カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

ドン・キホーテ千葉ポートタウン店、2023年4月25日開業-ラオックスの観光型モール跡に

千葉県千葉市中央区にある複合施設「千葉ポートスクエア」の商業棟に、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)のディスカウントストア「ドン・キホーテ千葉ポートタウン店」が2023年4月25日に開業する。 
ドン・キホーテ千葉ポートタウン店。

核店舗が次々変わっていた千葉ポートタウン

千葉ポートタウンはオフィスや体育館、ホテルなどで構成される千葉ポートスクエアの商業棟として1993年に開業。建物は地上7階建てで、千葉ポートスクエア管理が所有している。
開業当初は「トイザらス」や「ラオックス」(家電量販店時代)など大型テナントが出店していたが、アクセスの悪さなどから慢性的な集客力不足に陥り、テナントの撤退が目立ったため施設を開発した千葉新都心開発は2005年に倒産。
その後は空きテナントが目立っていたものの、2016年2月に免税店大手のラオックスが中国の大手不動産会社「緑地集団」と合弁会社を設立し、ポートスクエアの一部施設を取得すると、ポートタウンは「日本初のインバウンド専門のアウトレットモール」として改装される予定となっていた。
千葉ポートスクエア。ポートタウンは右の建物。

2017年7月以降、館内にはラオックス主導の「体験型施設」や免税店が順次開店したが、それらはコロナ禍を待たずに2019年10月までに閉店。空き店舗が目立つ状態となっていた。
ラオックス運営エリアにあった日本いいもの物産展。
現在はドンキの売場になっている。

サバゲーフィールド「AIRSOFT ZONE DELTA」。
サバイバルできずわずか2年で閉店。

千葉ポートタウン、ドンキで落ち着くか

「ドン・キホーテ千葉ポートタウン店」は千葉ポートタウンの1階・2階に核テナントとして出店。売場面積は2,806㎡。
店内は通路も広くゆったりとした空間になっており、一人暮らし向けの総菜や驚安価格の商品を多く取り揃えるほか、まとめ買いでお得に購入できる商品や頻繁にセールを行うなど「サムシングニュー」をテーマに新鮮さを提供する。また、ドン・キホーテで人気のコスメやカラコン、駄菓子などSNSで話題の商品を多数そろえる。
千葉ポートタウンには、ドンキのほかマツキヨダイソーなどが出店している。ポートタウンは開業以来長きに亘って核テナントが次々に撤退する状態となっていたが、ドンキが核店舗となることでそうした状態がようやく落ち着くのかどうか、また他の空き床にも店舗が増えるのかどうかが注目される。

ドン・キホーテ千葉ポートタウン店

千葉県千葉市中央区問屋町1-50 千葉ポートスクエア 千葉ポートタウン(商業棟)
営業時間:9時~24時

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ダイエーイオンフードスタイル西新宿店、2023年4月15日開店-住友不動産の再開発ビルに

東京都新宿区の新築複合施設「住友不動産新宿ファーストタワー(住友不動産西新宿5丁目プロジェクト)」にダイエーのスーパー「イオンフードスタイル西新宿店」が、2023年4月13日にソフトオープン、15日にグランドオープンする。

ダイエーイオンフードスタイル西新宿店。

西新宿の複合ビル、下層階にダイエー出店

イオンフードスタイル西新宿店が出店するのは35階建ての超高層複合オフィス「住友不動産新宿ファーストタワー」下層階で、売場面積は約1,038㎡。ダイエーは新宿区初出店であるとしている。(2011年に閉店した四谷三丁目駅前「グルメシティ四ッ谷店」は子会社「グルメシティ関東」運営、現存する「ダイエー高田店」は豊島区。)
もともと、当地には再開発前にスーパー「肉のハナマサ」等が出店していた。
イオンフードスタイル西新宿店は、コンセプトに「ショートタイムショッピング」で「オンもオフもあなたの味方に」を掲げる。

店舗ロゴ・キービジュアル。

忙しい現代人のライフスタイルに合わせた手軽で美味しい食事の提供をめざすとしており、店内は弁当・惣菜を中心とする「オフィスワーカーゾーン」と、生鮮食品を中心とした「スーパーマーケットゾーン」に売場を分けて展開。「手軽で美味しい食事を提供し、周辺の人々に貢献することを目指す」としている。
なお、ネットスーパーは5月中旬に開始する。

