カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

ユーユー梅屋本館、2022年9月閉店-相鉄ローゼンなど出店する元百貨店、平塚駅前館は営業継続

神奈川県平塚市のJR平塚駅前・紅谷パールロード商店街にある元百貨店のショッピングセンター「ユーユー梅屋本館」が2022年9月下旬に閉店する。

ユーユー梅屋本館。

平塚最後の百貨店→駅前ショッピングセンターだった

梅屋は1907年に創業、戦後に百貨店化した。現在の本館は1963年10月に開業。その後、専門店街のユーユー館を増築したため、百貨店の本館(中沢ビル)、専門店街のユーユー館、事務棟の別館の3館で構成されていたが、競合店増加などの影響もあったと思われ2011年8月31日に本館の梅屋百貨店直営床を閉店。本館は「ユーユー梅屋本館」、ユーユー館は「ユーユー梅屋駅前館」と改称した。

手前は営業を継続する駅前館、広告塔屋があるのが本館。

梅屋によると、ユーユー梅屋本館の閉館は老朽化により安全で快適な環境を保つことが難しくなったため。

閉館する本館には相鉄ローゼンパシオスハニーズなどが出店している。それらの店舗の移転先などは5月時点では発表されていない。

梅屋駅前館は営業継続

梅屋は、ダイソーなどが出店する駅前館については今後も営業を続けるとしている。駅前館は2013年までユニクロが出店していた4階が催事スペースとなっているなど複数の空き床があるため、駅前館に移転する店舗もあろう。

関連記事:ヤマダデンキLABI LIFE SELECT 茅ヶ崎、2021年11月26日開業-旧ダイクマの旗艦店を建替え
関連記事:テラスモール湘南、2018年4月26日リニューアル開業-「辻堂」人気の火付け役、「湘南」アピールで集客めざす
関連記事:ららぽーと湘南平塚、2016年10月6日開業-イトーヨーカドーなど出店

TERRASTA(テラスタ)、2022年4月29日開業-都城大丸跡の再開発完成、小田急系シティホテルやスーパーなど出店

宮崎県都城市の西都城駅近くにある都城大丸本館跡地・都城郵便局旧本館などの跡地に、センター・シティ(本社:都城市)による複合商業施設「TERRASTA(テラスタ)」が2022年4月29日に開業した。都城大丸跡の再開発はこれで全て完成することになった。

テラスタ。


再開発前。

地場老舗百貨店跡で進められた再開発プロジェクト

TERRASTA(テラスタ)の場所にあった百貨店「都城大丸」は1929年5月に「大浦呉服店」として創業、1948年10月に法人化、1956年10月の百貨店化を機に屋号を「大丸」に変更した。
P1010776-
営業当時の都城大丸本館。大手百貨店の大丸とは無関係だった。

都城大丸は近接する都城寿屋百貨店(現:都城IT産業ビル)やナカムラデパート(現:メインホテルナカムラ)とともに南九州有数の繁華街における中核店舗として大隅半島までに亘る高い集客力を誇ったが、商店街では1995年のナカムラデパート業態転換(宿泊施設化)と2002年の寿屋小売業廃業、郊外では2003年にイオン都城ショッピングセンター(都城市早鈴町)が開業したことにより業績が低迷した。
P1160465-1新館・センターモール。

都城大丸は2004年3月に増床、本館隣接地に「都城大丸新館センターモール」を開業させるなどテコ入れを図ったが、2010年9月には業績不振で売場を本館に集約。新館の売却を目指したものの実現せず、わずか3ヶ月後となる2011年1月の初売り中に民事再生法適用申請を行い廃業した。その後も床が傾くなど極めて老朽化した本館に難色を示すなどして支援企業は現れず、2012年2月に破産手続開始となった。
大丸の閉店後、周辺商店街の店舗は多くが閉店。都城中央通りはシャッター通りと化した。

大丸向かいの寿屋跡。周囲はほぼ空き店舗となった。

都城大丸跡地では2013年3月に都城商工会議所支援による受け皿会社「ハートシティ都城」が土地建物を取得、2015年3月に都城市が土地建物を取得するかたちで「中心市街地中核施設」の整備が決定。2018年4月には大丸センターモール跡に事業共同体「MALコンソーシアム」(マナビノタネ・コクヨマーケティング・ヴィアックス)による「都城市立図書館」(新館を居抜き)が、大丸本館跡の一部に複合施設「Mallmall」(新築)が先行開業していた。

