が集い出会う多彩な「パーク」(広場)をはじめとして、コミュニティの拠点となる活気あふれる空間を施設全体に創出。屋上や周辺には複数の広場を開設し、イベント広場や体験農場として活用する計画となっている。

JR側に設けられる広場。
本館にはショッピングセンター「ららぽーと」が九州初進出するほか、併設する別館には子供向け職業体験テーマパーク「キッザニア」と育・多世代交流施設「おもちゃ美術館」が進出。おもちゃ美術館では福岡県産の木を使うほか、大川家具とのコラボギャラリーも併設される。

キッザニア福岡。
なお、核店舗となるスーパーマーケットなどは未発表であり、今後の発表が待たれる。
三井ショッピングパーク ららぽーと福岡
住所:福岡市博多区那珂6-351(福岡市青果市場跡地)

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ジョイハウス、2021年7月1日破産手続き開始-「レインボー小倉」運営、耐震不足で競売も取り下げ
京都府宇治市のショッピングセンター「レインボー小倉」を所有・運営、近年まで奈良県北葛城郡上牧町のショッピングセンター「レインボープラザ西大和」、兵庫県尼崎市の駅前型ショッピングセンター「アマゴッタ」などを所有・運営していた大阪府大阪市西区の不動産会社「ジョイハウス」が、債権者より大阪地裁へ破産を申し立てられ、7月1日に破産手続き開始決定を受けた。

レインボー小倉。
「アマゴッタ」「レインボープラザ西大和」を取得したが
帝国データバンクの発表によると、ジョイハウスは2001年12月に設立。当初は共同住宅の賃貸事業を主力としていたが、2011年3月に阪神電鉄尼崎駅前の商業施設「アマゴッタ」を、2012年10月に「レインボープラザ西大和」、2013年12月「レインボー小倉」を取得。2015年11月期には年収入高約14億円を計上していた。
しかし、物件取得に伴う有利子負債の返済負担が重荷となり、資金繰りが悪化。「アマゴッタ」「レインボープラザ西大和」の両不動産を相次いで流動化したほか、所有する共同住宅などの不動産売却により有利子負債の圧縮を図った。
しかし、2018年5月以降は所有不動産について競売開始決定に基づく差し押さえが登記され、取引金融機関より債権をサービサーに売却される事態となっていた。
現在「アマゴッタ」「レインボープラザ西大和」は別企業の所有となっている。
「レインボー小倉」空き店舗に、耐震不足で競売もできず
「レインボー小倉」は当初「西友」が出店。ジョイハウス取得時点の核店舗は「近商ストア」で「マクドナルド」や「ココカラファイン」なども出店していた。
しかし、核店舗である近商ストアが2018年8月26日に閉店したのを機にテナントの撤退が急速に進行。それ以降、総合衣料「オンセンド」、ドリームドリームが運営するパチンコ店「タマダロウ」、婦人服「ナカニシ」、ヘアーカット「ライム」などが相次いで閉店。2019年7月にはレインボー小倉唯一の物販店となっていた「ダイソー」も閉店することとなった。

2019年に入ると館内の大部分が空き店舗となった。
その後「レインボー小倉」の建物は競売にかけられていたが、老朽化による耐震性不足のため競売が取り下げられている。
ジョイハウスの負債は30億円に達する可能性もあるが流動的だという。
今後、レインボー小倉は解体される可能性が高い。
(写真:浅葱さん)
ヨドバシカメラ仙台第1ビル、2023年春開業-仙台駅とデッキで直結
宮城県仙台市宮城野区のJR仙台駅東口に、ヨドバシカメラの複合商業ビル「ヨドバシ仙台第1ビル」が2023年春に開業する。

ヨドバシ仙台第1ビル、ようやく着工-12階建てに
ヨドバシ仙台第1ビルは地下1階・地上12階建て、延床面積は約76,500㎡。JR仙台駅ビル「エスパル仙台東館」とペデストリアンデッキで、現在「ヨドバシカメラマルチメディア仙台」が出店する「ヨドバシ仙台第2ビル」と空中連絡通路で接続される。

2016年3月に開館した駅ビル「エルパル仙台東館」。
デッキでヨドバシ仙台第1ビルと接続される予定。
この地はかつて一部が「ヨドバシカメラマルチメディア仙台」の旧店舗として利用されていたほか、永年大部分が平面駐車場となっていた。ヨドバシカメラは2012年3月に隣接地に竣工した「ヨドバシ仙台第2ビル」に移転。ヨドバシ仙台第1ビルは2016年に竣工予定であったが、数度に亘って延期されていた。その間、この周辺は2020年9月に国から特定都市再生緊急整備地域として指定を受けている。

