カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

アキドラ、3月31日に完全閉店-事実上の歌舞伎町移転

神田明神下交差点近くの「AKIBAドラッグ&カフェ」(アキドラ)が3月31日を以て完全閉店する。akidora2-1
AKIBAドラッグ&カフェ。

「日本最大のアイドルカフェ『アキドラ』」2年半の歴史に幕

「AKIBAドラッグ&カフェ」は、2013年7月にオープンした「「ドラッグストア」と「アイドルカフェ」の複合店舗。
大阪市に本社を置く大手ドラッグストア(ディスカウントドラッグストア)の「ダイコクドラッグ」が運営しており、メンバーはダイコクドラッグやカフェのスタッフとして勤務しながらアイドル活動をすることが可能で、異色のコラボレーション店舗として注目を集めていた。
カフェ店内には大型のステージが併設されており、アイドルカフェとしては国内最大規模。
しかし、2月末にドラッグストア部分「ダイコクドラッグ秋葉原薬店」が閉店。去就が注目されていた。
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ダイコクドラッグ部分の閉店告知。

歌舞伎町移転へ-アキドラの雰囲気は維持されるか?

今回の閉店は事実上の歌舞伎町移転によるもの。
ダイコクドラッグは新宿区歌舞伎町一丁目にある店舗のリニューアルを行っており、4月からは「DDPシアター歌舞伎町1丁目劇場(仮)」としてアキドラを統合する予定となっている。
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歌舞伎町一丁目。

「DDPシアター歌舞伎町1丁目劇場(仮)」は新宿東宝ビル(ゴジラ横)の西側にある第二東亜会館ビル6階。かつてディスコビルとして一世を風靡したあの東亜会館だ。ダイコクドラッグも併設される。
ビル6階ということもあり、これまでの「メイドカフェよりも敷居が低い」「気軽に立ち寄れる」というアキドラ独特のオープンな雰囲気が維持されるのか注目される。
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移転告知(アキドラ公式サイトより引用)。

カラーミーショップ

DDPシアター歌舞伎町1丁目劇場
ダイコクドラッグ歌舞伎町1丁目6階店
東京都新宿区歌舞伎町1丁目21番1号
第二東亜会館6階

外部リンク:AKIBAドラッグ&カフェ
関連記事:ダイコクドラッグ「アキドラ」の「ドラ」閉店-カフェは新宿にも進出へ

天満屋ストア「リブ21」全面リニューアル-3月18日開店

天満屋ストアは、岡山県総社市中心部のショッピングセンター「天満屋ハピータウン・リブ21」を全面リニューアルし、3月18日にグランドオープンさせる。
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リブ21。

ショッピングセンター+百貨店の融合店

「リブ21」は総社駅前にあった天満屋ハピータウン総社店を移転させる形で1984年6月に開店。
4階建、店舗は3階までで、売場面積は約11,000㎡。
(その後、駅前の天満屋は一部のみでの営業を続けたのちに閉館)
以降、総社市最大のショッピングセンターとして営業を続けて来た。
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総社店の旧店舗(解体済み)。

リニューアルは昨年2月の第一段に続くもの。
第一段のリニューアルではニトリを新たに導入、ダイソーなど入居テナントのリニューアルも行っていた。
第二弾となる今回の改装の目玉は準核店舗として1階への「天満屋百貨店」導入。
天満屋百貨店は、昨年より百貨店がない都市の系列ショッピングセンターへの小型百貨店導入を進めており、総社店は鴨方店、ポルカ高梁店に続き3店目となる。
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天満屋百貨店総社ショップ。
(天満屋グループ公式サイトより)

また、新規テナントとして「シューラルー」「ハッシュパピー」などを導入。
スーパーマーケットゾーンや吹き抜けのセントラルコートも全面リニューアルし、外装も一新する。
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吹き抜け「セントラルコート」(天満屋グループ公式サイトより)。

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店内(天満屋グループ公式サイトより)