店内は「オン」「オフ」の2つのゾーンに

ONである「オフィスワーカーゾーン」では、豊富な品ぞろえの弁当やサイドメニューを提供し、ニューヨークで人気の「チキンオーバーライス」や「ローストビーフカレー」、「食べるサラダ」など様々なメニューを用意。また、「魚屋の寿司」なども展開し、手軽に食事を取りたい人々のニーズに応える。
OFFである「スーパーマーケットゾーン」では、子供に人気のキャラクター食品や焼きいも、おつまみなど幅広い品ぞろえを提供。さらに、オーガニックの「カット野菜」や、炒めるだけの「冷凍洋風味付魚」など調理に手間のかからない商品も充実しており、忙しい人々のニーズにも応える。

ダイエー イオンフードスタイル西新宿店

東京都新宿区西新宿5-1-1-101
営業時間:7時~23時(4月16日以降)
中野坂上駅徒歩6分・西新宿駅徒歩7分

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HAPPYドンキ サニーサイドモール小倉店、2023年4月14日開店-旧西友1階にドンキ新業態

福岡県北九州市小倉南区のJR下曽根駅前にある大型ショッピングセンター「サニーサイドモール小倉」(旧・西友)1階にドンキの新業態「HAPPYドンキ サニーサイドモール小倉店」が2023年4月14日にグランドオープンする。

HAPPYドンキ。

小倉唯一・九州唯一の「新業態型ドンキ」

HAPPYドンキが出店するのはサニーサイドモール小倉の1階。
HAPPYドンキは既存のドン・キホーテと違い、商品カテゴリーごとではなくH(ヘルス)、A(アミューズメント)、P(プリティ)、P(ポジティブ)、Y(ヤミー(おいしい))というテーマごとに 5 つのゾーンに区切ったドンキの新業態。
近年の特化型新業態としては、ソラドンキ・お菓子ドンキ・お酒ドンキ・コスメドンキ・キラキラドンキに続くものとなる。
ドンキは小倉エリアで3店舗目だが、ドンキ新業態が九州に出店するのは初となった。

HAPPYドンキの店舗ロゴ。

「HAPPYドンキ サニーサイドモール小倉店」の店舗面積は772㎡で、店内では「ニコニコ企画」と題して選ぶ楽しさと幸せいっぱいのよりどりセールを開催するとしている。

HAPPYドンキ サニーサイドモール小倉店

住所:北九州市小倉南区下曽根新10-1
営業時間:10:00~21:00

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e-XP BEPPU、2023年4月4日開業-別府駅近くの家電量販店跡、西日本最大のeスポーツ施設に

大分県別府市の流川通り商店街に、九州最大のeスポーツ施設「e-XP BEPPU」が、2023年4月4日に開業した。

e-XP BEPPU.

西日本最大のeスポーツ施設、別府駅近くに

e-XP BEPPUが出店するのはマンション「センチュリーハイツ日名子」1階にあった「エディオン別府店」跡。同店はトキハ別府店に移転のため、2022年5月に閉店していた。
運営はSummerTimeStudio(本社:大分県九重町)、面積は約1300㎡で、西日本最大級のeスポーツ施設になるとしている。

館内イメージ。(リリースより)

販売エリアや休憩エリアの入場料金は無料。
PC利用料金は1DAY制1名2,500円(18時以降1,500円)、友達割引制度などもある。
今後、デバイスの販売やゲーム開発の講習会もおこなわれる予定となっている。

e-XP

大分県別府市秋葉町7-24センチュリーハイツ日名子1階
営業時間:12:00~22:00(最終受付20:00)
定休日:毎週月曜日・火曜日

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ロフト名古屋、2023年6月30日閉店-ナディアパークの核店舗、栄NOVAのロフトに統合

愛知県名古屋市中区栄のナディアパークにある大型雑貨店「ロフト名古屋」が、2023年6月30日に閉店する。

ロフト名古屋・ナディアパーク。

ナディアパークにある名鉄FCのロフト、統合で閉店

ロフト名古屋は1996年11月に開業。同年に市立高校跡を再開発して生まれた複合ビル「ナディアパーク」の核店舗だった。
店舗面積は7,378㎡。運営は名鉄生活創研で、名鉄グループのFC店だった。
一方で名鉄生活創研は2021年11月に徒歩圏のより好立地にある「栄NOVA」に「栄ロフト」(2,629㎡)を出店。実質的な店舗統合となった。

