カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

ゆめタウン飯塚、2023年7月開業-飯塚地方卸売市場跡地、シネコンはIMAX導入

福岡県飯塚市のJR筑豊本線飯塚駅近くに、イズミの大型ショッピングセンター「ゆめタウン飯塚」が2023年7月を目処に開業する。

地方卸売市場で最先端の“MIRAI”を提案

ゆめタウン飯塚は、2021年4月に閉場した「飯塚市地方卸売市場」跡地に出店するもので、2022年7月7日に起工式を実施。建物は地上3階建で敷地面積は約55,200㎡、店舗面積は約30,500㎡、延床面積は約88,500㎡。専門店数は約100店舗。駐車場台数は約2,200台(平面約850台、立体約1350台)。九州のゆめタウンとしては2016年12月の南行橋開店以来約6年ぶりとなる新店舗。イズミグループとしては福岡県内では41店舗目、飯塚市内では3店舗目となる。

ゆめタウン飯塚。

ゆめタウン飯塚ではコンセプトに「最先端のMIRAIに出会える体感交流拠点」を掲げ、4つの柱「MIRAIを体感」「地元交流を体感」「健幸を体感」「魅力を体感」を打ち出す。体感の一環として、施設ではスマートフォンでの商品スキャンに対応した非接触買物サービスや宅配サービス「ゆめデリバリー」の導入に加え、デジタルサイネージを活用した地域情報・トレンド情報の発信、イベントの開催やウォーキングコースの設置を進める。

シネマサンシャイン飯塚(仮称)。

また、福岡県内初となる佐々木工業のシネマコンプレックス(複合映画館)「シネマサンシャイン飯塚(仮称)」(同社国内15施設目、九州2施設目)を導入。同劇場ではデザインコンセプトを「未来への扉(Future Portal)」に定め、プレミアムシアター「IMAXレーザー」1スクリーンと同社独自劇場規格「BESTIA (DOLBY ATMOS)」1スクリーンを含む全9スクリーン1245席を展開する予定。

未来への扉を意識した館内デザイン。

イズミは「多様化するライフスタイルへの対応や高感度な情報発信、地域に今までなかった高品質な商品やトレンド商品の展開など「最先端のMIRAIに出会える体感交流拠点」として、地域に根 差したこれまでにない新しいショッピングセンターを目指す」としている。

ゆめタウン飯塚

住所:福岡県飯塚市菰田西3丁目1-1外
営業時間:未定

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ライフ守口滝井店、2022年7月9日開店-太子橋今市駅近く「さつき小学校」跡地再開発、衣食住揃う総合スーパーに

大阪府守口市の京阪本線滝井駅と大阪メトロ谷町線・今里筋線太子橋今市駅近く、関西医科大学総合医療センターそばに、ライフコーポレーションの総合スーパー「ライフ守口滝井店」が2022年7月8日にプレオープン、7月9日にグランドオープンする。

さつき小学校跡地再開発プロジェクトで

ライフ守口滝井店は「守口市立さつき小学校(旧滝井小学校)」跡地西側(日本商業開発取得区画)に出店するもので、建物は地上2階建、営業フロアは1〜2階、売場面積は2,295㎡。駐車場台数は85台(屋上駐車場)。同社としては守口寺方店(1997年7月開店)に次ぐ市内2店舗目となる。
守口滝井店ではテーマに「平日は“時短・簡便”・週末は“家族団らん” 」を掲げ、戸建住宅や単身世帯向けの低層マンションが密集している立地特性を活かし、単身・ファミリー世帯問わず満足できるよう、平日と週末それぞれの生活スタイルに即した売場を展開する。

ライフ守口滝井店。(2022年7月)

1階「食料品のフロア」では、自社自然志向PB「BIO-RAL(ビオラル)」や食材宅配サービス「Oisix(オイシックス)」のミールキット、インストアベーカリー「小麦の郷」のサンドイッチ・バーガー・ピザ・ひんやりスイーツ(バスク風チーズケーキ・ショコラタルトなど )を展開。平日は“時短・簡便”ニーズ、週末は“家族団らん”にぴったりなごちそうメニューや冷凍食品・大量目商品のまとめ買いを提案するとしている。
1階フロアマップ。

