カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

原ショッピングセンター、2020年冬開業-旧ダイエー・サティ跡、イオンが再出店

福岡県福岡市早良区に大和ハウスグループのダイワロイヤル(東京都)が運営するショッピングセンター「原ショッピングセンター(仮称)」が、2020年冬に開業する。

原ショッピングセンター。

ダイエー・サティ跡に大和ハウス系の商業施設

原ショッピングセンターが出店するのは「イオン原ショッピングセンター」の跡地。
イオン原ショッピングセンターは1976年10月にダイエーの総合スーパー「ダイエー原店」として開店。2005年10月の閉店後、全面改装をおこない2007年3月にマイカル九州の「原サティ」となった。

原サティ。

その後、イオングループの店舗ブランド再編に伴い、2011年3月に「イオン原ショッピングセンター」に改称されたのち、2019年1月に閉館していた。

イオン九州が核テナントとして再出店

原ショッピングセンターの建物は地上2階建(2館体制)、延床面積は北館(仮称)約13,092㎡、南館(仮称)約4,169㎡。
核テナントとして、イオン九州がスーパーマーケット「(仮称)イオン原店」を再出店する計画となっている。

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全聯福利中心、1000店舗達成-規模拡大続ける台湾最大手スーパー、2019年12月28日に

台湾最大手スーパー「全聯福利中心(PX MART)」(本社:台北市中山区)は、台湾スーパー業界初となる1000店舗を達成した。

全聯福利中心の華山店(台北市中正区・善導寺駅前)。
衣料品売場はファッションセンターしまむら。

公務員生協が前身の台湾最大手スーパー

全聯福利中心を運営する「全聯實業股份有限公司(全聯實業)」は1998年10月に林敏雄が中華民国軍人・公務員・教職員を対象とした半官半民企業「中華民国消費合作社全國聯合社」から68店舗を引き継ぐかたちで設立。年間50~100店舗ほど新規出店を行うことで、2003年には台湾最大手のスーパーとなった。
その後も2006年に永琦百貨(旧・永琦東急百貨店)と住友商事グループの合弁会社「台湾善美的(サミット)」を買収、2014年には嘉義市地盤の「全買」(2014年4月廃業)の一部店舗を買収、2015年には松清(現・フレッセイ)との合弁会社として創業した味全グループの「松青超市(Matsusei/マツセイ)」を買収するなど、積極的な新規出店、M&Aをすすめた。

全聯福利中心の古い店舗(岡山店)。

さらに、2012年11月には新コンセプト業態「imart」1号店を開店、台北都市圏の店舗を中心に池上弁当や惣菜の取扱いを始めるなど業態改革を行っている。また、2015年からはイメージキャラクターとしてゆるキャラ「福利熊」を定めている。

全聯、ついに1000店達成-「AJS最大の店舗数」に

1000店舗目となったのは、2019年12月28日に開業した「全聯福利中心中和新生店」(新北市中和区)。
全聯は2009年に「オール日本スーパーマーケット協会(AJS)」に加盟し、AJSのPB商品「生活良好(くらし良好)」を導入。
日本国内でもAJS加盟店で1000店舗を超えるスーパーマーケットを展開している企業は無く、AJSのなかでは最大の店舗数となっている。

くらし良好の売場。

全聯は2016年12月にはH2Oリテイリングと業務提携し、2019年2月には全聯とH2Oの合弁会社「全聯阪急麺包」(全聯51%、H2O49%)を設立、阪急ベーカリーFC(台湾では30元均一)の導入をすすめているほか、サンリオとのコラボ企画を行うなど、業態革新を進めており、今後も日本のスーパーマーケット協会において存在感を示すことになろう。

阪急ベーカリー。

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イトーヨーカドー長野店、2020年6月7日閉店-長電権堂駅前ビルの核店舗

長野県長野市の長野電鉄権堂駅前にあるショッピングセンター「イトーヨーカドー長野店」が2020年6月7日に閉店する。

イトーヨーカドー長野店。

長電地下化を前に出店-41年の歴史に幕

イトーヨーカドー長野店は1978年6月に開店。長野電鉄が建設した長電権堂駅前ビルへの出店だった。当地にはもともと権堂駅の駅舎があった。出店当時は長野電鉄は地下化前であったが、その後権堂駅は地下化されており、店舗前には駅入口があるほか、地階は駅と直結されている。また、店舗向かいには長野電鉄本社がある「権堂イーストプラザ」が立地する。
店舗は地階から5階までで、売場面積は11,220㎡。テナントとしてファミレス「サイゼリヤ」、100円ショップ「キャンドゥ」、メガネ「パリミキ」などが出店している。