Mallmall。

Mallmall建設とセンターモール跡再整備に合わせて、大丸本館跡にはホテルと狭小生鮮店(ミニスーパー)を建設する計画がすすめられた。
しかし、ホテルについては近隣にある地場ホテルが建設を反対したほか、生鮮品店は面積を拡大しないと採算が取れない可能性があることを大阪に本部を置く民間のまちづくりニュースサイトが指摘。さらに計画見直し後、出店検討・出店打診していた地場ホテルM社や地場スーパーH社が相次いで出店を取りやめるなど、計画が二転三転したため、着工が何度も延期されていた。

食品スーパーとシティホテル核とする複合施設に

テラスタは都城大丸本館北側と隣接する都城郵便局旧本館、個人商店などの跡地に建設されたもので、建物は地上7階建、敷地面積は3,012㎡、建築面積は約2,134㎡、延床面積は約8,539㎡。同施設は地元企業出資の「センター・シティ」が事業主体として所有、小田急グループのUDSが企画・設計デザイン監修など行う。
施設名は「Terrace(テラス)」と「Stage(ステージ)」を掛け合わせた造語によるもの。コンセプトに「地域循環型のまちづくり複合施設」を掲げ、テナントとして1~2階には食品スーパー「TERRASTA MARKET(テラスタマーケット)」や堀口製茶和香園の「大隅茶全」、喫茶店「aitena」といった物販店や飲食店が順次開店するほか、「都城商工会議所」が市役所(都城市姫城町)そばから移転。3階~7階にはシティホテル「HOTEL TERRASTA(ホテルテラスタ)」が入居する。

テラスタ館内・フロアガイド。

3階~7階のホテルテラスタの客室は10タイプ93室で、UDSが受託するかたちで運営する。ホテルテラスタは「都城の魅力を発信していくホテル」として、ウエディング対応テラス付ダイニング「TERRASTA DINING」と鉄板焼レストラン「都雅」を備える。

ホテルテラスタ内・スイートルーム。

1階のテラスタマーケットの売場面積は約700㎡。フードウェイHD(福岡市早良区)の精肉子会社「エムツー」(都城市宮丸町)支援のもと、センター・シティが直営方式で運営する。
エムツーは市内の本社隣接地で生鮮食品スーパー「産直びっくり市場」を2022年2月まで営業しており、市中心部への事実上の移転となった。同店では青果部門に「スマイル青果」、鮮魚部門に「宮崎南イワキ」、精肉・惣菜部門にエムツー運営の「にくほんぽ」を導入。グロサリー部門では支援企業のフードウェイHD同様に成城石井PB商品など“こだわりの逸品”を取扱い、小規模な店舗ながらデイリーユースからワンランク上まで幅広い需要に対応する。また、同店独自の会員サービスとして「TERRASTAポイントカード」を提供する。

開業当日には入場制限も

テラスタ開業当日の4月29日午前9時30分からは「まちなか広場」でオープニングセレモニーが開催された。
セレモニーのなかで、センター・シティ社長兼都城商工会議所会頭の安田耕一は「お待たせしたが、すばらしいものができた」、都城市の池田宜永市長は「まるまるとテラスタの相乗効果で、中心市街地が活性化すると確信している」と述べた。

県知事、市長らも参加した開業記念式典。奥はMallmall。

商議所会頭・市長のほか、宮崎県知事、市議会議長らも参加してテープカットが執り行われると、多くの客が館内へと入店した。生憎の雨模様となったものの開業直後は多くの人が押し寄せ、入館整理券を求める行列ができた。

入館待ちの行列。右側がテラスタ。

テラスタの開業を記念して5月中旬まで市中心部の各施設では体験イベントや展示イベントが開催されており、都城市中心部は賑わいのなかで新たな幕開けを迎えることとなった。

様々な施設が一か所に集まることとなった。

(一部の写真・取材:全国スーパーめぐりさん地理人研究所さん/ホテル内写真はニュースリリースより)

TERRASTA(テラスタ)

住所:宮崎県都城市中町17街区2号
営業時間:午前9時~午後9時(TERRASTA MARKET)

