ヨドバシカメラ札幌タワー、2020年代後半開業-五番舘西武跡「テレビ塔超え」超高層複合施設に

北海道札幌市中央区の札幌駅前にあった百貨店「西武百貨店札幌店(西武札幌店/旧・五番舘西武)」跡地一帯に、ヨドバシホールディングス(ヨドバシHD)が主体となる「札幌駅南口北4西3地区市街地再開発準備組合」による複合商業施設が2020年代後半を目処に開業する。

ヨドバシHDによる新施設。

「道内初百貨店」前身の西武跡、「開発凍結中」だった

西武百貨店札幌店は、1906年に北海道内初の百貨店「五番館(五番舘)」として開業。1928年に法人化した。
五番館は創業以来、道内有数の老舗百貨店として丸井今井や札幌三越とともに競争を繰り広げていたが、1982年に西武百貨店と資本業務提携を締結し、1988年に旭川西武(後の西武旭川店)の運営を譲受。あわせて社名を「西武北海道」に改称するなど、西武セゾングループの道内における中核企業に転身した。
その後、五番館は1990年に店名を「五番館西武(五番舘西武)」に改称し、札幌そごう(現・札幌エスタ)斜向かいに新館(後のロフト館)を新設。新館新設にあわせ、両館の外装をシンボリックな赤煉瓦を用いたものに刷新した。
1997年には西武百貨店との合併にともない店名を「札幌西武」に改称し、新館に道内初となる西武セゾン系の大型雑貨店「ロフト」を導入するリニューアルを実施。2006年のセブン&アイHD傘下入りに前後して、衣料服飾関連売場への追加投資と地階食品フロアの廃止を行う大胆な営業改革を行ったが、2009年9月30日をもって閉店した。

西武百貨店札幌店(旧・五番館西武)。

西武札幌店跡は、2011年にヨドバシカメラが土地建物を取得し、ヨドバシ主導のもと建物を解体後に新店舗を建設する計画を打ち出していたが、東日本大震災による建築資材高騰や景気低迷を背景に計画を事実上凍結。2017年12月には札幌市や駅前通振興会・民間企業数社が出資するエリアマネジメント会社「札幌駅前通まちづくり」による賑わい創出施設「コバルドオリ(CoBAR STREET)」が敷地の一部に開業したが、2019年10月をもって閉館しており、2021年7月現在は平面駐車場として暫定活用中となっている。

テレビ塔より高い「商業・業務・宿泊」複合施設に

西武百貨店札幌店(五番舘)跡地の新施設は地上35階地下6階建、建築面積は約9,800㎡、延床面積は約210,200㎡。札幌駅側の高さは約60m、大通公園側の高さは約200mとなる。
(なお、札幌そごう・エスタ跡には更に高層の建物を建設する計画もある)
新施設一帯は2012年1月に「特定都市再生緊急整備地域(札幌都心地域)」指定を受けており、2019年発足の札幌駅南口北4西3地区市街地再開発準備組合により、西武札幌店跡地に加え、札幌駅前合同ビル(北海道銀行など入居)や交洋駅前ビル(北洋銀行系)、aune札幌駅前、北海道建設会館など複数棟を対象とする地上40階建規模の複合商業施設建設計画が検討されていた。

西武百貨店札幌店跡地とaune札幌駅前。

新施設の計画では、2019年11月に開業した「ヨドバシ梅田タワー(LINKS UMEDA/リンクス梅田)」と類似の建物構造を採用し、低層部(基壇部)に商業フロア、高層部に宿泊施設や業務関連施設を導入する。また、地下には駐車場(約740台相当)を併設するほか、西武札幌店時代と同様に地下鉄や地下街と接続する予定となっている。

新施設のフロア構成。

新施設の開業時期など詳細は現時点において未定となっているが、再開発対象地域の既存建築物解体から約56ヶ月後(約5年)の完成を見込んでおり、早くとも2020年代後半となるとみられる。

札幌駅南口北4西3地区第一種市街地再開発事業

住所:北海道札幌市中央区北4条西3丁目

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