カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

深谷テラス、2022年5月28日開業-目玉はキユーピーの観光農業施設「ヤサイな仲間たちファーム」

埼玉県深谷市の秩父鉄道ふかや花園駅前に、複合都市公園「深谷テラス」が2022年5月28日に開業した。

深谷テラス。

アウトレット隣接地に市営の大型観光パーク整備

深谷テラスは埼玉県深谷市が進める花園IC拠点整備プロジェクトの一環で、隣接地にはふかや花園プレミアム・アウトレット」の建設が2022年秋の開業を目指して進められている。

ふかや花園プレミアム・アウトレット。

中核施設の観光農場はキユーピー運営

「深谷テラス」の総面積は約6万8000㎡。中核施設として、5月29日に農業観光施設「キユーピー 深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム」がグランドオープンする。

「深谷テラス」位置図。

ヤサイな仲間たちファームはキユーピーの運営で、地元野菜を販売するマルシェやレストラン、野菜教室、体験農園なども設けられる予定となっている。

キユーピー 深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム。

また、5月28日にグランドオープンした都市公園「深谷テラスパーク」には、地元で採れる野菜や市花「チューリップ」などをモチーフにした大型遊具やイベント広場を設置。両施設ともに入場は無料となっている。

キユーピー 深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム

住所:埼玉県深谷市黒田54
営業時間:平日9時〜19時半(土日祝日は20時半迄)
※施設により異なる

プレミアム・アウトレット計画地図より。
画像はプレミアム・アウトレット公式/深谷市ウェブサイトより。

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渋谷マルイ(丸井渋谷店)、2022年8月28日閉店-丸井が木造ビルに建て替え、2026年完成めざす

東京都渋谷区の渋谷駅近くにあるファッションビル・百貨店「渋谷マルイ(丸井渋谷店)」が、ビル建て替えのため2022年8月28日に閉店する。

渋谷マルイ。

渋谷のファッション・サブカルをリード、64年の歴史に幕

渋谷マルイは1958年10月に開店、1971年2月に建替え。建物は8階建てで店舗面積は4,242㎡。渋谷をリードするファッションビルとして永年親しまれていたほか、近年は屋上でアイドルグループ等のライブや、店内でアニメコラボイベントを開催するなど、サブカル分野においても話題を集めていた。
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チマメ隊が尊い「ご注文はうさぎですか?」イベント看板。


屋上で開催されたインストアライブ。

丸井、現地に新たな「木造ビル」建設-売場規模は縮小

閉店後、現店舗は解体。渋谷では大型再開発が相次いでいる一方、マルイ跡は同敷地で建物を建て替えるとみられる。

渋谷マルイ跡・建て替えイメージ。

新たな建物は地上9階~地下2階の木造建築で、リードデザイナーは、国際的設計組織である「Foster+Partners」が担当。耐火木材など構造の約60%に木材を使用した「日本初のサステナブルな本格的木造商業施設」として2026年に生まれ変わるとしている。

渋谷マルイ跡・建て替えイメージ。

新店舗の店舗面積は現在より狭く2,800㎡(大きめの食品スーパーと同サイズ)になる計画。
建替えは丸井グループによるものであるが「渋谷マルイ」の店舗名で再出店するかどうかなどについては、2022年5月時点で発表されていない。

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イオンスタイル南栗橋、2022年5月28日開業-東武南栗橋駅前「ブリッジライフプラットフォーム」街びらきに合わせて

埼玉県久喜市の東武南栗橋駅近くで進められていた街づくりプロジェクト「BRIDGE LIFE Platform 南栗橋(BLP)」が2022年5月26日に街びらきし、商業核としてイオンスタイルの総合スーパー「イオンスタイル南栗橋」が2022年5月28日に開業する。

BRIDGE LIFE Platform 南栗橋。

ブリッジライフプラットフォーム、5月26日街びらき

BRIDGE LIFE Platform 南栗橋」プロジェクトは東武鉄道をはじめイオンリテール、久喜市、東武鉄道、トヨタホーム、早稲田大学大学院環境・エネルギー研究科小野田研究室の5者による産官学連携による新しいライフスタイルに対応した街づくりプロジェクトで「イオンスタイル南栗橋」は同プロジェクトの商業核。