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外装も一新する。

外部リンク: 「天満屋ハピータウン リブ総社店」改装のお知らせ(天満屋ストア、PDF)
外部リンク:リブ21
外部リンク:天満屋ハピータウンリブ総社店

カインズ福岡新宮店、3月3日開店-九州初出店

ホームセンター大手のカインズは、3月3日に福岡県新宮町に九州1号店となる「カインズ福岡新宮店」を出店した。

北関東を代表する流通グループ、九州に本格進出

「カインズ」は群馬県前橋市に本部を置く流通大手「ベイシアグループ」のホームセンターで、25都道府県に約200店舗を展開している。

カインズ福岡新宮店

ベイシアグループの相乗効果を活かした「低価格PB商品」や「生活便利グッズ」の開発を得意分野としており、福岡県内の民放各局でも数年前からCMを放映していたものの、これまで実店舗は出店していなかった。
カインズは近年コーポレートアイデンティティ(CI)の変更や、200店舗体制の構築とともに未出店地域への進出などといった積極策を掲げており、九州への進出もその一環。ベイシアグループとしては、作業服店「ワークマン」に続く九州進出となる。
カインズは、2017年には広島市のイズミ系商業施設に中国地方初となる直営店の開設を予定している。

ホームセンター激戦区への出店
-他店と差別化、隣接するIKEAと共同販促も

カインズ福岡新宮店は新宮中央駅前のIKEA第2駐車場跡に出店。1階建、売場面積10,318㎡。
食料品、日用雑貨、家庭用品、インテリア用品、DIY、園芸用品を中心に約7万の商品をラインナップしている。

Welcome to CAINZ

福岡県新宮町は福岡市のベッドタウンとして九州有数の人口増加都市となっており、2010年に開業した新宮中央駅前にはスウェーデンの大型家具店「IKEA福岡新宮店」に加え、「ライフガーデン新宮中央」(ハローデイ)、「ゆめマート新宮」(イズミ)といったショッピングセンターの出店が相次いでいるほか、新宮町周辺では住宅需要の高まりもあってホームセンターの「ナフコ」、「コーナン」、大型家具店「ニトリ」、「SAKODA」(迫田)、「中村家具」などが出店しており、更なる競争の激化は間違いない。
カインズと隣接するIKEAでは、カインズ開店記念として両店舗のカード会員向け優待サービスを実施するなど協力関係を構築し、相乗効果を上げることを目指している。

カインズの目の前に出店するIKEA

また、カインズでは、開放感のある全面ガラス張りの「シースルーゲージ」を採用したペットコーナーや、3Dプリンターレーザーカッターなどの機材を設置した「デジタル工房」などを導入することで、他店との差別化を図っている。
さらに、園芸用品売場には直営カフェ「CAFE BRICCO」を設置。店内製造のマフィンやクリームポテトを低価格で販売するほか、飲食テナントとして長崎ちゃんぽん「リンガーハット」も出店。IKEAとともに、ほかのホームセンター・家具店とは異なった、滞在型の店舗を目指している。

CAFE & GARDEN

カインズ福岡新宮店
福岡県糟屋郡新宮町中央駅前2-10-1
営業時間:9:00~20:00

外部リンク:カインズ福岡新宮店

「グーペ」

大名古屋ビルヂング、3月9日グランドオープン-伊勢丹出店

JR名古屋駅前の大型複合ビル「大名古屋ビルヂング」が3月9日にグランドオープンした。
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大名古屋ビルヂング。

名駅のシンボル、4年ぶりの復活

「大名古屋ビルヂング」は三菱地所グループが名古屋駅前・桜通口正面に1962~65年にかけて開業させた複合ビル。
長年に亘って名古屋駅前のシンボルとして親しまれたが、近年は老朽化が進んでいたために2012年に解体、2013年より建て替え工事が行われてきた。
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新ビルのロゴは以前のものを継承。

新しい大名古屋ビルヂングは地上34階建、地下4階建で、高さは約175メートル。 名古屋駅前の新たなシンボルとして「50年、100年と親しまれるビルを目指した」(三菱地所)という。
ビル内は大きく分けて、地階~5階の商業施設「大名古屋ビル Shops & Restaurants」、7階~16階のサービスゾーン「大名古屋ビル Lifestyle & Services」、17階~34階の「オフィスエリア」に分けられる(6階は機械室など)。
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大名古屋ビルヂングフロア構成(三菱地所ウェブサイトより)

2015年11月より入居が開始されていたオフィスゾーンなどに続き、3月9日には「大名古屋ビル Shops & Restaurants」が開業。全館グランドオープンを迎えることとなった。
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エントランス。

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館内の吹き抜け。

商業ゾーン、6割が名古屋初出店-核は伊勢丹

地階~5階の商業ゾーン「大名古屋ビル Shops & Restaurants」には74店舗が出店、そのうち約6割が名古屋初出店となっている。
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「大名古屋ビル Shops & Restaurants」ロゴ。

