カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

NECクラサバ市場秋葉原店、12月28日閉店-NEC本社そばに新店舗、2月1日開店

秋葉原のNEC直営店「クラサバ市場」が12月28日に閉店し、田町に新たな直営店舗が2月1日に開設される。

NECクラサバ市場秋葉原店。

秋葉原のNEC直営店、13年の歴史に幕

クラサバ市場は2005年6月に開業。
名前は「クライアントサーバー市場」の略で、NECが直営。
新商品をいち早く展示し、一部は実機に触れることができたほか、企業向けのビジネス専用PCや大型サーバーも展示されるなど、同社のショールームとして13年に亘って親しまれてきた。
しかし、面積の狭さなどから閉店することになったとみられる。

クラサバ市場の閉店告知。

NEC本社そばに新店舗開設へ

クラサバ市場が移転するのはNEC本社近くにある住友不動産芝三丁目ビル。JR田町駅から徒歩10分ほどの距離で、秋葉原よりも利便性は大きく低下するものの、本社のすぐそばに移転することで本社から説明員を派遣することができるほか、広さも秋葉原店よりかなり広くなるということで、接客面の向上と展示ラインナップの充実を図りたい考えだと思われる。

NEC クラサバ市場 田町店

住所:港区芝3丁目39番9号 住友不動産芝三丁目ビル
営業時間:9:30~17:00(平日のみ営業)

外部リンク:NEC クラサバ市場
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さくら野百貨店北上店食品売場、2018年1月3日閉店-跡地に「いわて生協」、3月開店

北上市中心部にある「さくら野百貨店北上店」の1階食品売場が2018年1月3日に閉店し、跡地に「いわて生協」(岩手県滝沢市)の食品スーパーが出店する。

さくら野百貨店北上店。

直営食品売場を「生協」に-日常の来店促す狙いか

さくら野百貨店北上店はマイカル系の百貨店「ダックビブレ」(仙台市、旧・丸光百貨店、のちのエマルシェ)が運営する百貨店「北上ビブレ」として2000年3月に開店。マイカルの経営破綻を経て2002年に「さくら野百貨店北上店」となった。
現在は「さくら野百貨店」(青森市、旧・カネ長武田百貨店)が運営している。

現在の本店は青森市。

1月3日に閉店するのは、1階の直営食品売場のうち銘店売場などを除く2,370㎡。
北上市の郊外にはショッピングセンターが複数出店している一方で、さくら野百貨店北上店の周辺には大型スーパーが1つも出店しておらず、食品売場を百貨店形式からデイリーユース性の高いスーパーマーケットへと転換することで中心市街地の居住者への利便性を図るとともに、日常の来店客を増やしたい考えだと思われる。
いわて生協は現在北上市には出店しておらず、10年ぶりの再出店になるという。

「百貨店へのスーパーマーケット導入」全国で進む

百貨店の食品売場にデイリーユース性の高いスーパーマーケットを導入(スーパーマーケットに転換)する動きは全国で起きており、特に系列スーパーを持つそごう・西武、伊勢丹、近鉄、天満屋、トキハ、山形屋などは一部の店舗でそうした状況が見られる。
一方、系列スーパーを持たない百貨店では、これまで百貨店とライバル関係にあったともいえる系列外の他社スーパーを入居させる例も少なくない。
さくら野百貨店も(かつてはマイカル系であったものの)現在は系列にスーパーマーケットを持っておらず、また先述の通り北上市の中心部には大型スーパーマーケットがないため、今回の「いわて生協」導入に至ったのであろう。
さくら野百貨店は青森市、弘前市、八戸市、北上市に展開しており、その全てが地方都市に立地する。そのため他店舗においてもデイリーユース性の高い同業他社の食品スーパーを導入する可能性もあり、今後が注目される。

外部リンク:さくら野百貨店北上店
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大丸、「300年クローゼット」計画発表-大切な品物を2317年まで保管・展示

大手百貨店「大丸」は、創業300周年記念事業の一環として、顧客の大丸ゆかりの品物を300年後の2317年まで預かり、そのエピソードとともに大丸心斎橋店(しんさいばしみせ)に展示する「300年クローゼット」プロジェクトを12月21日に発表した。

300年クローゼットロゴ(ニュースリリースより)。

「大丸ゆかりの品物」を預かり展示-返却は2317年

大丸は1717年に京都で創業。その後、1726年に心斎橋へと進出した。2017年には創業300周年を迎え、様々な記念イベントが実施されている。
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江戸時代の店舗を再現した模型(旧・心斎橋店本館にて)。