ロフトが出店する栄NOVA。

今後、ロフト名古屋で行われているポップアップショップなどは栄ロフトに引き継がれるとしている。
ロフト名古屋では、4月15日から閉店セールが、4月28日からメモリアル展が行われる。

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ミーナ天神、2023年4月28日リニューアル開業-天神ロフトが移転、ユニクロ・ブックオフなど再出店

福岡県福岡市中央区にある西鉄福岡駅・地下鉄天神駅近くのユニクロ系(ファーストリテイリング運営)ショッピングセンター「ミーナ天神」(旧マツヤレディス)が、隣接する「ノース天神」(旧ダイエーショッパーズ専門店街)と統合され、新生「ミーナ天神」として2023年4月28日にリニューアルオープンする。

ミーナ天神。

かつてダイエーショッパーズ専門店街・マツヤだった

ミーナ天神の前身「松屋」は1911年に開店。1929年に百貨店化し、1937年に現「ミーナ天神」の場所に移転した。その後、1973年に現「ミーナ天神」の建物に建て替えた際にファッションビル業態「マツヤレディス」に転換したが、経営破綻により2005年に閉店。同年にユニクロを運営するファーストリテイリングのファッションビル「ミーナ天神」としてリニューアルオープンした。

旧・ミーナ天神とダイエーショッパーズ福岡専門店街。

ノース天神は「ダイエーショッパーズ福岡専門店街」としてマツヤレディスと同じ1973年に開業。ダイエーの専門店街として菊竹金文堂(久留米市)が運営する書店「りーぶる天神」やドール・ホビーショップ「ボークス」(現在イオン内に出店)、中古レコード店「ボーダーラインレコード」、「ドムドムハンバーガー」など個性的なテナントが営業していたが、2011年7月に一旦閉店、殆どの店舗が撤退した。

「ダイエーショッパーズ福岡専門店街」時代。

2002年からは「マツヤレディス」「ショッパーズ専門店街」ともに大東建託創業家系の不動産会社「ダイショウ」の所有となったが、ショッパーズ部分は2012年6月からはダイショウ運営の商業施設「ノース天神」となり「ファッションセンターしまむら」「ブックオフスーパーバザー」などが出店。さらに、2018年7月には隣接する「ミーナ天神」とともに「福岡スタンダード石油」(久留米市)に売却されていた。
なお、ダイエーショッパーズ福岡の本館は2015年にイオン九州の店舗となり、「イオンショッパーズ福岡」に改称、2019年には全館改装され「天神ショッパーズ福岡」として運営されている。

ダイエーはイオン・天神ショッパーズ福岡となっている。

ミーナ天神・ノース天神は建物の老朽化もあり、ミーナを運営するファーストリテイリングが主導して両店舗の統合と建物のリニューアルのため2022年8月を以て一旦閉店。
両館の壁を取り払うなど、統合に向けた工事をすすめていた。

新・ミーナ天神、天神ロフトなど約30店舗が出店

新生「ミーナ天神」の総売場面積は約22,100㎡。建物は福岡スタンダード石油が所有、運営はファーストリテイリングとザイマックスがおこなう。
大型テナントとしては、地階に「マツモトキヨシ」、1階・2階に「ユニクロ」、1階にカフェ「ONCA COFFEE」併設の「JINS」、2階に「カメラのキタムラ」、3階に「GU」、4階に「ロフト」、5階に「AOKI」「ABC-MART」、6階に「セリア」「ニトリエクスプレス」、7階に「ブックオフスーパーバザー」、8階に「クロサワ楽器」、屋上にフットサルコートなどが出店する。総テナント数は約30店舗となる。(再出店含む)
なお、無印良品はイオンショッパーズ内に移転している。

ユニクロ天神。

ユニクロの売場面積は約2,840㎡と九州最大の広さとなる。このほか、地階にはイベント等の開催をおこなうPOPUP STORE「つながるひろば」を新設する。
天神ロフトはミーナ天神への移転に先駆けて、3月12日に旧店舗を閉店させている。

旧・天神ロフト。

ミーナ天神

福岡市中央区天神4丁目3番8号
営業時間
地階:7:00~22:00(一部店舗は除く)
1階~8階:10:00~20:00(一部店舗は除く)
屋上:10:00~22:30

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フォレストモール常陸太田、2023年4月7日開業-ヨークベニマル・サンドラッグなど出店