ヨドバシ仙台第1ビルの建設予定地。現在は駐車場。
なお、当初は隣接して別棟(当初案:B棟)の建設が計画されていたものの、今回着工されるのは当初案のA棟だけとなった。

マルチメディア仙台、移転へ
2012年よりヨドバシ仙台第2ビルに出店する「ヨドバシカメラマルチメディア仙台」は第1ビル完成までの「暫定店舗」とされており、そのため同店はヨドバシ仙台第1ビルに移転する可能性が高い。そのため、第1ビル開業以降の「ヨドバシ仙台第2ビル」の活用方法についても注目される。

活用方法が注目される現店舗のヨドバシ仙台第2ビル。
ヨドバシ仙台第1ビル
住所:宮城県仙台市宮城野区榴岡1丁目3

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ドン・キホーテ七尾店、2021年7月30日開店-パトリア七尾、ドンキ以外のテナントも誘致すすむ
石川県七尾市の七尾駅前にある商業ビル「パトリア七尾」の1階に「ドン・キホーテ七尾店」が2021年7月30日に開店する。

ドン・キホーテ七尾店/パトリア七尾。
かつて「大和」「ユニー」が出店していたパトリア
パトリア七尾は1995年開店。建物は地上7階建、売場面積は15,079㎡。第三セクターで大和やユニーなども出資する七尾都市開発が運営していた。
開業当初は1~3階に百貨店「大和」と総合スーパー「ユニー」が出店、4~5階にはイベントホールが整備されるなど、七尾市を代表する複合商業施設として営業していたが、2010年に大和が1階に店舗を集約、2017年2月に「ピアゴ」(旧ユニー)が撤退した。
2017年4月には1階に北陸地盤の高品質食品スーパー「カジマート」と同社がFCとして運営する書店「うつのみや」が1階に出店、同年6月には「ホームセンターロッキー」が2階に出店するなど、低層階では早期の後継店舗誘致に成功した一方で、3階はサービス系1店舗を除きほぼ全てが空きフロアとなっていた。

パトリア七尾。
2019年2月には、七尾都市開発が約18億円の負債を抱え経営破綻。殆どのテナントが建物から追い出され、その後、建物は七尾市が購入することとなった。
なお、大和は向かいの建物「ミナクル」に縮小移転した。
能登半島初のドンキ、パトリアに
ドン・キホーテが出店するのは「パトリア」1階部分。店舗面積は約2,336㎡。ドン・キホーテは石川県では5店舗目、能登エリアには初出店となる。営業時間は9時から24時。
食品では生鮮のほか、肉総菜や店内の窯で焼きチーズにこだわったピザを展開。
生活雑貨では、化粧品・コスメグッズ、スマホパーツ、酒関連は取り扱いを強化し、キャラクターコラボグッズやテーブルゲームなど、ドンキでしか購入できない商品を取りそろえるとしている。
パトリア、ドンキ以外にもテナントの誘致すすむ
パトリア七尾では、ドンキの出店が決まって以降、新たなテナントの出店が進んでおり、営業継続している「ミスタードーナツ」のほか、すでに飲食店「金太郎」、たこ焼「えびす堂」、弁当店「キッチン一番館」、ベネッセの英語教室「BE studio(ビースタジオ)」学習塾「七尾予備校」、食生活相談コーナー「KYE栄養相談室」などが営業を開始。
今後も新規テナントの誘致に期待がかかる。
ドン・キホーテ七尾店
住所:石川県七尾市御祓町1
営業時間:9時~0時
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パルコ下通GATEプロジェクトビル、2023年春開業-PARCO熊本再進出、星野リゾートとの複合施設に
熊本県熊本市中央区の下通商店街に、パルコ(PARCO)を核とする複合商業施設「(仮称)下通GATEプロジェクトビル」が2021年7月1日に着工した。新施設は2023年春を目処に開業する。

パルコ(仮称)下通GATEプロジェクトビル。
パルコ、熊本に再進出
下通GATEプロジェクトビルの前身となる「熊本パルコ(熊本PARCO)」は、1971年10月に「新世界会館」として開業。建物は地上9階地下1階建、所有者は地場不動産飲食業の三陽(三笠うどん)。

熊本PARCO。(旧店舗営業最終日)
開業当初は大手総合スーパー「長崎屋熊本店」を核とする商業施設であったが、1984年2月に長崎屋が経営不振のため撤退したため、1986年5月にパルコが新たな核として出店した。
パルコは市中心部を代表するファッションビルとして、店舗前の水圧で開店するオブジェ「グラニッドボール(通称:パル玉)」とともに親しまれたが、施設の老朽化や商環境の変化もあり、2018年度には売上高が約40億円に低迷。2020年2月29日に賃貸借契約満了にあわせ閉店していた。

