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ビバモール蕨錦町、2021年3月10日から順次開業-イトーヨーカドー跡、「ビバホーム」「ヤオコー」核に

埼玉県蕨市と戸田市にまたがっていた総合スーパー「イトーヨーカドー錦町店」の跡に、ビバホーム(旧・LIXILビバ)のショッピングセンター「ビバモール蕨錦町」が2021年3月10日から4月中にかけて順次開業する。

昨年5月閉店のヨーカドー、三菱系主導で再生めざした

ビバモール蕨の前身となるセブン&アイHDの総合スーパー「イトーヨーカドー錦町店」は2003年11月に開店。建物は地上4階建で売場面積は23,000㎡、イトーヨーカドーの直営面積は13,684㎡だった。
イトーヨーカドー錦町店は、同社首都圏有数の大型店かつ蕨市内随一の大型店であり、新星堂、コジマ、くまざわ書店、スーパースポーツゼビオなど多数の専門店が入居していたが、2020年5月31日に全館閉店。ヨーカドー時代からの建物所有者であった三菱商事・UBS系の商業施設特化型ファンド「日本リテールファンド投資法人(JRF)」から、不動産信託受益権を取得した「三菱商事都市開発」が開発を主導するかたちで、地域密着型のショッピングセンターとしての再生が計画されていた。

ビバホームを核に専門店約40店舗出店

ビバモール蕨錦町の建物は地上4階建で、総売場面積は約15,110㎡。駐車場台数は約1,800台。ビバホーム運営のホームセンターは埼玉県内19店舗体制、既存GMS居抜きのビバモールとしては「ビバモール赤間」(旧・ゆめタウン宗像)に次ぎ2施設目となる。
ビバモール蕨錦町。

ビバモール蕨錦町は「既存GMSの一棟すべてを当社がプロデュースし、魅力を向上させた“生活に密着した新しい商店街”」として、直営ホームセンター「スーパービバホーム蕨錦町店」(売場面積約7,980㎡)を核に、首都圏地盤の食品スーパー「ヤオコー」やドラッグストア「ココカラファイン」、レディスファッション「Honeys」、ビバホームプロデュースのアウトドア用品新業態「CAMP GEAR」、100円ショップ「ダイソー」、イオングループの屋内型アミューズメント施設「モーリーファンタジー」、ファストフード「マクドナルド」「ケンタッキーフライドチキン(KFC)」、アイスクリーム「サーティワン」、カフェ「ドトールコーヒーショップ」など約40店舗が出店する。
さらに、子供向けの広場や待ち合わせ・休憩スペースなどを備えており「地域の皆様に日々快適なお買い物を楽しんでいただける施設を目指す」としている。

ビバモール蕨錦町店の主なテナント一覧

全面開業時には、下記店舗に加えて20店舗ほどが出店する予定。

店舗名 業種・業態 開店日
スーパービバホーム ホームセンター 3月10日
ドトールコーヒーショップ 飲食 3月10日
ココカラファイン ドラッグストア 3月10日
ホワイト急便 クリーニング 3月10日
ウインリペア リペア 3月10日
チャンスセンター 宝くじ 3月10日
セブン銀行 ATM 3月10日
ヤオコー スーパーマーケット 3月17日
CAMP GEAR アウトドア 4月中
ダイソー 100円ショップ 4月中
ハニーズ アパレル 4月中
買取専門店 大吉 買取 4月中
モーリーファンタジー アミューズメント 4月中
マクドナルド 飲食 4月中
ケンタッキーフライドチキン 飲食 4月中
サーティーワンアイスクリーム 飲食 4月中
保険クリニック  保険 4月中
クイックカットBB ヘアカット 4月中
ICH・GO 美容室 4月中
ビバモール蕨錦町

住所:〒335-0005 埼玉県蕨市錦町1丁目12番1号
営業時間:午前10時~午後8時(全館)
(4月1日以降資材館のみ開店時間「午前6時30分」に前倒し)

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ビバモール赤間、2021年3月9日全面開業-旧・ゆめタウン宗像、ビバホームのアウトドア新業態「キャンプギア」1号店を併設

福岡県宗像市のJR赤間駅南口近くにあるビバホーム(旧・LIXILビバ)系ショッピングセンター「ビバモール赤間」が2021年3月9日に全面開業した。
ビバホーム赤間。