茨城県常陸太田市の国道349号線沿い・カスミ常陸太田店となりにショッピングセンター「フォレストモール常陸太田」が2023年4月7日に開業する。

ヨークベニマル、サンドラッグなど出店

フォレストモールは2003年に創業した「やまきSC開発」を母体としており「アメリカ西海岸の商業施設をモデルとした新しい流通業の形を目指し新しいライフスタイルを提案するショッピングセンター」だとしている。

フォレストモール常陸太田。

フォレストモール常陸太田は同社16施設目で、建物は平屋建て、店舗面積は5,541㎡。
同社と関係が深い「サンドラッグ」のほか、食品核として「ヨークベニマル」(売場面積2,429㎡)が出店。
そのほか眼鏡店「メガネストアー」、100円ショップ「ダイソー」、子供服「西松屋」、元気寿司系の寿司店「魚べい」、携帯電話店「au Style」が3月中に出店。さらに今後、ボディーケア「&body」、牛めし「松屋」、とんかつ「松のや」などが出店する。
また、別棟として、4月中に「マクドナルド」、「茨城日産」が開業する。

フォレストモール常陸太田

茨城県常陸太田市東部土地区画整理事業1街区1画地
営業時間:店舗により異なる
ヨークベニマルは9時~21時半。

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【4月1日】林百貨店、1932年12月5日開業-商店街「台南銀座」も完成、台湾南部に百貨店時代到来へ

台南州台南市末廣町(通称:台南銀座商店街)に、台湾南部で初となる百貨店「林百貨店(ハヤシ百貨店)」が、昭和7年12月5日に開業した。

ハヤシ百貨店と台南銀座。写真の右側は日本勧業銀行。

台湾南部の中心・台南

台南州は台湾本島の南部に位置し、人口は約130万人。本島一の人口密度を誇る。北は新高山系および濁水溪を以て台中州に、東南は新高山系および二層行溪を以て高雄州に接する。

台南驛。(昭和11年竣工)

台南市は台湾随一の古都であり、300年の歴史がある赤崁樓や鄭成功を祀る開山神社、孔子廟など多くの名勝があることでも知られる。山地部には高砂族が多く住むが、台南州は「理蕃なき州の建設」を掲げており、近年は「山地の平地化」をめざして高砂族への農林業を振興。本島人・内地人・高砂族の混住も進んでいる。

赤崁樓。大正10年に大規模修復がおこなわれた。

新しく生まれた商店街「台南銀座」の中心店舗

林百貨店は台南市中心部の区画整理で生まれた新しい商店街「台南銀座」に出店。
台南市では三越(本社:東京市日本橋区)が宮古座(台南市西門町)などでたびたび出張販売を行っていたものの、本格的な出店には地元商店主の反対もあり、地元資本で台南市大宮町に店舗を構えていた「林方一商店」(のち林百貨店)が出店するに至った。
 
林百貨店・広告ロゴ。

林百貨店の建設を前に、末廣町一帯では林方一氏を代表として建設組合を結成。昭和2年から再開発と共同商店ビル「末廣町商業店舗住宅」(台南銀座)の整備が行われており、昭和6年より林百貨店とあわせて本格的な建設工事が進められた。
経営は山口県出身の林家が行う一方で、従業員には本島人も多く採用された。支配人は林家と同じく山口県生まれで、日本製材出身の藤田武一氏が就任している。

銀座通りに整備された林百貨店とそれに続く商店街。
道路は舗装され、歩道は屋根がある亭仔脚。街灯も整備された。

林百貨店の建物は鉄筋コンクリート地上5階(一部6階)建てで、延床面積は548坪。
設計は石川県出身で台南州内務部土木課の梅澤捨次郎(市内では台南警察署の設計でも知られる)、施工は台北市の田村組(外装)、台北市の共益社(電気機器・内装)、神戸市の横山装飾品店(装飾)などが行った。
外観はスクラッチタイル張り、1階から6階までは台南で初となるエレベーター(日本エレベーター製)が設置されている。1階にはショーウインドウが設けられ、亭仔脚は歩きやすいように柱が少なく開放的な雰囲気となった。また、夜間は建物全体に照明が点灯される。
屋上遊園地には、電動木馬や金魚すくいが設置されている。
各階の概要は以下の通りとなる。

階数 台南銀座 ハヤシ百貨店
6階 遊園地・展望台・神社(昭和8年開設)
5階 レストラン(洋食堂)
4階 玩具・文房具・通信販売部
3階 呉服・太物・反物・服地・催場
2階 和洋雑貨・子供服
1階 食品・化粧品・煙草等専売品(昭和12年にJTBも出店)

