カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

ウィングキッチン金沢八景、2020年2月28日開業-京急金沢八景駅直結、サニーマート京急ストアの事実上の後継施設に

神奈川県横浜市の京急電鉄金沢八景駅に、京急ストアが運営する駅直結ショッピングセンター「ウィングキッチン金沢八景」が2020年2月28日に開業する。

ウィングキッチン金沢八景。

金沢八景駅に京急の駅直結ショッピングセンター

ウィングキッチン金沢八景の敷地面積は約936㎡、店舗面積は約1,617㎡、延床面積は約3,127㎡。ウィングキッチンとしては4施設目。

ウィングキッチン金沢八景。

ウィングキッチンはコンセプトに「地域に溶け込むコミュニティプレイス」を掲げる地域密着型商業施設で、京急百貨店が手掛ける駅直結ショッピングセンター「京急ショッピングプラザ・ウィング」の姉妹ブランドとなる。

京急ストア、7-11、すた丼屋など出店

ウィングキッチン金沢八景は食品スーパー「京急ストア」を核に、コンビニ「セブンイレブン」、フラワーショップ「八景生花店」、コンタクト「アイシティ」、カフェ「タリーズコーヒー」、和菓子屋「日本橋屋長兵衛」、日高屋系の焼鳥居酒屋「大衆食堂日高」、「伝説のすた丼屋」、イタリアンレストラン「カプリチョーザ」、京急グループの中華ダイニング「紅龍」、眼科など11店舗が出店する。

ウィングキッチン金沢八景3階内観。

京急サニーマートの事実上の後継施設に

金沢八景駅周辺では1960年代に、京急グループと日本住宅公団(現・UR都市機構)による3館体制の複合商業施設「京急サニーマート」が開業。京急グループ唯一のホームセンター「京急ハウツ」(A館)と食品スーパー「京急ストア」(B館)を核に50年以上営業していたが、施設の老朽化に伴い2019年3月をもってA館・B館を閉鎖、2019年11月現在は解体工事が行われている。(C館は2019年4月以降飲食街として営業継続中)
京急サニーマートA館・B館の解体により、京急ストアは金沢八景駅周辺から撤退、京急ハウツも能見台に「生活雑貨館ハウツ」として移転したため、近隣の大型店がイオン系の「イオン金沢八景店(旧・ダイエー金沢八景店/金沢八景プランタン)」やPPIH系の「アピタ金沢文庫店」程度になるなど、地域住民の買物選択肢が狭まっていた。

京急サニーマート(京急ストア・京急ハウツ)。

京急電鉄金沢八景駅は、2018年度に1日平均乗降客数59,039人を記録するなど利用者が増加傾向にあり、2019年3月には金沢シーサイドライン延伸による京急線駅施設との直結や駅前広場・バスターミナルの整備が行われている。
今回の金沢八景駅直結ショッピングセンターの開業により、金沢八景駅が持つ拠点性のさらなる向上が予想される。

ウィングキッチン金沢八景のテナント一覧
階数 店舗名 業種
1階 セブンイレブン コンビニエンスストア
1階 日本橋屋長兵衛 和菓子
1階 八景生花店 生花
2階 タリーズコーヒー カフェ
2階 アイシティ コンタクトレンズ
2階 眼科
3階 京急ストア スーパーマーケット
4階 大衆食堂日高 焼鳥居酒屋
4階 伝説のすた丼屋 丼物
4階 カプリチョーザ イタリアン
4階 紅龍(ホンロン) カジュアル中華ダイニング
ウィングキッチン金沢八景

住所:神奈川県横浜市金沢区瀬戸15番1号
営業時間:未定

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東急ハンズPlugs Market、2020年春開店-ハンズ新業態、草津近鉄と下関大丸に

東急ハンズの新業態「Plugs Market近鉄百貨店草津店」「Plugs Market下関大丸店」が2020年春に開店する。

近鉄百貨店草津店。

百貨店と東急ハンズがコラボ

東急ハンズPlugs Market近鉄百貨店草津店の区画面積は約1,300㎡(早春開店予定)、東急ハンズPlugs Market下関大丸店の区画面積は約2,400㎡(春開店予定)で、それぞれの百貨店が運営する。