ビバのショッピングセンターとなった旧・ゆめタウン

ビバモール赤間の前身となるイズミの総合スーパー「ゆめタウン宗像」は1999年11月に開業。売場面積は12,901㎡だった。

ゆめタウン赤間。

ゆめタウン宗像は赤間駅北口近くのくりえいと宗像(サンリブ宗像)に次ぐ市内有数のショッピングセンターだったが、イズミは2020年8月31日をもってLIXILビバ(当時)に建物と運営権を譲渡。同年9月にイズミの食品売場が暫定的に「ゆめマート宗像」として営業再開、同年12月の「スーパービバホーム赤間店」開店にあわせて現在の施設名となった。

ビバの新業態など20店舗超の専門店が出店

ビバモール赤間の総売場面積は約18,560㎡、駐車場台数は約1,000台。
九州で初出店かつビバモールとして初めての居抜き出店」として、同社直営の大型ホームセンターに加え、ビバホームプロデュースのアウトドア用品新業態1号店「CAMP GEAR」が出店する。

モーリーファンタジー。

そのほかに、テナントとしてゆめタウン宗像の食品売場を引き継いだイズミの食品スーパー「ゆめマート赤間」や、地場書店「福岡金文堂」、靴量販店「東京靴流通センター」や眼鏡店「眼鏡市場」、100円ショップ「ダイソー」、「築地銀だこ」など専門店20店舗超が出店するショッピングセンターとなった。
イオングループの屋内型アミューズメント施設「モーリーファンタジー」では、新たにアクリル仕切り板とメダル洗浄機を導入するなど、新型コロナウイルス感染対策もなされることとなっている。

ビバモール赤間

住所:福岡県宗像市田久2-1-1
営業時間:午前9時~午後8時(ビバホーム生活館)
営業時間:午前7時~午後8時(ビバホーム資材館)

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イトーヨーカドー沼津店・イシバシプラザ、2021年8月22日閉店

静岡県沼津市のJR沼津駅近く・リコー通り商店街にあるショッピングセンター「イシバシプラザ」と核店舗の「イトーヨーカドー沼津店」が2021年8月22日に閉店する。

イトーヨーカドー沼津店・イシバシプラザ。

沼津駅前のヨーカドー、43年の歴史に幕

イシバシプラザは1978年7月に「石橋製糸」の跡地に開業。店舗面積は21,789㎡で、そのうち9,680㎡を核店舗のイトーヨーカドー沼津店が占める。テナントとして、ハニーズ、ハピンズ、ディズニーストア、キデイランド、ダイソーなどが出店する。
また、近年は沼津市を舞台としたメディアミックス作品「ラブライブ!サンシャイン!!」とのコラボレーション企画を頻繁におこなっており、名の知られる存在となっていた。

沼津まちあるきスタンプ(桜内梨子)を設置していた。
(C)プロジェクト ラブライブ!サンシャイン!!

その一方で、沼津市郊外にショッピングセンター「ららぽーと沼津」が2019年10月に開業したことを受けて店舗内や店舗近隣の一部テナントが退出していたうえ、建物の老朽化も進んでいた。

館内吹き抜け(渡辺曜バースデーモニュメント)。

イシバシプラザは閉館理由を「昨今の新型コロナウイルス問題、商環境の変化、開店から40年以上経過しており建物の老朽化等」によるものだとしており、建物は解体・再開発される可能性が高いであろう。

間もなく見納めとなる店舗入口。
何とよく見ると津島善子の頭に団子が付いていない!

43年前に天つ雲居の彼方から堕天して以来、長きに亘って多くの市民とリトルデーモンたちに親しまれてきた魔都沼津のハトであったが、老朽化の業火には勝つことができず、闇の翼が絶たれてしまうこととなった。
3月時点では、跡地の具体的活用方法や、沼津まちあるきスタンプなどコラボ企画の今後についても発表されていない。

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めいてつエムザ、2021年3月にヒーローに売却-茨城のディスカウントストア、百貨店業態で運営継続

名古屋鉄道(愛知県名古屋市)は、石川県金沢市武蔵ヶ辻の百貨店「めいてつエムザ(名鉄丸越百貨店)」と「ANAホリデイ・イン金沢スカイ(金沢スカイホテル)」の株式を、茨城県のディスカウントストア「ヒーロー」(茨城県)に2021年3月31日付で売却することを発表した。
売却後、めいてつエムザは同社の運営となる。