商業施設の核は地階~2階に出店する伊勢丹の中型店「イセタンハウス」(ISETAN HAUS)。名古屋市内には系列企業の三越の店舗はあるものの、伊勢丹としては名古屋初出店となる。
「イセタンハウス」のハウス(HAUS)とはドイツ語で「家」のことで、伊勢丹では「フロア内のさまざまなショップを部屋に見立て、それらの部屋が集約された館全体をHAUS として、ワンランク上のライフスタイルを紹介する」としている。取り扱い商品は化粧品、レディスファッション、メンズファッション、服飾雑貨など。生鮮食品は取り扱わない。isetanhaus1
「イセタンハウス」ロゴ(三越伊勢丹公式サイトより)。

イセタンハウスのアートディレクションは彫刻家・現代美術家の名和晃平氏が担当。名和晃平氏は伊勢丹新宿本店においてもディスプレイアートワークを担当したことがあり、イセタンハウスでも百貨店に相応しい高感度かつ斬新なデザインで入店客を迎えてくれる。
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館内1階。

地階からは大名古屋ビルヂング新装とともに生まれ変わった「ダイナード地下街」を経て、地下鉄名古屋駅と直結される。
また、飲食店は40店舗が出店。世界・日本各地のグルメが集まるほか、名古屋風台湾ラーメン「味仙」、「ひつまぶし名古屋備長」、岐阜のどらやき店「ツバメヤ」など、東海地方各地のグルメも出店する。

再開発すすむ名駅

名古屋駅周辺では、2000年の「JRセントラルタワーズ」開業以後急速な再開発が進んでおり、2008年には東海地方で最も地価が高い場所となった(それまでは栄が一位)。
名駅前では2016年6月ごろに「JPタワー名古屋」(KITTE名古屋)が、2017年4月ごろに「JRゲートタワー」の竣工が控えているほか、名鉄名古屋駅周辺の再開発、リニア中央新幹線名古屋駅の建設などといった大規模開発が行われる予定となっており、今後も名駅の進化は止まりそうにない。
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工事の最終段階を迎えたJPタワー名古屋(KITTE名古屋)。

外部リンク:大名古屋ビルヂング
外部リンク:ISETAN HAUS
外部リンク:大名古屋ビルヂング竣工(三菱地所)
外部リンク:中型ファッションセレクトストア<イセタンハウス>「大名古屋ビルヂング」に2016年3月オープン(三越伊勢丹)

ダイエートポス北千住店、2016年度中に閉店へ-千住一丁目再開発に認可

足立区は、北千住の千住本町センター街沿いの再開発事業「千住一丁目地区第一種市街地再開発事業」について、都市計画の告示を2月26日に行った。
計画地域内には「ダイエートポス北千住店」が立地しており、トポス北千住店は2016年度中に閉店することが決定的となった。
追記:2016年11月14日に閉店することが発表された。
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トポス北千住店。

全国最後のトポス、ついに閉店へ

「トポス北千住店」は山口県のスーパー「丸信」(2000年倒産)がダイエーとの提携により「丸信千住店」として出店。
1977年にダイエー単独での運営になり、1981年からはダイエーのディスカウントストア「トポス」となった。
建物は地下1階、地上4階建で、売場面積は4,137㎡。
現在「トポス」は全店舗がダイエーに転換、もしくは閉店したため、北千住店は最後の「トポス」となっており、トポス屋号は当店の閉店を以て消滅するとみられる。topos4
千住本町センター街に面している。

再開発地区には森鷗外旧居跡も

再開発が行われる地域は、旧日光街道沿いの商店街「千住本町センター街」に面した場所で、「トポス北千住店」、「第一生命千住営業オフィス」、「東京都足立都税事務所」などがある一帯。
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再開発実施計画地図。
(東京都ウェブサイトより引用)

再開発の着工を控え、既に足立都税事務所は移転済み。
また、足立都税事務所は文豪で医師の森鷗外旧居・橘井堂森医院跡に建っており、再開発地域内にはそれらを記念した「千住の鷗外碑」もあったが、そちらも既に撤去され、足立区公園管理課が保管している。
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千住の鷗外碑。
再開発を控えて撤去され、区が保管している。

(足立区ウェブサイトより引用)