「300年クローゼット」プロジェクトでは、まず大丸顧客の大切な品物をそのエピソードとともに募集。その後、応募された品物とエピソードのうち一部を特別サイトで公開、2019年の大丸心斎橋店本館の建て替え工事終了後、館内に設置される「300年クローゼット」にて預かるとともに、公開・展示する計画だ。
クローゼットは300年間の保管に耐えうるものになるという。品物は2317年の大丸創業600周年の際に返却される予定。
なお、預かる品物は、大丸(支店含む)ゆかりの物に限られる。
応募は2018年1月31日まで。
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新しい大丸心斎橋店本館の完成予想図(公式ウェブサイトより)。

大丸は特設サイトにおいて「人類が地球を離れたとしても300年後まで大丸の約束は続きます」としているが、地球滅亡後にクローゼットを開ける保障はないといい「人類が滅亡したとしても品物に宿る想いは滅びません」としている。

 特設サイトより。

外部リンク:大丸300年クローゼット
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大沼、企業再生ファンドに経営譲渡で再建へ

山形の老舗百貨店「大沼」(山形市七日町(なぬかまち))が、東京の企業再生ファンドに経営権を譲渡し、経営の立て直しを図る方針を固めた。
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大沼百貨店山形本店。

創業318年の老舗百貨店

大沼は1700年に創業。1950年に百貨店となった。
1970年には支店として米沢店、1971年には酒田店を出店し、経営規模を拡大した(酒田店は酒田大火により移転、その後ダイエーに譲渡され閉店)。
2017年現在は、山形本店、米沢店、新庄ショップの3店体制となっている。

大沼百貨店米沢店。

しかし、近年は郊外店との競争に加えて、仙台市の百貨店との競争も激化。伊勢丹から役員を受け入れるなどの改革を行ったものの、2013年ごろから道路拡張のために本店の駐車場が大幅に縮小された影響もあり売り上げは低下。さらに山形本店(1956~1971年築)、米沢店(1970年築)はともに老朽化が激しく、耐震化の費用負担も重荷となっていた。
2016年度の年商は山形本店が約66億円、米沢店が約16億円。地元紙・山形新聞によると、全店舗合わせた2017年2月期の売上高は約85億円で4期連続の経常損失だった。

中三盛岡店など再生に関わったファンドに経営権譲渡へ

大沼に新たに出資するのは、企業再生ファンドの「マイルストーンターンアラウンドマネジメント」(MTM社、東京都)。
同社はこれまでも旧・中三盛岡店(現:ななっく)や、ヤマトヤシキ(姫路市、MTM社仲介のもとラオックス傘下で経営再建へ)といった百貨店の再生事業に関わって来た実績がある。
大沼はMTM社から数億円の増資を受け、同社に経営権を譲渡。MTM社主導で店舗の改装をおこなう。
山形市では、長年ライバル関係にあったダイエー傘下の百貨店「十字屋山形店」が建物の老朽化のため2018年1月で閉店することを発表しており、十字屋の閉店は大沼の経営にも少なからず影響を与えることになる。

閉店を発表している十字屋山形店。

大沼も老朽化のため大規模な改装が避けられない状況となっており、今後どういった手法での経営再建を行うのかが注目される。

外部リンク:大沼
ニュースリリース:株式会社大沼に対する事業スポンサー支援について
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旧・イトーヨーカドー岡山店、「杜の街づくりプロジェクト」として両備グループが再開発へ-タワーマンションを核に

両備グループ(岡山市)は、JR岡山駅近くにある旧「イトーヨーカドー岡山店」跡地の再開発計画を発表した。
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イトーヨーカドー岡山店。

 

イトーヨーカドー岡山店はJR岡山駅から徒歩10分ほどの場所にある複合商業施設「ジョイフルタウン岡山」の核店舗。
ジョイフルタウン岡山(JT岡山)はJT岡山工場跡地に建設された複合商業施設で、1998年11月に開店。専門店を合わせた売場面積は19,162㎡だったが、2014年11月に僅か300m岡山駅寄りに「イオンモール岡山」(売場面積92,000㎡)が開業した影響もあり、2017年2月28日を以て閉店していた。
別館のアネックス棟には中国四国地方で最大規模の大型複合ゲームセンター「SEGA・岡山ジョイポリス」が核として入居していたが、そちらは営業を続けている。
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奥に見えるのは岡山市役所、右側はジョイフルタウン岡山。
ジョイポリスは駅側にある。