長野市中心部から総合スーパー消滅

長野市中心部では2018年に西友長野石堂店が閉店したばかり。同店は再開発後に再出店する意向を示しているものの、西友はマンション下駄ばきの食品スーパーになる可能性が高い。

西友長野石堂店。

近隣の旧ダイエー長野店跡にある「もんせんぷら座」についても食品スーパーが出店するのみであり、イトーヨーカドーの閉店によって長野市中心部から総合スーパーが消滅する。

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J.フロント、パルコを完全子会社化-2020年中に

大丸松坂屋百貨店を運営する「J.フロントリテイリング」(東京都中央区)は、TOBにより傘下のファッションビル「パルコ」を2020年中に完全子会社化することを発表した。

パルコ(錦糸町)。

J.フロント、パルコを2012年に子会社化していた

J.フロントリテイリングは2012年2月に森トラストが保有するパルコ株全てを取得するかたちで筆頭株主となり、同年8月にTOBにより株式の65パーセントを取得、子会社化していた。
今回は、TOBによりイオンなどが保有する残りの株式(約35%)を取得し、完全子会社化する。買い付け総額は約658億円。公開買付期間は12月27日から2020年2月17日まで。
これに合わせ、グループの大丸松坂屋百貨店の不動産事業をパルコに一元化する。
J.フロントリテイリングは、パルコの完全子会社化による利点として、よりスピード感を持って意思決定ができるようになることを挙げている。

J.フロントの旗艦店・大丸心斎橋店。
隣接する旧そごうはパルコとなる予定。

同社は9月に新装開業した大丸心斎橋店などでも百貨店とファッションビルの融合に取り組んでおり、百貨店アパレル不況のなかで、多角的事業をおこなうパルコのノウハウを生かすかたちでの店舗運営がなされることが期待される。

パルコと松坂屋の共同店舗となっている上野店。

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遠東百貨店信義A13、2019年12月25日開業-信義地区「12店目」のデパート

台湾・台北市信義区に遠東百貨店(台北市)の新店舗「遠東百貨 信義A13(遠百信義A13)」が、2019年12月25日午前11時(現地時間)に開業した。

Far Eastern Department Store Xinyi A13。

世界有数のデパート密集地に「遠東」も

遠百信義A13は地上14階地下5階建、営業面積は約13,000㎡。
設計は誠品書店などの設計で知られる台北の建築家・姚仁喜氏がおこなった。
信義地区には「統一時代百貨(旧・統一阪急)」、「新光三越」4店舗、「微風南山(アトレ)」、「誠品生活」、「BELLAVITA」、「台北101」、「ATT 4 FUN」など10以上の百貨店・ファッションビルがひしめき合っており、世界でも有数のデパート密集地帯となる。

新光三越・信義新天地、遠東百貨、公主連結(プリコネ):Re。

テーマは「煥然一心」-別館には「Apple Store」

遠東信義店のキャッチフレーズは「煥然一心 Refresh Your Experience」(「煥然一新」にかけたもの)。遠東百貨店は台湾各地にあるが、徒歩圏に既存の百貨店が複数あることから、最新技術の充実に力を入れるなど「智慧型」(スマートタイプ)の百貨店を目指したという。
その象徴的存在であるのが、1階の広場部分(別棟)に出店した「Apple Store」の旗艦店だ(6月に開業済)。信義区のアップルストアは台北101店に続き2店舗目で、遠東百貨の地階にも売場が設けられる。
同店ではオリジナルロゴをあしらった限定商品も販売されている。

開業当日の朝。400人近い買物客が列を作った。

古い街並みを模したレストラン街、シネコンも

本館の建物のうち、地下4階から5階は駐車場、地下1階はオートバイ駐車場となる。
地下3階「淘點新食界」には、遠東系列の生鮮食品スーパー「city’ super」や「辻利茶舗」(暖簾分けである北九州の小倉辻利系)、「ミスタードーナツ」、「アントステラ(ステラおばさん)のクッキー」、「杉養蜂園」、「不二家」など国内外の銘菓銘店が出店するほか、フードコート「美食街」が設けられる。

city’super。


辻利茶舗。

地下2階「美潮裳頻道」には、英国発のカジュアルブランド「極度乾燥(しなさい)」やカナダ発のカジュアルブランド「Roots」、agnes b.(アニエスベー)のカジュアルライン「SPORT b.」、ARMANIのカジュアルライン「A|X ARMANI EXCHANGE」など国内外の高級カジュアルファッションブランドや、大手ドラッグストア「日薬本舗」が出店。高級チョコレートブランド「ゴディバ」もカフェ併設店舗を展開する。