商業施設併設のタワーマンションに

再開発後に建築される建物は三菱地所レジデンスが事業主体となり、30階建、高さ約112メートルのタワーマンションとなる。
タワーマンションの1~2階には商業施設が設けられるほか、地権者のひとりである東京都が子育て支援施設を入居させる予定。
総事業費は約116億円。
2017年4月に着工、2019年9月ごろの完成を予定している。
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再開発後のイメージ図。
(東京都ウェブサイトより引用)

2つの核が同時閉店-再開発ラッシュで不便になる北千住

北千住では、先日「イトーヨーカドーザプライス千住店」が2016年度中の閉店を発表したばかり。
イトーヨーカドーザプライス千住店跡は、マンションを建設したうえでヨーカドーが下層階に小型店を出店することを検討しているというが、「トポス」「ヨーカドー」ともに再開発に数年かかることは間違いなく、周辺住民は当分のあいだ不便を強いられることになりそうだ。
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イトーヨーカドーザプライス千住店。
ヨーカドーの1号店として知られていた。

カラーミーショップ

外部リンク:ダイエートポス北千住店
外部リンク:都市計画の告示(3件)をしました(足立区)
外部リンク:千住一丁目地区第一種市街地再開発事業(東京都都市整備局)
関連記事:イトーヨーカドー、1号店の千住店など閉店へ-来春までに20店舗

マルシェリーズ木次、3月9日開店-イズミヤサンチェリヴァ跡

島根県雲南市木次町のJR木次駅前に大型ショッピングセンター「マルシェリーズ」が3月9日に開館した。

サン・チェリヴァ跡、待望の復活

ショッピングセンター「マルシェリーズ」は1993年に開業したショッピングセンター「サン・チェリヴァ」跡に開業。
4階建で売場は2階まで、売場面積は約7,000㎡。
サン・チェリヴァはイズミヤ(大阪市)が核となっていたが、2015年4月に閉店。
木次駅前唯一の大型店であったため、買い物難民解消を目指して雲南市が建物を買収、新テナントを誘致していた。

「マルシェリーズ」は市場「マルシェ」と、さくらんぼ「スリーズ」(フランス語)を合わせた造語。旧称と同じく「さくらんぼ」をモチーフとした名称となっている。
核店舗は松江市のスーパー「マルマン」。そのほか、衣料品店「パレット」、100円ショップ「ダイソー」、書店「今井書店」などが出店する。
今井書店ではCD・DVDも取り扱う。また、オープンイベントとして「ノンタン40周年フェア&パネル展」を開催する。
マルシェリーズの営業時間は9:00~20:00まで(一部テナント除く)となっている。
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「マルシェリーズ」のロゴ(雲南市ウェブサイトより)。

「マルシェリーズ」テナント一覧

1階
マルマン(スーパー)
マルシェわたなべ(青果・花)
マルシェリーズカフェ(喫茶)
貴光(宝飾品、眼鏡)
 くすりのフクハラ(薬)
オンダクリーニング(クリーニング)

2階
パレット(衣料品スーパー)
ダイソー(100円ショップ)
今井書店(書店)
レインボーランド(ゲームセンター)
リップルマーク(美容院)
フォワード(太陽光発電)
しゅくらん(マッサージ店)

3階・4階・屋上
立体駐車場
店舗事務所
(2016年3月現在)

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フロア案内(マルマン公式サイトより)。

サンストリート亀戸、3月31日閉館-アイドルイベントの聖地、再開発で

JR亀戸駅近くの大型ショッピングセンター「サンストリート亀戸」(江東区)が3月31日を以て閉館する。
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サンストリート亀戸。

下町の憩いの場

サンストリート亀戸は1997年11月にセイコー社の時計工場跡に開業。
都電の軌道跡を活用した亀戸緑道公園にも面している。
運営はセイコーエプソンの子会社だった(のちに系列離脱)「タイムクリエイト」。2階建で、売場面積は約15,000㎡。
店舗はオープンモールで、マックスバリュ(屋号:つるかめランド、イオンが買収)、ヤマダ電機、ABCマート、トイザらス、蔦屋書店、ダイソーなどが入居しているほか、広場や子供の遊び場もあり、気軽に立ち寄れる住民の憩いの場となっていた。
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つるかめランド。