両備グループが再開発-タワマン、商業施設など

両備グループは、2016年3月に三井系の不動産ファンドからジョイフルタウン岡山の信託受益権を86億8500万円で取得。今後の再開発も両備グループの主導で行われることとなる。
再開発の事業名は「杜(もり)の街づくりプロジェクト」。
核となるタワーマンションは高さ約134mで店舗棟も併設。このほか、商業・オフィス棟、ヘルスケア棟、立体駐車場なども建設され、下層階はショッピングセンターとする考え。

両備ホールディングスウェブサイトより。

景観デザインは両備グループやJR九州の車両などのデザインを手掛ける水戸岡鋭治氏が監修するという。
旧・イトーヨーカドー岡山店は、2018年1月ごろから解体される予定となっている。

関連記事:イトーヨーカドー岡山店、2017年2月28日閉店
関連記事:
イトーヨーカドーアリオ倉敷店、2016年8月閉店-跡地に天満屋ストア 
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バルチカ、2017年12月19日増床リニューアル-ルクア地下2階、2018年4月に「阪急オアシス」も出店

大阪府大阪市北区のJR大阪駅ノースゲートビルディング「ルクア大阪」地下2階にある飲食店街「バルチカ」が2017年12月19日に増床リニューアルオープンした。

バルチカ

「バルチカ」大幅拡大-店舗数は3倍に

バルチカはJR大阪三越伊勢丹地下2階のギフトサロン跡に2015年4月開業。当初の店舗数は9店舗であったが、駅直結という好立地や周辺の商業施設より長い営業時間(11時~24時)、低価格で呑み歩きが楽しめることなどから人気を集め、伊勢丹の地下食品売場「イセタンフードホール」(ルクアイーレ内)の一部もバルチカへと転換されることとなった。

今回の増床リニューアルでは、店舗数を改装前の3倍となる27店舗に拡大。
ミシュランガイドビブグルマンを受賞したラーメン店「銀座 篝」、小籠包の名店「京鼎樓」が手掛けるNEO台湾料理店「羽根つき焼小籠包 鼎’s」、八重洲発の海老バル「海老talianバル」、クラフトビール30種類を480円均一で提供する「クラフトビアマーケット」、天ぷらワインバー「立呑み・天ぷら 喜久や」、「アガリコ オリエンタル・ビストロ」など6店舗が西日本初出店となる。また、梅田地下道拡張工事による立ち退きで話題となった老舗串かつ店「串かつ 松葉」、海鮮が安いだけ店「魚屋スタンドふじ子」など地元の有名店も多数出店した。
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串かつ松葉。

伊勢丹跡の一部には「阪急オアシス」が春出店

ルクア大阪では2018年春を目処に阪急オアシスの新業態を核に据えた「LUCUA FOOD HALL」を開設する予定。
これにより、長期に亘って続いてきたルクア・ルクアイーレ地下2階の改装工事は完了することとなる。
追記:店名は「キッチン&マーケット」、開業日は4月1日となった。

外部リンク:バルチカが拡大オープン! | LUCUA osaka
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オークワジョイシティ伊賀上野店、2018年2月28日閉店-「伊賀唯一」の映画館も閉館へ

三重県伊賀市上野の総合スーパー「オークワジョイシティ伊賀上野店」が2018年2月28日に閉店する。

オークワジョイシティ伊賀上野店。

ジョイシティ伊賀上野、20年の歴史に幕

オークワジョイシティ伊賀上野店は1998年6月に開店。2階建てのA館(レストラン・シネマ館)と4階建てのB館の2館体制で、売場面積は13,170㎡。建物はオークワが、土地は地元住民が所有する。
テナントとしては、シネマコンプレックス「ジストシネマ」、ボウリング場「伊賀にんにんボウル」、「ライトオン」、「オンセンド」、「ダイソー」、「赤ちゃんデパート水谷」、「リトルマーメイドベーカリー」、レストラン街などが出店している。
B館は面積の大部分がオークワの直営総合スーパーであり、テナント数は10数店と面積の割にそれほど多くない。

シネコンも閉館-伊賀地域から映画館消滅へ

閉店を報じた地元ブロック紙・中日新聞によると、オークワの閉店にともないジストシネマ、にんにんボウルも閉店する方針だという。
ジストシネマは伊賀地域唯一の映画館であり、地域に与える影響は大きなものとなる。

A館・ジストシネマ。

ジョイシティ伊賀上野では多くの店舗で閉店セールが開催されている。
閉店後の跡地利用などについては、12月現在は発表されていない。

外部リンク:オークワジョイシティ伊賀上野店
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ラオックス、リバーウォーク北九州に旗艦店-約1万㎡「購入」、2018年2月開業めざす

