カテゴリー別アーカイブ: 都商研ニュース

イトーヨーカドー錦町店、2020年5月31日閉店-「リリイベの聖地」新星堂も閉店に

JR戸田駅近くにある埼玉県蕨市の大型ショッピングセンター「イトーヨーカドー錦町店」が、2020年5月31日で閉店する。

イトーヨーカドー錦町店(JRFウェブサイトより)。

ヨーカドーとしては首都圏有数の大型店、閉店に

イトーヨーカドー錦町店は2003年11月に開店。もともと当地には大日本インキ化学工業蕨工場があった。
建物は「日本リテールファンド投資法人(JRF)」が所有していたが、2020年3月までに同社の資産運用を委託する資産運用会社「三菱商事・ユービーエス・リアルティ」が不動産信託受益権を「三菱商事都市開発」に約45億円で譲渡することを発表していた。
売場面積は23,000㎡(イトーヨーカドー直営:13,684㎡)で、蕨市最大の商業施設となっているほか、アリオではない「イトーヨーカドー」店舗のなかでは有数の規模の大型店となっている。

「リリースイベントの聖地」としても知られた

イトーヨーカドー錦町店には、テナントとしてはコジマ、くまざわ書店、スーパースポーツゼビオ、Seria、ABC-MART、大戸屋、はなまるうどん、KFC、マクドナルドなど数多くの大手店舗が出店する。
1階吹き抜けのイベントスペースではCDショップ「新星堂」によるアイドルグループや演歌歌手を中心とした数多くのアーティストのリリースイベントが開催されており、イベントの聖地としても知られていた。
この新星堂も含め、各テナントはイトーヨーカドーとテナント契約していたため、基本的にヨーカドーの閉店に合わせて閉店するとみられる。

築16年半、跡地は未定

蕨市では2016年10月2日に「イトーヨーカドー・ザ・プライス蕨店」も閉店しており、錦町店の閉店に伴い市内のイトーヨーカドーは姿を消す。

蕨店も閉店済み。

錦町店の建物は築16年半と新しく、投資ファンドが保有するため今後もテナントを入れ替えて活用される可能性が高いものの、後継店舗などについては4月時点で発表されていない。
三菱商事グループはイオングループと関係が深い会社であるため、イオングループの店舗となる可能性もあろう。

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大企業除く全事業者・フリーランスに「持続化給付金」支給-2020年4月末確定、条件は「売上半減以上」

経済産業省は、新型コロナウイルスの感染拡大により大きな影響を受ける事業者に対して、事業全般に広く使える給付金を支給する「持続化給付金」の概要を2020年4月13日に発表した。

売上半減以上対象、大企業のぞく全事業者に

持続化給付金の支給対象は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、売上が前年同月比で50%以上減少している者。
資本金10億円以上の大企業を除いたあらゆる事業者、フリーランスで、会社以外の法人についても対象となる。
給付の上限額は、法人が200万円まで、個人事業者100万円まで。
申請に必要な事項の詳細等については、4月最終週を目途に確定・公表するという。

詳細については画像を参照。もしくは「中小企業 金融・給付金相談窓口まで。
相談ダイヤル:0570-783183(平日・休日9時~17時)

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近商ストア香芝店、2020年5月12日閉店-サティ跡、じゃんぼスクエア香芝の核店舗

奈良県香芝市のショッピングセンター「じゃんぼスクエア香芝」の核店舗「近商ストア香芝店」が、2020年5月12日をもって閉店する。

じゃんぼスクエア香芝。

香芝市随一の大型店「じゃんぼスクエア」

じゃんぼスクエア香芝は1989年4月に、関西地場不動産ディベロッパーの賛栄商事が開発を手掛ける「ジャンボスクエア香芝」として開業。建物は地上2階地下1階建、店舗面積は8,382㎡。
開業当初は総合スーパー「ニチイ香芝店(のちの香芝サティ)」を核とする商業施設として営業していたが、運営するマイカルの経営破綻によりサティが撤退。2001年4月をもって施設の大部分が閉鎖状態となった。

かつてニチイが出店していた。

その後、同年中に近鉄グループの食品スーパー「近商ストア」と関西地場大手家電量販店「ミドリ電化(のちのエディオン)」を新たな核に据え、施設全館のリニューアルを実施したが、2015年にはエディオンが撤退していた。