GODIVA CAFE。


極度乾燥(しなさい)。

1階「極緻精品廊」には、「Dior」「クロエ」「GUCCI」などのラグジュアリーブランドや「資生堂」「SK-Ⅱ」などの化粧品ブランド、地元の人気中華・台湾料理店「鼎泰豊」、ニューヨーク発祥のスイーツ店「Lady M」が出店する。鼎泰豊は徒歩圏の新光三越、台北101にも店舗を構えているが、混雑することが多くあった。

鼎泰豊。


LADY M。

2階「輕奢名品閣」には、「Samantha Thavasa」「POLO RALPH LAUREN」など国内外のファッションブランドや宝飾品、香水ブランドが出店する。

Samantha Thavasa。

3階「優雅風尚間」には、ブロックの「レゴ®ショップ」や宝飾品ブランド、カフェが出店する。

LEGO Certified Store。


平溪線をレゴブロックで。

4階「懷舊食光埕」は、台湾の老街(日本統治時代からの古い街並み)をテーマとしたレストラン街「懐旧台湾餐庁街」となり、「度小月」「春水堂」など台湾の人気レストランや「ハーゲンダッツ」のスイーツ店などが出店する。

懐旧台湾餐庁街。天燈の装飾も。

5階は大型玩具量販店「funbox」や子供服・インナー、6階・7階はスポーツ用品など、8階は家電など。7階には「しゃぶ葉」、8階には「SONYストア」も出店する。
9階・14階はレストラン街、10階から13階は「威秀影城」のシネマコンプレックス(12月31日開業)となる。

HOOTERS。

レストラン街のうち、9階は和風居食屋「旭集 和食集錦」が出店。14階は午前2時まで営業となり、アメリカ大手レストラン「フーターズ」、火鍋チェーン「新馬辣Plus+」など7店が出店する。

競争激しい信義地区

信義区はかつて松山区の一部であったが、「信義計画区」と呼ばれる再開発計画にともない1990年に松山区から分区。1994年には台北市庁舎が移転し、その後は三越、誠品書店、バスターミナルなどが相次ぎ開業。2004年には台湾のランドマークとなる台北101が開業すると、台湾随一の商業地区へと成長を遂げた。
遠東は台湾大手の百貨店でありながら信義地区では最後発となった。それゆえ、今後はより個性的な店づくりがと求められることとなる。
世界中の資本が集まる競争激しい信義において、地元で永年親しまれる遠東がどれだけ顧客を集め、地域の人々に無くてはならない店となることができるのかが注目される。

遠東百貨 信義A13

住所(地址):台北市信義區松仁路58號
営業時間:11時~22時
4階レストラン街:24時まで
14階レストラン街:26時まで

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淡島ホテル、2019年12月20日破産手続開始-沼津の大型リゾートホテル、新会社が営業継続へ

静岡県沼津市内浦にある大型リゾートホテル「淡島ホテル」の運営会社(旧)が、2019年12月20日に沼津地裁から破産開始決定手続きを受けた。

淡島ホテル(公式サイトより)。

バブル期に計画された高級リゾートホテル

淡島ホテルはバブル期に計画されたもので、1991年に開業。地上7階塔屋1階・延床面積12,628㎡で、客室数は60、結婚式場やプールなども備える。
2016年にはアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」においてシャイニーな高級ホテル「ホテルオハラ」として登場し、各種コラボイベントなども開催されていた。

(ラブライブ!サンシャイン!!公式より)。

負債額は数百億円か

淡島ホテルは開業以来、永年に亘って長泉ガーデンなどとともに東京相和銀行(現:東京スター銀行)の会長であった長田庄一氏の一族が所有していたが、債務超過に陥り、2018年からはオーロラグループ(名古屋市)傘下「グッドリゾートグループ」の経営となり会員制ホテル(一般利用も可)「グッドリゾート淡島ホテル」として営業。2019年からは米国ウィンダムホテルのFCとなり「ウインダムグランド淡島」へ改称することを発表していた。また、グッドリゾートは12月以降、宿泊者などに対してホテル会員権の格安譲渡を謳うDMを配布していた。
地元メディアによると、破産手続きはホテル会員権を購入した債権者によって申し立てられたもの。負債額は数百億円にも及ぶという。