Perfume、Negicco…アイドルイベントの聖地

アクセスはいいものの、近隣の錦糸町や浅草に比べて地味な下町であった亀戸。
そこで、サンストリートが力を入れたのがイベントの開催だった。
特にサンストリートが目玉としたのはアイドルイベントであり、広島から上京直後のPerfumeがここで何度もライブをしていたことは有名。
近年も東京のアイドルのみならず、仙台のDorothy Little Happy、新潟のNegicco、福岡のRev.from DVLなど、全国各地のアイドルがこの地でイベントを行っていた。
最後のイベントは3月30日に開かれるNegiccoの新曲リリース記念イベントとなる予定。
その他にも、サンストリート亀戸では大道芸やお笑いショー、プロレスなどといった様々なイベントを実施しており、毎夏開かれる阿波踊り大会は、今や亀戸の名物の1つになっていた。

跡地は超高層タワーマンション-商業施設も復活

閉館後のサンストリート亀戸は解体され、大規模な再開発が行われる予定。
再開発のコンセプトは「CITY IN THE GREEN」。
跡地には60階建ての超高層マンションが2棟建設されるほか、下層部には大型の商業施設も新設されるという。

「気軽に立ち寄れるショッピングセンター」として親しまれてきたサンストリート亀戸。
工事は長期間に亘ることが予想され、完成が楽しみな一方、生活が不便になる住民も少なくはなさそうだ。

外部リンク:サンストリート亀戸
外部リンク:サンストリート跡地の真相(再開発部分参考)(I Love 亀戸)

マルショク流川通り店、今秋ごろ開店-旧本店、ようやく復活

九州の大手スーパー「マルショクサンリブグループ」が、JR別府駅近くの商店街に「マルショク流川通り店」を出店することが分かった。
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 工事中のマルショク流川通り店予定地。

マルショク旧本店、ようやく復活

マルショクが出店するのは別府市中心部の流川通りで、もともと1957年から2013年まで営業していた「マルショク流川店」の跡地。JR別府駅に近く、周囲には商店街が広がる。
マルショクは1947年に別府市で創業。開店当時の流川店は木造の建物だったが、その後増築を繰り返し、1960年代には事実上のマルショク本店となり、1966年末の増築で総合スーパー化した。1981年の増築時には温泉噴出事故も起きている。
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大規模増築・総合スーパー化した直後のチラシ(1966年)。

流川店は最終的に6階建(売場は4階まで、7,500㎡)となり、多くのテナントも出店していたが、近年は建物の老朽化が著しく、2013年2月を以て閉店していた。
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マルショク流川店の旧店舗。2013年に閉店した。

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店舗そばのソルパセオ銀座商店街。
飲食店が多く、夜間に賑わう。

新しいマルショク流川店は1階建てで、食品を中心とした店舗。店舗前には平面駐車場を設置する。売場面積は1,000㎡~2,000㎡ほどが見込まれる。
開店時期は2016年9月ごろを予定している。
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出店予定地(Googleマップを用いて作成)。
旧店舗は図の駐車場部分まで店舗として活用していた。

マルショク大分本社、7年ぶりの新規出店-新時代のモデル店となれるか?

マルショクサンリブグループのうち、大分県・熊本県・宮崎県・福岡県京築地区の店を管轄する「株式会社マルショク」(本社:大分市、2016年3月現在の店舗数84店)は、かつて100店以上の店舗を抱えたが、ディスカウントドラッグなどとの競争による急速な業績悪化に伴い2009年のマルショク舞鶴店(大分市)、マルショク御船店(熊本県御船町)開店以降は新規出店を凍結。以降は、長年に亘って不採算店舗と老朽店舗の閉鎖などの合理化を行ってきた。
 合理化の過程で、近年は店舗の雨漏りや故障部分が修復されていない事例も目立つようになっており、先行きが不安視されていた。
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一部売場を閉鎖している店舗もかなり多い。

マルショクは創業地の別府市においても、2013年の流川店閉店以降に青山店、春木店を閉鎖。店舗数を大幅に減らし、別府市内全体では10店舗となっていた。
マルショク流川通り店のそばには「トキハ別府店」、「ゆめタウン別府」、「えきマチ一丁目別府」(旧別府ステーションセンター、核:マルミヤストア別府駅店)、「ドラッグストアモリ流川店」など競合店が数多くあり、中途半端な店づくりでは苦戦を強いられることは目に見えている。
観光地の中心部への出店であり、また高齢者の利用も多いと思われるため、それらをターゲットとしたちょっとした飲食コーナー(フードコート)や休憩所、土産品コーナーなどもあれば望ましいだろう。
新たなマルショク流川通り店が新時代のマルショクのモデル店舗となることができるかどうか注目される。

