東京都千代田区に本社・本店を置く大手漫画・同人誌専門店「虎の穴(コミックとらのあな)」は、北海道札幌市中央区の「とらのあな札幌店」、広島県広島市中区の「とらのあな広島店」2店舗を2021年6月30日に閉店する。
道内唯一のとら、18年の歴史に幕
とらのあな札幌店は2003年11月に同社北海道1号店として開店。札幌店は積極的な統廃合や移転を行う同社店舗としては極めて珍しく、開店以来一切の店舗移転を行っておらず、左隣にある高桑ビル(旧・丸井今井札幌店南館/MARUZEN&ジュンク堂書店・ポポンデッタなど入居)、右隣にある丸大ビル(アニメイト・メロンブックス・らしんばんなど入居)とともに、道内随一のサブカル分野に特化した集積を形成していた。
同店は他閉鎖店舗と異なり定休日の導入を実施しなかったが、新型コロナ感染拡大を受けて段階的に営業時間を短縮していた。
とらのあな札幌店とアニメイト札幌店。
広島・紙屋町のとら、規模縮小の末に閉店
とらのあな広島店は、2001年9月に同社中国地方1号店として開店。初代店舗は広島本通商店街アーケードの西端に位置しており、徒歩圏内のサンモール(ボークスなど入居)やアニメイト、イエローサブマリン、ドスパラ、パソコン工房(2013年1月閉店)とともに、サブカル分野に特化した集積を形成していた。2013年3月には競合関係にあるアニメイトグループのデオデオネバーランド跡増床移転に事実上対抗するかたちで、現在の広電紙屋町東電停前に増床移転した。(初代店舗は広島旧店として同年5月まで営業継続)
とらのあな広島店。
現店舗では公共交通機関からのアクセス改善や売場の回遊性向上、女性向け商品の拡充を図ったが、2019年10月からは他閉鎖店舗と同様の定休日を導入、2021年1月31日には売場をワンフロアに集約するなど営業体制の縮小を進めていた。
好調なオンラインに集中、直営店はさらなる減少も?
虎の穴は2021年6月に発表した「事業構造転換の取り組みと実績」にて、好調な通信販売(売上高145億円見込/2021期)やFantia(売上高71億円見込/2021期)といったオンライン事業への投資拡大を打ち出した。その一方、同社の祖業である店舗事業に関しては「選択と集中の推進」を掲げ、今後もinShop流通の拡大と中期的な旗艦店への集約をめざす方針を示している。
とらのあな札幌店・広島店の閉店により、2021年7月以降同社の直営店は東名阪の三大都市圏周辺と岡山、台湾台北のみとなる。
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