関連記事:アミュプラザみやざき、2020年11月20日開業-東急ハンズ・紀伊國屋書店など宮崎初出店
関連記事:MEGAドン・キホーテ宮崎橘通店、2020年11月13日開店-ナナイロ(ボンベルタ橘)の核店舗、専門店街は大半が空き床
関連記事:MEGAドン・キホーテ鹿屋店、2020年4月3日開店-鹿屋バイパス沿いのエディオン・WONDERGOO跡地に

関連記事:JR西都城駅、2017年11月5日リニューアル開業-黒を基調に一新

エディオンとニトリ、2022年5月より資本業務提携-店舗の共同開発など検討

家具大手「ニトリHD」(北海道札幌市)と家電大手「エディオン」(大阪府大阪市、本店は広島県広島市)は、2022年5月13日付で業務資本提携を行うことを2022年4月に発表した。

ニトリの旗艦店・渋谷公園通り店。

エディオンの筆頭株主、リクシルからニトリへ

ニトリは、2022年5月13日に住宅設備大手「LIXIL」が保有するエディオン株約8.6%を取得する。エディオンは2013年からLIXILと資本業務提携を結んでおり、9年間に亘って筆頭株主となっていた。株式取得額は約102億円。
ニトリは市場などでもエディオン株を取得し、合計で約10%を保有する計画としている。

エディオン本店(広島市)

ニトリは北海道を中心とした東日本を、エディオンは東海地方(旧エイデン)、北陸地方(100満ボルト)、関西地方(旧ミドリ)、中国四国九州沖縄(旧ダイイチ→デオデオ)を地盤としているため、商圏が被らない店舗も多い。
また、両店ともに郊外型店舗が多いものの、近年は百貨店内出店や都市型店舗の開発に力を入れているという共通点もある。

ニトリ本社(札幌市)。

今後は両社による店舗の共同開発などの協議を行うとしており、近い将来、両社の店舗でそれぞれの商品の販売を行うことや、複合店舗の出店が行われる可能性もあろう。

関連記事:エディオン京都四条河原町店、2021年5月ごろ開業-阪急・丸井跡、新型コロナで開業延期に
関連記事:エディオンなんば本店、2019年6月開店-同社最大の都市型旗艦店、精華小学校跡地に
関連記事:エディオン広島本店、2019年6月21日全面開業-旧店の建て替え完成

ライフ堀川北山店、2022年4月27日開店-京都市北区初出店、カウボーイ家族上賀茂店跡地に

京都府京都市北区の京都市営地下鉄烏丸線北大路駅西側に、ライフコーポレーションの食品スーパー「ライフ堀川北山店」が2022年4月27日に開店した。

京都ならではの「おいしさ」強化

ライフ堀川北山店は、2020年8月に閉店したロイヤルホストのハンバーグ・ステーキレストラン「カウボーイ家族上賀茂店」跡地に出店するもので、建物は地上3階建で営業フロアは1~2階、売場面積は992㎡。駐車場は併設しない。京都府内への出店は2021年9月の四条烏丸店以来となる。
ライフ堀川北山店。

堀川北山店は京都市北区初の店舗として「毎日のお買い物に幸せが見つかるお店」を掲げ、農産部門では根付きポットによる水耕栽培レタス「うちのレタス畑」、水産部門では対面調理場を設け京都中央卸売市場・舞鶴近郊漁港から届く生魚や魚惣菜(西京漬・焼魚など)、畜産部門ではローストビーフやミールキットを展開。シニア層が多い住宅街という立地特性を活かし、京野菜や漬物、京都地区店舗で人気の商品、時短・簡便商品、こだわり商品など「京都自慢のおいしさ」を取揃えるとしている。
ライフ堀川北山店フロアマップ。

ライフ堀川北山店

住所:京都府京都市北区紫竹東桃ノ本町32-1
営業時間:午前9時~午後9時

関連記事:ビックカメラセレクト京都四条河原町店、2022年3月31日閉店-酒強化店、家電回帰も僅か4年で
関連記事:熱烈観光夜市、2021年9月13日開店-京都・四条烏丸に「アジアの夜市街」、台湾料理など提供
関連記事:ライフ四条烏丸店、2021年9月15日開店-ヤサカタクシー創業地「JR西日本不動産開発ヤサカビル」に
関連記事:エディオン京都四条河原町店、2021年5月ごろ開業-阪急・丸井跡、新型コロナで開業延期に