下関大丸。

東急ハンズと地方・郊外百貨店、地方自治体などが協業して「地方再発見」「地域共創」を推進する新たな事業スキームとして、フランチャイズ方式で展開するもので、草津店は1号店、下関店は2号店となる。

Plugs Market PRODUCED BY TOKYU HANDS。

「地域共創」を掲げ、業態改革を進める近鉄と大丸

近鉄百貨店は2018年3月以降「地域共創百貨店」を掲げ、生産・加工から販売までを一括プロデュースする「地域商社事業」を開始。近鉄百貨店奈良店(ならファミリー内)では第1弾事業として、奈良ブランド専門店「大和路」を開設し、地元30蔵の清酒を始め、奈良漬、調味料、乾物、和洋菓子、嗜好品など常時100種類以上を展開。同年4月の新・中期経営計画(2018~2020年度)でも「共創型マルチディベロッパー」を掲げ、奈良・和歌山・四日市の3店舗で地域共創型の店づくりを推進するとしていた。
また、下関大丸大丸下関店)も2020年中の改装を発表しており 「観光客・地元3世代が共に楽しめる、『美・食・遊』に満ちたお店」をテーマにより地域密着型の店舗になることを目指してリニューアルがおこなわれる(このほか、ニトリなども導入される)。
今回の東急ハンズ新業態も、「地域共創」がキーワードとなっており、従来の東急ハンズ以上に地域に根差した売場の構築が想定され、また他百貨店とのさらなる提携も予想される。

Plugs Market PRODUCED BY TOKYU HANDS近鉄百貨店草津店

住所:滋賀県草津市渋川1-1-50 近鉄百貨店草津店2階
営業時間:10時~20時(予定)

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アトレ五反田2、2020年3月26日開業-五反田駅東口ビルに

東京都品川区東五反田のJR五反田駅で建設中の「五反田駅東口ビル(仮称)」に、JR東日本グループの「アトレ五反田2」「JR東日本ホテルメッツ五反田」が2020年3月26日に開業する。

アトレ五反田2。

五反田駅に新たな商業施設が開業

五反田駅東口ビル(仮称)の建物は地上10階建、敷地面積は約947㎡、延床面積は約7,236㎡。
低層階(1~3階)には「アトレ五反田2」が開業。テナントとしてファストファッション「ユニクロ」、明治屋産業の中華点心新業態「点心酒場 PAOPAO+」、プロントのカフェ・バル「IL BAR」、クリエイト・ダイニングの「CARROLL」、10分カット「QBハウス」など5店舗が出店する。
高層階(3~10階)にはJR東日本ホテルズの宿泊特化型ホテル「JR東日本ホテルメッツ五反田」(客室数166室)が開業。JR東日本ホテルメッツとしては27施設目、日本ホテルが運営を行う。
館内テーマに「Square」を掲げ、街と人がつながりを持てるような五反田の景観と一体感のあるロビー空間を創出、五反田にかつて広がっていた田んぼの風景をデザインに取り入れる。
また、アトレ五反田2のCARROLLで朝食を提供するなど、商業フロアとの連携を図る。

五反田ならではの要素を取り入れた館内デザイン。

アトレヴィ五反田との一体運営、全館「アトレ五反田」に

JR五反田駅では既に駅西側に「アトレヴィ五反田」(2008年3月開業)が営業しているが、新施設開業に合わせて既存館を「アトレ五反田1」に改称、全施設総称を「アトレ五反田」に改称し、一体感のある運営を目指す。

アトレヴィ五反田。

アトレ五反田2

住所:東京都品川区東五反田1丁目26番3号

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ドン・キホーテ潟上店、2020年2月中旬開店

秋田県潟上市のショッピングセンター「メルシティ潟上」に、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)のディスカウント「ドン・キホーテ潟上店(仮称)」が2020年2月中旬に開店する。

メルシティ潟上。(飯田川都市開発より)