2021年現在の熊本PARCO(解体中)とパル玉。
熊本県内初となる「星野リゾート」との複合施設に
下通GATEプロジェクトビルの建物は地上11階地下1階建、パルコの営業フロアは地上2階~地下1階、売場面積は3,424.84㎡、延床面積は9,992.42㎡。
パルコと施設所有者は、熊本パルコの閉店及び建替計画の発表当初、低層階を同社の“新業態”商業施設、高層階を分譲マンションとする方針を打ち出していたが、高層階(3階~11階)は県内初となる「星野リゾート」のホテルとする方針に見直すこととなった。同社は都市型ホテルとして「OMO」を展開しており、下通もOMO業態となる可能性が高いであろう。
(注:星野リゾート 界 阿蘇 は大分県に立地)

アーケードに面するパルコの新商業施設。
パルコが運営する低層部の売場面積は旧店舗(9,051㎡)の半分ほどであり、同社の中低層商業施設「ゼロゲート(ZERO GATE)」と同程度の売場面積となるが、2021年7月の定期建物賃貸借予約契約書締結時点においては新施設の名称や出店テナント構成など詳細を未定としている。
パルコは新施設について「新たなコミュニケーションが生まれる拠点として連携を図りながら、既存のアーケード商店街や周辺商業施設との相乗効果をもたらし、熊本地震からの復旧・復興が進む熊本の中心地にふさわしい新たな商業施設を目指してまいります。」とコメントしている。
「パルコ」業態として再出店するかは未定となっている。
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ユニクロ心斎橋店、2021年8月1日閉店-UNIQLO日本初のグローバル旗艦店、コロナ禍で現GUに縮小移転
大阪府大阪市中央区の心斎橋筋商店街そばにあるファーストリテイリング(FAST RETAILING)の大型ファストファッションストア「ユニクロ心斎橋店(UNIQLO心斎橋店)」が、2021年8月1日をもって閉店する。

ユニクロ心斎橋店。
大阪旗艦店「ユニクロプラス」からの増床移転だった
UNIQLO心斎橋店は2010年10月に開店。営業フロアは地上4階~地下1階、売場面積は800坪(約2,644㎡)。
心斎橋店は2004年10月に開店した同社初の500坪級大型店「UNIQLOプラス心斎橋筋店」からの増床移転であり、2006年に誕生したグローバル旗艦店業態としては世界5号店かつ日本1号店であった。

UNIQLO SHINSAIBASHI and H&M SHINSAIBASHI.
同店周辺では旧来からのGAPやZARAに加え、2010年3月にH&M関西1号店「H&M戎橋店」(2019年に戎橋メンズ店へ統廃合/現・サンドラッグ道頓堀店)が開店していたこともあり、移転前の旧店舗を同じくファストリ系列の旗艦店「GU心斎橋店」に業態転換した。
これにより、同社グループは心斎橋に合わせて4,000㎡超の巨大な売場を有することとなった。
「日本有数の低価格衣料激戦区」もコロナ禍で失速
UNIQLO心斎橋店の開店後も、2013年3月には心斎橋パルコ旧店舗跡地のパルコ心斎橋ゼロゲートに「H&M心斎橋店」、同年4月にはサミー戎プラザ跡地のパルコ道頓堀ゼロゲートにFOREVER21関西1号店「FOREVER21 大阪道頓堀店」(2019年日本撤退・経営破綻/現・ラオックス道頓堀店)、2014年11月にはZARA系の女性向けファストファッション世界旗艦店「Stradivarius心斎橋」(2017年9月閉店)が相次ぎ開店するなど店舗間競争が激化。
同店周辺は「日本有数のファストファッション激戦区」として、プチプラブームや訪日外国人観光客によるインバウンド消費の受け皿となった。
しかし、次第にファストファッション各社による事業整理や観光客の消費志向の変化もあり勢いは失速。
そうしたなか、2020年の新型コロナ感染拡大が追い打ちをかけ、UNIQLO日本初のグローバル旗艦店は約10年の歴史に幕をおろすこととなった。
2018年にはUNIQLOとH&MのそばにGAPも移転出店した。
心斎橋のユニクロ、「GUと統合」で原点回帰へ
ファストリは、近隣のGU心斎橋店(旧・UNIQLOプラス心斎橋筋店)を2021年7月11日に一時閉店し、秋を目処に「UNIQLOとGUの複合店舗」として営業再開する方針を示している。
同社は複合店舗の規模や各売場の比率など詳細について発表していないが、両ブランドとも従来の半分ほどに店舗規模を縮小する見込みであり、グループ初となる500坪級大型店跡で店舗戦略の練り直しを図ることとなった。
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