関連記事:新風館 SHOPS&RESTAURANTS、2020年6月11日開業-旧・京都中央電話局跡、高層階はエースホテル
関連記事:ドン・キホーテ京都四条河原町店、2020年6月5日開店-ドンキ、河原町に約14年ぶり復活

カメイドクロック、2022年4月28日開業-サンストリート亀戸跡、1階に飲食街「カメクロ横丁」

東京都江東区の亀戸駅前にあったショッピングセンター「サンストリート亀戸」跡に、野村不動産グループの大型ショッピングセンター「カメイドクロック」が2022年4月28日に開業する。

カメイドクロック。

セイコー工場→サンストリート跡

カメイドクロックの前身「サンストリート亀戸」は1997年11月にセイコー社(精工舎)の時計工場跡に開業。都電の軌道跡を活用した亀戸緑道公園にも面していた。
sunst1
サンストリート亀戸。

運営はセイコーエプソンの子会社だった(のちに系列離脱)「タイムクリエイト」で、売場面積は約15,000㎡。店舗はオープンモールで、マックスバリュ(屋号:つるかめランド、イオンが買収)、ヤマダ電機、ABC-MART、トイザらス、蔦屋書店、ダイソーなどが入居していた。また、PafumeやNegiccoをはじめ、様々なアイドルがイベントを行っていたことでも知られていた。
しかし、再開発のため2016年3月31日に閉館。何度か再計画の見直しが行われ、6年に亘って工事が続けられていた。

野村不動産グループのフラッグシップに

カメイドクロックのコンセプトは「LIVE UP!&LOVE LOCAL」で、延床面積は約5万8000㎡、売場は地階-4階、店舗数は136店舗。野村不動産グループが運営をおこなう。「クロック」は精工舎の工場跡に由来しており「カメクロちゃん」をシンボルキャラクターとする。
このほか、隣接して野村不動産グループのタワーマンション「プラウドタワー亀戸クロス」が建設されている。

カメクロちゃん。

食品館「カメクロマルシェ」には核店舗としてスーパーマーケット「ライフ」が出店。そのほか、大手系の大型テナントとしては「ユニクロ」「GU」「Seria」「カルディコーヒーファーム」「ココカラファイン」「コジマ×ビックカメラ」「ニトリデコホーム」「サンリオ」などが出店する。そのうち「ABC-MART」「TSUTAYA BOOKSTORE」などはサンストリートからの再出店となるほか、1階にはサンストリートのイベントステージを引き継ぐ「カメクロステージ」も設けられる。

カメイドクロック・フロア概要。

また、地元の名店として亀戸発祥のくず餅店「船橋屋」、扇橋の老舗焼肉店が運営する「肉の田じま」も出店する。

江戸時代創業の地元和菓子店「船橋屋」が出店。

飲食街は1階と4階に設けられる。なかでもカメイドクロックの特徴となるのが、1階のエントランス近くに設けられた飲食街「カメクロ横丁」。
カメクロ横丁は亀戸駅前に相応しい下町の駅前の街並みからの連続性を産むべく設けられたもので、ここには地元グルメであるホルモン焼き店など7店舗が出店する。

1階飲食街「カメクロ横丁」。


4階飲食街「アソビバ!フードパーク!」

野村不動産グループは、カメイドクロックをショッピングセンター事業における旗艦店と位置付けており、開業初年度は年商200億円を目標とする。

カメイドクロック

住所:東京都江東区亀戸6-31-6
営業時間:9:30~24:00(ライフ)

関連記事:ダイエー豊洲店、2022年4月1日開店-48階建てタワーマンション「ブランズタワー豊洲」別棟に
関連記事:パレットタウン、2022年中に順次閉館-大型アリーナなど建設で、ZEPP TOKYOは1月1日・ヴィーナスフォートは3月27日閉店

三越伊勢丹HD、エムアイフードスタイル再取得を2022年4月発表-クイーンズ伊勢丹・二幸など運営、4年ぶり完全子会社化

大手百貨店「三越伊勢丹ホールディングス」は、三菱系投資ファンドから食品卸売小売会社「エムアイフードスタイル」株の66.6%を取得し、同社を完全子会社化する方針を2022年4月26日に発表した。