めいてつエムザ。

めいてつエムザ、茨城のスーパー傘下に-百貨店継続

めいてつエムザは1935年に「金沢三越」跡に「丸越(まるこし)」として開業。のちに名鉄の出資を受け、1973年の再開発ビル「金沢スカイビル」への移転に合わせ「名鉄丸越百貨店」となった。2002年には改装に合わせて愛称を「めいてつ・エムザ」としている。
近江町市場と地下で直結しており、地元の銘菓や銘店などが並ぶ「黒門小路」は観光客の立ち寄りスポットとしても有名だ。このほか、1階には名鉄と資本関係がある北陸鉄道のサービスセンターも入居している。

1階・武蔵ヶ辻バス停前。

また、2020年8月には金沢駅前のクロスゲート金沢に新支店「めいてつエムザ・デリマーケット」を出店したばかりだった。

2020年には金沢駅前に出店した。

2021年4月より名鉄丸越百貨店・金沢スカイホテルの筆頭株主となる「ヒーロー」は、茨城県内でディスカウントスーパー13店や、ミスタードーナツFC店などを展開する。
地元メディアの発表によると、株式売却・ヒーロ―傘下となった後も百貨店業態「金沢エムザ」として営業を継続するという。

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ライフ東日暮里店、2021年3月13日開店-JR鶯谷駅近くの松坂屋物流センター跡地に

東京都荒川区の尾竹橋通り沿いに、ライフコーポレーションの総合スーパー「ライフ東日暮里店」が2021年3月13日に開店する。ライフ東日暮里店。

「衣食住」が揃うライフ、松坂屋流通センター跡地に

ライフ東日暮里店が出店するのは、JR山手線・京浜東北線鶯谷駅より北へ約400m、尾竹橋通り沿いにあった百貨店「松坂屋」の流通センターの跡地。同センターは大丸松坂屋の経営統合による合理化の一環で閉鎖されたとみられる。
松坂屋流通センター。(写真中央)

建物は大丸松坂屋が設置者で、地下1階・地上4階建てで、売場面積は2,430㎡。そのうち、地下1階が食品売場、地上1階が衣料品・日用品売場、2~4階が駐車場となる。
年間売り上げは35億円を目標としている。

単身者向け簡便食品・総菜を強化-「健康志向」商品も

ライフ東日暮里店の周辺は単身者を中心に少人数世帯の割合が高い。そのため地階ではレンジ調理可能な干物・冷凍ミールキットなどの簡便商品や、アジアンコーナーを設置するなど、総菜に力を入れる。また、有機野菜や健康志向のプライベートブランド、「BIO-RAL(ビオラル)」を品揃え。インストアベーカリー「小麦の郷」ではフルーツサンドやナポリピッツァを取り揃える。
1階にはドラッグコーナーと衣料品コーナーを設置。衣料品コーナーではおしゃれで可愛い雑貨がそろう「ブリーズガーデン」を導入する。

日暮里プリン。

ライフ東日暮里店では、オープン記念特別商品として店長が監修したライフオリジナルの冷凍スイーツ「日暮里プリン」を販売する。パッケージには日暮里にある、美しい夕焼けを眺めることができる階段「夕焼けだんだん」が描かれている。

ライフ東日暮里店

住所:東京都荒川区4-36-20
営業時間:9時30分~24時

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スーパーでの「台湾産パイナップル」販売が拡大(取扱店舗を掲載)-2021年3月からの「中国による禁輸」で

中華人民共和国が2021年3月1日より台湾産パイナップル(鳳梨)を禁輸したことに伴い、日本国内で台湾産パイナップルを買い支えようという動きが起きている。
それに伴い、全国各地のスーパーマーケットで台湾産パイナップルの取り扱いが開始されている。
(順次更新/3月28日更新)

パイナップルの一大産地である屏東県(屏東市・屏東公園)。

台湾パインの取り扱い拡大-地方スーパーも

台湾のパイナップル大規模栽培・輸出は日本統治時代にハワイから移入するかたちで始まったもの。一時はその輸出量は世界一となっていたが、次第にフィリピン産などに押される存在となった。