BRIDGE LIFE Platform 南栗橋・街区イメージ。


「BRIDGE LIFE Platform」構想。

BRIDGE LIFE Platform 南栗橋はイオン開業に先立ち5月26日に街びらきしており、周辺では合わせて久喜市による公園整備、トヨタホームと東武による住宅整備などが進められている。今後、2028年の全面完成をめざして工事が進められる。
BLP」の表記が追記された南栗橋駅の新駅名標。

イオンスタイル南栗橋、2館体制のスーパーに

イオンスタイル南栗橋の建物は平屋で「フードマーケット館」と「ヘルス&ウエルネス館」の2館体制、売場面積は3,013㎡。

イオンスタイル南栗橋。

ヘルス&ウエルネス館では保険調剤もおこなう。テナントとしては、美容室「イチゴ」、クリーニング「太洋舎」が出店。地域連携ワオン「くきWAON」の発行も行う。


イオンスタイル南栗橋・フロア案内。

なお、すぐ近くにはスーパー「マルヤ」「ドラッグストアセキ」が出店している。
同店の開業を前に、近隣にあったイオン東鷲宮店(ダイエー)は4月10日に閉店している。

イオンスタイル南栗橋

住所:埼玉県久喜市南栗橋8丁目2-1
営業時間:本館8時~22時・日用品館9時~22時
調剤は平日9時~20時・日祝9時~18時

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サンエー宮古島シティ、2022年6月17日開業-創業地宮古島に初の「無印良品」「エディオン」出店

沖縄県宮古島市平良の宮古空港・JTAドーム宮古島近くに、沖縄地場流通最大手グループ「サンエー」(本社:沖縄県宜野湾市)のショッピングセンター「サンエー宮古島シティ」が2022年6月17日に開業する。

「宮古島の個人商店」前身のサンエー

サンエーは、1950年1月に宮古島市(旧・平良市)で個人経営の雑貨店「オリタ商店」として創業、1970年5月に那覇市内で法人化、同年7月に総合衣料セルフサービス店1号店を開店した。
2022年現在は沖縄県内最大手の流通企業として、直営スーパーに加え、パルコやローソン、東急ハンズ、アカチャンホンポ、ジョイフルなどを合弁・FC方式により展開する。

出店計画縮小経て3年遅れで開業

サンエーは2015年8月に宮古島市への大型ショッピングセンター(2019年秋開業予定、地上4階建、店舗面積約15,000㎡)出店計画を発表し、自治会と土地賃貸借契約を締結していた。

サンエー宮古島シティ。(当初案)

しかし、2019年3月と2020年7月に出店計画見直しを相次ぎ発表するなど、建築費高騰やコロナ禍を背景に開業の実現自体が一時不透明となった。

施設の半数が「宮古島初」のブランドに

サンエー宮古島シティの建物は地上2階建で敷地面積29,032㎡、店舗面積は5,853㎡、延床面積は11,912㎡、駐車場台数は530台。市内ではイオンタウン宮古SC(8,593㎡)に次ぐ規模となる。
宮古島シティは食品スーパー「サンエー食品館」を核に、ドラッグストア「マツモトキヨシ」、生活雑貨店「無印良品」、家電量販店「エディオン」、大衆中華料理店「大阪王将」、ベーカリー「リトルマーメイド」、和食レストラン「和風亭」といったサンエーグループ直営・FCによる専門店7店舗が出店するほか、宮古島地場企業(マルセイ)FCによる眼鏡店「OWNDAYS」やりゅうせき系の携帯電話販売店「auショップ」、ゲームセンター「ジョイジャングル」などが出店する。

サンエー宮古島シティ。

施設は2015年の当初計画から「1/3」に規模を縮小し、核店舗が総合スーパー(サンエー衣料館併設店舗)から食品スーパーに変更となったが、無印良品を始め半数ほどが宮古島初のブランドとなるなど、同社が“創業の地”とする宮古島の旗艦店として相応しい、グループの経営資源を活かした店舗構成となった。