首都圏を代表する百貨店系高級食品スーパー

エムアイフードスタイルの前身となる三越系の高級食品卸「二幸」は1927年7月に創業、伊勢丹系の高級食品スーパー「伊勢丹ストアー(多摩平会館/後のクイーンズ伊勢丹)」は1960年11月に創業。両社は2008年4月の三越伊勢丹HD設立にあわせて、2011年4月に三越伊勢丹HD傘下の食品中核会社「三越伊勢丹フードサービス」として経営統合した。
三越伊勢丹フードサービスは長らく、首都圏を代表する百貨店系高級スーパーの一角を占めており、近年は駅ビル向け小型店舗「クイーンズアイ」など新業態の開発にも取り組んでいたが、同業他社との競争激化や店舗網・ギフト需要の縮小が重なり、2016年度の売上高は497億円と業績低迷傾向にあった。

クイーンズ伊勢丹大宮店。(現在は閉店)

そのため、2017年10月に三菱系投資ファンド「丸の内キャピタル」(三菱商事・三菱UFJ銀行出資)設立の現法人への事業譲渡と将来的な株式再取得方針(5年後目処)を発表。2018年からは丸の内キャピタル系ファンドが株式の66%、三越伊勢丹が株式の34%を出資する現体制となり、成城石井の再建を手掛けた丸の内キャピタル主導のもと、店舗運営の効率化やリモデル、商品開発強化を打ち出した。

再取得する新たな提携先の選定も視野に

エムアイフードスタイルの2021年3月期の売上高は428億円。
2022年4月現在は主力業態の高級食品スーパー「クイーンズ伊勢丹」18店舗に加え、グローサラント型食品スーパー「FOOD&TIME ISETAN」品川店1店舗、惣菜専門店「harvest deli」1店舗、百貨店内生鮮・グロサリーショップ「精肉の二幸」「鮭と魚卵の二幸」「魚勢」など5店舗13ショップを展開する。また、同業高級食品スーパー(北野エースなど)のPB商品受託開発や自社開発商品(新宿二幸ブランドなど)の外販など行っている。

クイーンズ伊勢丹横浜店。
横浜のFOOD&TIME ISETANは2021年に三越伊勢丹直営となった。

三越伊勢丹HDによるエムアイフードスタイルの再取得は「事業再生計画に一定の目処が立った」「(同社グループ中期経営計画“高感度上質”戦略に基づく)高感度上質“拠点ネットワーク”に寄与する」ためとしているが、同社はこれにあわせて「更なる発展・飛躍を目的に、最適な事業パートナーの選定などあらゆる選択肢についての検討を開始」する方針を示している。エムアイフードスタイルの売上高は旧体制から引続き減少傾向にあり、業績改善に向けた新たな提携先との資本業務提携も考えられるだろう。

関連記事:三越伊勢丹HD、ソシエをTBCに2021年7月売却-買収から僅か4年で、「SOCIE」「TBC」経営統合へ
関連記事:三越伊勢丹、小型百貨店5店舗を2021年2月28日閉店-馬事公苑店・新所沢・成田・MI河辺・セントレア、3月にはMI登米佐沼も
関連記事:恵比寿三越、2021年2月28日閉店-恵比寿ガーデンプレイスの核店舗
関連記事:イセタンマート、2020年12月16日開設-三越伊勢丹「アート特化」ネットショップ開設
関連記事:三越伊勢丹、ANNA SUI事業から2020年3月撤退-同社が展開するアナスイ店舗は閉店へ
関連記事:伊勢丹、2019年2月20日から包装紙を変更-22年ぶりに

ドン・キホーテアピタ木曽川店、2022年4月29日開店-アピタパワー木曽川店内、全国初「ド家電」コーナー開設

愛知県一宮市木曽川町の県道175号線沿いにあるAPITAパワー木曽川店にパン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)の総合ディスカウントストア「ドン・キホーテアピタ木曽川店」が2022年4月29日午前9時に開店する。

APITAパワー木曽川店。

アピタ木曽川店内にドンキ出店

APITAパワー木曽川店の前身となるアピタ木曽川店は東海染工木曽川事業所の跡地に1999年6月25日に開店。アピタが運営する大型商業施設「テラスウォーク(アピタ一宮店)」など周辺には自社系を含めた複数の競合店があるため、2022年3月にAPITAパワー木曽川店としてリニューアルし、生鮮食品や日用品に特化した小商圏型ラインナップへと変更していた。建物は地上4階建、営業部分は1、2階。売場面積は20,726㎡。