高雄市の九曲堂駅前には、台北の商人である葉金塗氏が1925年に設立した台湾鳳梨工場が保存されており、当時の繁栄を偲ぶことができる。

当時のパイン缶詰のラベル(台湾鳳梨工場HPより)。

台湾産パイナップルの特徴は、芯まで甘く柔らかいこと。
台湾の政府系通信社「中央通訊社」などによると、2021年に台湾産パイナップルの輸入・販売を決めている日本のおもなスーパーは以下の通りとなっている。

  • 西友・サニー(本社:東京都北区)
    :3月7日より都内から順次拡大、西日本は中旬以降
    (去年も取り扱い)
  • イトーヨーカドー(本社:東京都千代田区)
    :3月末ごろから販売開始予定
  • イオン(本社:千葉県千葉市)
    :3月8日ごろから/イオンリテール運営の一部店舗?
  • ダイエー(本社:東京都江東区)
    :3月中旬から
  • 三徳(本社:東京都新宿区)
    :以前から不定期で販売中
  • 東急ストア(本社:東京都目黒区)
    :3月中旬より販売
  • サミットストア(本社:東京都杉並区)
    :3月下旬より販売
  • ベルクス(本社:東京都足立区)
    :3月5日ごろから販売中、カットパイン100円から
  • マルエツ(本社:東京都豊島区)
    :3月中旬から販売
  • いなげや(本社:東京都立川市)
    :3月中旬から販売(去年も取り扱い)
  • 食生活♥♥ロピア(本社:神奈川県川崎市)
    :3月5日ごろから販売中
  • 相鉄ローゼン(本社:神奈川県横浜市)
    :3月中旬から発売
  • ツルヤ(本社:長野県小諸市)
    :3月はじめから販売中
  • イズミヤ(本社:大阪府大阪市)
    :3月末から販売(同社発表)
  • ライフ(本社:大阪府大阪市)
    :一部店で3月上旬から
  • オークワ(本社:和歌山県和歌山市)
    :3月下旬より販売
  • エブリイ(本社:広島県福山市)
    :3月上旬から販売中
  • マックスバリュ西日本/マルナカ(本社:広島県広島市)
    :一部店で販売との情報あり
  • イズミ ゆめタウン・ゆめマート(本社:広島県広島市)
    :3月7日から順次販売
  • まいづる百貨店(本社:佐賀県唐津市)
    :3月下旬から販売中
  • トキハ/トキハインダストリー(本社:大分県大分市)
    :3月下旬から販売中
    (3月28日更新/追加情報があれば追記します/いずれも一部店を除く

この他にも、高島屋伊勢丹・クイーンズ伊勢丹など一部の大手百貨店などでは以前から台湾産パイナップルを高級フルーツとして販売している。販売価格はおおよそ1玉500円台~800円台程度となる。

イズミ本社・ゆめマート。

なお、楽天市場など大手ECサイトでも、加工品を含めて通信販売を承っている例がある(下記、一例)。

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台湾・中央通訊社によると、2020年の日本の台湾産パイナップルの輸入額は2144トンだったのに対し、2021年は5000トンを超える見込みとなっている。

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ツクモ博多店、2021年3月5日開店-福岡空港前・ベスト電器博多南店の免税店跡に九州再進出

福岡県福岡市博多区の都市高半道橋IC・福岡空港国際線ターミナル近くにあるヤマダデンキグループの家電量販店「ベスト電器博多南店」3階に、ヤマダデンキグループの総合PC専門店「ツクモ博多店(TSUKUMO 博多店)」が2021年3月5日に開店した。

ベスト電器博多南店。

福岡空港そばのベスト、コロナ禍で戦略見直し進めていた

ベスト電器博多南店は、2000年11月に「ベスト電器博多南本店」(コンピュータウン併設店舗)として開店。店舗面積は4,081㎡。
開店当初は、福岡市内の同社運営店舗としては旗艦店のベスト電器福岡本店に次ぐ規模であった。2009年には同社のアウトレット業態旗艦店「MEGAアウトレットベスト博多南店」に転換、3階に100円ショップ「ダイソーベスト博多南店」を導入するリニューアルを実施したが、2012年12月のヤマダ電機(当時)との資本業務提携もあり、2013年には標準業態「ベスト電器博多南店」に再転換している。
2018年9月には直営売場を1~2階に集約し、3階にはALEXANDER & SUN運営の総合免税店「A-Connectionベスト電器店」と大信薬局運営の観光客向けドラッグストア「大信薬舗」を導入するリニューアルを実施。訪日外国人観光客によるインバウンド消費獲得を図ったが、2020年にはコロナ禍もあり免税店が撤退していた。