近商の後継店舗は未定

賛栄商事は1972年11月に開業した築40年超の老朽施設「じゃんぼスクエア富田林(西友富田林店跡)」を2020年秋に「じゃんぼメディカルスクエア富田林」として建替リニューアルオープンさせる計画を発表している。
同社は1984年11月に開業した築30年に満たない「じゃんぼスクエア熊取(熊取サティ跡)」を2014年初頭に解体し2015年12月に建替リニューアルした経歴がある。
一方で、香芝の建て替えなどについては4月時点で発表されておらず、今後の改装計画については未定となっている。
(写真:浅葱さん

追記:万代が2020年9月に出店

近商ストア跡には万代が「万代香芝下田店」として2020年9月に開業する。テナントの多くはそのまま営業を継続する。

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オンワードHD、2021年2月期までに約1400店舗を閉鎖-全店舗の約半数

アパレル大手「オンワードホールディングス」(本社:中央区日本橋、中核会社:オンワード樫山)は、2021年2月期中に国内外の約700店舗を閉店することを2020年4月13日に発表した。同社は2019年には約3000店舗を構えていたが、2020年2月期中にも約700店を閉店することを発表しており、併せて全体の半分近くにあたる約1400店舗が閉鎖されることとなる。

オンワードHD本社。

百貨店アパレルの雄、約半数の1400店を閉鎖

オンワードの起源となった樫山商店は樫山純三が1927年に大阪で創業。戦後は「オンワード樫山」として、おもに百貨店での高級スーツ・婦人服販売により急成長を遂げた。2007年には持ち株会社化し、商号を「オンワードホールディングス」に変更している。

閉店セール中の23区の店舗。

オンワードは「五大陸」「J.プレス」などのブランド名で知られる紳士服、「組曲」「23区」などのブランド名で知られる婦人服を中核に、「ポール・スミス」「カルバンクライン」などといった海外アパレルブランドのライセンス販売もおこなっており、大きな特徴の1つが中核ブランドの多くが「ほぼ百貨店内のみに出店する」業態だということだ。
そのため、今回の大量閉店はとくに売上の減少が続く地方百貨店にとって頭が痛い問題となろう。

今後は好調なEC事業を強化

オンワードHDは実店舗事業を縮小する一方で、2016年より開始した自社ネット通販サイト「オンワードクローゼット」などEC事業は好調であるといい、2020年2月期のEC売上高は前期比で30.6%増の約333億円となっている。
今後は、EC事業を強化することで経営を立て直したい考えであると思われるが、同社にとって「ショールーム」的存在となっていた実店舗の縮小は、EC事業にも少なからず影響を及ぼすこととなろう。

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有明ガーデン、2020年6月17日開業-ビッグサイト徒歩圏の大型開発、「イオン」「東京ガーデンシアター」などを核に

東京都江東区のゆりかもめ有明駅前に、住友不動産の複合商業施設「有明ガーデン」が2020年5月15日に開業する。
追記:6月17日開業となった。

有明ガーデン。
手前からホテル、温浴施設、商業施設、公園。

ビッグサイト徒歩圏、イオンを核に劇場・温浴施設など

有明ガーデンは住友不動産が有明駅前で行う大型開発事業。
東京ビッグサイトからも徒歩圏でありながら総開発面積は10.7ヘクタールと広大であり、国家戦略特区に指定されている。

エリア構成。

エリア内は「住友不動産ショッピングシティ有明ガーデン」を核に、劇場・ライブホール「住友不動産東京シアターガーデン」、劇場「劇団四季専用劇場」(2021年開業)、温浴施設「泉天空の湯 有明ガーデン」(開業時から当面の間は温泉ではなく上水で運営)、タワーマンション「シティタワーズ東京ベイ」、ホテル「住友不動産 ホテル ヴィラフォンテーヌ グランド 東京有明」、公園「有明ガーデンパーク」「スポーツエンターテイメント広場」、こども園(幼稚園・保育園)「武蔵野大学付属有明こども園」などで構成される。
なお、開発前はおもに平面駐車場として利用されていた。

エリア全体イメージ。


タワーマンション「シティータワー東京ベイ」。

そのうち「東京ガーデンシアター」は8000人規模の大型ライブホール・劇場。客席は110度の扇型に配置され、客席フロアを4層とすることにより、どの席からもステージが見やすい立体的な構成を実現したという。
開業直後から「Official髭男dism」「King Gnu」「LUNA SEA」「ナオトインティライミ」「田村ゆかり」「小倉唯」「TrySail」など様々な人気アーティストの公演が決まっていたが、多くは中止・延期となっている。
東京ガーデンシアター。