「コスメドンキ」4号店と全国初「ド家電コーナー」導入

ドンキが出店するのはアピタ木曽川店の2階部分、売場面積は2,693㎡。Z世代をターゲットに、SNSの話題・流行を売り場で表現する「SNS融合」、昭和・平成カルチャーを品揃えや店内装飾に取り入れた「ニューレトロ」をテーマにした売り場を展開する。

コスメドンキ・ロゴ。

その売り場づくりの一環として、全国で4店舗目となるコスメドンキを出店。売場のほぼ半分となる約1,000㎡で展開、サンプルや体験スペースと共に、TikTok風の動画で商品を紹介するなど、SNSと融合した新たな世界観の店舗を作るとしている。

ド家電・ロゴ。

また、アピタ1階に出店している小型家電に特化した「KURADEN(クラデン)」との差別化を図り、「情熱価格」家電約 120 アイテム を集約した、全国初の「ド家電」コーナーを展開。ここでは話題のチュー ナーレステレビや、人気のドラム式洗濯機・冷凍冷蔵庫など大型家電も取り扱うとしており、「コスメドンキ」も含めて近隣店舗と異なった業態の売場を導入することで集客をめざすかたちとなった。

ドン・キホーテアピタ木曽川店

営業時間: 午前 9 時~午後 10 時
住所: 愛知県一宮市木曽川町黒田八ノ通 51 番地の 4
APITA パワー木曽川店 2 階

関連記事:MEGAドン・キホーテUNY一宮大和店、2019年5月28日開店-ピアゴ大和店跡に
関連記事:ピアゴパワー妙興寺店、2021年3月19日開店-アピタ・ユーストア跡のPIAGOプラス、9ヶ月で業態転換

ダイエー西宮店、2022年4月23日リニューアル開業-旧マルナカを「ダイエーの近畿旗艦店」に刷新

兵庫県西宮市の阪神本線今津駅近くにあるイオングループ系総合スーパー「ダイエー西宮店」が2022年4月23日午前9時にリニューアルオープンした。

マルナカ兵庫県内随一の大型店として開店

ダイエー西宮店は、2000年11月に瀬戸内地場流通大手のマルナカグループが運営する総合スーパー「山陽マルナカ西宮店」として開店。建物は地上3階建で営業フロアは1~2階、店舗面積は10,165㎡。
山陽マルナカ西宮店は開店当時、マルナカグループとしては兵庫県内最大の店舗であったが、2011年11月に運営会社がイオン傘下に移行したため、2019年3月のイオングループ食品スーパー運営会社再編にあわせてダイエー運営に移行2021年12月に現在の店舗名となった
なお、ダイエーは阪急今津線門戸厄神駅近くに、2016年2月まで同店と異なるダイエー西宮店を運営していたが、同年3月の運営会社再編にあわせ「イオン西宮店」に改称していたため、同名店舗の多店舗化を得意としていたマルナカ(一宮店・和泉店など)と異なり、ダイエー西宮店が複数存在することはなかった。

ダイエー近畿旗艦店として「食」強化

ダイエーは今回のリニューアルにあわせ、西宮店を「ダイエー近畿エリアの旗艦店舗」に設定。食品売場のうち、青果コーナーでは明石市場直送野菜の取扱いを従来の毎週日曜日限定から毎日に拡大、鮮魚コーナーでは寿司売場を従来比約1.6倍に拡大、精肉コーナーでは従来からの熊本県産和牛「菊池和牛」に加えてダイエーオリジナル鹿児島県産黒毛和牛「さつま姫牛」の5等級商品(日本食肉格付協会認定)を定番商品化する。

リニューアル後の青果売場デザイン。

また、惣菜コーナーは売場規模を従来比約2倍に拡大し、イオングループの弁当惣菜専門店「オリジン東秀」商品や自社インストアベーカリー「ディーズベーカリー」(約60品目)を新たに導入するほか、生鮮素材使用商品(さつま姫牛牛めし・丹波地鶏焼鳥丼など)やサプライチェーン見直しによる低価格商品(かつ丼など)を拡充。消費者の健康・サスティナブル志向に対応したヘルス&ウエルネスコーナーや冷凍食品コーナーの強化、ワインコーナーでの商品提案強化を打ち出す。