潟上市内最大のショッピングセンター「メルシティ潟上」

メルシティ潟上は2012年12月に開業。店舗面積は15,577㎡。
潟上市内最大の商業施設として、イオングループの食品ディスカウント「ザ・ビッグ」を核に、ドラッグストア「マツモトキヨシ」、総合子供服・ベビー服・ベビー用品店「西松屋」、バローグループのホームセンター「ダイユーエイト」、大型家具・インテリア雑貨店「ニトリ」、スポーツ用品店「スポーツアルペン」、家電量販店「ヤマダ電機」、ジュンク堂書店と提携関係にあるトヨタカローラ青森の書店「ブックスモア」など約20店舗が出店する。

アルペンからドンペン

ドン・キホーテ潟上店(仮称)はスポーツ用品店「スポーツアルペン」跡に出店。建物は地上1階建、売場面積は1,786㎡。
ドンキは秋田県内3店舗目、潟上市内初出店となる。

ドン・キホーテ潟上店(仮称)

住所:秋田県潟上市飯田川飯塚字上堤敷69-13
営業時間:未定

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高島屋東別館・ホテルシタディーンなんば大阪、2020年1月20日開業-「高島屋史料館」も復活

大阪府大阪市浪速区日本橋の「高島屋東別館」が約3年間にわたる全面改装を終え、2020年1月20日にリニューアル開業する。

高島屋東別館。

松坂屋の関西旗艦店として開業した「高島屋東別館」

高島屋東別館の現在の建物は1928年に、名古屋地盤の百貨店「松坂屋大阪店」として開業。建物は地上7階地下2階建。松坂屋上野店や野澤屋百貨店(横浜松坂屋)を手掛けた鈴木禎次設計のもと、開業から約9年間、1937年まで3度にわたる増築工事が行われている。
松坂屋大阪店は開業以来、松坂屋の関西における旗艦店として40年近く営業を続けていたが、大阪の中心商業地が堺筋から心斎橋筋に移動、競合店と異なり鉄道駅に直結しておらず集客面で優位性を維持できず、さらなる増床も困難であったため、1966年をもって店舗を京阪天満橋駅ビルに移転、建物を施工した建設大手「竹中工務店」に売却していた。

改装工事前の高島屋東別館。

なお、松坂屋は2004年5月をもって松坂屋大阪店を閉鎖し大阪市内から完全撤退、京阪天満橋駅ビルは2005年5月に京阪グループの商業施設「京阪シティモール」に業態転換している。

高島屋の本社機能担う「東別館」3年間全面改修していた

高島屋は1968年に高島屋グループの本社及び店舗事務所機能を備える「高島屋東別館」を開設。1969年に建物を竹中工務店から取得し、1970年に「株式会社設立50周年事業」の一環として同社の歴史資料・美術品を展示する「高島屋史料館」を開館した。
高島屋東別館には長らく、高島屋グループの事務所や高島屋史料館、友の会サロンに加え、テナントとして結婚式場「チャペルグリーンベルなんば」やカフェ「三番館」が入居していたが、2016年10月以降、耐震工事を伴う改装のため施設を段階的に閉鎖していた。
その後、2019年に躯体及び外壁補修工事を完了、国指定有形文化財の指定を受け「国土の歴史的景観に寄与しているもの」と評価されている。

改装中の高島屋東別館。

改装後の高島屋東別館は地上9階地下3階建、賃貸面積は約18,000㎡(従来比約4倍)、延床面積は約41,000㎡、投資額は145億円(賃貸エリア89億円、自用エリア56億円)。
高島屋東別館リノベーション事業のテーマとして、同社の企業理念である「変わらないのに、あたらしい。」を掲げ、外観は既存素材のテラコッタや意匠を残す一方、内装は階段・エレベーター廻りに見られる大理石やアールデコ調の装飾を活かしつつ全面的に刷新、「新旧が交錯する空間」を目指す。
また、高島屋本社事務所及び一部グループ会社事務所の「高島屋グループ本社ビル」(東京都中央区日本橋)移転により生じた空間に、滞在型ホテル「シタディーン」(約17,000㎡)を誘致、合わせて高島屋史料館(約1,500㎡)や事務所機能(約2,100㎡)を刷新する。