当館も当初は4月24日の開業予定であったが、感染症防止のために5月15日の開業に延期された。

商業ゾーン、バスターミナルも併設

商業ゾーン「ショッピングシティ有明ガーデン」の店舗面積は約4万㎡、売場は1階から5階で店舗数は203店。「豊かに味わう」「楽しく育む」「素敵に暮らす」をテーマとする。

館内構成。


ショッピングシティ。

1階から2階は食品ゾーンとなり、核テナントの食品スーパー「イオンスタイル有明」。豊洲から直送の鮮魚をウリとするほか、イオン内にはイオンのステーキ店「ガブリングステーキ」、海鮮丼専門店「魚魚彩」、「ミニストップのソフトクリーム」、ベーカリー「カンテボーレ」も出店する。

そのほか、食品ゾーンにはグロサリー「カルディコーヒーファーム」「北野エース」、カフェ「茶寮 伊藤園」「タリーズコーヒー」「鹿角巷(ジ・アレイ)」などが出店。
1階にはBRTや空港リムジンバスが発着する「有明バスターミナル」が設けられる。開業に合わせて、都営バスでは4月1日に[都05-2]東京駅丸の内南口~有明ガーデン線を新設している。

イオンスタイル。


イオンスタイルにはイートイン「ココdeデリ」を併設。

2階の一部と3階、4階はファッション・スポーツのフロアとなり、服飾、生活雑貨を取り揃えた「有明コレクション」が設けられるほか、「アーバンリサーチ」「H&M」「ムラサキスポーツ」「ニトリデコホーム」などが出店。
4階には180㎡の屋内キッズスペースも開設される。

ゲームコーナーは「SEGA」。


様々な年齢を対象としたキッズスペース。

5階は13店が出店する飲食街「有明テラスダイナー」となるほか、5階部分には屋上テラスも併設される。

有明テラスダイナー。


屋上テラス。

このほか、館内には2階の吹き抜けなど11ヶ所・総面積23,000㎡超のイベントスペースが設けられる。

2階の吹き抜け。

アネックス棟の1階から3階には、2020年秋に都内最大級となる「無印良品」の旗艦店がオープンする予定となっている。
追記:無印良品 東京有明」は12月3日に開業。店舗面積は4628.75㎡で、関東最大となる。

無印良品。

なお、当初は4月中に開業し、直後のコミケで賑わいを見せる予定であった同施設であるが、開業は6月17日へと延期された。
※現地の写真撮影は2019年12月・2020年1月。

住友不動産ショッピングシティ有明ガーデン

住所:東京都江東区有明2丁目1−8
営業時間:8時~23時(イオンなど)

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トライアル日向店、2020年4月12日閉店-アスティ日向、33年の歴史に幕【追記:8月営業再開】

宮崎県日向市の日向市駅前・上町商店街にあるスーパー「メガセンタートライアル日向店」が2020年4月12日に閉店する。
追記:2020年8月に営業を再開する。

メガセンタートライアル日向店。

大型ショッピングセンター・アスティ寿屋が前身

トライアル日向店は、大型ショッピングセンター「アスティ日向寿屋」として1987年10月に開店。店舗面積は8,380㎡。建物は6階建て、売場は1階から3階で、寿屋が所有していた。 

アスティ日向寿屋(撮影:日向市教委)。

開店前は地元・上町商店街などの出店反対運動が起き、出店推進派と商店街を二分する騒ぎとなった。そこで、寿屋は地元貢献を標榜し、1階には吹き抜けのイベントスペース「アスティプラザ」、休憩所などが、3階に文化教室とスポーツクラブ、シアター、児童図書館、多目的市民文化ホールなどが、6階にイベント広場が設置された。イベントスペースには芸能人が来店することもしばしばあったほか、地域の団体や児童作品の展覧会などの公共的催事もおこなわれていた。さらに書店、CD店、ファーストフード店、ファッション店など多くの専門店が入居。寿屋が運営する高級品店や外商も出店し、大きな賑わいを見せた。

飲食街「遊食パーク」・CD「AVクラブ」跡地。
(トライアル倉庫)