2階「ファッションとくらしのフロア」のうち、スポーツウェアブランドコーナー「MIZUNO」ではメンズウェア・キャップ・シューズ、婦人衣料・服飾雑貨コーナー「Breeze Garden」では人気キャラクター・ブランドの雑貨などを展開。あわせて、日用品やアジアンコスメ(韓国・タイなど)、ドラッグコーナーを導入するなど、一度のお買い物で欲しいものがそろう「ワンストップショッピング」の実現をめざすとしている。
2階フロアマップ。

守口市立さつき小学校跡地では、2022年1月に大型公共施設「守口市西部コミュニティセンターレクリエーションホール」「たきい公園」も開業しており、ライフの開店で再開発が完成することとなった。

京阪千林~守口市駅間では貴重な総合スーパーに

ライフ守口滝井店の近隣では、2017年8月にビッグ・エー守口土居店が閉店、2020年3月にアカシヤ守口店が閉店するなど、食品スーパーが相次ぎ姿を消していた。

2017年8月に閉店したビッグ・エー。

アカシヤ閉店からライフ開店までの約2年間、最寄りの食品スーパーは守口市駅周辺(西友・サンディなど)や千林駅周辺(スーパー玉出・ニューマルシェなど)の店舗となったため、長らく地域に存在しなかった総合スーパーの開店により買物利便性が大きく高まりそうだ。

ライフ守口滝井店

住所:大阪府守口市文園町9-27
営業時間(1階):午前9時30分~午後11時
営業時間(2階):午前9時30分~午後9時

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中野サンプラザ、2023年7月2日建替閉館-築50年で老朽化、収容数3倍の大ホール備えた「NAKANOサンプラザシティ」に

東京都中野区の複合施設「中野サンプラザ」が、建て替えのため2023年7月2日に閉館する。
南からサンプラザ2-
中野サンプラザ。

築50年で老朽化、建替えへ

中野サンプラザは1973年開館。かつては全国勤労青少年会館であったが、民営化にともない現在は中野区などが出資する第三セクター「株式会社中野サンプラザ」が運営している。
コンサートホール、結婚式場、ホテルなどを備え、特に最大収容客数2,222人のコンサートホールは音響設備に定評があり、多くの人気アーティストがその成長の過程で「東京での大型ホール公演の登竜門」としてコンサートを開催。また、「アイドルコンサートの聖地」としても親しまれてきた。

JR中野駅前に立地する。

しかし、近年は老朽化が進んでおり、中野区が隣接する中野区役所の敷地と合わせて再開発・複合施設を整備する計画を発表していた。

新・サンプラザ、大ホールは3倍に

建替え後の街区全体の名称は「NAKANOサンプラザシティ」。
中野区による「中野駅新北口駅前エリア拠点施設整備に係る民間事業者の募集」の結果、2021年1月に野村不動産を中核に、東急不動産、住友商事、ヒューリック、JR東日本を施工事業者に、電通や野村不動産ホテルズなどを協力事業者とする案が選定されている。

NAKANOサンプラザシティ。

コンセプトは「Culture Driven City Nakano 100」で、超高層棟となる「シンボルタワー」の高層階は展望フロア、オフィス、中層階はレジデンス(住宅)、低層階は商業施設を核として整備。高層階には、旧・中野サンプラザを連想させる斜めのデザインが入る。

新「中野サンプラザ」と大ホールのイメージ。

大ホール「中野サンプラザ」は現在の3倍以上となる収容人数約7000人規模となるほか、上層階にはホテルを設置、屋上は庭園となる。
また、中野駅や中野区役所の新庁舎と接続する街路、駅南北自由通路やスカイデッキも整備される。

「NAKANOサンプラザシティ」街区構成。
(イメージは中野区ウェブサイトより/いずれも計画案のため細部変更の可能性あり)

現建物の解体後は、2028年度の完成をめざして工事が進められる予定となっている。
中野区は「閉館記念コンサート」をはじめとしてステージツアー、回顧展などの実施を検討しているという。

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藤丸百貨店、2023年1月閉店-帯広・十勝エリア唯一の百貨店

北海道帯広市の百貨店「藤丸(藤丸百貨店)」が、2023年1月に閉店する。複数の道内メディアが報じた。

藤丸百貨店。

藤丸、120年以上の歴史に幕へ

藤丸百貨店は明治時代に富山県の商人が呉服店として創業。
現在の建物は1982年3月に新築移転したもので、建物は地上9階・地下3階(地下2階~地下3階は駐車場)、店舗面積は19,852㎡。地権者の組合「ふじまるビル」が所有する。
テナントとして「くまざわ書店」「ミニプラ」「COACH」「帯広市市民活動交流センター」「勝毎サロン」(十勝毎日新聞社の文化サロン)などが出店する。8階の帯広市市民活動交流センター。