大手免税店「ラオックス」が福岡県北九州市小倉の中心部にある大型複合施設「リバーウォーク北九州」の約1万㎡を購入し、2018年2月に同社の旗艦店を出店させる。

リバーウォーク北九州。

ダイエー、リバオクの所有床全てをラオックスに売却

「リバーウォーク北九州」は2003年に百貨店「小倉玉屋」とスーパー「ダイエー小倉店」の跡地を再開発して誕生した複合商業施設。売場面積は28,492㎡。キャナルシティ博多を手掛けた地場大手ディベロッパー「福岡地所」が運営・開発を手掛けており、個性的な建物は隣接する小倉城とともに小倉の象徴的存在となっている。
ラオックスが購入したのは、リバーウォーク北九州のダイエー所有床となる地下1階のほぼ全て、約1万㎡弱。
リバーウォークの敷地の一部は先述の通りダイエーがあった場所で、ダイエーは同店を継承するかたちでスーパー「ダイエーグルメシティ」、飲食店街「フードパオ」などを出店していた。
ダイエーは2012年に閉店し、同年跡地には家具大手の「SAKODA」(鹿児島市)が開店。しかし、SAKODAも2017年8月に閉店し、それ以降、地階は広大な空き店舗となっていた。
なお、ダイエー閉店後は長らく食物販機能が貧弱であったリバーウォークであるが、2016年7月には1階に新たな核店舗となるスーパーマーケット「西鉄ストアレガネットキュート」などが出店する「マルシェゾーン」が開設されている。

1階「マルシェゾーン」(福岡地所公式サイトより)。

リバオク、九州最大級の大型免税店に

ラオックスは地階を大型免税店を核とした複合施設として活用する方針で、面積的にはラオックス本店(東京・秋葉原駅前)などをはるかに凌ぎ、九州最大級の大型免税店になるとみられる。
同社の出店を報じた地元紙・西日本新聞によると、まず外国人向けの物販エリア(免税店)を2018年2月までに開業させ、その後、日本文化などの体験を重視した「コト消費」エリアなどを設ける方針だという。
ラオックスは、2017年に千葉市の「千葉ポートタウン」にもこうした複合店舗を出店させている

失敗できぬラオックス、観光客少ない店舗でどう集客する?

小倉では、2017年7月にJR小倉駅に隣接したベスト電器小倉店(あるあるシティ別館)に大型免税店「生活広場」が開設されるなど、外国人観光客向け商業施設の新設が活発化しつつある。
その一方で、「生活広場」は小倉唯一の大型免税店として一定のシェアはあったと思われるものの普段は閑散としていることが多い。また、今回ラオックスが出店するリバーウォーク北九州は地元民(北九州市民)向けの商業施設という印象が強く、新幹線停車駅の小倉駅からは少し歩く距離であるうえ、徒歩圏に外国人に人気の観光地が少ないばかりか(小倉城に隣接しているものの、小倉城は鉄筋コンクリートの復原天守閣)、同店にはそれほど大規模な観光バス駐車場もなく、基礎集客力に加えて大型クルーズ船の来訪時にどういった対応を取るのかなどといった課題も多そうだ。

ラオックスはリバーウォーク北九州の床を購入するかたちの出店であるため簡単には退去することは難しく、「失敗は許されない」だけに、同社の手腕が問われることになるであろう。

外部リンク:日本国内最大規模の免税店 ラオックス株式会社
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小田急百貨店藤沢店、2018年6月より全面改装-百貨店縮小、事実上の業態転換へ

小田急電鉄と小田急百貨店は、藤沢市の「小田急百貨店藤沢店」を事実上の業態転換となる大規模改装をすると発表した。
改装は2018年6月から着手し、2019年春の開業を予定する。小田急百貨店藤沢店。

江ノ電藤沢駅直結の百貨店

小田急百貨店藤沢店は江ノ島電鉄が経営母体の百貨店「江ノ電百貨店」として1974年に開業。
1985年に江ノ電百貨店が株式会社藤沢小田急(現:小田急百貨店)に経営譲渡されると、同年からは小田急百貨店藤沢店として営業を続けている。
施設は地下1階、地上7階建てで、売場面積は12,641㎡。施設は小田急百貨店が所有している。
施設2階は江ノ電藤沢駅と直結しており、江ノ電の駅ビルとして開業した経緯がうかがえる。