高島屋史料館ロビー。


高島屋の本社機能は東京・日本橋に移転した。

高島屋史料館は、改装を機に高島屋東別館北側3階に移転。施設面積は約1,500㎡(展示室ほか約600 ㎡、収蔵庫約900㎡)。
史料館は開館50周年を迎えることから、コンセプトに「当社が未来に向けて成長し続けるための戦略拠点としての企業史料館」を掲げ、従来からの企画展示室に加え、ロビー(約90㎡)には所蔵品約700点を鑑賞可能な大型タッチパネル「高島屋コレクションボード」を設置、展示室(約500㎡)にはデジタルコンテンツを閲覧可能なアーカイブ展示室を併設するなど、全面リニューアルを実施する。

高島屋史料館展示室。

シタディーンでは高島屋大阪店や史料館との連携も

滞在型ホテル「シタディーン大阪なんば」は、高島屋東別館南側1階~7階に開設、客室数は313室。運営はシンガポールの不動産大手「キャピタランド」の完全子会社「アスコットジャパン」(2002年設立)によるもので、シタディーンの出店は東京新宿(2館)、京都に続いて日本4館目となる。(詳細は過去記事を参照
シタディーン大阪なんばは、コンセプトに「The Department Hotel」を掲げ、「昭和初期の百貨店建築の面影を残すアールデコ調の華麗な装飾を活かしつつ、木のぬくもりを感じるモダンなお部屋がくつろぎの時間を提供する」としている。

シタディーン大阪なんば客室。

館内にはレストラン&カフェやジム、ミーティングルーム、キッズルーム、レジデンスラウンジを併設、高島屋大阪店や高島屋史料館と連携した宿泊者専用サービスや来店促進プロモーションも提供する。

シタディーン・ジム。

高島屋東別館・シタディーン大阪なんばは、訪日外国人観光客のインバウンド需要で賑わう「黒門市場」や電気・サブカル街「日本橋でんでんタウン」に隣接しており、高島屋の関西旗艦店である「高島屋大阪店」や心斎橋筋商店街も徒歩圏内にあることから、周辺施設との相乗効果も期待される。
追記:1階には2020年中に「コミュニティフードホール大阪日本橋」が開業する予定となっている。

高島屋東別館

住所:大阪府大阪市浪速区日本橋3丁目5-25

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太平洋百貨店潮州驛站商場、2020年10月17日一期開業-台鐵潮州駅の高架下に

台湾・屏東県潮州鎮の台鐵屏東線潮州駅に、太平洋百貨店の新店舗「太平洋百貨 潮州驛站商場(太平洋百貨店 潮州駅ショッピングセンター)」が2019年10月17日に一部先行開業した。

太平洋百貨 潮州驛站商場。

潮州駅にアパレル・飲食・娯楽施設が揃う百貨店が誕生

太平洋百貨潮州驛站商場は台鐵屏東線潮州駅高架下北側に出店。営業フロアは1階で延床面積は約6,611㎡。
潮州駅は1920年に台湾総督府鉄道の駅として開業。現在の駅舎は複線化・電化にともない2015年にグランドオープンしたもの。高雄都市圏の台鐵捷運化(運行本数増加政策)により当駅の始発列車も多く設定されるようになり、同年以降に利用客が大幅増加、1日の乗降客は7,000人ほどとなっている。
同店は太平洋建設グループで「太平洋百貨屏東店」「日光廣場(Sunny Park)」を展開する豊屏興業が開発・運営を手掛けるもので、台鐵高架下への出店は2018年12月に開業した「太平洋百貨屏東驛站商場」に次ぎ2店舗目となる。
太平洋百貨屏東店。

太平洋百貨潮州驛站にはテナントとして、レディスカジュアル「Pink New Girl」、女性下着「思薇爾(SWEAR)」、「ケンタッキーフライドチキン(KFC)」、ベーカリーカフェ「多麥綠烘焙美食(Domalie)」「馬徳里(ROYAL MADRID)」、世界各地の粥料理が楽しめる「粥BAR 聯合國粥品 FRESH to go!」、コンビニエンスストア「萊爾富(Hi-Life)」、玩具量販店「TOYWORLD」、電話ボックス型個室カラオケ「K-HOUSE」、アミューズメント施設「快樂100遊樂(HAPPY100)」、「ガシャポン」など1期開業時点で20近い専門店が出店する。
(一部専門店は開店準備中)