なお、将来的なペデストリアンデッキ設置などの際のためにテラスなども設置されたが、使われることはなかった。

日向市の中心商店街に立地する。

寿屋の経営破綻に伴い、2003年4月に開店した「スーパーセンタートライアル日向店」(のちにメガセンターに改装)は、トライアルが建物を購入するかたちで出店したもので、宮崎県北部唯一の大型ディスカウントストアであり、その後に日向市駅高架化に伴う街路整備がおこなわれたこともあり、中心商店街の核として広域的な集客があった。

店内にある吹き抜け。

一方で、ショッピングセンター時代と比較すると近年は店舗の老朽化が極めて著しく、旧寿屋時代に店舗が整備された商店街内(店舗近隣)の花壇や植え込みが荒れ果てており、商店街に剥落したタイルが落下したり客が投棄したゴミが散乱しているが処置がなされないなどといった意見も聞かれていた。
(取材:2010年~2012年・協力:日向市商工会議所)

店内のようす。

トライアル、6月に細島のイオン近くに出店

トライアルは日向市から一旦撤退するが、2020年6月にはイオン日向店近くの郊外エリア(細島地区)に「スーパーセンタートライアル日向日知屋店」として縮小移転オープンする予定となっている。
アスティの今後については4月時点では発表されていない。
建物はトライアルが所有していることから、入居者が現れない場合は解体されるものとみられ、日向市駅前に巨大な空き地が生まれることとなる。
追記:2020年8月に営業を再開する。

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ロイヤルHD、西洋フードから高速道路SA・PA事業を買収-2023年12月までに完全子会社化、高速道路レストラン・ショップ最大手に

大手飲食グループ「ロイヤルHD」は、英国コンパスグループの日本法人「西洋フード・コンパスグループ(旧・西洋フードシステムズ」から、「高速道路のサービスエリア・パーキングエリアにおけるレストラン・ショップ運営事業(SA・PA事業)」運営会社を2023年12月まで完全子会社化する。

創業初期から空港などで食堂・売店を手掛けるロイヤル

ロイヤルは1951年10月に空港内食堂・喫茶事業1号店を開店。1973年11月の関門自動車道めかりPA開業に合わせて高速道路内食堂・売店1号店を開店した。2020年現在は、同社持株会社化の一環として設立された「ロイヤル空港高速フードサービス」を通じて、全国の空港・高速道路SA・PA内で飲食・売店事業を展開している。

ロイヤルめかりPA店(建替えのため写真の店舗は2016年閉店)。

ロイヤルは飲食・売店事業に加えて、1990年に住友商事との合弁で「ロイヤルマリオット&エスシー(現・ロイヤルコントラクトサービス)」を設立しコントラクト事業に参入。2005年には伊勢丹の食堂運営会社を買収し合弁会社「R&Iダイニング(ロイヤル66.65%:伊勢丹33.35%)」を設立、2007年には三越グループの食堂事業を取得し合弁会社「セントレスタ(ロイヤル66.6%:三越33.4%)」を設立するなど、百貨店や病院・介護施設でコントラクト事業を展開している。

総合コントラクト企業に転身した西洋フード、一転縮小へ

西洋フード・コンパスグループは1947年9月に「荏原食品工業」として創業。1976年には経営悪化を理由に西武セゾングループ傘下の「レストラン西武」と合併、1989年10月には「西洋フードシステムズ」に社名変更していた。
同社は長らく、西武セゾン系の大手総合外食チェーンとして、ファミリーレストラン「CASA」の運営を中核事業に据えていたが、西武セゾングループ解体の影響を受け、2002年1月からは英国に本部を構える大手総合コントラクト企業「英国コンパスグループ」の傘下に入り現在の社名に変更していた。

CASA西武大津店(2020年現在は閉店)。

西洋フードは、英国コンパスグループ傘下入りに合わせて、オフィス・工場を始めとする各種事業所の食堂運営受託や宿泊施設・公的施設・保養所・研修所・高速道路SAPAの運営受託など、コントラクト事業を中心とした経営に移行。その一環として、2011年6月には森永製菓傘下の「森永フードサービス(現・エムエスエル)」を買収し、同社が主に「森永レストラン」の屋号で運営していた社員食堂や国立・県立青年の家・少年自然の家宿泊滞在者向けの食堂、大学食堂、足柄SAの売店・レストラン事業の運営を取得、2019年8月までに外食関連事業から全面撤退するなど、コントラクト中心の事業体制を確固たるものとしていた。
足柄SA。
丸井高層階を始め最盛期全国100店舗ほど展開していた
「森永レストラン」最後の店舗が2010年代まで営業していた。