追記:ホテル自体は営業を継続

現在、淡島ホテルの経営権はグッドリゾートグループに移っているため、今後も営業を継続。
来年度からは予定通り「淡島ホテル」から「ウインダムグランド淡島」へと改称されるものとみられる。

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西日本シティ銀行本店、再開発で建替えへ-JR博多駅前の顔、2020年6月から解体

西日本フィナンシャルホールディングス(西日本FH)傘下の「西日本シティ銀行」(西銀、福岡市博多区)は、博多駅前の本店本館ビルを2020年6月から再開発のため解体することを2019年12月19日に発表した。

西日本シティ銀行本店(旧・福岡相互銀行、1972年)。

磯崎新氏が手掛けた博多駅前の顔、建替えへ

西日本シティ銀行本店ビルは福岡相互銀行の本店として1971年に竣工。建物は12階建。
世界的建築家の磯崎新氏が設計を手掛けたインド砂岩を使った赤い建物は永年にわたって「博多駅前の顔」として親しまれてきた。なお、福岡シティ銀行には磯崎新氏が設計した店舗が数多くあったものの、殆どが店舗統合などで姿を消している。

「博多コネクティッド」の目玉に

今回の再開発は福岡市によるJR博多駅周辺の容積率緩和にともなう大型再開発推進政策「博多コネクティッド」の一翼を担うもの。再開発事業は西日本シティ銀行と旧・福岡シティ銀行系の地場大手不動産ディベロッパー「福岡地所」が行うもので、2020年6月ごろに本館本店ビル(旧福岡相互銀行→福岡シティ銀行本店(第二地銀に転換)、築48年)の解体に着手、2025年2月ごろに新たな大型ビルとして生まれ変わる。
新ビルのイメージ。地下街と直結される。

その後、2025年5月ごろより博多駅北西にある別館ビル(旧西日本相互銀行→西日本銀行本店(地銀に転換)、築51年)、事務本部ビル(築40年)の解体に着手し、2028年9月ごろにこちらも新ビルへと生まれ変わることになる。

別館ビル周辺(右側中央の黒い建物)。

本店本館ビル跡地に建設される建物は現ビルの2倍の規模(延床面積)になる予定であり、また現ビルの意匠が一部保存される計画だというが、詳しい概要などについては12月時点では発表されていない。

3ビルの位置関係。

福岡市中心部の天神地区では容積率緩和にともなう再開発事業「天神ビッグバン」による建物の建替え事業が各地でおこなわれているが、今後は博多駅地区の「博多コネクティッド」による再開発がさらに活発化することも予想され、数年後には市内各地の見慣れた景色が一変するであろう。

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無印良品、2019年12月から「青果」取扱店を拡大-第一弾は「林檎」

無印良品」を展開する良品計画(東京都豊島区)は、ごく一部店舗のみでおこなわれていた青果の取り扱いを、全国へと拡大することを発表した。

開店当初から生鮮3品を販売している無印良品銀座。

無印良品、青果販売を拡大へ

無印良品は2017年に旧「無印良品有楽町」(再開発のため無印良品銀座に移転)において生鮮食品の取り扱いを開始。
2019年現在、無印良品銀座無印良品堺北花田(旧・阪急)、無印良品山科(旧・大丸)の3店舗で生鮮3品の取り扱いをおこなっている。

無印良品の生鮮売場。

今回、生鮮品取扱拡大の第一弾となるのは成田農園(青森県弘前市)の「不揃いりんご」(1個税込99円)で、東日本の30店舗で12月14日から販売を開始している。
良品計画はこの林檎の販売を青果販売の「第一弾」としており、今後も販売商品・販売店舗が拡大していくものと思われる。

青果販売第一弾となる店舗(成田農園の不揃いりんご)
  • 無印良品 銀座
  • MUJIcom 武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス
  • 無印良品 池袋西武
  • 無印良品 錦糸町パルコ
  • 無印良品 上野マルイ
  • 無印良品 渋谷西武
  • 無印良品 ルミネ立川
  • 無印良品 新宿
  • 無印良品 セレオ八王子
  • 丸井吉祥寺店無印良品
  • 無印良品 イーアスつくば
  • 無印良品 柏ステーションモール
  • 無印良品 越谷レイクタウン
  • 無印良品 ららぽーとTOKYOBAY
  • 無印良品 ららぽーと新三郷
  • 無印良品 イオンモール木更津
  • 無印良品 キュポ・ラ川口
  • 無印良品 本川越ペペ
  • 無印良品 静岡パルコ
  • 無印良品 横浜ジョイナス
  • 無印良品 ららぽーと沼津
  • 無印良品 ラゾーナ川崎
  • 無印良品 新百合丘オーパ
  • 無印良品 テラスモール湘南
  • 無印良品 たまプラーザテラス
  • 無印良品 小田急町田
  • 無印良品 札幌ステラプレイス
  • 無印良品 仙台ロフト
  • 無印良品 宇都宮インターパークビレッジ
  • 無印良品 シエスタハコダテ