リニューアル後の惣菜売場デザイン。

加えて、フードコート「はま風フードコート」を新設し、大衆中華料理店「大阪王将」やファストフード「KFCケンタッキーフライドチキン」、海鮮丼・寿司「六鮮」、スイーツ「大阪コスコクレープ」を導入。イオングループのドラッグストア「ウエルシア」やレディスファッション「Honeys(ハニーズ)」、靴量販店「SHOE・PLAZA(シュープラザ)」、眼鏡店「メガネの愛眼」、書籍・文具店「宮脇書店」といった既存専門店とあわせ、20店舗ほどが入居するショッピングセンターとなる。

はま風フードコート。

ダイエーは「当社近畿エリアの旗艦店舗として、地域で最も支持いただける店舗を目指す」とコメントしており、京阪神地域での事業領域・シェア拡大を掲げる同社の新たな顔となることが見込まれる。

ダイエー西宮店(旧マルナカ西宮店)

住所:兵庫県西宮市浜松原町21-1
営業時間(1階):9時~24時
営業時間(2階):9時~22時
※一部専門店は営業時間が異なる

関連記事:マルナカ、関西各店舗を2021年12月1日に「ダイエー」転換-2019年からダイエーが運営する14店
関連記事:マルナカ・山陽マルナカをマックスバリュ西日本が2021年3月に吸収合併
関連記事:ライフ阪神鳴尾店、2020年9月16日開店-阪神鳴尾・武庫川女子大前駅前ビルの核店舗

関連記事:ライフ夙川店、2020年8月19日開店-国道2号線沿いに
関連記事:ライフ西宮北口店、2020年5月27日開店-オートバックス西宮店跡地に
関連記事:コロワ甲子園、2018年4月26日開業-旧・ダイエー甲子園跡、再び「イオン」核店舗に

ザ・ビッグエクスプレスもとぶ店、2022年4月23日移転再開店-国頭郡最大のショッピングセンター、大規模増床

 沖縄県国頭郡本部町の国道449号線沿い、瀬底大橋そばに、イオン琉球の食品ディスカウントストア「ザ・ビッグエクスプレスもとぶ店」が2022年4月23日午前8時に開店した。 

プリマート時代から28年の歴史有する「ビッグ」

ザ・ビッグエクスプレスもとぶ店は、1994年8月にイオングループと資本業務提携関係にあった食品スーパー「プリマートもとぶ店」として開店。開店当初の建物は平屋建で店舗面積は981㎡。
プリマートもとぶ店は、2002年にイオンの食品スーパー業態「マックスバリュもとぶ店」に転換、2013年4月に現業態に転換した。その後、2014年夏には敷地東側にテナント棟を新設し、店舗面積を約2倍(2,197㎡)に増床したが、直営棟は築28年経過していたため、敷地北側に新たな直営棟の新設を決定。旧来の直営棟は2022年4月をもって一時閉店していた。 

直営食品売場は1.2倍に拡大、新たな専門店も

ザ・ビッグエクスプレスもとぶ店新店舗の建物は平屋建2棟で敷地面積は11,000㎡、店舗面積は3,121㎡(うち直営棟1,865㎡、テナント棟1,256㎡)。駐車場台数は160台。 
直営棟では従来同様、単品大量陳列による「エブリデーロープライス(毎日がお買い得)」型売場を展開しつつ、従来比1.2倍の食品売場を活かし、農産コーナーでは地元産ゴーヤーやシークワーサー、水産コーナーでは名護漁港直送近海魚、畜産コーナーではやんばる飼育の琉美豚など地元の新鮮商材を品揃えする。また、テナント棟のツルハグループ系ドラッグストア「ドラッグイレブン」と100円ショップ「ダイソー」に加え、美容室「HAIR SALON IWASAKI」、携帯電話販売店「auショップ」を新たに導入。イオン銀行ATMと証明写真機を併設する。
ザ・ビッグエクスプレスもとぶ店のイメージ。
画像にない旧直営棟は解体するとみられる。

同店では午前7時30分には開店セレモニーも執り行われた。平良武康本部町長は「地元住民のみならず、多くの観光客も訪れる本町の重要な商業施設のひとつ」とコメントしており、今後も地域特性を活かした国頭郡最大のショッピングセンターとしての役割を担うものとみられる。 