以下は台南銀座の共同ビルの主なテナント
・愛国堂薬局
・近藤商会
・正直屋旅館
・小出商店
・今林商行
・森永製菓喫茶室
・今中歯科

台南の文化拠点として期待

開店を迎えた12月5日には台南市内から多くの人が来館。闘病中の林方一氏に代わり、夫人の林とし氏らが挨拶を行った。
(経営者の林方一氏は12月10日に死去)
洋食堂は早くも人気を集めており、名物のカレーライスを求め多くの客が押し寄せている。
昭和8年中には、台南州出身で台湾工芸の父と称される顔水龍氏の作品展などが開催される予定となっており、台南市の芸術文化拠点としても機能することとなる。

女学生からも人気を集める台南銀座。
林百貨店前から向かい側(味の素ネオン前)を撮影。

このほか、隣接する3階建ての共同ビル(末廣町商業店舗住宅)も12月8日より本格的に営業を開始。洋品雑貨・書籍・文具の大型店「小出商店」、和用雑貨卸売「今林商行」、森永製菓運営のカフェー「森永喫茶店」など多くの店舗が出店している。

台湾にも「百貨店時代」来たる

台湾では近年「都市の繁栄には百貨店が欠かせない」との声が高まっており、昭和4年に台湾日日新聞が行った講演会「百貨店の組織と経営」は大きな反響を呼んだ。

菊元百貨店(台北市榮町)

台北市では菊元商店が今年12月3日に「菊元百貨店」を開業させたばかりであり、今後は台湾においても百貨店の時代が来ることは間違いないであろう。
(画像:台湾中央研究院ほか)

林百貨店

台南州台南市末廣町二丁目120番地
営業時間:午前8時~午後10時
電話:台南607・617
台南駅からバス10錢(徒歩20分)

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林百貨店は戦後、国民党に接収されたのち80年代から放置。
紆余曲折を経て内外装を復元され、地元資本で2014年に営業を再開、営業再開時には林家と元従業員も招待された。
末廣町商業店舗住宅は台南大空襲で一部破壊されたものの半分は同じ建物のまま営業している。向かいの銀行は土地銀行が利用。

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トナリエ星田、2023年3月28日開業-JR星田駅前、万代やセリアなど出店

大阪府交野市のJR学研都市線星田駅前に、ショッピングセンター「トナリエ星田」が2023年3月28日に開業する。

トナリエ星田。

星田駅前、万代を核に11店舗出店

トナリエは日本エスコンのショッピングセンターブランドで、トナリエ星田は星田駅前の星田北土地区画整理事業地区に出店するもの。かつては住宅や駐車場などがあった。地区内には分譲マンションなども建設される。
トナリエ星田の建物は2階建てで、延床面積は8814㎡。
商業テナントとしてスーパー「万代」を核に「ココカラファイン」「イトウゴフク」「セリア」「花イチバ」「プラザ薬局」が出店。
そのほか、医療機関など合計11テナントが出店する。

トナリエ星田

大阪府交野市星田北6丁目8−7
営業時間:9時~22時(万代)

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福岡市地下鉄七隈線延伸区間、2023年3月27日開業-天神南駅から博多駅間、キャナル近くに櫛田神社前駅も

福岡市交通局(福岡県福岡市)が運行する福岡市地下鉄七隈線の延伸区間(天神南―博多間)が、2023年3月27日に開業した。

延伸開業した七隈線。

七隈線延伸、キャナル前に「櫛田神社前駅」も

福岡市地下鉄七隈線は2005年2月に1期区間となる橋本駅-天神南駅間の12.0kmが開業。鉄輪式リニアモーター方式で、自動運転を行っている。
2014年からは天神南駅-博多駅間1.4kmの延伸工事が進められていたが、同年10月と2016年11月に工事現場で陥没事故が発生するなどして、当初予定より遅れての開業となった。中間の商業施設「キャナルシティ博多」近くには櫛田神社前駅が新設されている。
なお、これにより七隈線と空港線の乗り換え指定駅は博多駅に変更となる。

新たな路線図。

開業初日となった3月27日には、5時20分すぎに博多駅ホームでテープカットが行われ、5時23分に一番列車が出発した。
七隈線は将来的には博多駅から福岡空港方面への延伸が検討されているが、博多開業時点では具体的な経路や開通時期などは発表されておらず、今後の議論に注目が集まる。

駅では26日に記念式典を挙行、27日には出発式が行われた。
(撮影:みねあかさん)

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