このほか無印良品堺北花田、無印良品山科では以前から青果販売が行われているが「不揃いりんご」の販売は行われていない。

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大阪駅西側直結の超高層複合ビル、2020年着工-「大阪中央郵便局」の建物一部活用、2024年完成めざす

日本郵便、JR西日本、大阪ターミナルビル、JTBの4社は、旧大阪中央郵便局敷地を含む大阪駅西地区の再開発計画「梅田3丁目計画(仮称)」を2019年12月11日に発表した。

西梅田3丁目計画。

旧・大阪中央郵便局跡地の周辺を再開発

新ビルはJR大阪駅の西側、旧「大阪中央郵便局」の旧局舎跡地周辺を再開発して建設されるもの。建設は竹中工務店・西松建設・錢高組のJV、プロジェクトマネジメントは日本郵政不動産。
建物は地上39階、地下3階、塔屋2階で、高さは約188メートル。オフィス、商業施設、劇場などが入居する。
館内構成は以下の通り。

館内構成イメージ。

  • ホテル:29階から38階
  • オフィス:11階から27階
  • オフィスサポート:9階
  • ホテル(バンケット):7階から8階
  • 劇場:5階から8階
  • 商業:地下1階から6階
  • 駐車場:地下2階・3階
吉田鉄郎設計の旧局舎で有名だった大阪中央郵便局

再開発エリアの中心となる「大阪中央郵便局(旧局舎)」は1939年に竣工。敷地面積は約8,900㎡、鉄筋コンクリート造6階建。
設計は「東京中央郵便局」(KITTE東京)、「京都中央電話局(新風館)」、「別府市公会堂」、「別府電報電話局電話分室」などで知られる吉田鉄郎によるもので、建築的価値が高い建物として「DOCOMOMO Japanモダニズム建築100選」に指定されていた。

吉田鉄郎による旧局舎。(現在は解体済、一部保存

この大阪中央郵便局は東京中央郵便局とともにバブル期から高層ビル化が計画されており、高さ180mの超高層ビル、10階建のオフィスビル、百貨店出店計画などが持ち上がったものの、バブル崩壊後は白紙化されていた。その後、1994年に此花区安治川口駅前に国内最大規模(当時)の新大阪郵便局が開設されると、機能を縮小していた。
2007年にはJR西日本との共同一帯再開発が計画され、2012年の完成を目指して、東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドによる劇場(座席数:1,700席)を核とした高さ約180m、地上40階建、延床面積約20万㎡の高層複合施設の建設計画が発表されたが、故・鳩山邦夫総務相(当時)による歴史的建造物保存のための建替工事凍結要請や、景気低迷、オフィス需要の低迷があり、解体工事の開始が2012年4月まで延期となった経緯があった。
その後、局舎の重要文化財指定、保存を求める訴訟があり、2013年5月から3年間の暫定施設として仮庁舎とイベント広場「西梅田スクエア」が設置され、また大阪中央郵便局の旧局舎は一部再活用をめざして箱に覆われた状態で保存されることとなった。

西梅田スクエア。

大阪駅直結-下層階に大阪中央郵便局の建物を保存

西梅田3丁目計画(仮称)の延床面積は約 227,000平方メートル、事務所貸室面積は約68,000平方メートル、商業貸室面積は約16,000平方メートルと大規模なもの。ホテルは400室規模となるほか、商業施設部分には保存されていた旧大阪中央郵便局の建物の一部が再活用(ファザード保存)され、4層吹き抜けのアトリウムが設けられる。テナントなどについては2019年12月時点では未定。

アトリウム部分は旧大阪中央郵便局の局舎を活用。

JR大阪駅とは新改札口を経て高架下に設けられた貫通通路で直結。また、西梅田地区と大阪駅を結ぶガーデンアベニュー(地下通路)にも直結されるほか、2階レベルに整備する歩行者デッキにより、JR大阪駅(サウスゲートビルディング)とも直結する。
大阪駅直結という抜群のアクセスであり「新たな歩行者ネットワークと広場空間を整備することで、人々が集う新たなにぎわいの拠点を目指す」としている。