宮古島市内のグループ店舗も再編

サンエーは宮古島市中心部に食品館3店舗と飲食店2店舗をドミナント出店しているが、宮古島シティの開店に先駆け、2022年5月20日をもって食品スーパー「サンエーV21カママヒルズ食品館」と和食レストラン「和風亭宮古店」を閉店している。
カママヒルズ食品館と和風亭宮古店は、両店舗の“移転先”とする宮古島シティとは5kmほど離れた距離にあるが、カママヒルズ食品館の1km圏内には「サンエーショッピングタウン宮古」「サンエー宮古オリタ食品館」が営業するうえ、2022年7月からは宮古島全域(大神島除く)を対象とする「サンエーネットスーパー」がサービス開始するため、2店舗の移転が地域住民に与える直接的な影響は少ないとみられる。

サンエー宮古島シティ

住所:宮古島市平良字下里南真久底2511番43他
営業時間:午前9時~午後11時(予定)

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ヨークベニマル牛久上柏田店、2022年5月27日開店-茨城地場大手パチンコ「ガディス」跡地に

茨城県牛久市にセブン&アイHD系の食品スーパー「ヨークベニマル牛久上柏田店」が2022年5月27日午前9時に開店する。

地場大手パチンコ店跡地にヨークベニマル

ヨークベニマル牛久上柏田店は、2021年1月に閉店した茨城地場パチンコチェーン「ガディス牛久店」(運営会社の伸和は2022年3月破産)跡地に出店するもので、建物は平屋建、売場面積は1,741㎡、駐車場台数は69台。同店の開店により店舗数は239店舗体制(実質稼働は237店舗)、牛久市内への出店は3店舗目となる。
青果売場では茨城県内産農産物の仕入れに注力、鮮魚売場では幅広い量目での商品展開や丸魚の調理に対応、精肉売場では黒毛和牛やポークステーキ、馬刺しなどを品揃えする。また、惣菜売場では魚惣菜や少量サイズの品揃えを強化、寿司売場では利用客からの大型パック注文に対応、ベーカリー売場では店内焼き上げのパンを始め新商品の石窯ピザを展開。茨城・牛久の地域商品を豊富に品揃えるとしており、買物がしやすい親しみのある店づくりに努めるとしている。

ヨークベニマル牛久上柏田店。

ヨークベニマル牛久上柏田店は同社が直近に開店した店舗(ヨークタウン)と比べ小規模であるが、セブン銀行ATMやクリーニング店(洗濯王)の導入もあり、大手流通グループならではの商品・サービスで顧客を獲得していくものとみられる。

ヨークベニマル牛久上柏田店

住所:茨城県牛久市上柏田四丁目19番6号
営業時間:午前9時30分~午後10時(年中無休)

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快活CLUB運営「AOKI」、自遊空間運営「ランシステム」を2022年6月8日子会社化-複合ネットカフェ「快活一強」鮮明に

大手複合ネットカフェ「快活CLUB」運営企業を傘下に持つ大手紳士服店グループ「AOKIホールディングス」(AOKIHD/本社:横浜市都筑区)は、大手複合ネットカフェ運営会社「ランシステム」(店名:スペースクリエイト自遊空間/本店:埼玉県狭山市、本社:東京都豊島区)と資本業務提携を締結し、ランシステムを2022年6月8日付で連結子会社化する方針を同年5月23日に発表した。

AOKI傘下となる自遊空間(東京都大田区)。

AOKI傘下の業界最大手複合カフェ「快活CLUB」

快活フロンティアの現法人は1996年3月に大手紳士服「アオキインターナショナル」(現AOKIHD)の子会社として設立。2000年8月に社名を「コート・ダジュール」に変更し、同年10月にAOKIから同名のカラオケ業態を譲受し分社独立。2002年7月に社名を「ヴァリック」に変更し、2003年7月に現在の主力事業となる複合カフェ業態「快活CLUB」の出店を開始した。
2018年には全室完全個室の新業態「快活CLUB リラックスルーム」を出店開始、2019年10月に現社名に変更した。