ザ・ビッグエクスプレスもとぶ店 

住所:沖縄県国頭郡本部町字大浜851-1
営業時間:午前8時~午後10時

関連記事:牧志公設市場衣料部・雑貨部、2022年2月28日閉鎖-71年の歴史に幕、再開発の新市場は2023年に開業延期
関連記事:フレッシュプラザユニオン古島店、2020年4月29日開店-アクロスプラザ古島駅前のリウボウストア旗艦店跡に
関連記事:イーアス沖縄豊崎、2020年6月19日開業-あしびなー近く、水族館やBBQ施設も
関連記事:ドン・キホーテ那覇壺川店、2020年3月6日開店-直営フードコート併設、東急ステイ沖縄那覇との複合店舗に
関連記事:琉球王国市場、2019年9月7日閉館-旧・沖縄三越、「国際通りのれん街」として再生めざす
関連記事:サンエー浦添西海岸パルコシティ、2019年6月27日開業-パルコ、「郊外型」で沖縄初出店
関連記事:第一牧志公設市場、2019年6月16日閉鎖-再開発で、2022年に「新市場」完成

林百貨店新竹店、2022年4月23日開店-同日開業の「蔦屋 TSUTAYA BOOKSTORE 新竹湳雅」内にサテライト店

台湾・新竹市北区に日系複合書店「蔦屋 TSUTAYA BOOKSTORE  新竹湳雅」が2022年4月23日に開業した。
店内には、台南市の百貨店「林百貨(ハヤシ百貨店)」初となる常設サテライト店舗が設けられている。

新竹市の蔦屋に開店した林百貨のサテライト店舗。

新竹の蔦屋内に「林百貨」サテライト店

蔦屋 TSUTAYA BOOKSTORE 新竹湳雅が出店したのは、2018年6月に開業したショッピングセンター「大魯閣湳雅廣場(タロコスクエア)」地階。

新竹タロコスクエア(公式サイトより)。

同店は店舗面積約6,800坪で、テナントとして「ニトリ」「山崎製パン」「しゃぶ葉」や、岩盤浴「福湯」などが出店する。
なお、隣接地には総合スーパー「大潤發」が出店している。
蔦屋書店は新竹市初出店。店舗面積は約450坪で、台湾の他の大手書店と同様に日本語・中国語(台湾華語)双方の書籍を取り扱うほか、ブックカフェ「WIRED CHAYA(茶屋)」も導入される。

蔦屋 TSUTAYA BOOK STORE 新竹湳雅。

林百貨はこの蔦屋書店内のテナントとして出店するもの。
1932年12月に台南市で初の百貨店「林百貨店(ハヤシ百貨店)」として開店。米軍による台南大空襲の被害を受けたのち、1945年に中華民国に接収され一旦閉店した。
林百貨店。1932年開業、2014年再開業。

その後は公共施設として使われたのち、1980年代より放置され荒廃。台南市が建物を取得、近隣でファッションビルを運営する高青開発が経営権を取得し、2014年6月に69年ぶりに営業を再開した。
館内は往時の内装が再現されており、現在では古都・台南を代表する観光スポットとなっている。

林百貨店・屋上神社。

台南名物・台湾雑貨・日本風レトロ雑貨など販売

新竹店は林百貨で初の常設サテライトショップで、台南で人気となっているMIT(メイドイン台湾)雑貨、日本風レトロ雑貨、台南土産、林百貨オリジナル商品(サンリオコラボ商品も)などを販売する。

「ハヤシ百貨店」のロゴが書かれた什器。

また、蔦屋・林百貨と台南市の有名帆布店「合成帆布行」3社のコラボによるブックカバーなど当店オリジナル商品も販売される。
蔦屋書店は台湾各地で複合書店「TSUTAYA BOOKSTORE」の展開を進めており、林百貨サテライト店舗のさらなる展開も期待される。

オリジナルブックカバーなどを販売。
(写真は林百貨facebookより)

蔦屋 TSUTAYA BOOKSTORE 新竹湳雅

住所(地址):新竹市北区湳雅街91-2 大魯閣湳雅廣場 B1
営業時間: 09:00-24:00

関連記事:DON DON DONKI 忠孝新生店、2022年1月20日開店-ドンキ台湾2号店、光華商場裏の再開発ビルに
関連記事:全聯、大潤發を2022年中に買収・経営統合-台湾最大手食品スーパー、大型店多店舗化へ