コロナ禍で大規模リストラのツクモ、実験店で福岡再進出

ツクモ(旧・九十九電機)は1947年に東京・秋葉原で創業。
創業以来、秋葉原電気街のシンボル的存在であったが、2009年3月には経営悪化のためヤマダ電機(当時)の完全子会社「ProjectWhite」による経営に移行していた。
ヤマダ傘下入り後は、2014年12月に同じくヤマダ傘下となったベスト電器の福岡本店8階に「ツクモ福岡店」を出店するなど、スケールメリットを活かした事業展開を推し進めていた。
しかし、2020年5月14日には「オンライン・B2Bビジネス強化」「好調なWEB販売部門、法人営業部門及びオリジナルPC開発部門への人的リソース投入」を理由として首都圏店舗半数超の閉鎖を伴う店舗統廃合計画を発表。同年6月30日には「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による影響」を理由としてツクモ福岡店を追加閉店、あわせて法人営業拠点も廃止するなど、九州進出からわずか5年で全面撤退していた。

オープン告知。

九州再進出1号店となるツクモ博多店は「既存店舗とは大きく立地条件の異なるチャレンジ店舗」として、従来同社が得意としてきた駅前・駅近立地ではなく、コロナ禍やネット通販の利用拡大といった消費生活の変化を考慮したロードサイド型店舗として出店。ツクモらしい専門店作りに努めるとしている。

ツクモ博多店(ベスト電器博多南店3階)

住所:福岡県福岡市博多区東那珂2丁目31-1
営業時間:午前10時~午後8時
(ベスト電器の営業時間に準ずる)

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イオンスタイル西陣小町、2021年3月10日開店-ジャスコから21年ぶり再出店、店舗や品揃えに「京都らしさ」

京都府京都市上京区の今出川通り近くに、イオンリテールの食品スーパーマーケット「イオンスタイル西陣小町」が2021年3月10日午前10時に開店する。

久々の復活「西陣のイオン」、外観にも「京都らしさ」

イオンスタイル西陣小町は今出川通りの一本北、五辻通沿いに位置し、地上2階建て、売場面積は約906㎡。
もともとこの場所にはラーメン店や小規模なオフィスビル等があった。
「西陣織」で知られる西陣地区に位置しており、付近には同志社大学のキャンパスが複数立地するなど学生も多いため、幅広い層の来店を想定するとしている。
建物は織物工房や町屋が立ち並ぶ西陣ならではの景観に合わせて「町屋風」の外観をしており、犬矢来風の装飾も施された。

イオンスタイル西陣小町。

なお、イオンは2000年まで西陣小町店から歩いてすぐの場所にある「メガロプラザ西陣(現在の核店舗は業務スーパー)」に「ジャスコ西陣店」として出店しており、実質「21年ぶりの再出店」となる。

京都ならではの伝統野菜、西利の漬物、小川珈琲など販売

イオンスタイル西陣小町のコンセプトは「食と健康のコンビネーションストア」。
食料品を中心に日用品も扱う。なお、面積が狭いため衣料品は扱われない。
生鮮食品は京都中央卸売市場から直送の野菜に加え、近隣の生産者が育てた「九条ねぎ」「京みずな」といった伝統野菜や「京の雫いちご」、舞鶴漁港から仕入れた鮮魚を品揃えする。

野菜コーナー。

また地元の漬物店「西利の漬物」や銘菓店「バイカル」のイオン限定スイーツ、京風だし巻きを使ったサンドイッチやホットドッグを取りそろえるという。
さらに、京都珈琲商工組合と連携し「小川珈琲」「三喜屋珈琲」「ワールドコーヒー」など12社のコーヒーも販売する。
さらに、インストアベーカリーも設置、約40種類のパンを提供するとしている。

インストアベーカリー。

付近にイオン系食品スーパー、差別化図れるか

イオンスタイル西陣小町の約700m西には、イオングループの光洋が運営する食品スーパー「光洋(KOHYO)上七軒店」が2020年7月に開店したばかり。
KOHYO上七軒店が今出川通に面し駐車場を備えているのに対し、イオンスタイル西陣小町は今出川通りから奥まった場所にあり、また併設駐車場はなく、売場面積もわずかながら小さい。
開店後、KOHYOとどのように差別化を図っていくかも注目される。