KFC 屏東潮州店。


2019年12月現在、館内の半数近くが工事中となっている。


Happy100遊樂館潮州驛站。

大型商業施設不在の潮州、太平洋百貨の進出で便利に

潮州鎮(鎮は日本の「町」にあたる自治体)は人口約5万人の地方都市でありながら、中心市街地には、以前より大手ディスカウント「光南大批發」「小北百貨(SHOWBA)」や食品スーパー「814生鮮超市」「潮州鎮農会生鮮超市」などが営業しているほか、2019年8月には寶雅の新業態「寶家五金百貨(POYA HOME)」と台湾ファストファッション最大手「NET」の複合店舗が新規出店するなど、小都市としてはかなり規模の大きな商業集積が見られていたものの、地域内には百貨店や大型ショッピングセンターは存在しなかった。
今回開業した太平洋百貨潮州驛站商場は、従来地域に存在しなかったアパレルブランドや飲食店、アミューズメント施設が出店しており、潮州鎮地域住民の生活利便性向上に繋がるだろう。

太平洋百貨 潮州驛站商場

住所:屏東縣潮州鎮信義路111號
営業時間:
平日11:00~21:30
土日祝 10:30~21:30

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富士急百貨店沼津店、2019年12月に解体はじまる-11月18日に最後のテナント撤退で

殆どのフロアが閉鎖されていた静岡県沼津市のJR沼津駅南口にある「富士急百貨店沼津店(富士急沼津ビル)」が、2019年11月18日をもって閉鎖され、12月2日から解体工事が開始された。富士急百貨店沼津店。

沼津を代表する大型店のひとつだった「富士急百貨店」

富士急百貨店沼津店は1965年12月に「富士急名店会館」として創業。1967年10月の新館(現・エイブルコア)開業を機に百貨店に転換した。
富士急百貨店は、高島屋を幹事とする共同仕入機構「ハイランドグループ」に加盟する百貨店として、近隣の西武百貨店、丸井、長崎屋とともに沼津駅前の商業核としての役割を担っていた。また、開業当初より本館1階に「富士急バスターミナル」を併設するなど、グループの流通事業の要、沼津における重要拠点となっていた。
2002年4月には1~3階に百貨店フロアを集約、地階に提携関係にあった地場食品スーパー「キミサワ沼津富士急店(新館から移転)」、4階に地場老舗書店の漫画専門店「マルサン書店マンガフロンティア」、5階に100円ショップ「ダイソー富士急百貨店」を導入する大規模リニューアルを実施、合わせて耐震補強工事を実施するなど、百貨店業態から転換し大型専門店の誘致による生き残りを目指した。富士急百貨店沼津店本館と旧・新館(エイブルコア)。
手前は富士急窓口移転先となる商連ビル(旧・ニチイ)。

その一方、富士急百貨店の改装に前後して、2002年1月に徒歩圏にあった長崎屋沼津店が、2004年5月に丸井沼津店が閉店。
富士急百貨店でも、2010年2月に長年の食品核であったキミサワがイオンによる完全子会社化に先駆けて閉店するなどテナントの撤退が相次ぎ、賃貸契約終了に合わせて2012年4月をもって一旦全館を閉鎖。
その後、本館1階に100円ショップ「ミーツ沼津富士急店」、ファストフード店「モスバーガー富士急沼津店」が開店するなど、一部低層フロアのみで営業を再開した。

ラブライブの聖地となった富士急、54年の歴史に幕

モスバーガー富士急沼津店はアニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」とコラボした「沼津まちあるきスタンプ(桜内梨子)」を2017年に設置。駅前にして梨子ちゃんビームが浴びれる人気スポットとなったが、賃貸契約の終了に伴い2019年11月18日に閉店した。
このほか、2019年11月5日に「富士急バス沼津駅南口窓口(切符売場)」が駅側向かいにある沼津商連会館ビル(旧・ニチイ沼津店)に移転、11月10日にはミーツも閉店しており、富士急百貨店沼津店は富士急名店会館から54年の歴史に幕を下ろすこととなった。