外部リンク:マルショク・サンリブグループ

イトーヨーカドー、1号店の千住店など閉店へ-来春までに20店舗

セブンアンドアイホールディングス傘下のスーパー「イトーヨーカドー」は、2017年2月までに20店舗を閉鎖することを発表した。
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閉店を発表した千住店。

一号店「千住店」も閉鎖、「聖域なき業績立直し」アピールか

3月8日に閉店が発表された店舗は、イトーヨーカドー・ザ・プライス千住店イトーヨーカドー戸越店イトーヨーカドー本牧店の3店舗。残りの17店舗については今後発表する。
イトーヨーカドーは16年2月期決算で営業損益が上場来初の赤字となり、不採算店や老朽店舗を閉鎖することで、スーパー部門の立て直しを図りたい考えだ。

今回閉店を発表した店舗のうち、千住店(現店舗は1968年築)・戸越店(1967年築)は築年数がかなり高く、時代に合わせた売場づくりが難しいことも影響していると思われる。
また、イトーヨーカドー千住店(足立区)はイトーヨーカドーの創業店として知られており、創業店も閉鎖することで「聖域なき業績立て直し」の断行を内外に示すという狙いもあろう。
なお、千住店は解体後に建設されるビルへの再出店も検討するとしている。
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千住店1階に掲げられた看板。
「千住の地を大切にする」とあるが、跡地はどうなるのであろうか。

セブンアンドアイは、今回の大量閉店に伴い約55億円の特別損益を計上する一方、コンビニエンスストア事業(セブンイレブン)の好調により過去最高益を更新する見込みとなっている。

外部リンク:イトーヨーカドー
外部リンク:ザ・プライス千住店
関連記事:そごう柏店、9月30日閉店-首都圏一等地、問われる経営判断

そごう柏店、9月30日閉店-首都圏一等地、問われる経営判断

セブンアンドアイホールディングス傘下の「そごう・西武」は、千葉県柏市の百貨店「そごう柏店」(柏そごう)を9月30日に閉店することを発表した。
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そごう柏店。

14階建、3館体制…柏のシンボル的百貨店

「柏そごう」は1973年10月に開店。地上14階、地下1階、3館体制で、売場面積は39,729㎡。
開店時のキャッチフレーズは「みどりのまちにお城のような百貨店」
「柏髙島屋」、「丸井柏店」などと同年の開業であり(丸井は旧店からの移転開業)、それぞれが国鉄柏駅とダブルデッキ(ペデストリアンデッキ)で連結されるという、当時としては画期的な街づくりで注目を集めた。
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特徴的な連絡通路。

「柏そごう」はそごうグループで初の回転展望レストランや複層立の連絡通路を設置。また、当初は「株式会社柏そごう」の運営で、地域貢献の姿勢を前面に打ち出し、地元店舗が入居する専門店街を設置した「スカイプラザ」を併設するなど、のちのそごうの店舗づくりにも大きな影響を与えた。14階という高層部にある展望レストランは市内の至る所から目立つ存在であり、現在も柏駅前のシンボルの1つとなっている。
2005年からはスカイプラザの直営売場を削減、大型テナントとしてビックカメラが入居している。
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現在も営業を続ける回転展望レストラン。
柏の街が一望できた。

店舗改革実施の最中、無念の撤退に

従来、柏駅前の百貨店は「幅広い世代を対象とする柏髙島屋」(専門店街には女子高生・大学生向けのテナントも多い)に対し、そごう柏店は「シニア向け」という印象があった。
一方で、東京のベッドタウンである柏市は40代や50代よりも30代の人口のほうが多く、そごう柏店は昨年から「新入社員が選ぶ初任給に送りたいプレゼント」を提案するなど、比較的若い世代に向けた品揃えと商品提案に舵を切り始めたばかりだった。更に、一昨年からは大手百貨店では比較的珍しい産直野菜の売場を導入。また、地元で作られる「柏ビーズ」を使った雑貨を販売するなど、地域の実情に合わせた店舗改革を実施していた。また、別館であるスカイプラザも2015年に改装したばかりだった。
しかし、昨年そごう・西武の親会社であるセブン&アイホールディングスが百貨店・総合スーパーの不採算店の大規模閉店を発表。親会社の方針に逆らうことはできず、店舗改革半ばでの「無念の撤退」ということになりそうだ。
なお、そごう西武では、同時に「西武百貨店旭川店」の閉店も発表した。
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西武百貨店旭川店。こちらは10階建、2館体制。

