静岡県熱海市のつるやホテル跡地に、国際観光資源開発グループのリゾートホテル「熱海パールスターホテル」が2022年9月26日に開業する。
かつての熱海のシンボル、21年ぶりに再生
つるやホテルは1934年に「つるや旅館」として創業。創業以来長らく、財界・政界関係者も利用する熱海屈指の老舗ホテルとして営業していたが、運営会社がバブル崩壊により業績悪化したため、2001年11月をもって閉館。ホテル跡は長らく廃墟状態となるなど、解体まで熱海観光業不振のシンボル的存在となっていた。
その後、つるやホテル跡地に、不動産流動化事業で急成長した不動産ディベロッパー「ジョイント・コーポレーション」主導のリゾート型複合商業施設「suUhaa熱海」が2007年に着工。同社の都市型商業施設「aune熱海(あうね熱海)」への計画変更を経て、ビルの大半が完成したもの、ジョイント社が2009年5月に会社更生法を適用したため開業に至らなかった。
ジョイント社は2013年3月に経営再建、2015年12月には長谷工コーポレーション傘下となったが、aune事業を譲渡したため、熱海にはショッピングセンターが存在しないため早期の開業が期待されていたにも関わらずつるやホテル時代と同様に廃墟状態となった。
2014年当時のaune熱海。
aune熱海跡の土地建物は、2018年に入り中国系のリゾート会社「国際観光資源開発」が取得。熱海パールスターホテルとして2019年5月開業を目指し全面改修を進めていたが、2019年夏、2020年、2020年冬と複数回にわたり開業を延期していた。
2020年12月には内部工事を終え、同年12月10日開業を視野に入れて各予約サイトへの宿泊施設登録を行ったが、新型コロナ感染再拡大による関連施策(GoToトラベルなど)の運用停止も重なり、開業は無期限延期となった。
熱海パールスターホテルでは約1年半、開業に向けた動きがみられなかったもの、2022年7月に同年9月26日付での開業を正式発表。公式サイトの刷新や宿泊予約の受付開始、公式インスタグラムの開設を立て続けに打ち出している。
「5つ星」最高級ホテルめざす
熱海パールスターホテルの建物は地上10階建で敷地面積は6,200㎡、延床面積は26,000㎡。駐車場台数は150台。
開業を迎える熱海パールスターホテル。
「熱海市内で初となる、バトラーサービスを完備したラグジュアリーリゾートホテル」として、87の客室を「プレミアム」「デラックス」「スーペリア」といった3ランクで展開。(いずれも全室温泉付)
デラックスオーシャンビュー「ROTEN」。
館内にはレストラン・バー7店舗やフィットネススパ(1,500㎡超)、クラブラウンジや会議室などを備えており、一部施設は宿泊客以外も利用可能となる。
インフィニティバス。
熱海ではプリンスホテルの「プリンススマートイン熱海」(2021年4月開業)や共立メンテナンスの「ラビスタ熱海」(2022年冬以降開業予定)など、大型宿泊施設の進出が相次いでおり、コロナ後の観光需要取込みに向けて各社が本格的に動き出している。
(熱海パールスターホテルの写真は国際観光資源より)
熱海パールスターホテル
住所:静岡県熱海市東海岸町6番45号
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