小田急電鉄主体で大規模改装-開業は19年春を予定

今回の大規模改装は、駅ビルの運営ノウハウを有する小田急電鉄が事業主体となって実施。完成後は小田急百貨店が店舗の運営を担う。改装後の施設は、これまで小田急百貨店が培ってきた売場づくりの強みをベースに、小田急グループの持つ経営資源・ノウハウを活用し、話題性・独自性が高く集客力の優れた専門店を融合させるという。改装は2018年6月から開始し、2019年春の開業を目指す。
なお、リニューアル工事中も地階の食料品売場、1階の化粧品・雑貨売場、7階レストランフロアの一部店舗は営業を継続するとしており、地階・1階の2フロアのみは百貨店業態での営業を続ける可能性も高い。

殆どが専門店に…「百貨店らしさ」はどうなる?

改装の工事スケジュールや新たな商業施設の名称、店舗概要については決定次第発表するとしているものの、殆どのフロアが専門店へと転換するとみられるうえ、ニュースリリースには施設名の改称を示唆する記述もあり、「小田急百貨店藤沢店」の名称自体が存続するかどうかは不明だ。
小田急百貨店からの業態転換としては、2002年にビックカメラに転換された「小田急百貨店新宿店ハルク館」(現:小田急ハルク)、1998年に閉店した「小田急百貨店相模大野店」がアウトレットモール「エクサイト」に改装された前例がある。現在は旧相模大野店もハルクと同様にビックカメラなどが入居する専門店ビル「相模大野ステーションスクエアB館」となっており、かつての「百貨店らしさ」はほとんど見られない。相模大野ステーションスクエアB館。

大規模改装によって小田急藤沢店の「百貨店らしさ」は失われてしまうのか注目される。

ニュースリリース:小田急百貨店藤沢店は 2019 年春、新たな商業施設に生まれ変わります。 2018 年 6 月より、リニューアル工事を開始(小田急電鉄公式サイト)
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コロワ甲子園、2018年5月ごろ開店-旧・ダイエー甲子園店

2017年10月に閉店した「イオン甲子園店」(旧・ダイエー甲子園店)が、2018年のゴールデンウィークを目途にイオンを核としたショッピングセンター「コロワ甲子園」(Corowa)としてリニューアルオープンする。

コロワ甲子園(ニュースリリースより)。

甲子園球場最寄りの大型スーパー、半年ぶり営業再開

イオン甲子園店は1993年6月にダイエー系百貨店「プランタン甲子園」として開業。その後、ダイエー甲子園店を経て2016年3月にイオン甲子園店に転換した。建物は地下2階、地上6階建てで(売場は地下2階〜地上3階)、売場面積は29,000㎡。
プロ野球・阪神タイガースの本拠地「阪神甲子園球場」の最寄り店舗ということもあり、試合開催日には多くの観戦客で地下の食品売場が混雑することで知られていた。

イオン甲子園店。

しかし、近隣大型店との競争激化や、試合開催日以外での集客不足、施設の信託受益権を取得した三菱地所との賃料交渉の難航などにより、2017年6月1日からは食品売場のみの営業となり、2017年のプロ野球のシーズン終了を待つかたちで、2017年10月1日を以て残りの売場も閉店、全館閉鎖されていた。
詳しくはこちら:イオン甲子園店、2017年5月閉店-旧プランタン百貨店・ダイエー甲子園店、競合増加で経営不振に

タイガース協賛セールが行われる館内。

新施設は「コロワ」-核店舗はイオン

イオン甲子園店の建物は2017年2月に不動産大手の三菱地所が同施設の信託受益権を取得。現在、2018年のゴールデンウィークごろのリニューアルを目指して改装が進められている。
新施設の名前は「コロワ甲子園」。「ココロ、ワクワク」から名付けられたものだという。

館内エントランスイメージ(ニュースリリースより)。

新施設の核店舗として地下2階にイオンが再出店するほか、家電量販店、ファッション、生活雑貨、日用雑貨、レストラン・フードコートなど約60店舗が出店する見込みとなっている。

館内構成(ニュースリリースより)。

なお、阪神電鉄は12月19日に阪神甲子園駅南側広場の再開発計画を発表しており、甲子園球場周辺はますます賑わいを見せることになりそうだ。

コロワ甲子園

住所:兵庫県西宮市甲子園高潮町3-3
営業時間:未定

外部リンク:(仮称)甲子園商業施設リニューアル計画(旧イオン甲子園店)施設名称を「Corowa甲子園」に決定(三菱地所、PDF)
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