富士急百貨店に設置されていた沼津まちあるきスタンプ。

建物は2002年4月に耐震工事を終えていたが、2012年以降は低層階の一部しか店舗が入居しておらず、2019年時点で築50年以上経過するなど老朽化が進んでいたため、解体に至ったとみられる。
解体工事は2020年12月に完了する予定。1月現在、跡地活用については未定となっている。また、スタンプの移転先も未定となっている。
なお、モスバーガー富士急沼津店は2月21日(11時~18時)・22日(9時~15時)にプラザウェルデ前の物産展に出店するなど不定期での営業をおこなうとしている。
この期間限定店のブースには店舗に設置されていたスタンプ、缶バッジ、等身大パネルが設置される予定となっている。

富士急百貨店

住所:静岡県沼津市大手町3丁目2-1

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西友・サニー那珂川中原店、2020年1月10日閉店-西友の食品スーパー九州1号店、20年の歴史に幕

福岡県那珂川市のJR博多南駅前で営業する西友の食品スーパー「サニー那珂川中原店」が、2020年1月10日をもって閉店する。

サニー那珂川中原店。

西友の九州における食品スーパー1号店だった

サニー那珂川中原店は2000年2月に「西友那珂川店」として開店。2008年7月の運営会社再編に伴い現在の店名に変更した。
建物は平屋建、店舗面積は2,380㎡。
西友那珂川店の開店当時、同社は九州においてショッピングセンター「ザ・モール」を始めとする大型店に特化した店舗展開を行っており、食品スーパー業態の店舗を出店していなかった。
西友は那珂川店の開店後、2000年9月に地域子会社「九州西友」を設立、2001年に福岡市天神に本店を構える老舗百貨店「岩田屋」傘下の「サニー」を子会社化するなど、九州での影響力を強化しており、同店は九州での食品スーパー展開への足掛かりといえる店舗であった。

那珂川の玄関口で営業するサニー、早期の跡地活用に期待

サニー那珂川中原店が出店する那珂川市(旧・筑紫郡那珂川町)は2010年9月に人口5万人を突破、2018年10月に市制施行するなど、福岡都市圏のベッドタウンとして人口が年々増加傾向にある。
同店は那珂川市の玄関口ともいえるJR博多南駅前に位置することから、代替となる新たな食品スーパーの進出や商業・住居機能を備えた複合施設への建替えなど、早期の跡地活用が期待される。

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エトモ溝の口、2019年12月13日から順次開業-東急溝の口駅構内、東急フードショーの新業態など出店

神奈川県川崎市高津区の東急田園都市線・大井町線溝の口駅構内に、東急グループの商業施設「etomo溝の口(エトモ溝の口)」が2019年12月13日から順次開業する。

etomo溝の口。

溝の口発祥のピッツェリアブランドなど9店舗が出店

etomo溝の口は東急溝の口駅構内既存商業施設の改装により開業するもので、店舗面積は約1,981㎡。etomoとしては11施設目となる。
施設コンセプトに「暮らし・楽しむ・Mizonokuchi」を掲げ、待ち合わせまでの空き時間や自分へのご褒美など、さまざまなシーンで利用可能な施設を目指す。
etomo溝の口には、従来から駅構内に出店していた食品スーパー「東急ストア」や駅売店「toks」、ベーカリーカフェ「ヴィ・ド・フランスカフェ」、立ち食いそばスタンド「梅もと」に加えて、東急フードショーの新業態「東急フードショースライス<暦-KOYOMI->」、焼肉ファストフード「焼肉ライク」、溝の口発祥ピッツェリアブランドの駅ナカ対応新業態「ピッツェリアマリオエクスプレス」、立ち食い寿司店「寿司 魚がし日本一」、プロントのビアカフェ業態「ビアテリア プロント」など9店舗が2020年2月までに順次出店する。