2005年に丸井今井釧路店が閉店した後は根釧地域へも販路の拡大を図ったほか、買い物難民の支援事業などにも取り組んでいる一方で、2010年代に入ると赤字決算となる年が増えていたほか、新型コロナウイルスの感染拡大後は全国の地方百貨店と同様に大手アパレルテナントを中心にテナントの撤退が相次いでいた。
閉店を報じた複数の道内メディアによると、新型コロナウイルスの感染拡大も打撃となったという。

地元企業が支援を検討

7月6日時点で藤丸側からの正式発表などはないものの、地元紙・十勝毎日新聞によると、市内で起業支援や経営支援などをおこなっているベンチャー企業「そら」(帯広市)が何らかのかたちで経営を引き継ぐことを検討しているという。

藤丸の閉店により、道東エリアの百貨店業態大型店は北見市の「パラボ」(旧屋号:北見東急百貨店)のみ、札幌市以外の日本百貨店協会加盟店は丸井今井函館店のみとなる。
丸井今井函館店。

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とらのあな、2022年8月31日にほぼ全店閉店-残るは池袋店・台北店とサテライトのみ

同人誌販売大手「とらのあな」(東京都千代田区)の、池袋店と台北店以外の実店舗が2022年8月31日に閉店する。

とらのあな秋葉原本店。B館はすでに閉店済み。

とらのあな、大型の実店舗ほぼ消滅

2022年8月31日に閉店するのはコミックとらのあな秋葉原本店・新宿店・千葉店・なんば店・梅田店の5店舗。
「とらのあな」はコロナ禍のなか店舗網の縮小整理を実施。全国にあった店舗網は上記5店舗と池袋店B・台北店のみとなっていた。

とらのあななんば店B館。

閉店の理由についてはコロナ禍で業績の回復が見えないためとしている。

小型サテライト店(同人誌コーナー)は増加傾向

先述したとおり、9月以降営業を続けるのは「コミックとらのあな池袋店B(女性向け)」とコミックとらのあな台北店の2店舗のみ。

台北店は営業中(フェイスブックより)。

とらのあなは旗艦店の縮小と並行して全国各地の書店やアダルトショップ等に小型のサテライト店・出張店舗(同人誌コーナー)の出店を進めており、これらは今後も営業を続けるものとみられる。

とらのあな小型サテライト店がある書店。

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オーケー上板橋店、2022年7月22日開店-「創業地」近くに再出店、板橋個人タクシー事務所跡地に

東京都板橋区の東武東上線上板橋駅近くに、オーケー(本社:横浜市西区)が運営するディスカウント食品スーパー「オーケー上板橋店」が2022年7月22日に開店する。

上板橋で創業したオーケー

オーケーは1958年6月に岡永商店(現岡永)の小売部門として東京都板橋区上板橋で創業。1986年4月の経営改革を機に「Everyday Low Price(現在の高品質・Everyday Low Price)」を掲げ、消費税3%相当実質負担ゼロを謳う「3/103割引」や商品の特徴を正直に掲示する「オネストカード」といった施策を順次展開。2021年3月期には売上高5000億円を突破したが、事業規模拡大の過程で上板橋からは同社の店舗が長らく消滅していた。

フルラインの食品を展開

オーケー上板橋店は板橋個人タクシー協同組合事務所跡地に出店するもので、建物は地上3階地下1階建で敷地面積は約2,155㎡、売場面積は約1,544㎡、延床面積は約5,211㎡。駐車場台数は75台。
上板橋店は同社ディスカウントスーパーマーケット業態の店舗として、生鮮3品(青果・水産・精肉)に加え、店内製造の惣菜・ピザや寿司・酒・日用品を取扱う。

オーケー上板橋店。

同社が創業地とする上板橋では2022年7月現在、コモディイイダが至近距離に複数店舗を展開し、ビッグ・エーを始めとするイオン系食品スーパーも立ち並ぶが、他地域のオーケー同様に顧客の取り込みを図っていくものとみられる。

オーケー上板橋店

住所:東京都板橋区桜川3-25-4
営業時間:午前8時30分~午後9時30分

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スーパーABC平井店、2022年7月8日再開店-「旧スーパーZ」半年で建替刷新、フジカンパニーズ松山初のイオン銀行ATMも