そごうは「アリオ柏」に移転

「そごう・西武」は2016年4月に開業するのショッピングセンター「セブンパーク アリオ柏」(売場面積約65,000㎡)に百貨店(小型店)と傘下のロフトを出店することを発表した。そごう柏店は事実上「アリオ柏への移転」となる。
 ビックカメラ柏店などの専門店や、改装したばかりのスカイプラザ専門店街の処遇については、現時点では発表されていない。
そごうの建物は建築から43年が経過しており、首都圏を代表する大都市の一等地なだけに、今後は大規模な再開発を行うことも予想される。

経営判断が問われるセブンアンドアイ

そごう柏店は現在、「ビックカメラ」、「洋服の青山」、「山野楽器」、エイベックスのダンススクールなどといった多数の大型テナントが入居しており、(一部床は地権者の所有とはいえ)安定した家賃収入があると思われる。また、立地もこれ以上になく好立地で、規模も申し分ない。
そごう柏店は折しも店舗改革のさなかであったという。そごう西武は、親会社との意思疎通が取れていないのであろうか。
また、立地を考えると、こういった小規模な店舗改革のみでなく、セブン&アイが都心店並みの資金を投入してフロアやテナント構成を見直す、ファッションビル的なテナントを導入するなどといった、更なる抜本的な店舗改革を行なえば、十分黒字化できた店舗なのではないだろうか。
(仮にそのような有力テナントの導入が「アリオ・ヨーカドーのテナントと被る」という理由で出来ないのであれば、百貨店が大手流通傘下に入っているメリットとは何なのか疑問に思えてくる)
地方百貨店では、以前都商研においても紹介した「酒田清水屋」や「トキハ別府店」のように、従来の百貨店とは大きく異なった手法で百貨店の店舗を維持しつつ、直営売場の圧縮や地域に欠落した専門店の導入などにより客層を広げ、黒字化する努力を行った店舗もある。

高級フランス料理から同人誌まで扱うという酒田清水屋。

百貨店はその規模や立地などから「都市の顔」とも言われることがあり、その閉店の影響は総合スーパーの比ではない。
地域の祭りにおいて百貨店が山車を出したり、地域のイベントにおいて百貨店がスポンサーとなっている光景を見た事ある人も多いであろう。かつての百貨店は「地域貢献」を行うという姿勢を前面に打ち出すことで、地元経済と融和し、そして地域住民にも信頼され、愛される存在であった。
百貨店はブランドイメージを最も大切にする企業である。「そごう」と「西武百貨店」は、かつての経営再建の過程で多くの店舗を閉店した。そしてその後、多大な努力を払ってブランドイメージを立て直し、再び日本を代表する百貨店の1つとなった。
一方で、セブン&アイ傘下後のそごうは、ディスニーとのスポンサー関係を解消してシンボルであるからくり時計を停止したり、多くの店舗で噴水などの稼働も全面停止、百貨店社旗の掲揚を廃止したことなどに象徴されるように、 「ハレの日のための百貨店らしさ」を消す合理化を断行している。
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かつてのシンボルであるからくり時計を懐かしむ人は多い。
百貨店の「非日常的演出」は消えゆく運命か。(広島そごう)

 
セブン&アイにとってみれば「百貨店の業績を立て直すための費用と同じ額を投資するならば、セブンイレブンに投資したほうが回収しやすい」ということは紛いもない事実である。
しかし、セブン&アイがこのまま「採算が悪化すればすぐに切り捨て」という方針を取り続けていくならば、再び「そごう・西武」全体ののれんに、ひいては百貨店業界全体にさえも大きな傷を付けることになり、それが更なる経営不振を招くというスパイラルに陥る遠因にもなりかねない。

外部リンク:そごう柏店
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外部リンク:西武旭川店ならびにそごう柏店の営業終了について(そごう・西武、PDF)
参考文献:月刊ストアーズレポート2015年6月号「街ぶらとエリアモードでそごうは地域深耕に加速(そごう柏店)」
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