快活CLUBとAOKI(東京都豊島区)。

同社は親会社と競合関係にある紳士服店(はるやま商事・メンズゼビオ)傘下のチェーンや同業地場中小チェーンに対するM&Aを進めつつ全店直営・共通のサービス展開を重視、同業では当時珍しかった南国リゾート風のフロアやモーニング無料化で客層の拡大を図った。
2020年初頭から拡大したコロナ禍においても、積極的な新規出店や既存店のスクラップ&ビルド(年間50~100店舗増)や完全個室フロアの拡大、親会社の資本を活かしたリモートワークサービスの提供により、2021年4月には全都道府県への出店を達成、2022年3月期の売上高はコロナ禍前と同水準の569億9300万円となった

快活の無料朝食サービス。
ポテトは「免費芋」とも呼ばれ人気を集める。

なお、2002年12月から2008年4月まで東証ジャスダック市場に上場していたが、2022年5月現在はAOKIHDの完全子会社化となっている。

無人業態の開発に強みもつ古参「自遊空間」

ランシステムは1985年6月にレンタルレコード店「友&愛」を展開する企業として創業。1988年12月に法人化した。1996年7月には複合アミューズメント施設運営事業(スペースクリエイト事業)を開始、1998年8月に漫画喫茶・ネットカフェを核とする主力業態「スペースクリエイト自遊空間」直営店を出店開始した。
2000年代には同業中小チェーンに対する積極的なM&AやFC契約で事業規模を拡大、2018年からは同業他社に先駆け店舗無人化システムの開発と導入を本格展開している。

自遊空間NEXT(東京都大田区)。

AOKIの快活とは異なり多くはFC店舗で、2022年5月現在は主力業態に加えて無人入退場セルフ接客業態「自遊空間SELF」、鍵付き防音個室業態「自遊空間NEXT」を約140店舗展開。2022年6月期の売上高は43億2000万円。(同年5月23日修正後の業績予想)

AOKI、自遊空間取込みでさらなる多角化へ

AOKIホールディングスの2022年3月期の売上構成比は祖業である「ファッション事業」(メンズプラザAOKI)が56.1%、「エンターテイメント事業」(快活CLUBなど)が36.1%、「アニヴェルセル・ブライダル事業」が5%を占めるなど、同業紳士服チェーン各社が課題とする多角化戦略に成功を収めている。
AOKIHDは同社傘下かつランシステム既存株主の結婚式場・パーティ会場運営会社「アニヴェルセルHD」からの株式譲受、ランシステムによる第三者割当増資引受により株式の50.71%(議決権所有割合)を取得。ランシステムが得意とする無人化・リモート接客システムノウハウの取込みを図る。
AOKIHDは資本業務提携により、シナジーの最大化新コンテンツの開発店舗効率化をはじめとする業態の進化などにより事業展開を加速させるとしている。

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鳥取大丸、2022年8月31日閉店-9月3日から「丸由百貨店」に新装開業、呉服店時代の屋号で原点回帰

鳥取県鳥取市の鳥取駅前にある大丸松坂屋百貨店系の地場百貨店「鳥取大丸」が2022年8月31日をもって閉店する。

鳥取大丸。

鳥取大丸は閉店後、同じ運営会社(丸由に9月1日社名変更予定)のもと「丸由百貨店」として2022年9月3日に新装開業を予定している。

戦前から続く老舗呉服店が前身だった

鳥取大丸は、1937年2月に地場老舗呉服店「由谷呉服店」を前身にもつ百貨店「丸由百貨店」として設立・創業。同年12月に鳥取駅前に店舗(地上4階建)を開業した。
戦後は1949年12月に関西地盤の大手百貨店「大丸」(現大丸松坂屋百貨店)と資本業務提携を締結し現在の店名に改称、1975年に著名建築家「黒川紀章」設計による現店舗(地上5階地下2階建、店舗面積1,1973㎡)への移転増床を実施するなど、鳥取駅前の商業核となった。
その一方、1990年代から郊外型店の進出が本格化、2000年代初頭には近隣のダイエー鳥取駅南店(現鳥取市役所駅南庁舎)が閉店するなど競争環境が悪化。同店東側には、2013年7月に鳥取市主導による大屋根付芝生イベント広場「バード・ハット」が新設されたが、鳥取大丸は依然として業績低迷傾向が続いていた。
そのため、2018年7月には「大丸松坂屋百貨店」や地場公共交通事業者「日の丸グループ」(本社:鳥取市)など数社が出資する旧法人から、日の丸グループや島根県第一地銀「山陰合同銀行」(本社:島根県松江市)系列のファンドが出資する新会社に運営を移行。大丸松坂屋百貨店との資本関係は消滅したもの、商品調達・取引先誘致やライセンス契約面での提携が続いていた。