愛媛県松山市の伊予鉄道横河原線平井駅近くに、イオングループ・フジカンパニーズの食品スーパー「スーパーABC平井店」が2022年7月8日午前9時に再開店した。

44年の歴史をもつ平井のABC、全面刷新

スーパーABC平井店は、1977年7月にスーパーABCグループの食品スーパー「スーパーZ」として開店。後に「スーパーABCゼット店」に改称、2014年9月に(当時)四国地場大手スーパー「フジ」が受け皿として設立した「フジマート四国」運営に移行したが、2022年1月16日には建物老朽化による建替えのため一時閉店していた。

売場を拡大、フジ松山初となるイオンATMも

新店舗の建物は地上2階建で売場面積は約846㎡。フジ完全子会社の西南企画が所有する。

スーパーABC平井店。

ストアコンセプトに「笑顔つながるくらしのステーション」を掲げ、青果部門は従来の戒能青果から直営化、鮮魚部門では三津浜港水揚げによる「魚屋の寿司」を導入、精肉部門では同社が“四国唯一の取扱い”を掲げる牛肉ブランド「ネッカビーフ」を導入、惣菜部門では個食・簡便・健康をキーワードに店内加工のできたて商品を品揃えする。
そのほか、加工食品部門では売場を拡大し、同社バイヤーセレクトコーナー「ABCセレクション」を導入。愛媛県内のフジカンパニーズ系店舗としては四国中央に次ぎ2店舗目、同社としては初となる「イオン銀行ATM」を設置するなどイオングループとの連携を図る。

スーパーABC平井店

住所:愛媛県松山市水泥町747番地
営業時間:午前9時~午後9時

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熱海パールスターホテル、2022年9月26日開業-つるやホテル跡地の廃墟ショッピングセンター「あうね熱海」跡、リゾートホテルに

静岡県熱海市のつるやホテル跡地に、国際観光資源開発グループのリゾートホテル「熱海パールスターホテル」が2022年9月26日に開業する。

かつての熱海のシンボル、21年ぶりに再生

つるやホテルは1934年に「つるや旅館」として創業。創業以来長らく、財界・政界関係者も利用する熱海屈指の老舗ホテルとして営業していたが、運営会社がバブル崩壊により業績悪化したため、2001年11月をもって閉館。ホテル跡は長らく廃墟状態となるなど、解体まで熱海観光業不振のシンボル的存在となっていた。
その後、つるやホテル跡地に、不動産流動化事業で急成長した不動産ディベロッパー「ジョイント・コーポレーション」主導のリゾート型複合商業施設「suUhaa熱海」が2007年に着工。同社の都市型商業施設「aune熱海(あうね熱海)」への計画変更を経て、ビルの大半が完成したもの、ジョイント社が2009年5月に会社更生法を適用したため開業に至らなかった。
ジョイント社は2013年3月に経営再建、2015年12月には長谷工コーポレーション傘下となったが、aune事業を譲渡したため、熱海にはショッピングセンターが存在しないため早期の開業が期待されていたにも関わらずつるやホテル時代と同様に廃墟状態となった。

2014年当時のaune熱海。

aune熱海跡の土地建物は、2018年に入り中国系のリゾート会社「国際観光資源開発」が取得。熱海パールスターホテルとして2019年5月開業を目指し全面改修を進めていたが、2019年夏、2020年、2020年冬と複数回にわたり開業を延期していた。
2020年12月には内部工事を終え、同年12月10日開業を視野に入れて各予約サイトへの宿泊施設登録を行ったが、新型コロナ感染再拡大による関連施策(GoToトラベルなど)の運用停止も重なり、開業は無期限延期となった。
熱海パールスターホテルでは約1年半、開業に向けた動きがみられなかったもの、2022年7月に同年9月26日付での開業を正式発表。公式サイトの刷新や宿泊予約の受付開始、公式インスタグラムの開設を立て続けに打ち出している。

「5つ星」最高級ホテルめざす

熱海パールスターホテルの建物は地上10階建で敷地面積は6,200㎡、延床面積は26,000㎡。駐車場台数は150台。

開業を迎える熱海パールスターホテル。

熱海市内で初となる、バトラーサービスを完備したラグジュアリーリゾートホテル」として、87の客室を「プレミアム」「デラックス」「スーペリア」といった3ランクで展開。(いずれも全室温泉付)