しかし、2019年9月には大手外食グループ「クリエイト・レストランツHD」に「スポーツ施設およびレジャー施設におけるレストランその他の飲食提供業務および宿泊業務に係る事業(スポーツ事業及びレジャー事業)」を売却するなど、英国コンパスグループ傘下入り後初となるコントラクト事業の整理を打ち出した。

ロイヤル、高速道路SA・PA事業最大手に

西洋フードは、2020年2月1日付でグループのSAPA事業を新会社「ハイウェイロイヤル(旧・CFS)」に承継し、新会社の株式の50%をロイヤルHDに譲渡した。
ロイヤルHDは新会社の出資比率を2021年12月に66.66%、2022年12月には94.99%に高め、2023年12月に全株式(1550万100株、)を取得、155億円で完全子会社化する。
ロイヤルHDは高速道路SA・PA14施設、新会社は高速道路SA・PA12施設で運営受託業務を手掛けており、両社の経営統合によりロイヤルHDは高速道路SA・PA業界最大手となる見込み。

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セブン&アイHD、2020年6月に「ヨークマート」「食品館」「プライス」等を新会社「ヨーク」に統合

セブン&アイ・ホールディングス(本社:東京都千代田区)は、グループの首都圏食品スーパーを、新会社「ヨーク」(本社:東京都江東区)のもとで再編することを2020年4月9日に発表した。

食品館イトーヨーカドー。

セブンアイの食品スーパー統合「セブンカラーの鳩」に

新会社「ヨーク」は、セブンアイグループで食品スーパーを展開する「ヨークマート」が2020年6月1日付で商号変更を実施するもの。

ヨークマート。

新たなシンボルマークは「セブンアイカラーの鳩」となる。
同社のもとでイトーヨーカ堂が首都圏エリアで展開している「ヨークマート」に加えて「食品館イトーヨーカドー」「イトーヨーカドー・ザ・プライス」の20店舗、「フォーキャスト」が品川区中延でテスト展開している次世代型ミニスーパー「コンフォートマーケット」の運営を統合する組織再編を行う。
なお、首都圏エリアでの再編であり、南東北を地盤とするヨークベニマル(本社:福島県郡山市)は含まれない。

イトーヨーカドー・ザ・プライス西川口店。
(旧店、現在は建て替え中)

これにより、プロセスセンターやセントラルキッチンの導入など、製造・配送・販売が一体化したマーチャンダイジング(MD)を強化するとともに、これまで各社が構築してきた MDを統合することで更なるシナジーを目指し、食品シェアの拡大を目指す計画だ。

「ヨーク」再編改革。

このほか、「ヨーク」傘下ではないものの、4月30日には「ザ・ガーデン自由が丘」を展開するそごう・西武傘下の高級スーパー「シェルガーデン」についてもセブン&アイHD傘下へ移行し、シナジーの追求を狙うとしている。

ザ・ガーデン自由が丘。

株式会社ヨーク

住所:東京都江東区青海2-5-10 テレコムセンタービル西棟12階
資本金:30億円

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MEGAドン・キホーテUNY魚津店、2020年4月14日開店-富山初MEGAドンキ、アピタ跡に

富山県魚津市のアピタ魚津店跡に、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)の総合ディスカウント「MEGAドン・キホーテUNY魚津店」が2020年4月14日午前9時に開店する。

MEGAドン・キホーテUNY魚津店。

魚津市内最大のショッピングセンター

アピタ魚津店は1999年11月に、JR魚津駅前の総合スーパー「ユニー魚津店」(1998年1月閉店)の後継店舗として開業。建物は地上4階建、売場面積は16,272㎡。
開業以来、魚津市内最大の商業施設として営業していたが、2019年4月にパチンコ店「スーパーUSA魚津店」を導入する商業フロアの減床リニューアルを実施、2020年1月12日にはドンキへの業態転換に伴いユニー直営売場を閉店したため、一部の専門店のみで営業をおこなっていた。