2018年の地場百貨店化機にリニューアル進めていた

鳥取大丸は新体制移行を機に、2019年9月から低層階(地階~地上4階)に百貨店フロアを集約、2020年4月には高層階(地上5階・屋上階)に新たな商業フロア「TOTTORI PLAY’S(トットリプレイス)」を新設するリニューアルを実施した。
トットリプレイスでは、雑貨ブランド「Afternoon Tea LIVING」「Flying Tiger Copenhagen」や和洋菓子銘店の定期的な催事出店に加え、近隣住民による物販・飲食店舗の催事出店(飲食は1日単位/物販は1ヶ月単位)、屋外ステージでのライブ・ダンスイベントなどに対応するなど、従来と異なる客層の取込みをめざしている。

屋号の原点回帰で「地域密着」鮮明に

鳥取大丸の屋号変更は大丸松坂屋百貨店とのライセンス契約満了によるもの。ライセンス契約満了にあわせ、法人名を「丸由」、店舗名を「丸由百貨店」に改称する。
鳥取大丸は2022年5月18日に山陰初となる高級食品スーパー「北野エース」を導入したばかり。鳥取大丸閉店後も同社発行の友の会会員証や各種商品券、同社提携の各種クレジットカード(NKC鳥取大丸デイリーカード)、ギフト(お中元・お歳暮・二十世紀梨)お届け先リストなどは従来どおり利用可能としており、営業時間・駐車場も変更しない。同社は「百貨店が本来持つ楽しさやワクワクをもう一度取り戻す。賑わいの中心であった鳥取の百貨店へ原点回帰するために、鳥取で暮らす多くのお客様とともに、新しい鳥取の百貨店を目指します。」「これからの丸由百貨店をどうぞよろしくお願いいたします。」とコメントしている。

丸由百貨店(旧鳥取大丸)

住所:鳥取県鳥取市今町2丁目151
営業時間:午前10時~午後7時(2022年9月3日開業予定)

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ライフビオラル新宿マルイ店、2022年5月28日開店-カフェ併設の自然派スーパー、丸井地階に

東京都新宿区の東京メトロ新宿三丁目駅に直結する丸井グループの複合商業施設「新宿マルイ本館(丸井新宿店本館)」地下1階に、ライフコーポレーションのナチュラルスーパー「ビオラル新宿マルイ店」が2022年5月28日に開店する。

新宿マルイ。

新宿マルイ本館地階、ライフ系自然スーパーに

ビオラル新宿マルイ店は、新宿マルイ本館地下1階のレディスシューズ/コスメ/ファッション雑貨フロアに出店するもので、売場面積は231㎡。ビオラルとしては丸井吉祥寺店、下北沢駅前店に次ぎ首都圏3店舗目。
同店では「オーガニック・ローカル・ヘルシー・サスティナビリティをコンセプトとした、ワクワクのあるこだわり商品とサービスを提供すると共に、持続可能で豊かな社会の実現に貢献しながら、地域のお客様に支持される店へ」をコンセプトに、生鮮部門では有機農産物や東京GAP認定野菜を中心とした東京育ち野菜など展開。惣菜部門では国産・有機原料や食品添加物への配慮を謳ったサラダ・デリカテッセンを対面量り売りで提供する。

ライフ・ビオラル新宿マルイ店。

また、グロサリー部門ではライフのオーガニックPB商品「BIO-RAL(ビオラル)」に加え、同業態他店舗でも特徴として打ち出している「搾りたてピーナッツバター」「お米量り売りコーナー」を導入する。
そのほか、東京都心部のファッションビル地階・新宿三丁目駅改札前という良好な立地条件を活かし、オーガニックコーヒーや軽食を提供する「ビオラルカフェ」を併設するほか、アロマ精油使用のオーガニックシャンプーやアメリカ産天然クレイ使用のボディケア商品、健康ペットフードやオーガニックベビーフードといった日用品・コスメの拡充を図るとしている。