デラックスオーシャンビュー「ROTEN」。

館内にはレストラン・バー7店舗やフィットネススパ(1,500㎡超)、クラブラウンジや会議室などを備えており、一部施設は宿泊客以外も利用可能となる。

インフィニティバス。

熱海ではプリンスホテルの「プリンススマートイン熱海」(2021年4月開業)や共立メンテナンスの「ラビスタ熱海」(2022年冬以降開業予定)など、大型宿泊施設の進出が相次いでおり、コロナ後の観光需要取込みに向けて各社が本格的に動き出している。
(熱海パールスターホテルの写真は国際観光資源より)

熱海パールスターホテル

住所:静岡県熱海市東海岸町6番45号

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ゆめタウン竹原、2022年11月下旬閉店-耐震不足で営業継続断念、再出店は未定

広島県竹原市のJR竹原駅近く、竹原市役所北側にあるイズミの大型総合スーパー「ゆめタウン竹原」が2022年11月下旬をもって閉店する。

市中心部唯一の大型総合スーパーだった

ゆめタウン竹原は1979年3月に「いづみ竹原店」として開店。建物は地上3階建で店舗面積は約4,988㎡、地元企業が所有する。
1980年6月の商号変更にあわせ「イズミ竹原店」に改称、2013年12月に現在の施設名に改称した。
同店は直営主体の総合スーパーで、イズミ直営売場の食料品・衣料品・住居関連品に加えて、マツモトキヨシとイズミの提携によるドラッグストア「ゆめドラッグ」、100円ショップ「ダイソー」やゲームコーナー「ゆめプラザ」などが出店する。

ゆめタウン竹原。

耐震性不足で契約満了に合わせて閉店

ゆめタウン竹原の閉店は「現在の耐震基準に満たない建物であるため」としている。
同店周辺では1990年11月に藤三竹原ショッピングセンター、2000年8月にフジ竹原店といった食品スーパーを核とするショッピングセンターが開業。そのほかエブリイホーミイHDの鮮Do!エブリイ竹原店や西條商事(ショージ)の業務用食品スーパー竹原店といったディスカウント併設食品スーパーも増加していた。
同店の閉店により、竹原市からイズミの店舗は消滅。市中心部から最も近いイズミグループの店舗は10kmほど離れた「はなわゆめマート安芸津」となる。

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平和堂甲西中央店、2022年8月28日閉店-湖南市中心部の大型スーパー、跡地活用は未定

滋賀県湖南市(旧甲賀郡甲西町)の JR草津線甲西駅近く、湖南市役所東庁舎そばにある平和堂グループの大型総合スーパー「平和堂甲西中央店」が2022年8月28日をもって閉店する。

近江牛から絵画、アーチェリーまで揃う大型店だった

平和堂甲西中央店は1986年5月に開店。建物は地上3階地下1階建で営業フロアは1~3階、店舗面積は11.653㎡。旧甲賀郡甲西町の中心部にあり、2014年12月のイオンタウン湖南開業まで市内最大の商業施設であった。
甲西中央店の直営フロアでは食料品や衣料品に加えて大型家電製品やインテリア雑貨、玩具・ゲーム、300円ショップなどフルラインで展開。別棟には平和堂FCのファミリーレストラン「ココス」を併設していた。
また、テナントとして老舗近江牛専門店「近江肉の廣田」やドラッグストア「サンドラッグ」、100円ショップ「ダイソー」、NPO法人アシストアーチェリーの「甲西アーチェリー場」、絵画ギャラリーを導入するなど、広大なフロアを活かした店舗づくりを行っていた。

平和堂甲西中央店。

その一方、店舗裏側のディスカウント食品スーパー「酒のケント&業務スーパー甲西中央店」に加え、2018年4月には1km圏内に大手スーパーセンター「トライアル湖南店」が出店するなど競合店が増加。2020年9月には2022年夏を目処に閉店する方針が明らかとなった。

湖南ドミナントの要だった甲西中央店、跡地活用は未定

平和堂グループは湖南市内で同店に加え、平和堂甲西店(プラザマルエス)、平和堂石部店(ピア21)、平和堂フレンドマート菩薩寺店、マルゼン石部店の5店舗を展開している。
しかし、2022年6月時点は甲西中央店の跡地活用や後継店の出店方針などについては明らかにしていない。

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