徒歩圏にあるKOHYO上七軒店。
(写真はニュースリリースと公式サイトより)

イオンスタイル西陣小町

住所:京都府京都市上京区五辻町54番外
営業時間:8時30分~22時

店舗周辺図。

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ドン・キホーテ日吉店、2021年3月28日閉店-アピタテラス横浜綱島との2店舗体制に幕

神奈川県横浜市港北区の神奈川県道2号線(綱島街道)沿いにあるパン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)系ディスカウントストア「ドン・キホーテ日吉店」が、2021年3月28日をもって閉店する。

ドン・キホーテ日吉店。(ドンキより)

コジマ跡に2013年オープンしたドンキ

ドン・キホーテ日吉店は2013年10月に開店。建物は地上4階建、営業フロアは2~3階、売場面積は2,850㎡。
2002年2月に開店した家電量販店「コジマNEW横浜日吉店」(2013年6月閉店)跡への出店であり、開店当初はドンキ初となるプロテインバーカウンターを導入するなど意欲的な試みを行っていた。

アピタテラス横浜綱島と共存図るも7年で撤退

ドンキの至近距離では、2018年3月にPanasonicと野村不動産が主導する次世代都市型スマートシティ「Tsunashima サスティナブル・スマートタウン(Tsunashima SST)」が誕生。SSTの商業核として、ドンキと資本業務提携関係にあったユニーのショッピングセンター新業態「アピタテラス横浜綱島」(核店舗:アピタ横浜綱島店/旧・アピタ日吉店からの事実上移転扱い)が開業していた。
ドンキは2019年1月にユニーを完全子会社化したため、アピタテラスのフードマーケットが食品を、ドンキ日吉店が衣料品や日用消耗品・バラエティ雑貨など非食品を中心に取扱うかたちで棲み分けを図っていた。しかし、ドンキ日吉店はわずか7年で撤退することとなった。
2021年3月現時点は、後継店舗や店舗跡の活用方法、「アピタのドンキ化」などについて未定となっている。

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スーパーセンタートライアル千葉ニュータウン店、2021年3月28日閉店-千葉NT中央駅前から「24時間スーパー」消滅

千葉県印西市の北総鉄道北総線(成田スカイアクセス線)千葉ニュータウン中央駅近くにある「スーパーセンタートライアル千葉ニュータウン店」が2020年3月28日午後8時をもって閉店する。

千葉NT中央駅前で唯一の24時間スーパー

トライアル千葉ニュータウン店は2007年12月に開店。建物は地上2階建、1階は駐車場、売場は1階の一部と2階で、店舗面積は3,165㎡。

トライアル千葉ニュータウン店。

2002年2月に開店した家電量販店「ケーズデンキ千葉ニュータウン店」跡への出店であり、2007年の開店当初は同社としては異色の“生鮮食品売場を備えない店舗”であった。
その後、2009年のリニューアルを機に生鮮を導入するなどの改装により標準的なスーパーセンター業態の店舗に刷新。千葉ニュータウン中央駅前では唯一となる24時間営業の大型ディスカウント総合スーパーとなった。

至近距離に大型店が相次ぎ進出していた

千葉ニュータウン中央駅周辺では、2000年9月に開業した現在のイオンモール千葉ニュータウンが数度にわたる増床リニューアルを実施。2007年11月にはイオンモールエンジョイライフ棟の核としてドン・キホーテが出店したが、生鮮食品を取扱う大型スーパーは2002年5月のダイエー撤退からトライアルの生鮮扱いまでイオン1店舗のみとなっていた。
しかし、2013年には駅2km圏内にカインズモール千葉ニュータウン(ベイシア)とコストコが、2016年4月にはヤオコー千葉ニュータウン店、2021年1月にはフォルテ千葉ニュータウンといった食品スーパーが出店するショッピングセンターが相次ぎ開業しており、競争が激化していた。
2021年3月現時点では、トライアル千葉ニュータウン店跡の活用方法について未定となっている。店舗は老朽化しており、解体してマンションなどが建設される可能性もあろう。

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