ライフビオラル新宿マルイ店

住所:東京都新宿区新宿3-30-13
営業時間:午前11時~午後8時
(ビオラルカフェ平日午前8時~/土日祝午前11時~)

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丘の上 結いスクエア、2022年5月19日開業-ユニーピアゴ飯田駅前店跡、ツルハや図書館など入居

長野県飯田市のJR飯田駅前にあった総合スーパー「ユニーピアゴ飯田駅前店」跡に、複合商業施設「丘の上 結いスクエア(ユイスク)」が2022年5月19日に開業した。

丘の上 結いスクエア(飯田市facebookより)。

飯田駅前の旧ユニー、地元企業が取得・市と改装していた

「ユニーピアゴ飯田駅前店」の前身であるユニー飯田駅前店は1974年4月に開業。建物は地上5階・地下1階、延床面積は約12,900㎡で、飯田市中心部を代表する総合スーパーであったが、2018年9月に閉店した。

ピアゴ飯田駅前店(飯田市ウェブサイトより)。

その後、地元の建設会社「吉川建設」が建物を取得し、新会社「飯田駅前プラザ」を設立して飯田市とともにリノベーションを進めていた。

生鮮を扱うツルハを核に公共施設など入居

「丘の上 結いスクエア」は地上5階、地下1階建てではあるものの、耐震性確保などのため一部減築。リノベーションの総事業費は10億7500万円で、そのうち国と飯田市が2億円ずつ負担している。

建物パース図(飯田市ウェブサイトより)。

丘の上 結いスクエアのキャッチフレーズは「つながる、結ぶ、ここから。」で、1階には核店舗として生鮮品を扱う「ツルハドラッグ飯田駅前店」(店舗面積1,322㎡)と、サッカーJリーグ松本山雅のカフェ「喫茶山雅」が出店。
2階・3階は飯田市の公共施設「ムトスぷらざ」で「飯田市公民館」「飯田市立飯田駅前図書館」、イベントホールなどが設けられる。

飯田駅前図書館(飯田市facebookより)。

4階・5階はオフィスフロアとして、建物を所有する吉川建設のほか複数の企業が入居。5階部分には屋上テラスも設けられている。
地階は駐車場となっている。

館内吹き抜け。建物は一部減築(飯田市facebookより)。

飯田駅前はピアゴ閉店後に大型店が無くなったばかりかコンビニエンスストアも少し離れていたため、買い物難民の解消・駅利用者の利便性の向上が求められていた。ユイスクは地元住民のみならず、駅を利用する旅行客にも親しまれる施設となることだろう。

ツルハドラッグ飯田駅前店

長野県飯田市東和町2丁目35
営業時間:9時~21時

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ユニクロビックロ新宿東口店、2022年6月19日閉店-ユニクロ世界旗艦店の1つ、近隣に新店舗出店へ

東京都新宿区の新宿三越ビルビックロ)にあるファストファッション店「ユニクロビックロ新宿東口店」が2022年6月19日に閉店する。

ユニクロビックロ新宿東口店。

新業態「ビックロ」10年の歴史に幕

ユニクロビックロ新宿東口店は1929年に建てられた新宿三越ビル(旧新宿三越アルコット、三越伊勢丹グループ所有)に2012年9月開店。ビックカメラとの複合店「ビックロ」という新業態は大きな話題を呼んだ。
ユニクロの売場は2~3階、店舗面積は2,900㎡。ユニクロのグローバル旗艦店の1つという位置づけであった。
ビックロは2022年に10年間の定期借家契約が切れるため、今後の動きが注目されていた。

ユニクロは近隣に新店舗、全館ビックとして営業へ

ユニクロは閉店に合わせて2022年秋に「ユニクロ新宿フラッグス店」「ユニクロ新宿三丁目店」を開業させることを発表しており、事実上の店舗移転となる。
また、ビックカメラはユニクロの閉店後に全館を「ビックカメラ新宿東口店」として営業するとしているため、ユニクロの売場にはビックカメラ新宿東口店が増床するものとみられる。

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