東急フードショーはスイーツ特化の新コンセプト業態に

今回etomo溝の口に出店する「東急フードショースライス溝の口店」の店舗面積は約26㎡。小型食品専門店業態「スライス」としては5店舗目となる。

東急フードショースライス<暦-KOYOMI->。

東急フードショースライス溝の口店は、東急百貨店が「新規事業の強化」の一環として出店するもので、スイーツのセレクトショップとして売場名称に「暦-KOYOMI-」を冠し、暦に合わせたスイーツを和洋のジャンルを超えて展開する。
同社は今後も東急沿線を中心にスライス業態の新規出店を目指すとしており、スライス業態のなかでも特に狭小な「暦」ブランドの店舗も各駅に広がるとみられる。

東急フードショースライス<暦-KOYOMI->ロゴマーク。

etomo溝の口のテナント一覧
店舗名 業種
焼肉ライク
(2019年12月13日開店)
焼肉ファストフード
ピッツェリア マリオ エクスプレス
(2020年1月12日開店予定)
ピッツェリア
寿司 魚がし日本一
(2020年2月開店予定)
立喰い寿司
東急フードショースライス<暦-KOYOMI->
(2019年12月26日開店)
和洋菓子・雑貨
ビアテリア プロント
(2019年12月24日開店)
ビアカフェ
東急ストア スーパー
toks
(2019年12月13日リニューアル)
売店
ヴィ・ド・フランス カフェ ベーカリーカフェ
梅もと そば
etomo溝の口

住所:神奈川県川崎市高津区溝口2丁目1番1号(田園都市線・大井町線溝の口駅構内) 
営業時間:店舗により異なる

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ヤマダ電機、大塚家具を子会社化-2019年12月30日付の第三者割当増資で株式の過半数を取得

家電量販店最大手「ヤマダ電機」(群馬県高崎市)は、2019年12月30日付で家具販売大手「大塚家具」(東京都江東区)株の過半数となる51.74%(議決権比率)を第三者割当増資により取得し、子会社化する資本業務提携契約を2019年12月12日に締結した。 ヤマダ電機本社。(群馬県高崎市)

ヤマダ電機、大塚家具との連携強化を推し進めていた

ヤマダ電機は2011年に住宅メーカー「エス・バイ・エル」を買収し住宅関連事業に本格参入して以降、2012年に旧日立化成系の住宅設備メーカー「ハウステック」を買収するなど関連事業の強化を推進、家電販売事業との相乗効果が期待される「スマートハウス」の拡販を目指している。
同社は2016年11月、東京都立川市に生活提案型業態「LABI LIFE SELECT」1号店を出店、2017年6月には群馬県前橋市の同社アウトレット店舗跡を業態転換する形で家具・インテリア専門店「インテリアリフォームYAMADA」を出店、同年9月には茨城県ひたちなか市の同社店舗跡に家電製品と家具・インテリアの併売、直営カフェの併設を行う新業態「家電住まいる館YAMADA」1号店を出店しており、2019年5月末時点では80店舗を展開する。
ヤマダ電機家電住まいる館。(福岡市東区)

ヤマダ電機は2019年2月に大塚家具と資本業務提携を締結して以降、3月に人的交流を開始、5月にはヤマダ電機一部店舗での大塚家具商品の取扱いを開始、7月には群馬県前橋市のインテリアリフォームYAMADAを大塚家具とのコラボ店舗に転換するなど、両社間での連携を強めていた。

IDC大塚家具新宿ショールーム。(東京都新宿区)

依然として経営不振続く大塚家具、株価はストップ高に

大塚家具は2019年2月のヤマダ電機の資本業務提携に合わせて、越境EC事業を手掛ける「ハイラインズ」と資本業務提携を締結。2019年6月には阿里巴巴集団(アリババグループ)の中国大手ネット通販「天猫国際(T-MALL)」に出店、7月にはアリババ系家具小売大手「北京居然之家云地匯新零售連鎖有限公司」(居然之家/Easyhome/イージーホーム)への高級羽毛布団の供給を開始したが、同社の売上高は依然として減少傾向にあり、株価も2019年2月の資本業務提携契約締結時の半分以下の水準に落ち込むなど、経営再建の道筋が不透明となっていた。
大塚家具の株価は2019年10月以降、1株160円前後を推移していたが、ヤマダ電機により子会社化の方針を受けストップ高となり前日比30.86%となる1株212円で取引時間終了を迎えた。

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