富山初となる「MEGAドンキ」「ダブルネーム店舗」に

MEGAドン・キホーテUNY魚津店の営業フロアは1~2階、直営売場面積は7,996㎡。ドンキとしては富山県内3店舗目で、MEGAドンキ業態及びユニー・ドンキ双方のブランドを冠したダブルネーム店舗としては県内初となる。
1階ではアピタ時代と同様に生鮮食品の取扱うほか、2階ではドンキが得意とするインポートブランドや腕時計、カラーコンタクトレンズ、スポーツ用品、家電製品、文具、玩具などの取扱いを拡充するなど、広域からのニューファミリー層・若年層の集客を目指す。
また、テナントとして雑貨・鞄専門店「LAPAX WORLD」、旧・ユニー系の呉服店「さが美」、100円ショップ「ダイソー」、「ミスタードーナツ」「ケンタッキーフライドチキン(KFC)」、ゲームセンター「namco」など30近い店舗が引続き出店する。

MEGAドン・キホーテUNY魚津店

住所:富山県魚津市住吉600番地
営業時間:午前8時~翌午前0時
(4月14日~16日は午前9時~午後10時)

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MEGAドン・キホーテUNY富士吉原店、2020年4月14日開店-「最後のユニー」が前身のアピタ跡に

静岡県富士市のアピタ富士吉原店跡に、パン・パシフィック・インターナショナルHD(PPIH)の総合ディスカウント「MEGAドン・キホーテUNY富士吉原店」が2020年4月14日午前8時に開店する。

MEGAドン・キホーテUNY富士吉原店。

最後まで「ユニー」の屋号を掲げた吉原店

MEGAドン・キホーテUNY富士吉原店の前身となる総合スーパー「ユニー吉原店」は1974年6月に開店。建物は地上3階建、売場面積は9,414㎡。
ユニー吉原店は老朽化による改修が検討されていたため、2009年2月の同社店舗ブランド再編後もグループで唯一「ユニー」の屋号を掲げ営業を継続していたが、改修工事のため2010年8月17日に一時閉店した。

地域密着型モールに転換したアピタだったが

ユニーの後継店舗となる「アピタ富士吉原店」は、旧・ユニー吉原店を増築する形で2011年10月に開店。建物は地上4階建、営業フロアは1~2階、敷地面積は17,160㎡、売場面積は10,607㎡、営業面積は12,598㎡、延床面積は24,205㎡、土地・建物はユニーが自社所有する。
アピタ富士吉原店は、コンセプトに「地域から信頼され、世代を超えて人気のあるコンパクトで高品質なコミュニティストア」を掲げ、ユニー時代からの同社直営売場に加えて30を超える専門店を新たに導入した。同店は地域密着型ショッピングセンターとして施設の刷新を図ったが、ドンキへの業態転換に伴い、2020年1月12日をもって直営売場を閉店、一部専門店のみ営業を継続していた。

ドンキへの転換後も生鮮食品売場や大半の専門店は存続

MEGAドン・キホーテUNY富士吉原店の直営売場面積は7,427㎡。当初、ユニーの100%子会社として設立されたUDリテールが運営する。
ドンキとしては静岡県16店舗目で、ユニー・ドンキ双方のブランドを冠したダブルネーム店舗としては2019年8月に開店した浜松泉町店に次ぎ4店舗目となる。
富士吉原店1階ではアピタ時代と同様に生鮮食品の取扱うほか、新たに医薬品・ヘルスケア用品の取扱いを開始。2階ではカジュアル衣料・キッズ衣料に加え、ドンキが得意とするスマートフォンアクセサリー・カラーコンタクトレンズといった商品を展開する。
また、テナントとしてワールドのレディスファッション「SHOO・LA・RUE」、眼鏡店「キクチメガネ」、100円ショップ「Seria」、旧・ユニーグループの「さが美」「BOOKSえみたす(旧・夢屋書店)」、静岡発祥の弁当・おむすびチェーン「天神屋」、ラーメン・甘味処「スガキヤ」、「ミスタードーナツ」など30近い店舗が引続き営業する。

富士市内のユニー、全店舗がドンキに

富士市内ではユニーが運営していたピアゴ中里店が2019年2月をもって「MEGAドン・キホーテUNY中里店」に、ピアゴ富士中央店が8月をもって「ドン・キホーテUNY富士中央店」に業態転換しており、富士市内から「アピタ」「ピアゴ」が消滅することとなる。

MEGAドン・キホーテUNY富士吉原店

住所:静岡県富士市国久保2丁目1番10号
営業時間:午前8時~翌午前0時

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