愛知県豊田市の名鉄三河線豊田市駅・愛知環状鉄道新豊田駅前にある豊田市駅西口再開発ビル「豊田駅西ファッションビル t-FACE」のうち、2021年9月まで「松坂屋豊田店」が出店していた「t-FACE A館」1階から6階の全面改装が完了し、2022年3月23日にプレオープン・25日にグランドオープンした。
新装なったt-face。
「豊田そごう」開業から34年目の全面リニューアル
松坂屋豊田店の前身である「豊田そごう」は豊田市駅西口市街地再開発ビル「t-FACE」の核店舗として1988年10月に開店。t-FACE全館の店舗面積は39,477㎡。そごうは2000年7月のそごう経営破綻により営業面積が縮小されたのち2000年12月に閉店し、その後はt-FACE専門店街が増床された。
豊田松坂屋・エントランス。右はB館。
松坂屋豊田店は2001年10月25日に「t-FACE A館」に開店。松坂屋の店舗面積は18,000㎡。A館1階から6階まで(+催事場8階)に出店しており、そごうの百貨店面積よりも狭かった。
しかし、業績の悪化などを理由に2021年9月30日を以て閉店し、施設を管理する「豊田まちづくり」によって改装が進められていた。
豊田松坂屋・最終営業日。
成城石井・三越・コーナンなど各階「新コンセプト」に
外壁に設置されたテナント看板。
新装なったt-FACE A館のうち、1階は「デイリーフロア」。
核店舗として高品質な食材を扱うスーパー「成城石井」が出店する。惣菜店を集めたコーナー「おそうざいマルシェ」には、RF1のセレクトショップ「グリーン・グルメ」や、沖縄育ちのアイス専門店「ブルーシール」などが出店する。
デイリーフロアにはイートインコーナーも。
BLUE SEAL ICE。
ベーカリー「ドンク」や「ミニワン」は、松坂屋に引き続き再出店となった。
さらに、4月22日にオープンする食品売り場「T-Marche」には、松坂屋時代に出店していたお肉の専門店「スギモト」や鮮魚店「魚錠」、新たに出店する青果店「カネ井青果」などが出店する予定となっている。
再出店となったドンク。
2階は「上質な立ち寄りフロア」。
核店舗として、名古屋三越のサテライト百貨店「三越 豊田」が4月22日にオープンする。
三越の店舗面積は約1,900㎡。三越店内には、洋菓子「ゴディバ」や、レディースファッション「ウサギオンラインストア」などを始めとした18店舗のテナントが出店する予定。
このほか、松坂屋時代に出店していたカフェ「スターバックス」も出店している。
スターバックス前のウッドデッキ。
3階は「おとなライフスタイルフロア」。
「アンタイトルド」や「エムズグレイシー」などの婦人服店のほか、眼鏡店「キクチ」や、靴下などの衣料品「フクスケ コラージュ」などが出店。コスメ・生活雑貨「ハウスオブローゼ」などは松坂屋時代からの再出店となる。
4階は「大型専門店フロア」。
ファストファッションの「coca」、インテリア雑貨の「ニトリ デコホーム」が出店するほか、4月22日には「GU」がオープンする。
coca。
ニトリデコホーム。
5階は「ホームセンター」フロアで「コーナン」が出店する。
コーナンでは、日用品、家電、ペット、園芸、DIY、インテリアなど幅広い商品を取り扱う。
コーナン。
6階は「とよた未来を育むラボ(愛称 Y LAB.)」と題し、なにかが変わるきっかけのフロアをコンセプトとした。
その一環として、コワーキングスペース「Yシェア」や、キッチンスタジオ併設の多目的ホール「Yスタジオ」などの新しいコンセプトのスペースが設けられた。
このほか、書籍の「丸善(MARUZEN)」やハワイのコーヒー「ライオンコーヒー」を提供する喫茶店の「RIC TOKYO」、PCデポの地域連携型新業態店「PCデポ 豊田くらしのデジタル館」などが出店する。
PCデポの新業態「くらしのデジタル館」。
豊田産木材を用いた内装に-そごうの名残も
今回のリニューアルに合わせて、外観は低層部が茶色に塗り直された。
最上階には松坂屋に変わり「t-FACE」のロゴが設置された。
2階の名鉄側入口も大きくリニューアルされ、館内は白系から茶色など暖色系に改装。ここには、香り豊かな豊田市の木材が内外装として多用された。
さらに、1階・2階には立ち寄りやすさと居心地の良さを追求した新たなエントランス(入口)を増設するなど、以前とは少し異なる雰囲気となった。
豊田市産の木が使われた内外装(2階スタバ前)。
プランターの土には松坂屋の廃材を活用したという。
その一方で、館内にはそごう時代の設備が昇降機を中心に継承されており、エレベーターの金色内装の他、扉開閉時に鳴動するチャピー(ピヨピヨ音)、そしてエスカレーターの金色の枠に赤いベルトなど、バブル期に開業したそごう独特の設備が引き続き継承されている。
6階エレベーターホール。
そごう時代のままのエスカレータ。
多くの客で賑わった開業日-式典は4月に実施
開業初日となった3月25日は朝から多くの人が詰めかけた。
開店時は1階および2階の名鉄側入口に分かれて整列するようになっていたが、1階は新たに増設された入口、2階は愛環線の駅側まで長い行列ができた。
朝から多くの客が並んだ。
開店式典などは2階「三越」が開店する4月22日に行われるといい、25日は特に挨拶などはなく開店。それと同時に多くの客が店内へとなだれ込んだ。
午前10時の開店と同時に多くの客が入店した。
ここ数年、松坂屋豊田店・t-feceの近隣には2020年に開業した「ららぽーと東郷」をはじめ2017年に開業した「プライムツリー赤池」、同じく2017年に建替え開業した「イオンスタイル豊田」など郊外型商業施設が相次いで開業しており、集客に陰りが見えつつあった。
今回のリニューアルオープンでは市内に唯一のテナントも数多く出店しており、再び「豊田市の玄関口の顔」として賑わうことが期待される。
t-FACE 豊田市駅西ファッションビル
住所:愛知県豊田市若宮町1-57-1
営業時間:10:00 – 20:00
(ごちそうダイニングは11:00 – 最大23:00)
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