JR大阪駅と直結される。

旧大阪中央郵便局は先述の通りすでに建物上部の解体工事が終了済み。周辺エリアは2020年7月に解体工事着手、2020年9月に新築工事着手、2024年3月に竣工する計画となっている。

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江戸前場下町、2020年1月24日開業-三井不動産プロデュース、豊洲市場「千客万来施設」開業までの暫定施設

東京都江東区のゆりかもめ市場前駅前・豊洲市場千客万来施設事業用地(5街区)に、三井不動産が施設プロデュースを行う商業施設「江戸前場下町(えどまえじょうかまち)」が2020年1月24日に開業する。

江戸前場下町。

豊洲市場に三井不動産プロデュースの新施設が開業

江戸前場下町は東京都中央卸売市場による「千客万来施設事業用地(5街区)を活用した賑わい創出事業」の一環として開設するもので、建物は地上1階建、敷地面積は約3,035㎡、店舗面積は約475㎡、延床面積は約734㎡。
三井不動産が事業主として施設プロデュースを行い、リクリエーションズが施設運営業務を行う。
豊洲市場5街区(2017年撮影)。
2019年3月までイベント会場として暫定利用されていた。

江戸前場下町はコンセプト(名称由来)に「日本の食の台所「江戸前」をテーマにした、豊洲市場の場下町(城下町) のような賑わいのある食とライフスタイルの発信拠点」を掲げ、フードホール棟「豊洲場下町」、マルシェ棟「市場小路」、多目的広場「江戸前広場」の3つのゾーンを展開。
豊洲場下町には、江戸前寿司店「つきぢ神楽寿司 豊洲場外店」や海鮮焼きレストラン「市場海鮮焼き 海味「うまみ」」、錦糸町の甘味処「北斎茶房」など10店舗が出店。
市場小路には、老舗海鮮丼店「築地海鮮丼 大江戸 場下町スタイル」、老舗果物問屋のスイーツ専門店「にしかわ」、「杉本刃物 豊洲店」など11店舗が出店する。
江戸前広場エリアでは不定期にイベントが開催される予定となっている。

江戸前場下町。

開業から1年経過した豊洲市場の新たな集客核となるか

江戸前場下町は、万葉倶楽部グループによる温浴・宿泊施設を備えた複合商業施設「千客万来施設(6街区)、仮称『豊洲江戸前市場』」(2020年10月着工、2022年12月完成予定)が開業するまでの暫定事業として開業するため、2023年3月までに閉店する予定。いわば「中継ぎ」としての店舗となる。

万葉倶楽部グループの千客万来施設。(2023年開業予定)

2018年9月に先行開業した豊洲市場は、築地市場と比較し都心部から離れた位置にあり、交通アクセスが良好とは言い難いため、観光客の取込みに苦戦している。また、築地市場時代から課題となっていた水産物取扱量も依然として減少傾向にあり、当初期待されていた新市場移転効果が数字として現れていない現状がある。
江戸前場下町には、豊洲市場賑わい創出の新たな起爆剤としての役割が期待される。

江戸前場下町のテナント一覧
店舗名 業種
うどん   おにやんま豊洲店 うどん
市場海鮮焼き海味   「うまみ」 海鮮焼き
WILD   KINGDOM TOYOSU バーベキュー
ねいろ屋 ラーメン
鈴富 寿司
つきぢ神楽寿司豊洲場外店 寿司
寿司菜 寿司
炭火焼専門食処白銀屋   豊洲分店 炭火焼食堂・居酒屋
北斎茶房 甘味処
ガーデンスタンド場下町茶寮 甘味処
築地海鮮丼   大江戸場下町スタイル 海鮮丼
みやげ処豊洲 ICHIBAN おみやげ
和田久
豊洲場下町店
だし
山茂マルシェ 塩干物
杉本刃物   豊洲店 刃物
にしかわ スイーツ
佃宝 佃煮
吉岡屋 漬物
吟海 鮮魚加工品
本まぐろ直売所 鮮魚店
海の幸   福笑 飲食店
江戸前場下町

住所: 東京都江東区豊洲6丁目東京都市計画事業豊洲土地区画整理事業地区内5街区の一部
営業時間:9:00〜18:00(一部店舗〜21:00)

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